■ 反貧困ネットワーク事務局長…湯浅誠さん
 日本の貧困の権威と言えばこの方です。2008年(平成20年)末に東京・日比谷公園で行われたイベント、『年越し派遣村』の”村長”として有名になりました。東京大学法学部卒業で優秀な方、湯浅誠さん・・・日本の社会活動家、反貧困ネットワーク事務局長です。民主党が政権を得た後の2009年(平成21年)には内閣府参与に就任してマスメディアに取り上げられ、広く知られるようになりました。東京大学大学院在学中の2000年(平成12年)、炊き出しの米を集める「フードバンク」を設立。2002年(平成14年)には、ホームレスを支援する「自立生活サポートセンター・もやい」を設立しました。この間社会活動と大学院での研究を並行して行っていたそうですが、単位取得退学より社会活動に専念するようになったものの、「もやい」事務局長職は無給であり、大学院を辞めてからは毎月数万円で生活していたそうですが、2007年(平成19年)、「反貧困ネットワーク」結成を呼びかけ、時の特命担当大臣・竹中平蔵の発言「日本に絶対的な意味での貧困は存在しない」に反論する論文を雑誌「賃金と社会保障」に掲載したことがきっかけで編集者に声をかけられ、同年7月山吹書店から『貧困襲来』を出版しました。これで講演会などの収入が入り出し、多少は持ち直したそうです。 2008年12月、著書『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』により平和・協同ジャーナリスト基金賞大賞、大佛次郎論壇賞受賞。この年の大晦日には、社会問題化したいわゆる「派遣切り」への緊急対策として、他のNPOと協力の上で日比谷公園に「年越し派遣村」を開設、“村長”として運営を取り仕切ったわけです。

■ 湯浅誠さん法政大学教授に
 湯浅誠さんは2009年秋に内閣府参与に就任、2012年3月に辞任しました。自身の活動経験から、「元首相小泉純一郎による『聖域なき構造改革』以降の日本社会で顕在化した貧困において、個々の人間が貧困状況に追い込まれるプロセスには5つの排除構造が存在する」と主張しています…wikipedia『湯浅誠』参照。湯浅誠さんは今年度から法政大学教授になりました。
 湯浅さんは「負け組」が自己責任を感じて、自己破産や一家離散、自殺、無理心中などに至るのが日本社会の病理であり、より早い段階で各種の支援事業にアクセスすれば防げると主張しています。この支援をするのがまさに地域に立脚したコミュニティ・ソーシャル・ワーカーなのです。地域の困り事を地域住民の力で発見・解決していくためのコーディネーター的役割を果たしています。
 NHK「ドラマ10」サイレント・プアのモデルになっているのは、大阪・豊中市社協の勝部麗子さんです。深田恭子さんは勝部麗子さんに話を聞いて役作りに励んだそうです。湯浅さんは勝部麗子さんと一緒に日本の貧困に立ち向かっています。コチラをご覧下さい。

■ 世界卓球選手権2014
 男子は4大会連続のメダル獲得ですが、今回も銅メダルでした。準決勝は1-3でドイツに敗れました。ボルにやられましたね。女子準決勝は香港との対戦、石垣優香がストレート負けしましたが、石川佳純がフルセットの末勝って、平野早矢香がフルセットの、しかもジュースの末勝って、今大会日本の精神的リーダーの面目躍如、さらにエース石川佳純がこれまたフルセットの末勝って、3-1で決勝進出、中国との決勝戦は、石垣優香が1セット取っただけで、石川佳純も平野早矢香もストレート負け、やはり中国の壁は厚かった、という結果でした。
 結局男女とも中国が優勝しました。中国が強いのは、実は当然なのです。日本の10倍の人口ですから、優秀な人も、日本の10倍居るのです。

■ リストラで貧困化
 中国がグングン伸びて日本が凋落するのが今の経済です。ナント!購買力平価(PPP:Purchasing Power Parity)ベースで換算したGDPで中国は今年米国を抜いて世界一になるそうです。日本の10倍の人口の中国にこれだけ対抗している日本卓球は健闘しているのです。いま日本の大学の評価が下がってきています。これは当然なのです。少子化によって優秀な人も減っているのです。大学の数は比例して減っていませんから、大学の学生の偏差値というより優秀さの絶対値は下がる一方です。だから他国に比べれば日本の大学の評価が下がるのです。日本企業ではリストラの嵐が吹き荒れました。しかし、リストラすれば、今まで優秀だった人がそうで無くなるのです。どうしても分布によって中心軸が移動してそうなるのです。リストラされた人だけでなく、残った中で優秀だった人をも負け組に変えて行ってしまうのがリストラなのです。リストラは経営者の責任放棄だと思うのですが、小泉純一郎や竹中平蔵が持ち込んだ米国的改革はそうしたリストラ経営者を褒め称えるものでした。株主に眼が行って従業員が二の次になりました。そこから日本の貧困化が加速されました。電車に飛び込む人が増え、若者の自殺が急増したのです。

■ 被曝を被ばくに訂正
 放射線の専門家の先輩からメールが来ました。前回のEssayを見て「"放射線被ばく"に関しては「被曝」は使用しません。この被曝は太陽光に晒す・・・というような概念であり、昨今は使用しません。もしも簡単に修正が可能なようでしたら、「被ばく」を用いることをお勧め致します」というものでした。被爆は「原水爆の爆撃を受けること」、被曝は「放射線にさらされること」、被ばくは「被曝」の「曝」が当用漢字でないための表現で、被曝と同義です。曝露(ばくろ)という言葉も専門的な言葉ですが、当用漢字で無いので「ばく露」と書くのが一般的です。「暴露」というのは読みは同じですが意味が違います。秘密をばくろするというときに使います。曝露は、一般的に自然界に置かれて太陽光、風雨にさらされることを意味します。「曝」とは、「さらされる」という意味で、英語では"exposure"です。自然界には放射線もありますし、宇宙線も降り注いでいます。「曝露」と言った場合は、最も影響力の強いのは太陽光であり、次いで雨、沿岸部では塩分を含んだ潮風などです。被曝の英語表記は"radiation exposure"です。したがって「太陽光に晒す」という意味ではなく、「放射線にさらされること」です。しかしまあ、当用漢字でないので「被ばく」に変更しました。
(2014年5月10日)