43 騒がしい師走
財務省が2013年12月9日発表した10月の国際収支は、海外とのモノやサービス、投資などの取引を示す経常収支が1279億円の赤字だったようです。円安によりドルで取引される燃料の輸入額が増え、モノの取引を示す貿易収支が1兆919億円の赤字だったことが影響しました。貿易赤字は、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)や原油の輸入がかさんだためです。この状態を続ければ、日本は国家としてどんどん貧しくなり、そのツケは国民が負わなければならなくなります。 ■景気が良くなっているそうです 日銀が2013年12月16日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI=「良い」から「悪い」を引いた割合)が大企業製造業でプラス16となり、9月の前回調査(プラス12)から4ポイント上昇し、4四半期連続で改善しました。中小企業の製造業も10ポイント上昇してプラス1になるなど、中堅・中小企業の改善も目覚ましいとのことです。ただしプラス1ですから、これまでの「悪い」という感覚が薄れたと見るべきです。なにしろ円安を受けて自動車産業が絶好調ですから、裾野が広いだけに中小企業にも恩恵が届いているのでしょう。但し鉄鋼はじめ素材産業にその恩恵が伝わるのは時間遅れがありますので、まだこれから良くなるところもあると思われます。だからと言って設備投資をするか?と言いますと、経営者はまだ半信半疑のところがあるので、「まだでしょ!」と思っているようです。早く「今でしょ!」という心理に転換して欲しいものです。 ■バブル期以来のプラス圏
■張成沢 血の粛清 昨週の続きです。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父で2の実力者、張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長は、クーデターを企てたとのことで、2013年12月12日死刑判決を受け、即銃殺の上、火炎放射器まで使われたとの報道がありました。叔父さんを殺す金正恩の感覚は異常です。叔母さんの夫とは言え、常人の感覚では考えられません。ついこの前まで国家の2だった人です。カリスマ性がある上に、気配りも良かったので部下にも人気があり、その権力に擦り寄っていた人たちは言わば北朝鮮の幹部の人達です。まだ粛清が続く可能性があります。彼らには天から地へと突き落とされたショック、また自分にもあらぬ疑いが懸るのでは?という恐怖心もあるでしょう。国内の動揺を鎮めるために、対外国で危険な行動に出ることは十分に有り得ます。日本と韓国は要注意です。 ■アントニオ猪木 張氏は国内企業などに強い影響力を持ち、海外でも業務経験豊富で幅広い人脈を誇ります。韓国や中国の信頼も厚いとされていました。張氏が最後に要人として会ったアントニオ猪木参議院議員は力道山の弟子として、力道山の出身地の北朝鮮とつながりがありました。2013年11月、張氏はスポーツ教化委員長として日本のアントニオ猪木参議院議員をスポーツ関係者として招待し、11月2日 - 11月7日にかけて猪木氏は訪朝しました。猪木氏は、訪朝が議院運営委員会の許可が得られなかったにもかかわらず強行したことを理由に、2013年11月13日、登院停止30日間の懲罰を受けました。これまで度々訪朝しており、これについてはそのうち触れることがあるかもしれません。 張氏粛清は、中国にも韓国にも大ショックです。中国は北朝鮮から少し距離をとるでしょう。見放すことはないでしょうが、中国は韓国とも良い関係にあるので、慎重に状況を見極めると思われます。問題は米国です。北朝鮮が恐れるのは米国ですが、米国は朝鮮半島での争いが勃発することは望んでいません。北朝鮮が危ない動きをしても、即座に韓国を守るという動きはしない気がします。ただそれが日本に向かってきた場合は、現在の日本政府は黙っていないでしょうから、ヤバイことになるでしょう。 ■黒子のバスケ 脅迫犯人逮捕
■自民党は奢るべからず
■しぶとい猪瀬都知事 徳洲会からの5千万円をめぐっての東京都議会のやりとり、いい加減にしたらという感じです。個人的に借りたとか政治献金では無い、とか言ってますが、政治活動のために借りた、という当初の説明からすると、違法かどうかは別にして、その時点でアウトです。でも、返したからいいじゃないか、と言えば、まあそれもそうです。今や都議会は右から左まで都知事に対するヤメロコールで、猪瀬さんも四面楚歌ですが、考えてみるとこれも怖いですよ。北朝鮮ではないか、という感じです。少なくとも、史上最高の圧倒的多数で直接選挙で選ばれた知事ですから、「自分は都民に選ばれた、都議会を解散して信を問おう」と言われると自公共は困るでしょう。そうなったら自公共の都議会議員は間違いなく減ります。まあ、そこまではやれないでしょうが、都知事は都議会議員の中から選ばれたのではなく、都民の直接選挙で選ばれたということは、肝に銘じるべきです。 ■新駅設置反対/埼玉県北本市 JR高崎線北本―桶川間への新駅設置の賛否を問う北本市の住民投票は15日、投票が行われ、即日開票の結果、賛成8353票、反対26804票の圧倒的な差で、市民は多額の費用負担を受け入れない意思を示しました。つまり賛成が4分の1弱ということです。特定秘密保護法案を住民投票にかけたらちょうどこれと同じ結果になります。新駅設置派が自民党、反対派がそれ以外と単純な構図で考えれば良いのです。 新駅予定地は桶川・北本両駅間の中間に当たる二ツ家1丁目付近でした。推進派は新駅設置の効果として、駅開業5年後に駅周辺で3200人の人口増、市民税や固定資産税の増収、市全体の活性化を挙げましたが、新駅反対派の市民団体が次々に発足、当初は各団体が個別に活動していましたが、徐々に連携し合同活動も実施、駅頭に立ち、チラシで巨額な費用負担を理由に批判を強めていました。ニュースでは会社員男性(61)の「今さら新駅を造ってもメリットはない。子どもや孫の代まで負担を強いるわけにはいかない」と反対理由を話していたのが大方の声のようです。 実はこの地区は圏央道がプッツンと途切れている箇所、駅は要らないから、早く圏央道を繋げて欲しいものです。 (2013年12月17日) |