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 1泊2日で仙台の母に会いに来ました。今年は寒い!白石川沿いに延々と続く桜並木、一目千本桜はもはや葉桜ですが、仙台はやっと満開、北東北の桜は遅いそうです。盛岡石割桜は咲きましたが、高松の池も弘前公園もまだ満開ではないし、弘前城はしだれ桜ぐらいしか見所が無い、観光客を当てにしていた人達はガックリ。札幌では5月に雪だそうです。5月GWは政治家の外国訪問の季節、安倍晋三首相はロシアからサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコを歴訪、エネルギー問題を中心に協力関係をさらに強めるのと、原発や日本の農産物などのトップセールスも行いました。他の閣僚や党幹部達も手分けして世界中に散り、久々勢いの有る政治家外交となっています。首相は米国からアセアン、ロシア、中東と回り、後はインドからオセアニアぐらい、すなわち中国の周りの国をグルリ、なかなかやりますね、この首相。

■靖国参拝
 靖国神社に麻生太郎副総理兼財務相ら3閣僚が参拝したのに続いて、国会議員168人が春の例大祭に参拝しました。平成に入ってから最多です。これに対しても、中国と韓国が反発しています。安倍晋三首相は参院予算委員会で、「国のために尊い命を落とした英霊に対して尊崇の念を表するのは当たり前だ。閣僚はどんな脅しにも屈しない。その自由は確保していく」と述べました。これに対して産経新聞は、安倍晋三首相を讃え、「不当な内政干渉に屈するな」との社説を展開しました。一方毎日新聞は「北朝鮮問題で中韓と連携しなければならないときのこの行動は、結局日本の国益を損ないかねない。無神経な行動と言わざるを得ず、極めて残念だ」との社説を掲げました。もともと安倍首相は、東京裁判について、「連合国側の勝者の判断によって断罪がなされた」と、A級戦犯そのものについて疑問を投げかけています。

■日本の右傾化を懸念する米国
 気になる米国メディアの反応ですが、ニューヨークタイムズ紙は、「日本の不必要な軍国主義」と題した社説で、「20世紀の日本の帝国主義・軍国主義に苦しんだ韓国と中国にとって、靖国神社参拝は非常に微妙な問題であり、安倍首相と彼の同調者らは、両国がどのような反応を見せるか予想できただろう」として、安倍政権の意図に疑問符を付けました。さらに、「安倍政権は、(周辺国との)歴史的な傷に触れるのではなく、長期不況にさらされた経済の回復など、日本の将来に焦点を当てるべき」だと忠告しました。基本的に毎日新聞の社説と同意見です。ウォールストリート・ジャーナル紙は、安倍政権の最近の歩みは平和憲法改正と軍事力強化に焦点を当てていると分析、意図的に韓国と中国との葛藤を高め、憲法改正の世論を拡散させる理由にしているという解釈をしています。さすがに経済の中心地の新聞だけあって、ちゃんと計算された行動だ、と見ているわけです。外交専門誌フォーリンポリシーはさらに過激で、「この時点で、安倍内閣の靖国参拝は好ましくない行動。米国の世論は、(第2次世界大戦のA級戦犯が合祀されている)靖国神社の意味を知らずに沈黙しているが、もし分かれば、日米同盟は完全に破綻するだろう」と警告しました。また「オバマ大統領は、安倍首相に『私の在任中はこれ以上靖国神社を参拝させない』と安倍首相に強く警告すべき」と強調したそうです。
 ただ、大多数の日本国民は右傾化しているとは思えません。ものの見方は、右からと左からでは180度違って見えるもの、大事なことは、事を荒立てて損か得かということです。「損得の問題ではない、国の尊厳に関することだ」と言うのであれば、大日本帝国陸軍の考えそのものですね。

■出船精神

 ♪出船 入船 別れ船 ♪あなた乗せない 帰り船 ♪うしろ姿も 他人のそら似 ♪港 三崎 焼津に 御前崎 ・・・ 「港町ブルース」です。
 まだ若者だった頃、会社の社長が大日本帝国海軍に在籍した経験から、ミーティングでは5分前に着席すること、上履きを履くような場所では靴を出口に向けて置くことを教わりました。海軍の艦船が着岸するとき、入船と出船の方式があるのだと言うことです。靴を出口に向けて置くことを「出船精神」と言うのだそうです。スワ!というときに、出船ならすぐ出航できます。
 
海軍の英雄と言えば、日露戦争の聯合艦隊司令長官東郷平八郎でしょう。旗艦三笠艦上に「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」とのZ旗を掲げ、ロシアのバルチック艦隊を日本海において撃滅して、世界の海戦史上空前絶後の完全な勝利を成し遂げました。この大勝は、日本を国難から救っただけではなく、当時ロシアなど、大国の植民地政策の圧力下にあった国々に、大きな喜びと希望を与えました。
 昭和9年に東郷提督が死去するや、故人が神格されるのを固辞していたにもかかわらず、世界的英雄を顕彰する要望が全国から相次ぎ、「財団法人東郷元帥記念会」設立、神社の創建が計画され、昭和12年9月に地鎮祭、昭和15年5月27日(海軍記念日)に御鎮座祭がおこなわれました。
 筆者の高校在京同窓会の幹事会はこの東郷神社で行われます。JR原宿駅竹下口から神社への道すがら、竹下通りの有様には、東郷提督もビックリしているのでは?きゃりーぱみゅぱみゅみたいな女の子たちと黒人男性がたくさん・・・


東郷平八郎元帥海軍大将


■事件や事故は起こるもの
 今回はいやなタイトルですね。ただ、今回のボストンマラソンの爆破事件に対する米国の対処はスゴイ!と思いました。犯人逮捕のほうよりも、救急体制です。まるで事件が発生することを予測していたがごとく、素早い初動であっというまにけが人を救護しました。いかに2001年9月11日のテロ以降、備えをしていたとは言え、こういうところが、日本との大きな違いです。事件、事故は起こるもの、起きたらどうするか、いかにして被害を抑えるか、そういうことが徹底しています。絶対事故は起こさない?日本的考え方は非現実的です。だから慌て、オロオロするのです。
 安倍晋三首相はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコで日本の原発は世界一安全、と言ってトップセールスしました。福島県の人が目を剥きそうですが、スリーマイルがあってもチェルノブイリがあっても、米露は原発依存を強めています。制御できるし、対処できるからでしょう。日本の大手メディアは批判的ですが、貿易立国日本の首相が現実的な路線を明確化したことは評価すべきです。

■怖い戦争
 それよりも、一旦戦争が起きれば、死者が多数出ます。東京大空襲なんて、原爆投下より多数の人を一晩で焼き殺した、恐るべき戦争犯罪です。事故よりも、こうした人為的なもののほうが怖い。北朝鮮しかりです。80年前の日本は今の北朝鮮でした。そんな日本人を一番殺したのは米国です。その原因を引き起こしたのは大日本帝国陸軍です。戦勝国の連合国が、A級戦犯を裁判して処刑したのは、戦勝国だからです。戦(いくさ)は負けてはダメなのです。負ける戦(いくさ)はやってはいけません。大日本帝国海軍は、米内光政、山本五十六はじめ、開戦に反対しましたが、大日本帝国陸軍に押し切られました。A級戦犯を合祀しているから、海外からの国賓は、来日しても戦没者墓地へ行きません。天皇陛下も行けません。日本の天皇陛下や首相は、欧米に行ったら戦没者墓地に詣でます。この違いをいつまでも放置することこそ、英霊に対して申し訳ないと思います。

■北方領土
 安部首相とロシアのプーチン大統領の記者会見は面白かったですね。日本のTBSの記者の北方領土に対する質問に対してプーチンは「あなたにその質問をするように言った人に伝えて欲しい」と前置きしてから回答しました。すなわち日本国民に対するメッセージです。領土問題に対して、安易な妥協はしないぞ、と見てとりました。結局国境が変わるのは戦争の結果です。話し合いでどうの、など普通はありえません。だが、「引き分け」なら考えてもいい、と言っています。ここがメドベージェフとの大きな違いです。

■「アルゴ」と「ゼロ・ダーク・サーティ」
 2013年アカデミー賞作品賞は、ベン・アフレック監督・主演作「アルゴ」が受賞しました。本作はアメリカが18年間封印した、最高機密情報“イランアメリカ大使館人質事件”の真相を描いたものです。イランで実際に起こったアメリカ大使館人質事件の救出作戦を描くサスペンスドラマ・・・1979年11月4日、イラン革命が激化するテヘランで過激派がアメリカ大使館を占拠しました。52人が人質になりましたが、混乱の中、6人のアメリカ人が自力で脱出、カナダ大使の自宅に身を潜めます。CIAで人質救出を専門とするトニー・メンデスは、6人を安全に国外へ脱出させるため、大胆不敵な作戦を立案。「アルゴ」という架空のSF映画を企画し、6人をその撮影スタッフに偽装して出国させようとしました・・・・・。
 またビン・ラーディン殺害を描いた『ゼロ・ダーク・サーティ』(監督:キャスリン・ビグロー出演:ジェシカ・チャステイン)は、音響編集賞を受賞しました。2011年5月2日(米国東部では5月1日)のビン・ラーディン殺害から2年経ちました。パキスタンの首都イスラマバードから約60km北東にある地方都市アボッターバードの潜伏先と見られていた豪邸が現場です。タイトルの“ゼロ・ダーク・サーティ”とは、深夜0時30分を意味する軍事用語だそうで、ビン・ラーディンの潜伏先にネイビーシールズが踏み込んだ時刻でもあります。と同時に、闇夜も意味する言葉です。主人公は20代半ばの女性で、CIAの情報分析官マヤ(ジェシカ・チャステイン)。物語は2003年にパキスタン、イスラマバードのCIA秘密施設に彼女が着任するところから幕を開けます。ビン・ラーディン捜索に巨額の予算を投じながら、一向に手がかりをつかめないことに焦燥感を覚えたCIAは、ビン・ラーディン追跡チームに、情報収集と分析に関して有能なマヤを投入しました。映画は、マヤが10年の歳月をかけてビン・ラーディンにたどり着き、使命を全うするまでの葛藤、怒り、そして執念を描き出していきます。マヤは、ごくわずかな糸口から粘り強く分析を続け、上司や仲間を説得、少しずつだが核心へと迫っていくのでした。

■ビン・ラーディン容疑者殺害、オバマ大統領らリアルタイムで作戦を監視

 米軍は殺すと決めたらヤル、すごい!米国海軍の超エリート特殊部隊「ネイビーシールズ」がアルカイダのウサーマ・ビン・ラーディンをパキスタンで殺し、その一部始終をホワイトハウスで衛星生中継でオバマ大統領やヒラリー・クリントン国務長官(当時)がテレビモニターで見ていたそうです。
 複数のメディアが深夜の時間帯にもかかわらず、ビン・ラーディンが死亡したニュースを一斉に報道しました。午後11時半過ぎからオバマ大統領はホワイトハウスのイーストルームで深夜時間帯としては異例の記者会見を行い、ビン・ラーディンを殺害したことを全国テレビ中継で公式発表、"Justice has been done"(正義はなされた)と宣言しました。このニュースが伝わると首都ワシントンのホワイトハウス周辺やニューヨークのワールドトレードセンター跡地には数千の群衆が押しかけて歓喜の声をあげました。対テロ戦で協力関係にあったロシアにはこの公式発表の前に事前通告がなされていたそうです。


米ホワイトハウスのシチュエーションルーム(緊急対応室)で、軍事作戦を見守る左からジョー・バイデン副大統領、バラク・オバマ米大統領、その右の軍服はマーシャル・ウェッブ特殊作戦軍司令官補(空軍准将)、デニス・マドナー安全保障担当大統領次席補佐官、手前にヒラリー・クリントン国務長官、ロバート・ゲーツ国防長官。中央軍服の後ろがマイク・マレン統合参謀本部議長(海軍大将)、その右がトム・ドニロン安全保障担当大統領補佐官、ビル・デイリー大統領主席補佐官(背広にネクタイ)、トニー・ブリンケン安全保障担当副大統領補佐官、オードリー・トマソン国家安全保障会議対テロ担当部長(女性)、ジョン・ブレナン国土安全保障担当大統領補佐官、ジェームズ・クラッパー国家情報長官(USA東部で2011年5月1日撮影)


■中高年ライダーの死者急増

 オートバイに乗る人のうち、中高年層の死者が急増しているそうです。昨年は40〜64歳の181人が死亡し、10年前よりも5割増加。若い頃にバイクに乗っていた中高年層が、再び乗り始める「リターンライダー」の増加が背景にあるとみられ、警察当局は、事故に遭った際に胴体を守るプロテクターの普及などに力を入れています。日本自動車工業会の調査でも、2003年度に39.9歳だったライダーの平均年齢は2011年度は48.5歳に上がっています。
 警察庁の統計では、昨年のバイク乗車中の事故死者は460人で、このうち40代が107人、50代54人、60〜64歳が20人でした。10年前の2002年は、40代が66人、50代36人、60〜64歳14人で、それぞれの世代で4〜6割増えています。 


筆者もライダー、年甲斐も無く

 ハンドルやブレーキ操作を誤った単独事故が多いそうで、「若い頃の感覚を十分に取り戻せず、操作ミスにつながることもある」と専門家は指摘しています。自分は若いつもりでも、肉体や反射神経が衰えているんですね(>_<) 筆者はいまだにバイクに乗っています。リターンライダーではなく、万年ライダーです。ただ、強烈なパワーのあるオートバイには乗りません。上で書いたように「事故は起こるもの」です。だったら、事故確率の高いものには乗らないほうが良いに決まっています。

■あ〜あやんなっちゃった、あ〜んああ驚いた
 ウクレレ漫談の牧伸二さんが2013年4月29日未明、東京・大田区と川崎市を結ぶ丸子橋から多摩川に飛び込むのを通行人に目撃され、まもなく死亡が確認されたということです。牧さんはウクレレ漫談で人気を博し、「あ〜あやんなっちゃった」などのフレーズで知られていました。自殺とみられています。78歳でした。

■富士山が世界文化遺産登録見込み
 ユネスコの諮問機関「イコモス」は、富士山について、富士山信仰という山岳に対する日本固有の文化的な伝統を表しているなどとして、日本政府が推薦していた静岡県にある三保松原を除くことを条件に「世界遺産に登録することがふさわしい」とする勧告をまとめました。これで、富士山は2013年6月にも正式に世界遺産に登録される見通しになりました。メデタシ、メデタシ(^_^)
富士山の世界遺産登録をめぐっては、1994年に国会で自然遺産登録に関する請願が採択されましたが、2003年には国の候補地検討会が、ゴミや屎尿(しにょう)対策の不備などを理由に推薦リストから除外。国内段階で“失格”とされていました。そこで自然遺産から文化遺産に目標を切り替えたのです。
  [精進湖の初日の出]

(2013年5月5日)


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