1  再開

 昨年末で「つぶやき」を終了しました。続けて欲しいという声も届き、悩んだ末に、不定期月一度ぐらいのペースで、ぼやきにならない程度に再開してみようかという気になりました。タイトルロゴも一新し、文字通り、気の向くままにキーボードを叩く。世相雑感、感動の出来事、四季徒然なるままに書いてみようと思います。
 10年間520回の「つぶやき」は、特に後半はぼやきが多くなりました。これはいかん、潮時だなと思ったのです。特にリーマンショックでゴツンと頭を殴られ、何とか立ち直ってヨーシと張り切っていたところに東日本大震災に襲われ・・・これでもか、これでもかと天は試練を我に与えました。つぶやいている場面ではないと思ったのです。

■南部蝉しぐれ
 
「つぶやき」のラストは「南部蝉しぐれ」でした。 ♪南部 盛岡 雫石・・・♪思えば遠いふるさとよ♪ この歌を歌う歌手福田こうへいさんは、岩手県岩手郡雫石町生まれ、盛岡市玉山区在住です(公式ホームページ)。石川啄木の生まれ育ったところです。民謡日本一の美声だけに、聞き惚れます。以前在京雫石町友会総会にゲストで来てくれたときはまだプロの歌手ではなく、盛岡市での呉服屋勤めの合間にステージに呼ばれて立っていました。ところが、東日本大震災が起きて、津波の被災地を足繁く慰問する中で、次第に人気が高まり、さらに民謡の全国大会で優勝して、プロとなる決心を固めたようです。在京雫石町友会総会では福田こうへいさん曰く「雫石町の天然物・記念物中川あい子さん」も一緒でした。中川あい子さんというおばさんは超ネアカのキャラクタで、南部よしゃれで地元の名物です。福田こうへいさんと中川あい子さん(
)は、三陸沿岸から呼ばれるたびに連れ立ってでかけたそうです。福田こうへいさんが被災地でよく歌ったのは吉幾三さん作詞作曲の神戸を励ます歌『ひとりじゃないから』(五木ひろし)でした。
  ♪どんな悲しく 辛い日も♪
  ♪泪をふきふき 歩きだせ♪
     (中略)
  ♪幼い頃に戻ろう 何も無かった頃に♪
  ♪ひとりじゃないから神戸♪
  ♪語りあかして…みなと町♪
このうたから聞こえる情景は、なんとなく長渕 剛の世界です。♪幼い頃に戻ろう♪夢を見続けた頃に♪ひとりじゃないから神戸♪明日も頑張れ…みなと町♪ 吉幾三、松山千春、岸田智史、さとう宗幸、小田和正などの世代に共通するもの。
 
福田こうへいさんと中川あい子さんは、その後の2014年4月、筆者が務める雫石町観光大使となりました

■柔道女子の暴力問題
 昨年のロンドン五輪の柔道日本代表を含む国内女子トップ選手15人が、全日本柔道連盟(全柔連)指導陣から暴力やパワーハラスメントを受けてきたとして、昨年末に日本オリンピック委員会(JOC)に連名で告発していたことが分かったときのJOCの扱いに目を疑いました。なんと全柔連に調査を命じるというのです。「そんなバカな」と思いました。これはいわば「揉み消せ」と言っているようなものです。こういう問題へのJOCの鈍感さが浮き彫りになりました。その底流には「体罰ぐらい少しはあるさ」という暗黙の認識があったのでしょう。欧米ならすぐさま第三者委員会を組織して客観的な調査をするはずです。明るみになって批判が怒涛のように押し寄せて、慌ててそういう対応を決めました。平手打ちや竹刀で殴打するなどの体罰を認めた園田隆二監督と徳野和彦コーチが責任を取って辞任しました。前強化委員長である吉村和郎・強化担当理事も辞任しましたが、これで一件落着とはいかないでしょう。スポーツで「勝利至上主義」の余り、理不尽な暴行が行われたということになっていますが、「勝利至上主義」とはスポーツでは絶対に必要なものです。やるからには勝たなければなりません。「勝利至上主義」でないならそれはレクリエーションに過ぎません。私は20年以上少年野球に携わっていますが、体罰によって気合を入れるなど、やってはいけないことだと思っています。勝つためには選手をその気にして、選手自らが奮起しなければ勝利の女神は微笑んでくれません。全柔連は、自らの体質、根底の認識を払拭するために、抜本的な組織改革が必要です。

■アベノミクス
 いま円安、株高の潮流がハッキリと起きています。円安進行と言うよりは、正確には円高が是正されてきています。それは皆様ご存知の如くアベノミクスによってデフレ容認から緩やかなインフレを作る方向に、国としての政策目標が明確になったからです。昨年10月に東京で開かれたIMF総会の時に、円は10%ほど過剰評価されている(円高である)とIMFが言いました。国際金融機関が一国の通貨安にお墨付きを与える…これはきわめて異例なことです。これだけ一気に円安ドル高になれば、かなりのブーイングが出てきてもおかしくないのですが、ドイツのメルケル首相が円安批判をしているものの、欧州危機の中で安くなったユーロの恩恵を莫大に受けてきたドイツからの発言なので、皆あまり真剣に耳を傾けているようには見えません。米国が沈黙しているということは、円安まだ良いよと言うことで、米国が発言したときが潮時と思われます。筆者予測では、底値安定80円/ドルの1.25倍:100円から最高値75.32円(2011年10月31日)の1.5倍:113円の間でしょう。ただしエネルギー問題や食糧問題と円安の関係には要注意です。原発事故後のエネルギー計画が明らかにならないうちは、一方通行の円安には国内でも反対が大きくなってくるでしょう。この意味でもエネルギー計画は極めて重要です。再生可能エネルギーの比率を増やすのは当然ですが、地球温暖化対策を突きつけられている日本としては、安全対策した原発の再稼働を急ぐしか解決策がありません。デフレ容認から緩やかなインフレへの政策転換により、且つ日本経済が貿易収支の赤字定着、経常収支でも赤字化によって国力が減退し、金利が急上昇するのではないか?との懸念も出ています。しかし日本国債市場は巨大な市場であり、世界中で、流動性があり、信頼されている金融商品は、他にはアメリカ国債とドイツ国債市場ぐらいしかありません。したがって日本国債のこのバランスを崩すものは、日本国内の要因ではなく、中国ぐらいしか考えられませんが、中国の現状では近いうちは考えられません。お金持ちは今、金(Gold)を買ったり、USドルへ資産移転したり不動産を買っています。普通に考えれば、日本国の巨大債務は返還できる規模ではないので、いつかリセットされると考えて、リスク回避を図っているのでしょう。

■世界で生活費がかかる都市は東京1位、大阪2位
 イギリスの調査機関は、世界の主な都市のうち、最も生活費がかかるのは東京と大阪で、長引くデフレの中でも諸外国に比べて生活費が高いとする調査結果を発表しました。これは、イギリスの大手経済誌「エコノミスト」の調査機関が発表したもので、世界93か国の140都市を対象に食料品や日用品など160品目の価格を調査し、生活費として指数化しました。それによりますと、世界で最も生活費がかかるのは東京で、ニューヨークを100とする指数で「152」、2位は大阪で「146」と、日本の都市が上位を占めました。主な要因は食パンなど一部の食料品やガソリンなどの価格が、ほかの都市に比べて割高だったためで、指数をまとめた調査機関では長引くデフレの中でも諸外国に比べて生活費が高いとしています。今回の調査では堅調な経済成長を続けてきたオーストラリアでも生活費の上昇が鮮明となり、シドニーが「137」で3位に、メルボルンが「136」で4位に入りました。
(2013年2月10日)


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