77 鉄道
■ 三陸鉄道の復興努力が実り、全線開通 かつての国鉄からJRになったときに、ローカル線は廃線となったり、地方自治体が住民の足として第三セクター方式で運営するようになりました。第三セクター第1号の三陸鉄道は、東日本大震災で壊滅的な被害を被りながら、震災後5日目には一部で運転再開し、瓦礫の中を走るローカル鉄道の姿は「復興の象徴」となり、NHK朝ドラ「あまちゃん」の舞台として有名になりました。多大な復旧費用に会社存亡の危機に晒されつつも、地元の熱い思いに支えられ、全国から寄せられた支援もあって、全線復旧開通しました。筆者の知人である望月正彦氏が、岩手県職員から代表取締役に就任し、頑張っています。北リアス線(久慈−宮古間71.0km)のお座敷列車「北三陸号」では、美しい太平洋を眺めながら「海鮮弁当」に舌鼓をうちましょう。海女の格好をしたアテンダントが乗車しています。南リアス線は盛−釜石間36.6kmです。なお久慈から北はJR八戸線、宮古と釜石間はJR山田線、盛から南はJR大船渡線とレールは繋がっています。ただしJR石巻線と仙石線はまだ途中寸断しています。
■ 第96回全国高校野球選手権大会…大阪桐蔭が三重に逆転勝ち、4-3で2年ぶり4度目の優勝 大阪桐蔭と三重の両校が、決勝までたどり着きました。大会前から優勝候補とされていた大阪桐蔭が実力は明らかに上ですが、この大会1回戦で両校とも敗退していたかもしれない苦しい試合からスタートしました。詳細は2回前の75をご覧下さい。三重は、エースの今井重太朗(3年)が準決勝の完封勝ちを含め4試合連続の完投です。三重の打線がまず援護し、先制しないと苦しい、でなければ大阪桐蔭の一方的な試合になってしまう可能性があると思っていました。両校とも1番打者が主将(三重:長野勇斗(3年)と大阪桐蔭:中村 誠(3年))で、共に好調、この二人がキーマン、1回の攻防が鍵と見ていました。 さて2014年8月25日13時からの決勝戦、TVにかじりつきです。1回表、先攻三重は1番長野(チョウノではなくナガノ)が痛烈にピッチャー返し、しかし大阪桐蔭エース福島孝輔(3年)が捕ってアウト、打球の方向、高さがちょっとでもずれていればセンター前ヒットだったでしょう。2番佐田泰輝(3年)はセンター前ヒットで1死1塁。3番宇都宮東真(3年)は強いショートゴロ二封で2死1塁となり、4番西岡武蔵(3年)はサードライナー、打者4人とも痛烈な当たりで、福島投手の前途には暗雲が立ち込めた感じです。ただし強い当りが正面を突いてアウトになるということは、福島投手にツキがあるということです。1回裏大阪桐蔭の攻撃は、1番中村が痛烈に引張ったのですがレフトライナー。2番強打の峯本 匠(3年)はセカンド内野安打で1死1塁。3番香月一也(3年)の打席でランエンドヒット、セカンドゴロでしたが2塁は無理、2死2塁、4番正隨優弥(3年)はサードゴロでチェンジ。 2回表、三重は先頭打者5番稲葉隆也(3年)が2塁打で出塁すると、1死1、2塁から8番中林健吾(3年)の2点適時2塁打で先制しました。三重が先制して、これは面白いゾと思いました。2回裏、大阪桐蔭は6番横井佑弥(3年)がレフト前安打で出塁し、7番森 晋之介(3年)が空振り三振しましたが、この球をパスボールで2進(記録は暴投だそうですが、見る限りものすごく鋭く落ちる球を空振りし、捕手がこぼしたもので、そもそも空振り三振で暴投なんてアリ?)、2死2塁から8番福田光輝(2年)が右翼への適時打で1点を返しました。取られた後にすぐ1点でも返すことが流れを渡さないコツです、さすがは大阪桐蔭だと思いました。 3回裏、2-1で三重リードで、大阪桐蔭1番中村が2塁打、更に暴投で無死3塁のチャンス、続く2番の峯本は三振に打ち取られますが、3番香月が大きな犠牲フライで中村が生還し2-2の同点になりました。 5回表、三重は1番主将の長野がセンター前にヒットし、2番佐田が送りバント、これを福島投手が2塁悪送球で無死1、3塁の場面で3番宇都宮のセンター前適時打で、3-2と1点を勝ち越しました。低めのボールを食らいつきました。 7回表、三重は1番主将の長野がまたもセンター前にヒットし、2盗後、2番佐田が今度はランナーを進めるセカンドゴロで1死3塁のチャンス、ランナーが長野、打席はまたも3番宇都宮、打者も走者も良い、1ボール後の2球目、スクイズ!しかし福島投手は右腕、長野が走ったのが見えて、咄嗟に外角に大きく外しました。こういうケースは暴投となって失点するケースが多いのですが、大阪桐蔭は常に無死ランナーなしから、2死満塁まであらゆるケースでノックを受けて練習しています。三重は準決勝でこのカウントからスクイズを仕掛けています。「どこかで来る」、バッテリーは用心していました。だから福島が外した時捕手の横井はすぐ反応できました。三走・長野は挟まれて憤死。追加点を挙げることが出来ません。その裏、大阪桐蔭は先頭5番青柳昴樹(2年)が四球、6番横井が送りバント、7番森が死球、8番福田の中前安打で1死満塁、9番福島は第一打席空振り三振、第二打席右飛で全然今井投手の球を打てそうもなかったので、西谷監督は代打で勝負をかけるのでは?と思いました。後には田中投手(2年)も居ます。しかし監督は動きません。案の定福島は空振り三振、打順は1番に還ります。準決勝で1回表敦賀気比にいきなり5点先取された後の先頭打者本塁打を放ってナインを勇気付けた1番主将の中村が思い切り振った打球は詰まって中前へ、前進守備していた守備の上手い三重の主将長野が突っ込んで来ましたが、あとチョット足りず、ポトリと落ちました。中堅への2点適時打で4対3と逆転、この主将同士の明暗が試合を決しました。しかしあくまで福島を信頼して試合を任せた西谷監督の決断はスゴイと思いました。2アウトになっていい、中村が居る、この試合は福島と心中だ、そういう監督の気持ちが中村の打球に乗り移ったのです。詰まったことが幸いしました。 4−3の大阪桐蔭1点リードのまま迎えた9回表、三重は9番今井 重太朗(3年)がセンターへ、1番長野がレフトへ安打で出塁し、1死1、2塁の一打逆転のチャンスを作りましたが、代打鈴木颯馬(2年)は三振、当たっている3番宇都宮はショートゴロ、2年生ショート福田が捕って1塁送球した球は1バウンド、しかも本塁寄りにそれる、宇都宮は1塁へヘッドスライディング、ファースト正隨が思い切り伸びてキャッチ、しかも執念でベースから足を離しませんでした。ランナーもファーストも、勝利への執念が見えた素晴らしいプレーでした。三重はあと1本が出ず大阪桐蔭が2年ぶりに優勝を決めました。 大阪桐蔭は福島が良く投げました。三重の今井は福島以上に良く投げました。スライダーとツーシームを駆使して、中盤はこのまま大阪桐蔭は打てないのでは?と思わせるほどのピッチングでした。2年連続12回目出場の三重は初の決勝で、三重勢としては37回大会(1955年)の四日市以来、59年ぶり2度目の決勝進出でした。大阪桐蔭主将の中村は、「生意気なようですが、自分達はどこにも負けないだけ練習して来ました」と言いました。西谷浩一監督(44)は春夏併せて4回目の優勝、これだけ強いチームを作るとは名監督です。「受身のチームは勝てない」という信条で、選手の自主性に任せる指導が身を結びましたが、大阪桐蔭の選手たちは挨拶も素晴らしく、猛練習を進んでやるということは、選手の心をつかむ指導が素晴らしいということです。 第96回大会は、地方大会から本大会まで、劇的な終わり方が多く、見所の多い大会でした。例年通り義兄は岩手の盛岡からはるばる西宮の甲子園球場に出かけて、毎日銀傘の下で球児たちの夏を見守りました。金がかかるでしょうがたいしたものです。 ■ アジア野球選手権の高校日本代表、18選手を選出 18歳以下の第10回アジア野球選手権(9月1日開幕、タイ・バンコク)に参加する高校日本代表チームの18選手が日本高校野球連盟から発表されました。優勝した大阪桐蔭の峯本、香月ら夏の全国選手権に出場した12選手のほか、今年の春夏の甲子園出場選手に、選考委員会で推薦された選手を加えた全員3年生です。選抜組からは報徳学園(兵庫)の岸田、履正社(大阪)の吉田、横浜(神奈川)の浅間、今年の甲子園に出ていないのは、昨春の優勝投手、浦和学院(埼玉)の小島、昨夏の優勝投手、前橋育英(群馬)の高橋、全国屈指の捕手・春江工(福井)の栗原の3選手。昨年の第26回U18ワールドカップでベストナインに選出された済美(愛媛)の安楽は、いじめ問題があり、チームの主将なので落選。大会は8ヶ国・地域が参加し、9月6日まで開催されます→朝日新聞デジタルの記事 ■ 紫、青、白の朝顔が咲き乱れる
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