530  為替とデフレ

 少年野球漬けのゴールデンウィークが終わりました。途中、チームで久々のバーベキュー、何年ぶりでしょう?もう忘れました。なにしろコロナ禍で、マスクしろ、喋るなという生活が3年半続き、やっと5類移行で昔のような生活に戻れますが、正確に言えば「昔のよう」に手放しの生活には戻れません。コロナウイルスは進化しながら生き続けるでしょうから、状況を見ながら用心深く暮らさなければならないでしょう。6回目のワクチン接種の書類が市役所から届きました。

■ 珠洲市で震度6強の地震
 2023年5月5日14時42分ごろ、石川県珠洲市で震度6強の地震がありました。震源地は石川県能登半島の突端、震源の深さは12キロ、地震の規模はマグニチュード6.5。2020年12月からず〜っと続いている能登地方の一連の地震で震度、マグニチュードともに最大でした。余震はずっと続いています。


珠洲市正院町正院で倒壊した家屋から高齢女性1人が救出されました

震源は珠洲市三崎町大屋(北緯37.5度/東経137.3度) 海岸縁の正院町より北の内陸部

■ ロシア戦勝記念日、プーチン大統領の演説は?
 2023年5月9日、モスクワ・赤の広場では戦勝記念日の軍事パレードが行われ、プーチン大統領が演説をしました。軍事パレードは地方都市では中止、航空機無し、戦車1台だけ、パレードした軍人も少なく、さびしいパレードとなりました。この背景には前線に出ている兵士への配慮もあったでしょう。プーチン大統領の演説は相変わらずでしたが、来年の大統領選挙もあるし、これは長期戦を覚悟せざるを得ないと腹を括ったようです。振り上げた拳は下せない、マズイなぁ〜、と思っているのでしょう。

■ 海外観光客…「日本の物価は安い」
 さて、主題です。日本円は今、世界中の通貨に対して以前より概ね円安になっています。このゴールデンウィークのニュースを見ても海外からいっぱい観光客が来て、インタビュー映像を見たら、ガイジンの皆さんは口々に「日本の食事は安くて美味しい」と言っていました。母国ではこの3倍のお金を出さないと食事できないなどという話を聞くと、昔の海外旅行の経験からすると信じられません。しかも東南アジアからの観光客でさえ、日本の物価は安い、いっぱい買って帰りたいなどと言うのですから、え〜〜っと思ってしまいました。どうしてニッポンはそんな安い国になったのか?

アジサイが咲き出しました

■ 「失われた30年」のデフレ
 結局筆者は「お金持ち」として海外旅行していた思い出しかないので、現状が理解できないだけで、「失われた30年」のデフレでニッポンはどんどん海外勢に追い抜かれズルズルと後退したということです。円高ということは日本円が海外通貨に対して強いということで、現実に日本が世界のGDP2位だった時代は円高で当然でした。しかし金融バブルが崩壊した後、本来ニッポンは円安になるのが当然でした。しかし円高は続きます。円高では輸入品は安いのでエネルギーも工業原料も食糧も輸入に頼らざるを得ないニッポンは物価が安い状況が維持できました。デフレで物価は安いので賃金も上げなくて済みます。しかし安い人件費を求めて製造業は工場を海外移転し、「グローバル化」の名のもとに産業構造転換を進めました。日本に残った工場はロボットの導入を進め、できるだけ人件費を削る設備投資をせざるを得ません。日本の労働者は第二次産業の求人が減ったので第三次産業へシフト、給与レベルが下がったので夫婦共働きでなければやっていけない、企業は人件費が低いので利益が出る、儲かって笑いが止まらない、これが30年続きました。

鉢植えの色とりどりの薔薇やゼラニウムが花盛り

■ 少子高齢化の進展の背景
 このデフレ下でも財務省は増税を進めました。一方で他省庁に対して厳しい予算査定を進め、結果的に最も権限ある省庁として君臨しました。最も問題だったと思うのは文科省に対して厳しい支出削減を求め、教育におカネのかかる国にしてしまったことです。明治維新以降の日本が高度成長できた背景には教育によって国民のレベルが上がったことがありました。差別を減らし、「頑張れば報われる社会」を作り上げ、資本主義の国でありながら世界的に見れば最も社会主義的な国でありました。しかし教育におカネがかかるようになって、更に賃金レベルは上がらないのですから、結婚する人が減り、少子高齢化が進みました。高齢化すれば社会保障費が増えます。給与から差し引かれる社会保険料(健康保険、年金保険)がジワジワ増えて行き、更に介護保険まで新設されました。名目賃金が上がっても、税金、社会保険料を差し引くと実質賃金は低下する、そんなことがずっと続いたのです。結果として少子高齢化はますます進み、ついに人口減少時代へと突入しました。

ラークスパー(飛燕草、千鳥草)が綺麗です

■ 黒田前日銀総裁の真の狙いは?
 筆者はこのESSAYでドンドン他国に経済面で抜かれて行くニッポンがどうして円安にならないの?と常に疑問を呈してきました。市場原理からすれば円安になるはずなのにそうならない、市場原理というけれど、何か見えざる「神の手」が働いているのではないかと疑問に思ってきました。従ってアベノミクスが始まった時、この政策は正しいと歓迎しました。しかしながら残念なことに「第三の矢」が機能せずに失速し、アベノミクスを支えた日銀黒田総裁の打ち手の副作用だけが浮き彫りになりました。黒田総裁は2%物価上昇目標が達成できないまま退任しましたが、その真の狙いは円安誘導だったはずなので、最後まで自らの打ち手は正しかったと胸を張って退任しました。

■ 「悪い円安」?
 いま円ドルレートは135円/USドルを挟んでウロウロしています。日本の大企業の収益は押しなべて好調です。円安であれば輸入物価が上昇し、食品もエネルギーも値上がりしますから、国民の暮らしは苦しくなり、製造業の原材料価格も上がりますから製造原価は上がります。しかし日本製品の国際競争力はアップします。良い面も悪い面もあります。典型的なのは商社がスゴイ利益を上げていることと、日本郵船なども史上最高益、どうして円安なのに?つまり、日本国政府が言う「悪い円安」とは誰にとっての話なのか?もちろん日本国民にとって、と政府は言いたいのでしょうが、それならば安倍元総理や黒田前日銀総裁は何故円安を目指したのでしょうか?人口減少がすさまじい日本が円高傾向に進むはずはありません。しかし、世界最大の債権国アメリカ合衆国のUS$も借金まみれでその足元は不安だらけです。つまり円もUSドルも不安だらけ、ただ日本の借金は概ね日本国民からであるのに対し、米国は他国からであるのが違いです。従って米国はドル安を維持しなければならなかったのです。日本はいざとなればハイパーインフレで円の価値を落としてしまえば良い、戦後起きたことの再燃です。その時に備えて海外資産を蓄えておく必要がありました。円安になれば円の価値は下がるけれど、ドルを持っている人はそれを円に換えて日本国内での金融資産を確保できます。財務省が、「悪い円安」と言いながら「急激な為替変動は好ましくない」と言うのは、ジワジワ円安になるのなら構わないと言っているのです。デフレが日本を貧しくしたのだけはハッキリしていますから、日銀の植田新総裁が当面金融緩和を続けるという方針は、それしかないと思えます。

まるでバラとアジサイ屋敷

■ 「実質賃金」が12ヶ月連続で減少
 物価の変動を反映した働く人1人当たりの「実質賃金」が12ヶ月連続で減少したことが分かりました。厚生労働省によりますと、基本給や残業代などを合わせた働く人1人あたりの今年3月の現金給与の総額は29万1081円、前の年の同じ月から0.8%増え、15ヶ月連続の上昇となった一方で、物価の変動を反映した「実質賃金」は、前の年の同じ月と比べて2.9%減り、12ヶ月連続の減少となったのです。今年3月の家計調査では物価高の影響もあり、2人以上の世帯が消費に使った金額=消費支出は31万2758円で、物価変動を除いた実質で前の年より1.9%減少しました。大きく減ったのは食料費です。物価高の影響などで1.7%の減少となりました。外食が増え、家での調理が減ったことも減少の理由です。また、教育費が16.7%減少と、大きく減っています。家計をやりくりするため塾や予備校への支出を減らしたのでしょう。2022年度の消費支出は前の年度より0.7%増加しましたが、コロナ前の水準には戻っていません。「働けど働けど・・・」石川啄木のうたが頭に浮かんで「じっと手を見る」日々が続く人が多いのではないでしょうか。

ピンクのバラが雨に打たれてうなだれています

■ 少年野球漬けのゴールデンウィーク
 少年野球漬けのゴールデンウィークが終わり、埼玉県東入間学童野球連盟の第69回春季大会も予定通り終わりました。我がチームは4月29日(土・昭和の日)の緒戦で熱戦虚しく負けてしまいましたが、4月30日(日)二回戦、5月3日(水・憲法記念日)準々決勝、5月4日(木・みどりの日)準決勝、5月5日(金)は「こどもの日」なので試合は行わず、5月6日(土)決勝の予定通り終了しました。当初の天気予報と異なり、上手く天気がもってくれました。我がチームは5月4日(木・みどりの日)にずいぶん久し振りのバーベキューを行い、楽しい時間を過ごすことが出来ました。ゴールデンウィーク最終日の5月7日(日)は午前中小雨の中、新座市のチームと試合してコールド勝ち、予報通り昼から雨が強くなったので、練習をやめて解散しました。

焼いてます        カンパーイ!

■ 畑の作業は続けました
 少年野球の合間にも、5月1日、2日、5日にはふじみ野こどもエコクラブの畑作業は進めました。5月1日、2日は連休の谷間、5日はこどもの日なので少年野球は休みだからです。5日はエコクラブ代表と女4人、男1人の作業でした 女は竹林メンテナンス、男は畑の赤紫蘇畝造りと分担作業、畑の端の堅い土をスコップと鍬で掘り起こし、熊手でならしました。力仕事なので、帰宅してから両手の指がつりました。足がつるのは良く体験されるかもしれませんが、指がつるというのはいかに手に力を込めたかということです。手の指が曲がってしまうのは、いかに手に汗握って働いたかの証明です。ヤレヤレ...

赤紫蘇の畝づくりと肥料蒔き 手前左はキクイモ 右手前は種を播いた朝鮮カボチャが発芽、やがて移植

■ 大沢桃子 20周年記念コンサート
 2023年6月9日(金)に「ティアラこうとう」で文化放送主催「大沢桃子20周年記念コンサート」が有るそうです。開場13時、開演13時30分、出演は大沢桃子さん、そのバンドであるスーパーピンクパンサー、ももちゃんず、スペシャルゲストは新沼謙治さん、ゲストは走裕介さん、司会は風呂わく三さんです。お馴染みのメンバーですね。大沢桃子についてはこれまで何度も紹介してきました。コロナ禍で歌謡ショーもずっと出来なかったわけで、直近では331『蜂巣駆除』(2019年7月14日)の中で、2019年7月5日(金)浅草公会堂での『大沢桃子スーパーピンクパンサーコンサートIN浅草 エレキDE演歌2019』に行ったことを紹介しました。今回ももちろん行きますよ。「ティアラこうとう」は東京メトロ半蔵門線住吉駅から歩いて行くのですが、すごく大きなホールです。

■ NHK総合ドラマ10「育休刑事」が面白い
 毎週火曜日22時からのNHK総合ドラマ10「育休刑事」面白いですね。育休中の刑事・秋月春風(金子大地)とその家族が事件に巻き込まれ、“赤ちゃんの育児中”だからこそ気付いたヒントをもとに事件を解決していくライトミステリーです。赤ちゃんが可愛い、たまらない・・・
(2023年5月9日)


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