■ すき家は値下げして大丈夫か?
 「すき家」店舗が次々と『人手不足閉店』〜新メニュー「鍋定食」に従業員が憤慨?〜ネットに「やってられん!」の声・・・というニュースが流れました。「すき家」すなわちゼンショーはデフレ不況に乗じて発展してきました。従業員の待遇では「ブラック企業」と言われてきました。しかし景気が上向きになり、例えば建設・土木業界では人手不足で、日給を上げて募集していますが、それでも十分には集まらないという様変わりの状況になっています。こういう時期には企業間取引でも下請けは強気になります。これと同様、ゼンショーより待遇の良いところに行こう、と従業員が考えるのは避けられません。それなのに相変わらずのデフレ戦略をとって大丈夫か?はたして長期戦に耐えることができるかという疑問を感じてしまいます。それでなくとも円安の影響でコストもアップしているのではないでしょうか。かつての消費税アップ時にスーパーが値引きで顧客の争奪戦をやりましたが、消耗戦に陥っていい結果にならなかったのでその辺りが懸念されます。ちなみに筆者は「すき家」には行きません。その理由は・・・書かないことにします。

■ 松屋も冴えない
 「松屋」も冴えません。「鍋」戦争に遅れ、実験的に展開したものの本格導入は頓挫してしまいました。既存店の客数を減らしてしまった「すき家」や「松屋」が消費税増税に弱気で対応するのは頷けます。価格の値下げという逆張りで、客数の回復を一挙に狙ったのが「すき家」で、「松屋」はおそるおそる増税分を乗せたという感じでしょうか。「すき家」は回転寿司かっぱ寿司の二の舞になるのでは?マクドナルドも新たな戦略に出ていますし、ラーメンでは税込価格だった日高屋や福しんが価格据え置いて実質値下げ、ただし看板商品だけそうして、メニューを順次更新して行く戦略です。幸楽苑はもともと税抜き価格表示なので、そのまま消費税転嫁です。

■ やっぱり吉野家か
 吉野家は、便乗値上げというのではなく、肉の熟成にこだわり、タレの白ワインの配合比率を引き上げ、さらに玉ねぎも増量して、味で客をひきつける戦略に出たようです。しかし、食事した客には4月末期限の50円引きのクーポンを配っているので、300円に値上げしたのに250円で食べられるとなれば、お得感があるので、値上げしたのに客が減らない、リピート来店を促すという巧妙な戦略です。状況を見てクーポン券の配布を止めることも可能ですから、「吉野家」の戦略は巧みです。
 結果は今後に待ちますが、昨年の「鍋」メニュー競争で見えてきたのは店舗オペレーションでは「吉野家」が半歩先を歩み始めてきていることです。価格より材料、美味しさを追求しようという姿勢です。消費者マインドの微妙な変化を感じ取っているようです。今後の新しいメニュー展開にも期待が持てます。

■ 最後に
 財政破綻するな!乗り越えろ!頑張れ!国民を味方にするために、今すぐにでも改革だ!中央官僚を田舎へ向かわせよう!
(2014年4月5日)