48  STAP細胞リケジョ

 ダイヤモンド・ビッグアンドリード社が発表した「就職先人気企業ランキング」によりますと、文系男子は商社と金融機関、女子はそれに航空会社が加わっています。理系男子は日立、東芝というインフラ企業と商社、JR、女子は食品、化粧品、JRです。学生に人気のある企業は、その時代がどうであるかを示すもの、興味ある結果です。共通するのは、JRはともかくとしてグローバル企業であることです。
 ところが平均年収が1000万円を超える“勝ち組”先輩の選ぶ人気企業ランキングは、大手商社や金融機関などだけに人気が集中しがちな学生の人気ランキングとは、大きく異なっているそうです→ハイクラス人材の転職サイト「ビズリーチ」の調査。学生が選ぶ企業以上に「グローバル」企業が入っています。ここから見えてくるのは、もはや儲けようと思えば、日本国内にこだわってはダメということです。

以下の部分は、不正が行われた疑惑が報道されています
54『技術流出』(2014年3月16日)「STAP論文で崖っぷち」参照

■オレンジジュースでSTAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)
 「生物学の教科書を書き換える成果!」と、国内外の研究者が驚き、世界中で話題沸騰の研究発表、それが「オレンジジュースでもできますよ」と言われると、え〜〜〜〜〜っということになりますよね。神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターが発表した新万能細胞「STAP細胞」の作製成功のニュースで大騒ぎになっています。刺激惹起という表現そのものがスゴイ。<じゃっき>なんて久し振りに聞きましたね。ところが、これが騒ぎになったのは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を超える可能性を秘めた研究成果だから、というだけでなく、あまりにも簡単な方法ということと、何よりも研究を主導した30歳女性の可愛らしさでした。
 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の細胞リプログラミング研究ユニット/研究ユニットリーダー、小保方(オボカタ) 晴子博士です。マスコミは大フィーバー、首相や文部科学大臣までもが絶賛して、国をあげての大騒ぎになり、当人はついにこんなお願いを出しました。

小保方晴子さん
(理化学研究所HP)

■かっぽう着姿のリケジョ
 普通女性科学者というと、理知的で、いかにも頭の良さそうなインテリを思い浮かべます。今回の研究の中心となった同センター研究ユニットリーダーの小保方晴子さんは、確かにそういう人ではありますが、発表を聞いて、周到な準備を感じました。2009年に、英国の科学誌Natureに論文掲載を断られ、ひどく落ち込んだとき、励ましてくれた祖母の「とにかく一日一日、頑張りなさい」という言葉を胸に、祖母からもらったかっぽう着に袖を通して、毎日、実験に取り組んだというエピソード。審査した研究者から「細胞生物学の歴史を愚弄している」という趣旨のメールが届いて、ひどく落ち込んで泣いたこと。研究室の壁をピンクや黄色にして、花柄のソファを置き、実験器具などには、「ムーミン」のキャラクターのシールを貼り付けている「ファッション好き」のフツウの女性というシチュエイション。記者会見ではさりげなく英国の有名ブランドの金色の指輪をつけていました。イヤ〜、ヤルなぁ〜このヒト、という感想でした。

■ 若手をベテランがバックアップする構図
 こんな美しい女性科学者なら目尻を下げて応援したくなろうというもの。というわけで、米ハーバード大の幹細胞研究の権威、チャールズ・バカンティ教授の研究室に留学して、帰国が迫ったころ、小保方さんは「骨髄細胞を使った幹細胞の最新研究」について発表することになり、1週間ほとんど寝ず、関連する論文約200本を読んで、発表に挑んだという「努力と根性」物語。発表内容を聞いて、バカンティ教授は「研究室を開いて以来のベストプレゼンテーション」と大絶賛し、小保方さんが米国に残って研究を続けられるよう資金面などでの援助を決めたという話。世界初のクローンマウスを作った若山照彦・現山梨大教授の支援、幹細胞研究の第一人者である笹井芳樹・理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長のバックアップ、女性研究者の活躍が難しいとされる日本でも、ベテランがサポートして成功したという事例・・・異例のこと尽くめですが、ここに日本の今後の研究のあるべき姿を見事にストーリーとして描き出したという意味で、拍手です!( ̄∇ ̄ノノ"パチパチパチ!!
ところで、「小保方さん、中2から命に関心 読書感想文」という記事が毎日新聞に載っていました。
中学2年生の小保方さんの読書感想文を掲載した毎日新聞の千葉県版紙面=1997年12月21日付

以上の部分まで、不正が行われた疑惑が報道されています
日本を代表する研究機関の理化学研究所や早稲田大学は真っ青ですね

■ FOMC決定受け円高/株安、日経平均は1万5000円まで急降下
 2014年1月29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)で月間100億ドルの資産購入削減が決定され、リスクオフ心理の広がりを背景に米株安やドル安/円高が進んだことを受け、円高/株安の展開となりました。日経平均は下げて、ドル/円は102円ぐらいまで円高が進みました。
 いつもながらの乱高下ですが、こういう変化が無いと投資家はもうからないので、米国主導で市場が動いているわけです。今回の材料は、FOMCの金融引き締めですが、これは予告されていましたから、こんなに市場が動揺する必要は無いのですが、投資家は上げても下げても変化があればもうかる仕組みになっていますから、大げさにビックリした振りして市場を振り回しているのです。

■ バーナンキ・プット終えて有終の美
 2008年9月のリーマン・ショックへの対応策として、バーナンキ第14代米国連邦準備理事会(FRB)議長は、量的緩和政策による3兆ドル強のマネーを市場に供給し、結果としてFRBのバランスシートは4兆ドルに膨らみました。この「バーナンキ・プット」により、ニューヨーク株式・債券市場だけでなく、BRICS等の新興国の資産市場も上昇トレンドを謳歌してきました。取り残されたのは日本だけでした。
 バーナンキさんは、2014年1月末の退任に向けて、昨年5月にテーパリング(量的緩和縮小)の開始、すなわち、バーナンキ・プットの満期を予告しました。ロードマップに沿って、2013年12月に100億ドル(850億ドル⇒750億ドル)、2014年1月にも100億ドル(750億ドル⇒650億ドル)のテーパリングが実施され、年内にゼロにする予定です。これによってバーナンキさんは有終の美を飾れるわけです。

■ 新興国通貨は下落して、円は高騰
 ドルが新興国から米国に引き揚げられるわけですから、新興国の通貨はドルに対して下落します。この対策で、トルコ中銀が緊急金融政策決定会合を開き、主要政策金利を大幅に引き上げ、功を奏したかに見えましたが、同国の通貨リラは結局下落。南アフリカもトルコと同様に利上げしましたが、その効果はすぐに剥落しました。過去3度デフォルトしているアルゼンチンも同様です。インドも予想に反して利上げを実施しましたが、インドルピーは下落しました。ソチオリンピックが開催されるロシアもルーブルが下落しています。すると安全資産の円が買われ、円高になるわけです。円高になると日経平均株価が下がる、という連動になります。しかしながら、先述の如く、わかっているのですから、本来はこんなにブレル必要はありません。こういうゲームを見ていると、中国共産党のブレナイ指導力がうらやましくなりますね。
 新興国通貨不安が沈静化してくれば、再び市場の目線は米国の量的緩和縮小ペースに戻っていくでしょう。つまり、日米の金融政策スタンスの「米国:量的緩和縮小(=引き締め睨み)、日本:追加緩和が視野(=緩和睨み)」という差異に着目し、再び円売り優勢に戻るはずです。

■ 中国不動産バブルいよいよ崩壊?
 その中国の話です。「影の銀行(シャドーバンキング)」に対する中国当局の取締り強化を受け、これまで影の銀行からの融資に依存していた一部のデベロッパーがキャッシュフロー悪化に陥る可能性が高まっているそうです。中でも地方都市のデベロッパーが要注意とのこと。地方都市における無計画な住宅開発を受けて需給バランスが崩れており、不動産関連の一部利回りの高い金融商品がすでにデフォルトのリスクに直面していると報道されています。
 さらに、稼ぎ頭となる北京や上海など主要都市における不動産引き締めの強化を受け、これら都市では今年に入ってから成約件数の低迷が続いています。専門家は、不動産バブルの崩壊は連鎖的に起きるという特徴があるため、今後は注意深く観て行く必要があると言っていますが、中国と言う大市場で金融ショックが起きたら、日本にどういう波及があるか?心配ですが、中国は独裁的な政治体制の国ですから、日本や米国で起きたようなバブル崩壊、リ−マンショックみたいなことは起きない(起こさせない)でしょう。

■ 「明日ママがいない」騒動
 今、このドラマの放送が大騒ぎになっているので、2014年1月29日(水)22時からの日本テレビの第3回放送を見ました。
 児童養護施設に暮らす子どもたちの姿を描いた作品ですが、その表現が差別を助長したり、施設で暮らす子どもたちを傷つけるとして、「赤ちゃんポスト」を設置する慈恵病院(熊本市)が日本テレビに放送中止を求め、放送倫理・番組向上機構の放送人権委員会にも審議を求める申立書を送付しました。その後、全国児童養護施設協議会と全国里親会も放送内容の改善を求め、同局に抗議文を送付しました。2014年1月29日放送の第3話ではすべてのスポンサーが提供を降りることになってしまいました。提供企業に寄せられた声から「コリャまずい」と判断して降りたそうです。東日本大震災直後のAC公共広告機構のCMを久々に見ました。

■ 最後まで見ればわかる?
 これに対し日本テレビの大久保社長は「抗議は重く受け止めるが、それは必ずしもストーリーを変えることとイコールではない。最後まで見ていただければきちんと理解してもらえると思うし、私もそう現場に指示している」と述べ、全9話を予定通り放送する方針とのことです。ドラマの制作責任者は「子どもたちが困難に立ち向かいながら自分たちの力で幸せや愛情をつかんでいく姿を描いていきたい。3、4、5話と見ていただければ支持者が増えていくのではないかと期待している」そうです。

■ 現実的でない内容
 教育現場では、モンスターペアレントのような存在もあり、先生にイチャモンつけるようなヤカラもいますが、今回は児童養護に関する様々な角度の団体から総スカンを食い、それでも止めないというのはどういうワケかと興味を持ちました。
 そこで第3話を見た感想を述べましょう。一言で言えば「現実的でない」ということです。子供たちのあだ名も、行動も、おかしい。親が居なくて施設に暮らすからと言って、こんな子供たちはほとんど居ないでしょう。製作者がゆくゆく持って行こうとする制作意図は想像できますが、「このドラマはフィクションであり」と言って良いものと悪いものがあります。舌打ちが癖の怖い施設長もアリエナイ。里親候補の家族もオカシイ。星座で里子を選ぶなんてヘン。家政婦の三田村は、どう考えても「家政婦のミタ」をもじっています。

■ 日テレの心意気はあるのか?
 この番組のキャッチは「捨てられたんじゃない、わたしたちが捨てたんだ」というものです。制作者は、施設の子とその親の関係について、何を言いたいのか?うすうす想像はできますが、こうした社会問題をテーマにした以上、日本テレビは胸を張って社会に自分たちの主張を訴えるだけの心意気が無ければ、ドラマを放送する意義がありません。ヒットだけを狙っているのではありませんか?例えば「おしん」は何故ヒットしたか、「半沢直樹」は何故ヒットしたか、視聴者のハートをつかんだからです。「アリエナイ」と思っても、心の中に現実性があるから引き込まれるのです。「明日ママ」にはそれがありません。面白くしようとして、非現実的なものをボンボン出して、関係者を傷付けているだけではないか?という検討が局内でなぜ行われないのでしょう?第3話の視聴率は15%と最高になりました。筆者のように、そんなに揉めるのはナゼ?と思って見た人が多いのでしょう。芦田愛菜や鈴木梨央、三浦翔平、木村文乃など、良い役者を使っているのにモッタイナイ。第3話を見る限り「明日視聴者もスポンサーもいない」という結果になるのでは?ワタシはもう見ないことにしました。

■ 国連安全保障理事会の第1次世界大戦勃発100年公開討論
 中国と韓国、北朝鮮の国連大使は2014年1月29日、第1次世界大戦勃発100年に合わせて開かれた国連安全保障理事会の公開討論で、安倍晋三首相による靖国神社参拝を批判し、周辺国を侵略したことを否定するような歴史認識を正すよう日本政府に要求しました。
 中韓は2013年12月の安倍首相の靖国参拝後、国連会合をはじめ、各地で日本非難のキャンペーンを強化していますが、国連の事実上の最高意思決定機関である安保理の会合で批判を行ったのはこれが初めてとのことです。
 中国の劉結一国連大使は、安倍首相を呼び捨てにした上で、参拝を「反ファシズム戦争の勝利と、(第2次大戦の)戦後の国際秩序に対する挑戦だ」と非難、「日本の指導者は隣国を含む国際社会の信頼を勝ち取るため、侵略の歴史を認め、誤りを行動によって正すべきだ」と強調したそうです。
 韓国の呉俊大使は北東アジアの緊張がかつてなく高まっているとし、「日本指導部が帝国主義時代に何が起きたかについて、ゆがんだ認識を持っていることが主な原因だ」と批判。政治指導者の靖国参拝や、「侵略の定義は確立していない」との安倍首相の発言などを非難、慰安婦問題については、「日本政府はいまだに責任を取っていない」と述べました。
 一方、北朝鮮のリ・ドンイル次席大使は、靖国参拝を「時代錯誤の犯罪」と表現。「安倍は靖国ではなくドイツを訪問すべきだ。過去の罪を清算する優れた方法を学ぶことができる」と言いました。

■ 首相の靖国参拝が何故こんなに問題になるの?
 国会答弁で安倍総理は、「米国との間で靖国神社参拝による悪影響は無い」、中韓に対しても、「私はいつでも窓を開けている」と述べて、相手が歩み寄ってくるべきとの認識を示しました。日本国民は「首相の靖国参拝が何故こんなに問題になるのだろう?」と不思議に思っている人が多いのではないでしょうか。また中国や韓国が何故最近になってこんなに日本叩きをするのか?と不思議でしょう。
 民主党政権時代に、その弱腰を見透かされたのがきっかけです。韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)の竹島上陸や、石原慎太郎東京都知事(当時)の東京が尖閣を買うという言動に煽られた野田総理(当時)が、尖閣国有化を宣言して中国国内で反日暴動が起きたときからどうしようもない状態になりました。更にかつての総理時代から従軍慰安婦発言等で、その歴史認識を中韓だけでなく米国からも疑われていた安部総理の就任で、日本に対するバッシングが本格化したわけです。日本人が不思議に思うのは、実は日本国民自体が平和ボケしているからのようですよ。

■ ダボスの記者会見で疑念炎上
 スイスのダボスで行われた経済フォーラムで安倍総理が基調講演を行いました。大したものです。それだけ世界がアベノミクスに注目しているということです。ところが、記者会見での発言が世界中で問題になりました。最初はオフレコでしたが、オンでもいいですか?いいよ、というわけで報道されたわけです。記者から「尖閣問題で、日中が武力衝突をすることはあり得るか」と問われた安倍総理は、「今年は第一次世界大戦から100年目。英国とドイツは戦争前に貿易で結びつきが深かった。日本と中国も今、非常に経済的な結びつきが強い。だからこそそうならないようにコントロールする事が大事だ」と答えました。別に問題発言とは思えませんね?ところが質問した記者は驚いたそうです。「武力衝突はありえない」と否定すると思っていたからです。「そうならないようにする事が大事だ」と言うのは当たり前で、「アリエナイ」と言下に否定すべきだったのだそうです。この発言で安倍総理の頭の中には現在の日中関係と第一次世界大戦前の英独関係とがダブって存在しているのか?と欧米メディアは驚きました。彼らは、尖閣問題と第一次世界大戦を同一視する安倍総理の「歴史認識」に驚いたようです。

■ 靖国神社のことをあなたは知ってますか?
 首相の靖国参拝が何故こんなに問題になるのか?・・・それは靖国神社のいわれを知ることで理解できるようになります。日本人における神社とは真に都合の良い存在です。ご利益(リヤク)に預かりたいときだけ参拝します。八百万(ヤオヨロズ)の神で、いっぱい神様がいます。最も格上の伊勢神宮の式年遷宮は、2013年正遷宮(神体の渡御)が斎行されましたが、観光客が倍増してホックホクでした。遷宮の費用は8年越しで550億円だそうですよ(@,@) 0123とかサカイじゃないからね。伊勢神宮には、太陽を神格化した天照坐皇大御神(天照大御神)を祀る皇大神宮と、衣食住の守り神である豊受大御神を祀る豊受大神宮の二つの正宮があり、一般に皇大神宮は内宮(ナイクウ)、豊受大神宮は外宮(ゲクウ)と呼ばれます。日本には神社がいっぱいあって、赤城、浅間、愛宕、稲荷、春日、熊野、護国、御霊、金比羅、水天宮、住吉、諏訪、多賀、天満宮、東照宮、豊国、西宮、八幡宮、日枝、氷川、日吉、弁才天など、まあその数の多いこと!

■ 靖国神社の英霊は正統派のみ
 靖国神社は、幕末から明治維新にかけて功のあった志士に始まり、日本の国内外の事変・戦争等、国事に殉じた軍人、軍属等の戦没者を「英霊」と称して祀っている神社です。独立社なので神社本庁の下にはありません。幕末の志士である吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作、中岡慎太郎、武市半平太、橋本左内、大村益次郎等も戦没者ではありませんが、維新殉難者として合祀されています。これは戊辰戦争における新政府軍側の戦没者を契機として創祀された事情から、戊辰以降の戦没者を対象とする合祀基準を、嘉永6年に遡らせたためです。
 戊辰戦争での旧幕府軍の兵士や、奥羽越列藩同盟の兵士、新選組や彰義隊などの旧幕臣の戦死者は敵兵ですから祀られていません。八重の桜での会津藩兵や白虎隊士、筆者の先祖の南部藩士や伊達藩士は、賊軍ですから当然対象外です。明治維新の功労者であっても、その後に叛乱を起こし、あるいは叛乱に加担した西郷隆盛や江藤新平、前原一誠ら薩摩の兵士は祀られていません。乃木希典、東郷平八郎といった著名な軍人や、八甲田山雪中行軍遭難事件で遭難死した筆者の祖父の弟・国松さんは、戦時の死没者でないため祀られていません。また、極東国際軍事裁判で戦争犯罪人として裁かれた、いわゆるA級戦犯が合祀されたときから、天皇陛下が靖国神社に行かなくなりました。天皇陛下が行かない神社に政治家が参拝するから外国から意図を疑われるのです。米国が再三再四靖国参拝自粛を働きかけ、韓国でも朴大統領の対日批判を疑問視して日本との交流を戻そうという議員やマスコミの動きが出てきた時期に、一気にこれらに冷水を浴びせた安倍総理の行動は、日本国民や経済界に対する罪です。国益を考えたら、我慢というものが必要です。

■ 靖国神社だから問題で・・・
 英語圏では「Yasukuni shrine」と表記されますが、それと並んで「war shrine」(戦争神社)と表記される場合もあるそうです。すなわち欧米諸国から見ると、「正統な」軍人を神として祀る神社に政治家が参拝することは、それら軍人が従軍した戦争の肯定になるわけです。例えば米国のアーリントン墓地では南北戦争の両軍の兵士が眠ります。従って戦争で亡くなった軍人を勝者、敗者、隔てずに両方拝むことになりますが、靖国神社はそうではないので、たとえば大東亜戦争(太平洋戦争)に従軍した兵士の英霊に参拝するということは、あの戦争は正しかったが負けたという、侵略か否かの歴史認識と植民地支配に関する意識が問われるわけです。つまり戦勝国米国から見ると許せないのだそうですよ。これは外務省は良く分かっているので、安部総理には散々申し上げたわけです。日本国民は、戦没軍人を拝んで何が悪いの?と思っているかも知れませんが、そういうわけで「靖国神社だから問題だ」というのが米英仏や中韓の意識なのです。千鳥ヶ淵の戦没者御苑だったら、参拝して当然、と言うでしょう。すなわち戦没者への儀礼は彼らも当然と思っているのです。靖国神社に首相が参拝するということは、安倍総理は長州の末裔ですから当然と思うのでしょうが、それと敵対して戦った側としては「何考えてまんねん」ということになるのです。戦没者への儀礼は他の神社、仏閣でも出来るのですから、意地にならないで他で参拝すれば良いのです。靖国神社にこだわるから疑われるのです。

■ 東京都知事選挙と原発
 今回の都知事選挙は、各候補の主張を聞く機会が無く、どうなってるんだろうと首を傾げていました。日本テレビの報道番組で、舛添要一(65)、細川護熙(76)、宇都宮健児(67)、田母神俊雄(65)の主要4候補が初めて同じ場に集まり、政策について語りました。
その中で「原発ゼロを訴える方は、どのように実現するのか」という問いに対し、
  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆
宇都宮健児候補・・・東京電力の大株主なので、福島の廃炉と柏崎刈羽の廃炉を提案する。自然エネルギーの支援を全力あげてやる。ただ途中経過として火力の利用は必要だ。もう一つ、脱原発を進めるためには被災者の支援が必要。福島の原発の被害者が東京にも6千人近くいる。この人たちの被害救済と向き合った形でやらないといけない。それから脱被ばく。東京にも放射線量の高い所がある。子供の健康を守るために東京都自ら線量を調査して、子どもの安全、給食の安全を守る政策が重要。事故を起こしたら大変な損害賠償が発生する。廃炉の費用、高レベル放射性廃棄物の処理をほとんどコストに入れていない。原発は実は高い。化石燃料の価格交渉をきちんとやっていない。交渉すればもっともっと天然ガスやシェールガスが増えて電気代の高騰はかなり抑えられる。その努力をしてこなかった。
  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆
細川護熙候補・・・・東京電力の株主として東京都が言いたいことを言える責任も資格もある。まさにこれからは脱原発。即ゼロを明確にして初めて自然エネルギーが成長産業になる。そう考えると即ゼロと言って初めて日本の経済がもたらされる。東京が先頭に立って、具体的には首都大学東京で戦略をいろいろ考えていただきたい。
  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆
舛添要一候補・・・・将来的に原発依存しない社会を造って行くべきだ。東京は最大の電力消費地であり、福島、新潟の生産地の方にお世話になって本当にありがとうございます。供給地からみると使うばかりの東京都民は、全体エネルギーの6%しか自然エネルギーを使っていないので、20%に上げる。その分、原発を無くしていく。火力発電を増やせばCO2の問題もある。コストをかければ経済が動かなくなる。しかし全体のバランスの舵取りをするのがリーダーだ。
  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆
田母神俊雄候補・・・原発を安全に使いながら景気回復をして行くべきだ。今は原発を止めているから年4兆円の油代がいる、国民生活を豊かにするはずの4兆円が産油国に取られているから、景気回復は難しいし、電気代が15%上がっている。中小企業の経営も苦しい。原発を使わなかったら中小企業が次々つぶれて行き、日本経済はどうしようもなくなる。原発を50年使ってきて、運転中の事故で死んだ人はいない。実績からみれば原発の安全を確保しながら電力を供給することは可能だ。日本の放射線量ですね、基準が厳しくて原発が危ないことになっていることが多い。たとえば1リットルあたり10ベクレルの放射性物質を超えると日本では汚染水だが、欧米より100倍以上厳しいんですよ。福島の原発周辺はたぶん放射能的に危なくない。動物はみんな元気に走り回っている。原発の上を飛んでいるカラスも落ちてこない。だけど危ないといって強制避難させている。放射能で障害を受けたり、亡くなったりした人はいない。逆に強制避難でいっぱい亡くなっている。原発は韓国も中国も使っているのに、日本だけ止めたってどうにもならない。

■ 筆者コメント・・・安くならない化石燃料
 「化石燃料の価格交渉をきちんとやっておらず、その努力をしていないので、電気代の高騰が抑えられない、天然ガスやシェールガスが増えない」というのは現場を知らない暴論です。何故か?皆様も調べれば分かります。有限の化石燃料をわざわざ安く売るバカがどこにいますか?昔と違って、できるだけ長く売り続けたい資源国の完璧な売り手市場ですから、いやなら買ってくれなくて結構ですよ、という話です。価格交渉をきちんとやっても、買い手はいくらでもいるのですから安くはなりません。シェールガスなんて、せっかく見つけた資源ですから、売ってくれと言われても米国はNOと言うに決まっています。口惜しかったら自分でエネルギーを開発しなさい、でチョンです。希望があるとすればロシアぐらいです。ただそれにしても、化石燃料に頼ること自体が間違っています。

■ 自然エネルギー発電で電気代上昇
 「原発即ゼロを明確にして初めて自然エネルギーが成長産業になる、東京が先頭に立って、具体的には首都大学東京で戦略をいろいろ考えていただきたい」という話・・・自然エネルギーは今現在ナンバー1の成長産業になっています。民主党政権時代に決めた固定価格買い取り制度(FIT)のためです。しかしそのために電気代が上がっています。化石燃料価格が高いから電気代が上がっているわけではありません。確かに原子力に比べれば天然ガスや石炭火力のコストは高いし、石油はもっともっと高いので、原発を止めた分電気代は上がりますが、それよりも電気の生産効率が極度に低い太陽光や風力による発電を促進するため、これらの電気を高く買い取れと電力会社に法律で義務付けて、設置を促進する政策を取っているからです。これらは大自然に依存しているので、発電しない日もあります。だからといって停電させられないので、その時の代替火力発電所をバンバン作っていますから、設備投資償却も併せて電力会社は電気代を上げさせて下さいと言っているのです。原発を動かせれば解決しますが、安全対策と安全性審査が終わるまでは動かさないという、日本人ならではの律義さの故に、膨大な貿易赤字を垂れ流しながらも我慢しているのです。外国から見ると、日本人と言うのは信じられない国民と映っているでしょうね。

■ 科学は事例に学んで進歩する
 ただ、再生可能エネルギーによる発電は欧米や中国が先行し、日本は原発に依存するがゆえにこれをおろそかにしてきました。米国などは再生可能エネルギーによる発電をドンドン促進しながら、原発にも依存する、合理的姿勢です。地球温暖化を少しでも遅らせようとすれば、これが最善の方向です。スリーマイルの事故を起こした米国やチェルノブイリ事故のウクライナ…当時はソ連、今はロシアが、原発を推進するのは何故か?米国では福島事故後、「米国ではフクシマのような事故は起きない」と言われました。事故は起きるもの、起きたらどうやって影響拡大を抑えるか、と考える米国では、福島事故時の日本政府や東電の対応に危機感を抱き、米国人の避難を呼びかけました。米国ならあんな事故にはならなかったというワケです。日本も福島で十分学びました。「絶対事故を起こさない」というのは無理と認識しました。したがって対策をとっているのだし、再生可能エネルギーによる発電に遅ればせながら必死になって取り組んでいます。人類の科学は事例に学んで進歩します。この歩みを止めるのは先が見えた老人の発想です。未来がある若者に豊かな未来を残すために、自虐の発想はやめて頂きたいと思います。

■ 原発代替発電は首都大学東京で?
 原発即ゼロとその代替エネルギー政策を首都大学東京で考える?ジョーダンでしょう。今も原発がすべて止まってますから原発ゼロですね。その分化石燃料を燃やしていますから、膨大な冨が毎日海外へドンドン移動しているわけです。原発の代替エネルギーを大学が考える?発電について詳しい人はこんなふざけたことは言えません。もしかすると本当に知らないから言えるのかもしれません。大学の研究成果が、世の中で実用化されるのには、画期的な技術であれば10年以上かかるのが普通です。企業の研究開発は短期に成果を求められますから、企業では出来ない研究を大学や公的研究機関が担うのです。首都大学東京も、原発即ゼロ、代替案即出せと言われたって、できるわけがありません。即ち、代替策無しで主張しているということです。怖ろしいことです。
 細川護煕候補のオフィシャルホームページはhttp://tokyo-tonosama.com/です。信じられますか?東京の殿様ですよ。

■ 放射線に関する知識
 田母神俊雄候補や石原慎太郎の言っていることはすべて真実です。電力多消費の製造業は日本では成り立ちにくくなっています。オイルショックの時、日本はアルミ精錬をあきらめて、外国に出て行きましたが、今やチタンが同じことになっています。光触媒などで脚光を浴びている環境対策のヒット素材を、世界一の技術を持っている日本が放棄せざるを得ないのです。東邦チタニウムさんは泣く泣くインドに行くことを決めました。放射性物質に対して日本人は感情論で対処するので、科学的なことを言っても聞く耳を持ちません。放射線被ばくの人体への影響は、強さを表す単位がベクレルで、1秒間に1個の原子核が崩壊するのを1ベクレルと言います。この積算値、すなわち被ばく線量をシーベルトで表します。リンパ球の減少など明確な影響が表れるのは、全身被ばくで500ミリシーベルトぐらいからです。福島第一原発で作業している人が体に付けている線量計で、100ミリシーベルトに達したら、もう現場から遠ざからなければなりません。すなわちここまでは大丈夫だろうと判断されているわけですが、福島県の帰還困難地域の放射線量は20ミリシーベルトです。放射線量は時間の経過とともに減少しますから、10年後ぐらいには福島第一原発周辺のほんの一部の地域ぐらいまで縮小するでしょう。日本人は3人に1人はガンになりますから、ガンの自然発生率はおよそ30%、100ミリシーベルト被ばくしてどのくらいガン発生率が増加するかと言うと0.5%と国の調査では出ています。200人に1人ですね。逆に医療に放射線を利用したり、ガン患者が秋田・岩手県境の玉川温泉に行って放射線岩盤浴しているくらいですから、低線量での人体への影響はハッキリ言って科学的にもまだ分っていません。歴史的事実で言えば、原爆実験が盛んに行われていた頃子供で、空から降るたくさんの放射線を浴びていた世代が今60代、70代ですから、その人たちが生体実験モデルでしょう。チェルノブイリに照らして子供の甲状腺ガンのことを言う人がいますが、作り話のデマです。原爆や放射線事故で全身被ばくした場合、3000〜5000ミリシーベルト浴びたら50%の人が死にますし、7000〜10000ミリシーベルト浴びたらほぼ死にます。局部被ばくなら死にはしません。「原発を50年使ってきて、運転中の事故で死んだ人はいない」という田母神俊雄候補の言うことは真実ですが、見えない放射線に対する恐怖心がそれを遠ざけます。

■ 被災地域に戻らぬ人々
 今福島で帰還困難としているのは、「安全だと証明しろ」と言われてもそうした科学的知見が無いので責任を取りたくないからです。うそつきと言われても反論できないからです。避難者から、「帰らせろ」という声が出てくるのを息をのんで待っていて、出てこないのなら仕方ないということでしょう。現実に、帰還困難が解除された地域に戻る人が少ないのは何故か?そうでなくても過疎が進んでいたところに、一旦別のところに住んでみると、もう一度戻っても、仕事環境や社会的インフラが戻っていない地域に若い人たちが再度行こうとしないのは致し方ありません。年寄りも同じようですね。放射線に関する言い知れない怖さもあるでしょうが、構造的な日本の都会と地方の格差と人口移動が、原発事故で促進されました。福島だけではなく、三陸でも、津波被災地域に戻ってこない人が多いのです。
(2014年2月2日)


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