42 デモ・首脳
今年もあとわずかです。世界中で争い、いさかいが起きてきました。地球温暖化による災害も至る所で巨大化してきました。フィリピンの台風被害の凄まじさ・・・いずれ日本にもこのような巨大台風が来るでしょう。災害対策も喫緊の課題です。これをもたらす地球温暖化が、我々人類の所為でありますから、化石燃料の消費を抑えなければなりません。しかしながら根本は人類の数の増加であり、これによってエネルギー、食糧、水の奪い合いが起きています。しかも人間活動によって、ヒトが生きていく上で根本である空気が汚れ、水が不足しています。 ■米国の本音 争いに備えて軍事力増強に今また世界各国が向かっています。日本も中国も同様ですが、米国は逆に米国内部に引き込もり、軍事費支出を削減したいというところで、シリアでもイランでも話し合い路線を進めています。世界の警察であった米国は、ブッシュ大統領時代に戦争によって巨額の借金を負ってしまいました。オバマ大統領は、アジアのことはアジアに任せて、経済的には中国やロシアと協力して行こうという姿勢です。韓国からも引き揚げて、日本を最後の砦としつつ、日本が軍事力を蓄えて、米軍の肩代わりをしてもらいたいと思っています。だから安倍首相の集団的自衛権政策は有難いと思っていますが、中韓との対決的な姿勢は転換してもらわなければ困る、と圧力をかけて来ています。米国の本音は、米国経済にとって将来大事なのは日本より中国ですから、中国とのパイプは保持しておきたい、ということです。ところがフィリピンから米軍基地を引き揚げたら中国海軍がフィリピンの島を奪いに来る、といった状況です。やはりパワーバランスというのは重要であり、武力防衛というのは避けて通れないものです。 ■北朝鮮で権力闘争か? 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父でbQの実力者、張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長の失脚が2013年12月9日(月)、国営報道機関を通じて発表されました。間もなく発足2年を迎える金正恩体制内で激しい権力闘争が繰り広げられた模様です。党の決定文は「張成沢一味」と強い調子で批判しており、体制側が張氏排除を徹底させているようです。 金第1書記はどうやら、一番の身内を排除することで、張氏解任で空白になったポストに、自身の息のかかった人物を登用し、権力安定化を図る狙いと思われます。オヤジ譲りの強権政治の踏襲です。今後は軍部指導層に手を付けて行くのではないでしょうか? ただ、張氏は国内企業などに強い影響力を持ち、海外でも業務経験豊富で幅広い人脈を誇ります。韓国や中国の信頼も厚いとされています。張氏が最後に要人として会ったのがアントニオ猪木参議院議員でした。張氏粛清は、金第1書記の体制固めの過程でしょうが、張氏追放に伴う国内の混乱も考えられ、今後、指導部の動揺が表面化する可能性もあります。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は金正恩を呼び捨てにして、露骨に不快感を示しました。 ■キエフで大規模抗議集会・・・レーニン像倒す
■タイでもデモ続く
■特定秘密保護法成立「嵐去った」=安倍首相
■国連高等弁務官にクレームつける異常感覚 毎日新聞の12月6日付朝刊に載った記事を紹介します。ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官が記者会見で、「『秘密』の定義が十分明確ではない」と特定秘密保護法案に懸念を表明した事に対し、自民党外交・国防合同部会において、城内実外交部会長が「人権高等弁務官に謝罪させよ」と発言したと報じました。「謝罪や罷免(要求)、分担金の凍結ぐらいやってもいい」と怒りをぶちまけたそうです。毎日新聞は、「国連総会が指名する弁務官への罷免要求は現実的ではない。発言を理由に分担金をカットするのも先進国の対応としてはあり得ない。国会の内外で高まる同法案への反対論に対するいら立ちが背景にあるとはいえ、議論は脱線気味だった」と書いています。 城内実氏と言えば自民党静岡県連の支援を受けて無所属で衆議院議員に当選し、2005年の郵政国会で、安倍晋三の再三の説得にも応じず、森派でただ一人郵政民営化に反対した硬骨の士です。そのため直後の選挙で刺客を送られ、片山さつきにわずかの差で敗れました。2009年の衆議院議員選挙では平沼グループの一員として出馬し、片山さつきらに大差をつけて復帰しました。しかし「たちあがれ日本」には参加せず、2012年5月自民党に復党し、安倍晋三の総裁推薦人に名を連ねました。どうもよく分からないヒトですね ■みんなの党分裂 みんなの党の江田憲司前幹事長ら14人が離党し、結党から4年余で分裂となりました。渡辺喜美代表が安倍晋三首相との酒席で特定秘密保護法案について手を握ったことで、党内に反発が広がったようです。渡辺氏は、「カネ(政党交付金)目当て、選挙区事情でできた新党が必ず失敗するのは歴史が証明している」と指摘し、除名を含む厳しい処分を検討する意向を示しました。比例代表選出議員の離党については「議員辞職を勧告する」と述べました。ちょっとくやしまぎれの発言で、かつての輝きは消え失せました。 ■小選挙区制の弊害 自民党は3分の1の得票率で過半数の議席を握りました。小選挙区制ではいくら得票率が低かろうと、その選挙区で一番になれば当選します。なんと我が選挙区では4分の1未満の得票で自民党一人だけ当選です。4分の3は死に票です。4人に3人は空しいわけですね。みんなの党や日本維新の会ができて、多党化したことが自民党の勝利につながりました。それでもこれまでは公明党が平和の党として自民党にブレーキをかけてきましたので、自民党も勝手はできなかったのですが、かつて自民党の良識であった長老たちが引退し、誰も安倍晋三に反対しなくなったと見るや、公明党までもがアクセル派に転向しました。恐ろしい時代へ、チクタクと時が刻まれております。 特定秘密保護法は国民の半数が反対し、4分の3が慎重審議を求めていました。安倍首相は就任後、アベノミクスを掲げて国民の心をつかみ、その上で消費税や原発についてはうやむやにして、TPP推進に一気に舵を切ると誰も反対できませんでした。TPPは経済問題だからです。対中、対韓では強硬姿勢を示し、憲法9条などは変えて、自衛隊を国防軍にするといった、本来国民がそれほど関心が無いことをドサクサに紛れて持ち出しました。ただ参議院議員選挙まではアベノミクスやTPPといった経済問題に集中し、靖国も自重して、参議院議員選挙で34.68%の得票率で過半数の議席を得ると、いよいよ憲法改定に向けて特定秘密保護法に乗り出したわけです。数の力で強引に推し進めても、手痛いしっぺ返しを受ける心配は3年間ありません。今のうちにやれることをやって、憲法を変えようということでしょう。3分の1の得票で過半数の議席を得るとなると、民主主義の基本である過半数というのは3分の1だということになります。これは間違っています。1票の格差是正=議員定数の割り振りとともに、このシステムを変えるべきです。これまで、選挙のたびに振り子が右、左、と揺れました。小選挙区制は、浮動層の気分しだいで結果が変わるからです。このままでは次の選挙は自民党が惨敗する番ですから、おごるなかれと言っておきます。 ■韓国経済に急ブレーキ
■本当は韓国に日本人が遊びに来て欲しい 韓国の一流ホテルの従業員いわく「日本人客が来なくなって、本当に困ってます。中国人客は増えたけど、みんな安いホテルにしか泊まらない。中国人客は買い物でも値切るし、マナーも悪い。日本人を悪く言う人は多いけれど、私たちは本当に日本人客に戻ってきてほしいです」と言っているそうです。韓国の40代、50代は反日教育を受けていますが、若者には日本を好きな人が多いようです。韓国政府は日本人客誘致のための宣伝費として、旅行業者に計10億ウォン(約9200万円)の緊急支援を行なうことを決定したそうですが、日本人の間では朴槿恵(パク・クネ)大統領の反日発言によって、韓国嫌いの人が増えました。ヘイトスピーチはもってのほかですが、そういうデモが起きること自体、かつてはありませんでした。日本人の気持ちを取り戻すのは難しいでしょう。 ■バイデン米副大統領の「ベッティング」発言
■米露も朴槿恵大統領の反日に辟易 実は5月の訪米でオバマ大統領と会談した頃はまだ良かったのですが、9月に訪韓した米国のヘーゲル国防長官にも朴槿恵大統領は反日発言を繰り返し、ヘーゲル長官もさすがに異常を感じたようです。これ以降韓国に対する米国の視線は冷たくなりました。 また11月13日、ロシアのプーチン大統領が1日の日程で韓国を公式訪問しましたが、朴槿恵大統領との会談後の共同声明には「最近歴史に逆行する言動が障害となり、北東アジア地域の強い協力潜在力が実現しないことに関し、共同の憂慮を表明した」という異例の文言が盛り込まれました。この会談にプーチン大統領は30分も遅刻しました。これは大変非礼なことで、普通は有り得ません。共同声明文は首脳会談前に双方の事務方で詰めるのですが、韓国側の強い意志でこの文言を盛り込むことにロシア側が譲歩したものの、プーチン大統領はこれに不満だと言うことを遅刻と言う形で表したと推定されています。
■円もウォンも戻っただけ、円はもう少し戻るでしょう ちょうど今がリーマンショック直前の日韓の状態です。ですから韓国だってウォン高というほどの状況では在りません。サムスンは海外生産を進めてリスクヘッジしています。これは日本の自動車産業も同じです。日本がアベノミクスで急激に円が戻ったために、韓国との差が無くなり、現代自動車、ポスコなどが日本企業との競合において優位性を失っただけです。リーマンショック以降、李明博大統領はたくみに韓国経済を引率しました。円高ウォン安は実にその差48%、これはもはや企業努力がどうのというレベルではありませんでした。千載一遇のチャンスに、国を挙げて日本企業からシェアを奪いました。それがアベノミクスで一転逆風ですから、朴槿恵大統領にとっては安倍憎しとなっているのかもしれません。 日本は今外国からの観光客が増えています。やや円安になったこともあるでしょう。ただ日本円は行き過ぎた円高から本来のレートに戻ってきているだけです。このエッセイの第1回『再開』2013年2月10日)の「アベノミクス」という項で、「筆者予測では、底値安定80円/ドルの1.25倍:100円から最高値75.32円(2011年10月31日)の1.5倍:113円の間でしょう」と書きました。その間を取ると107円、これはちょうどリーマンショックの直前のころ(2008年夏)の円ドルレートです。これを突き抜けたら113円ですが、このぐらいはちょっと前までフツウでした。 ■韓国内でも風向きが変わって来た 「アベノミクス」に沸く日本とゲンキが無くなって来た韓国、第4回で『景気は意志によって作られる』と書きました。中央日報や朝鮮日報などの新聞社も、朴槿恵大統領の反日にはさすがに首をひねるようになって来ました。国会議員たちの中からも、日本と仲良くしようと言い出す声が高まってきました。竹島問題に関して言えば、一部の右翼はともかく、これ以上事を荒立てようという動きは日本にはありません。韓流ブームでせっかくイイ感じだったところで、一気に冷えてしまった国民感情は、容易には戻りません。日本の芸能界やスポーツ界は朝鮮民族系の人が多いのですが、一般国民もルーツは朝鮮半島から来た人がほとんどと思われます。祖先が一緒なら、仲良くすれば良いのです。 (2013年12月10日) |