111 火山
筆者はオタクです。温泉というのは、地球のマグマのお蔭で成り立っています。我々は火の玉あんこの薄皮饅頭の上で暮らしているようなもので、そういう意味では、日本という国自体が自然災害の宝庫みたいなものです。日本のように火山があちこちで火を噴いているような国は世界的には珍しいのです。我々は奇跡的に生きていると思わなければなりません。そして温泉がこんなにたくさんある国も他にありません。それならせめて生きているうちはを楽しもうではありませんか。 ■ 四万温泉に行ってきました 温泉オタクである筆者は、いろいろな温泉を巡っています。群馬県では伊香保、四万、草津が定番です。他にも水上、猿ヶ京、万座、老神、磯部など、たくさんの名湯があります。 4月第2週に四万温泉に行って来ました。四万温泉の泉質は源泉により多少成分量は異なりますが、ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉です。透明な、肌にやさしい湯で、飲めます。無料の浴場が3ヶ所、有料の施設が2ヶ所あります。川上から日向見、ゆずりは、新湯(アラユ)、山口、温泉口という5地区があります。ぐるっと巡ると7kmぐらいあります。四万ダムがあり、摩耶の滝や小泉の滝があります。日本の典型的な山あいの、川沿いの、谷あいにある温泉です。青春時代は毎年テニス合宿で行ってました。汗を流した後、豊富な掛け流しの温泉に浸かり、ビールを飲む、最高でした。 ■ 伊香保温泉と草津温泉
■ 火山の定義を変えた御嶽山の噴火 2014年9月27日(土)午前11時53分、長野と岐阜県境にある日本百名山の御嶽山(標高3,067m)が2007年3月以来、7年半ぶりに噴火しました。これについては83『永遠の若大将』(2014年10月4日)で触れました。その中で「筆者は秋田駒ケ岳の大噴火を経験したことがあります。これについてはいずれ触れます」と書きました。今回はそのお約束の結果です。
■ 火山の分布 火山は、プレートの境界(海溝沿い、海嶺)とプレート内にホットスポットとして分布しています。したがって、海溝にほぼ平行に火山が分布しています。この海溝側の境界の陸地付近に火山が密集しており、海嶺では、上部マントルから直接マグマが湧きだして、プレートが生成されています。一方、プレート内部を貫いて点状のマントルの湧き上がりがあり、ホットスポットと呼ばれるところがあって、ハワイがその代表です。気象庁「火山噴火の仕組み」をご覧下さい。 世界で火山の多い国はインドネシアが代表ですが、アラスカ、チリ、アメリカ、イタリア、フィリピン、アイスランドにもすごい火山があります。日本の桜島は世界の火山の中でもトップクラスです。 ■ 火山の形
■ 雲仙普賢岳の噴火
■ 秋田駒ケ岳の噴火
■ 岩手山の噴火警報
■ 蔵王山が小規模な噴火発生の可能性 2015年4月13日、仙台管区気象台は、宮城・山形県境の蔵王山に火口周辺警報(火口周辺危険)を発表しました。蔵王山では、御釜付近が震源とみられる火山性地震が増加していて、今後、小規模な噴火が発生する可能性があります。想定火口域(馬の背カルデラ)から概ね1.2kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。対象市町村:宮城県…蔵王町、七ヶ宿町、川崎町、山形県…山形市、上山市 ■ 通常経済と恐慌経済 木下栄蔵という、筆者と同年の名城大学教授が居ます。工学博士ですが、マクロ経済学などの著書が多いのです。この人の主張は、世の中の経済状況は「通常経済」と「恐慌経済」があって、今は「恐慌経済」下にあるので、これを「通常経済」に戻すためには「財政出動」が必要だということです。今の時期に「財政出動」なんておかしいんじゃないの?と思ってしまいます。むしろ巨額の債務縮小に向けての「構造改革」ではないの?と思ってしまいます。しかし現実にやっていることは、東日本大震災からの復興に向けての「財政出動」で、結果的にうまく行っているわけです。「通常経済」と「恐慌経済」は、バブルの発生と崩壊で互いを行き来する「経済の1サイクル」なのだそうです。「通常経済」下では企業は設備投資して利潤の最大化を目指し、個人は消費をして、景気は拡大して行きますが、バブルが発生し、崩壊すると、「恐慌経済」に入るのだそうです。すると企業は設備投資を止めて債務の最小化に舵を切る、内部留保を増やし、銀行に借金返済する、その結果経済が縮小し、個人も消費を抑えるのでデフレになる、そのデフレギャップを解消するには政府が代りにお金を使うしかないので、政府の「財政出動」が必要になる、というわけです。一方、「通常経済」下では民間活力があるので、「財政出動」はやるべきではない、民間活力を支援するために「金融緩和」が必要だ、ということです。「恐慌経済」下で「金融緩和」すると、設備投資が縮小し、消費も少ないので、金融機関にお金がジャブジャブ滞留し、これが株や投機に向かうと言います。木下栄蔵氏は、過去にオランダ、イギリス、アメリカがそうだったように、「健全な通常経済」と「健全なバブル経済」と「健全な恐慌経済」を経験した国が、次の経済覇権国になると主張します。 ■ 米国FRBの政策の誤り
■ 日本で入った邪魔で通常経済に戻せず 木下栄蔵氏いわく、かつての日銀は巧妙な政策を打ってきました。1990年代から「恐慌経済」に入った日本は、かなりうまく「財政政策」を打ってきたのですが、途中で何度も邪魔が入って市場が安定しませんでした。小渕政権や、福田、麻生政権は真っ当でした。邪魔とは@橋本政権での消費税3%→5%アップ(1997)A小泉構造改革(2001年〜)B民主党政権での事業仕分け(2009年〜)だと言います。アベノミクス前の野田政権下では、日本の経済は「健全な恐慌経済」でした。野田政権の最大の過ちは、「財政政策を実行して、早く日本経済を恐慌経済から通常経済に戻せなかった」ことにあると指摘しています。 木下栄蔵氏は、現在のアベノミクスによる金融緩和を否定し、日本がとるべき「経済戦略」を次のように述べています。
木下栄蔵氏は実需の伴わない株高の結果、起こり得る日本の未来を以下のようにまとめています。
木下栄蔵氏は、世界同時株安があると主張します。そして、そうならないために、日本が今すべき処方箋を次のように述べています。
■ 格差拡大から争いの社会への突入を避けよ 以上の木下栄蔵氏の主張に筆者は全面的に組するわけではありません。しかし、バブルに向かう過程の認識は納得します。バブルは約30年ごとに発生することは歴史が示しています。これは人間の一世代です。人間活動がバブルを産むのです。1980年代後半のバブルから30年というと、そう正に今、その入口と見るべきではないでしょうか。これまで散々書いてきたように、お金持ちは不動産や外貨投資などへのリスク分散を考えるべきです。大多数のお金持ちでない人は心配する必要がありません(>_<) むしろ心配すべきは、格差拡大、それへの不満をそらす政策の方向性です。韓国の朴大統領の政策がまさにそうですが、今度は対抗策としての国防強化などに発展すると大変です。「防衛力」までは良いですが、「軍事力」となると、政治での歯止めが効かなくなることは過去の歴史が証明しています。1980年代の30年前の1950年代、さらにその30年前の1920年代、どんな時代だったかを振り返りましょう。1929年の世界恐慌から戦争、その終了でハイパーインフレに突入しました。 ■朝日新聞社がまたもお詫び…社会福祉法人「ひまわりの会」の記事を訂正
■ 高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを命じた福井地裁決定文の誤り
■ 島根原発と地震 日本の地震や火山噴火予知研究の第一人者と言えば神沼克伊先生です。この方が「日本の火山を科学する」という著書の中で島根原発について書いておられます。活断層で再稼動心配という声が大きいことに対して、原発そのものの可否はともかくとして、島根原発のある地域で有史以来の千数百年間に大きな地震は3回起きたが、いずれも被害はほとんど無かった、島根原発が今後百年間稼動したとして、地震で被害を受ける確率はほぼゼロと考えられる、原発の耐震性能からしてたとえ大地震が起きたとしても安全停止できると考えられていることからすれば、断層の長さだけからいたずらに不安を煽る無責任な学者の発言には呆れてものが言えない。そのような学者に限って、富士山が噴火するとか過激なことを言ってマスコミ受けし、それが無かった後はまた別のことを言う。それなのに学会では決して過激なことは言わない。学者と言ってもいろいろな類の人間が居ることを考えるべきだ。むしろチェルノブイリのような人為的な原発事故が怖い。自然災害より人災が怖い、と言います。福島第一原発も、人災でした。千年に一度の大震災でも原発は安全停止したのに、冷却するためのポンプの制御盤が低い位置にあって冠水したことが水素爆発に繋がったからです。 (2015年4月19日) |