532  母の日

 前回5月13日(土)は母校(高校)の創立記念日で、その東京近郊に住む同窓生の在京白堊会総会が開かれ、当日は神田明神の祭礼だったことを紹介しました。その翌日・5月14日(日)は母の日でした。5月20日(土)は岩手大学理工学部同窓会「一祐会」の創立80周年記念式典が1年遅れでホテルメトロポリタン盛岡ニューウィングで開催され、達増岩手県知事や小川岩手大学長も来賓参加、これに日帰りで行ってまいりました。翌日・5月21日(日)はふじみ野こどもエコクラブの「サツマイモ苗植え」が埼玉県立ふじみ野高校野球グラウンド隣の畑で行われました。終了後ふじみ野市立西原小学校のグラウンドで少年野球でした。いろいろ、忙しいですね。

■ G7広島サミットにゼレンスキー大統領もサプライズ参加
 ゼレンスキー大統領がG7広島サミットに現れました。これをどうコメントするか・・・難しい問題です。何も問題ないだろうと思われるでしょうか。ウクライナがロシアに侵略されて、助けてくれとG7各国にお願いするために来日したわけですが、G7サミットとは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7ヶ国及び欧州連合(EU)の首脳が参加して毎年開催される国際会議で、今年は日本が議長国を務めるため広島で行われました。サミットに招待された国は、オーストラリア、ブラジル、コモロ (アフリカ連合(AU)議長国)、クック諸島 (太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国)、インド (G20議長国)、インドネシア (ASEAN議長国)、韓国、べトナムです。近年は「グローバルサウス」と呼ばれる国々の経済面での伸びが凄まじく、それらを代表する国が招待され、中国とロシアが除け者になっています。


岩手大学理工学部同窓会「一祐会」の創立80周年記念式典

■ 欧米列強のアジア侵略
 歴史を振り返れば、そもそも欧米各国は白人帝国主義国でした。15世紀の大航海時代に世界に進出した西欧列強は、やがてアジア全域を植民地化しました。アジアで植民地にならなかったのはタイと日本だけでした。タイは14世紀から4百年続いたアユタヤ王朝を経て、1782年に今日のバンコク王朝が創設されました。19世紀から20世紀にかけてイギリスとフランスからの侵攻を受けてラオス・カンボジア・マレーにある領土を取られましたが、インドシナ半島の英仏両国の緩衝国家として独立を保ったのです。タイを奪おうとすれば英仏戦争になるから、ここだけ植民地にならなかったのです。長い間英国に貪られたインドをはじめ、アジアの近代の歴史は悲惨なものでした。欧米帝国主義国がいかなる侵略行為を行ったかについてはいずれ紹介しましょう。

ふじみ野こどもエコクラブの畑で野菜の収獲…小学生とその親、サポーター

■ アヘン戦争や大日本帝国の中韓侵略、日米開戦
 中国からの茶の輸入により入超になったイギリスは、中国へ流出した多額の銀を取り戻すためにインドにケシ栽培を強制し、大量のアヘンを中国に密輸して暴利を得ました。財政悪化を招いた清はアヘンの密輸を取り締まったため、イギリスはこれを口実に戦争を仕掛け、香港を租借したのです。これが悪名高いアヘン戦争です。日本はいち早く西欧の技術を採り入れて近代国家に変貌したうえで、日露戦争に勝利した(正確に言えば負けなかった)ため、侵略されなかったのですが、清や朝鮮半島を侵略したのです。日清戦争によって宗主国の清に朝鮮の独立を認めさせた大日本帝国は、その後ロシアが朝鮮を圧迫したので、日露戦争を経て、1910年、日本の領土(日韓併合)としました。これを快く思わない米国は日本に経済制裁を加え、ついに日本は真珠湾攻撃、宣戦布告に到りました。

ふじみ野こどもエコクラブの「サツマイモ苗植え」が終わりました

■ 近代は軍事力による侵略の歴史、その恨みは容易に解消しない
 その後のことはよくご存知でしょうが、戦争犯罪と言える民間人への無差別爆撃によってたくさんの人が虐殺されたうえ、最後は広島、長崎への原爆投下によってとどめを刺されました。その広島で、欧米列強と日本がG7を構成し、サミットを行う、そこにBRICsのなかのインドとブラジルが参加し、中国とロシアが除外されている・・・冒頭の「難しい問題です」という意味は、こういう歴史を紐解けばお分かりになるでしょう。結局近代の歴史は、軍事力によって、強いものが勝ち、支配するものでした。ウクライナ問題について、中国、インドやブラジル、そしてアジア各国がG7にスンナリ同調しないワケがお分かりになるでしょうか。過去の恨みは容易には解消しないのです。

ふじみ野こどもエコクラブのカボチャ畑、その向こうはふじみ野高校野球グラウンド

■ 母の日プレゼント
 母の日は、日頃の母の苦労をねぎらい、母への感謝を表す日です。アメリカでは毎年5月の第2日曜日に祝い、日本もそれに倣っているので今年は5月14日でした。お嫁さんからはお花が届き、娘は高級な日本酒を持ってきてくれました。有難いことです。



左:R4BY 町田酒造35 純米大吟醸 Premium 右:醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦 human

■ 醸し人九平次
 娘から頂いたお酒は四合瓶(720ml)2本、いずれも3千円以上する高級酒です。まずは「醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦 human」から頂きました。磨き45%、高いわけです。愛知県名古屋市緑区にある萬乗醸造(ばんじょうじょうぞう)という蔵元の作るお酒です。
 萬乗醸造は代々の当主が「九平治」を名乗る久野家の経営する酒蔵です。九平冶さんと醸し人九平次の字の違いは何故か?分かりません。純米大吟醸はパリにあるミシュラン認定の3つ星レストランでも提供される有名なお酒、平成9(1997)年”醸し人九平次”という銘柄で彗星の如く現れました。父と杜氏が共に病に倒れ、急きょ蔵に戻り15代目を襲名した久野九平冶さんと、同級生であり友人である杜氏の佐藤彰洋さん、20代の蔵人さんたちが造る酒は、『貴賓・優しさ・懐かしさを感じていただけるお酒を造りたい 』というコンセプトで造られているそうです。

■ 町田酒造35
 明治16年創業の町田酒造店は、群馬県前橋市駒形町65に在ります。R4BY 町田酒造35 純米大吟醸 Premiumは、とても希少価値のある限定酒です。原料米:山田錦、精米歩合:35%、アルコール度:16度の無濾過生酒です。

■ G7広島サミット乾杯酒は南部美人awa酒
 ワインより日本酒のほうが美味しい、と日本酒は今世界中で大人気、獺祭などは米国でも醸造していますが、SAKEの魅力に憑りつかれた米国人が日本の蔵元に修行に来て、米国に帰って酒造りしているというニュースもありました。広島で開催されたG7サミット1日目の19日夜のワーキングディナーでの乾杯酒は、岩手県二戸市の「南部美人awa酒スパークリング」でした。お酒のメニューは世界最優秀ソムリエコンクール優勝の田崎真也さんの監修によるものです。世界のトップの方々に乾杯酒としてシャンパンではなくawa酒を飲んでいただいて、良かった、ヨカッタ!
(2023年5月22日)


次回へ    前回へ    最新ページへ    つぶやき最終回