508  北奥羽旅U

 今年も師走へ入りました。年末になると、また1年が終わるか...と思い、人生のラストに刻々と近付いていると感じます。ただ時が過ぎるのはあっと言う間だなとは思いません。NHK「チコちゃんに叱られる」の12月2日放送で、時が過ぎるのが速いと感じるのはトキメキが少なくなったからで、子どもは毎日新鮮な驚きや学びに直面するが、大人は経験豊富で毎日が何となく過ぎて行くために速く感じる、子どもと日常交わっていれば時が過ぎるのが速いとは感じ無いのだそうです。老人になると終末はいつ来るか分かりません。サヨナラは突然にという友人も何人かいました。筆者はこどもエコクラブや少年野球で日常小学生ともお年寄り仲間とも交わっているのが良いのでしょう。ネンネンコロリよりピンピンコロリが良いなんて言う話もよく聞きますが、精いっぱい生きてるという今の状態は我ながら楽しいし、できるなら弱らないうちに...などと思います。今回も旅の話の続きです。

■ 下北→野辺地;JR大湊線に乗って
 むつグランドホテルで早朝入浴、朝からサウナとは贅沢な時間でした。朝食後送迎車で下北駅へ、JR大湊線「快速しもきた」に乗り、列車最後部に立ち、去って行く鉄道線路をずっと眺めていましたが、今度は進行方向右手に陸奥湾が見えます。改めて風車の多いことにビックリ、九十九里の神栖市の海岸にもズラリと並んでいますが、下北半島はそんなものではありません。まさしく林立している感じで、太陽光発電のソーラーパネルもそこここに見えますので、青森県が原子力も再生可能エネルギーも、いわゆる脱二酸化炭素発電に大きく貢献していることが分かります。ただ電力大消費地から遠いので、送電ロスが多いのが残念ですね。途中陸奥横浜駅しか止まりませんから47分で野辺地に着きました。


大湊駅からJR大湊線八戸行快速列車「しもきた」がやってきました


真っ直ぐな線路 両側に風力発電の風車塔がニョキニョキ林立


「快速しもきた」の車中から陸奥湾を見ると、ずっと向こうに陸地が見えます
これはどこかで見たな・・・あぁそうだ能登の和倉温泉、三浦半島から見た内房、鳴門海峡・・・


「快速しもきた」の唯一の停車駅「陸奥横浜」で上下線すれ違い
この駅にはメンテナンス用車両も停まっていました
「陸奥横浜」の西側は陸奥湾、東側;上写真ならば右側が「六ケ所村」です

■ 野辺地→青森;青い森鉄道に乗って
 野辺地駅で、青い森鉄道・青森行に乗り換えますが、時間はたっぷりあるので駅前に出てみようかと思いました。しかしながらホームの橋上から眺めると駅前は寂しい光景で人も歩いていません。結局FIFAワールドカップカタール大会予選「死のE組」3試合にはご当地出身・柴崎岳選手は出番無かったですね。スペインでプレーしてるので、もしかするとスペイン戦で?と思ったのですが。青い森鉄道のホームで青森行の列車を待つことにしました。1日20本なので、昼時間帯は概ね1時間に1本です。11:49発の列車に乗り、11駅で12:37青森着。途中懐かしの浅虫温泉駅を通過。

野辺地駅には日本最古の鉄道防雪林がありました、防風林ではありませんよ


野辺地駅の青い森鉄道・青森行き時刻表


野辺地で青い森鉄道に乗り換え


青い森鉄道の車内 空いてますね 結構若い乗客が多いです


車窓から浅虫温泉のシンボル;湯ノ島が見えました
■ 青森市に着いて
 青い森鉄道で青森駅着、青森駅前に「AUGA(アウガ)」という施設が有ります。青森市役所の出張所があるビルです。昨年も立ち寄って、ここの地下の「新鮮市場」ですき昆布を買いました。八戸市には八食市場という有名な市場がありますが、アウガ新鮮市場は海産物一色で、80軒以上の商店がひしめいています。買い物は翌日にして、まずは下見です。驚きました。閉店した店がそこかしこにあるのです。コロナ禍がもたらした悲惨さを見た思いでした。食堂もあります。刺身がメインですが、定食は概ね2千数百円です。市場のど真ん中に小椋商店という店があり、ここの販売員の女性が、品が良くて押しつけがましくもなく、素晴らしい接客態度だったので、連れ合いが気に入ったらしく、また明日来ますと言って辞しました。海産物を売るというよりも、ブティックの女性のような感じでした。青森市内散策してホテルチェックインする前に、数軒隣の「鮨処あすか」でランチしました。アラスカグループの店のようです。

「鮨処あすか」の外観


ランチの鮨、カウンターでいただきました

■ ダイワロイネットホテル青森泊
 ダイワロイネットホテル青森(青森県青森市新町1−11−16)に14時チェックイン、最近よく見るカード型のキーロックシステムで、エレベータもカードをかざしてロック解除しないとキー操作が効きません。自由に入れる建物なので、これで防御しているのです。部屋はオートロック、宿泊人数分のカードを頂けるので、分散行動できます。今年の5月GWもダイワロイネットホテル残波岬に4泊しましたが、近年このホテルチェーンを利用することはよくあります。部屋は広いし設備も良いホテルです。

ダイワロイネットホテル青森前の道路の歩道には雁木あり


ツインルーム 部屋は結構広い

■ 青森まちなか温泉
 早速ホテルを出て青森市内散策、徒歩で巡るコースはグルメコースやショッピングコース、歴史探訪や名所めぐりなど様々あります。街の雰囲気が盛岡市に似ていますが、城下町の盛岡と違って明治維新以降に新たに造った街なので道路が広く碁盤の目です。更に雪対策で歩道に雁木(青森や秋田では小見世と言う場合があります)が設置されています。シャッター街になっていないのは良いですね。至る所で工事が行われています。ビルのリニューアルでしょうか。所々に洒落たブティックやカフェがあるかと思えば、庶民的な花屋さんと高級な花屋さんが並んでいたり、安い八百屋さんや魚屋さんがあったり...のっけ丼で有名な魚菜センターの前を通り、「青森まちなか温泉」で入浴、昨年も訪れましたが、その時は雪で道路がグシャグシャでした。青森市街地で唯一の源泉の湯「古川温泉」を使った大風呂・露天風呂・薬湯・子供風呂・水風呂・大型サウナなどがあるのです。しかも入浴料が¥450と格安!大きなサウナ室から出た後、露天風呂スペースへ行けば、外気の寒風で水風呂不要なくらいです。源泉はナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)で癖が無く、やや黄みがかった湯です。常連さんと思しき人たちで混んでいます。なお食事処などももちろんあって、安いようでした。風呂上がりに再び青森の市街地を散策、今度はグルメコース、居酒屋で夕食、頂いた6千円の地域クーポンを使います。まずはジョッキで生ビール、青森名物の刺身やイカの一夜干しなどアテに、田酒などを頂いて、最後は鮨、クーポンではもちろん不足ですが、美味しい食事でした。


大浴場

露天風呂

■ 青森県観光施設アスパムとアウガ
 ダイワロイネットホテル青森チェックアウト11時ですがもっと早く9時ごろ出て、青森県観光物産館アスパムへ徒歩移動、1階、2階を見学しました。以前浅虫温泉に宿泊した時もここに来て、1階奥のイベントコーナーで津軽三味線の演奏を聴き、その後ねぶたの家ワ・ラッセを見ました。今回は13階の展望台(¥400)へ行き、青森市の360度パノラマを見ようと思ってふと2階の窓から外を見たら青森湾の青函連絡船八甲田丸などが見える散歩コースを歩いていた人たちが慌てて傘を差しています。雨が降って来たようです。これはイカンと慌てて折り畳み傘を開き、駅前のアウガに向かいました。雨は強くないのですが風が強く、傘が飛ばされそうです。ほうほうのていでアウガ地下、新鮮市場に行き、海産物等土産品買い物、小椋商店でドッサリ買い込みました。盛岡の親戚への土産や自家消費用です。安いのもそうですがモノが良い、素敵な女性からたくさんお買い物、商売というのは押しつけがましくなく、客の心をつかむもの、売り子の外見、言葉、品性、アキナイというのはかなり難しいんだろうなと思いました。価格はどの店もほぼ同じ、そこで買ってもらうにはどうするか、ということですね。例えば大阪ならオバチャンで良いけれど、北奥羽ではやはり...

青森県観光物産館アスパム 特異な三角形で遠くからでも目に付きます


「アウガ」は、青森駅前の再開発ビルです
2001年1月オープン、地下1階、地上9階建てで、地下には市場や飲食店の並ぶ「新鮮市場」があります
2018年に1F〜4F商業区画の営業を終了し、市の窓口部門を集約した「駅前庁舎」になりました
5〜6階は「青森市男女共同参画プラザ(愛称カダール)」
6〜9階は「青森市民図書館」、522台収容可能な駐車場もあります

アウガ新鮮市場の小椋商店

■ 思わぬ雷雨、予定早めて盛岡に向かう
 さてアウガを出て青森駅へ行こうとドアを出ようとした矢先、ピカッと光りが、そしてドッカーンとものすごい音、すぐ近くに落雷した模様です。他のお客さんたちも慌てて建物の中に戻ってきました。やがてバシャ―っとバケツをひっくり返したような強い雨、ダメダコリャと1階の青森市役所駅前庁舎のソファに座って待機、出張所でしょうが凄く広くて窓口がたくさんあります。しかしこの日は土曜日、多くの窓口が閉じていて、ぽつぽつと休日窓口に職員が居ます。その中でずらーっと待っている人たちが並んで座っている一角がありました。マイナンバーカード申請窓口です。筆者などとっくに貰ってポイントも頂きましたが、いまだにこんなに行列しているんだと驚きました。30分ほどしたら空が明るくなってきて雨も小やみになったので、隣のビルの活彩市場ぴあに駆け込みました。青森土産やりんご、海産乾物などを売る店や食堂もあります。駅前交番の隣のビルに数軒のお店が並んでいます。そのりんごの安いことにビックリ!しかも良いリンゴです。子どもの頃からリンゴを食べまくってきたので見れば美味しいかどうか見分けられます。赤いリンゴや黄色いリンゴ、いずれも東京なら3倍の値段だなと思いながら、我が家に持ち帰るには重いので、今夜ごちそうになる妹宅への土産分だけ買いました。当初JR奥羽本線青森発13:01→13:05新青森着、東北新幹線はやぶさ26号(5号車9番D・E席)13:16新青森発(2駅)→14:10盛岡着の予定でしたが、この雷雨で観光が出来なくなったので予定を早めて指定席を取り直し、1本早いはやぶさで盛岡に向かいました。新幹線車内で昼食とビールです。車でなく電車旅の良いところ、昼から酒が飲めます。

青森県黒石のりんご


はやぶさ号で盛岡へ

■ ドーハの歓喜
 サッカーのFIFAワールドカップ・カタール大会、世界ランキング24位の日本はグループリーグE「死の組」に入りました。過去優勝国が二つ、ドイツとスペインが居るからです。23日の1次リーグの初戦、優勝5回のブラジルに次ぐ4回の優勝を誇る世界11位のドイツに逆転勝ち、「ドーハの奇跡」です。「ドーハの悲劇」を経験した選手だった森保監督の采配が見事なまでにはまりましたね。前回のロシア大会に続く白星スタートとした日本は27日、1次リーグの第2戦で世界31位のコスタリカと対戦しましたが今度はまさかの敗北、まさに天国から地獄でした。
 グループE最終戦が12月1日行われ、日本代表はスペイン代表に2−1で逆転勝利、まさかのグループ1位で2大会連続4度目の決勝トーナメント進出を決めました。朝4時からのテレビ中継、もちろん見てました。ドイツ代表はコスタリカ代表に4−2で勝利し勝ち点4でスペインに並びましたが、得失点差でスペインが2位となりドイツは前回に続きまさかのグループステージ敗退でした。後半に森保監督が長友と久保を外して三笘と堂安を投入すると、まるでドイツ戦のような守り一転攻撃へとガラリとゲームチェンジ、同点弾はスペインのGKからのビルドアップのパスが発端となり、伊東純也は、それを予測して体当たりで奪い、非の打ちどころのない堂安のシュートがGKのシモンの手を弾きゴールネットを揺らしたのです。前半9割近くボール支配してピンチらしいピンチが無かったGKは一転強烈な攻撃にさらされて驚いたようです。特に三笘の強烈な斬り込みが衝撃だったようで、アレッ、アレ?と心の準備が出来ていないうちに堂安の強烈なシュートに見舞われ、普段なら弾き出したはずの球への対応がちょっとズレたようです。さらに逆転劇は直後の51分、堂安がゴール前に斜めに送ったボールに前田大然が突っ込むも触れず、しかし同様に突っ込んだ三笘がスライディングで折り返して、ゴール前に突っ込んだ田中碧が押し込んだのです。主審はVARチェックを指示、約3分後にゴールが認められました。その後は必死に守って、FIFAランキング24位の日本がドイツ戦に続き、W杯優勝経験国(2010年)のスペインを倒す大番狂わせに海外メディアは注目、田中碧の逆転ゴールにつなげた三笘薫のアシストがゴールラインを割っていたかどうかがVAR判定に委ねられたことも物議を呼びました。海外メディアは「日本のボール保持率は17.7%でW杯史上最も低いボール保持率での勝利」、「W杯の記録が(1966年から)詳細化されて以来、700本以上のパスを出して試合に敗れたのはわずか2例しかない。今夜のスペイン対日本、先週のドイツ対日本だ」といった驚きのデータを報道しました。日本は5日(日本時間6日24時)の16強対決でグループF2位のクロアチアと対戦します。

VAR判定でゴールラインを割っていないと判定された三笘薫のアシストキック

■ 韓国もまさかの勝利で決勝T進出
 グループステージH組の第3戦では、韓国代表がポルトガル代表と対戦、1−1で迎えた後半アディショナルタイムに、FWファン・ヒチャンが劇的な勝ち越しゴールを決め2−1で勝利、この結果、勝点4で並んだウルグアイを総得点で上回り、最下位からの大逆転で決勝トーナメント進出を果たしました。これには韓国のファンも大興奮、「生きてて良かった」とか「これを奇跡と言わずしてなんと言う!」、「涙が止まらない」といった声が続々とあがりました。今大会はアルゼンチンがサウジアラビアに敗れたり、モロッコがベルギーに勝ったり、ブラジルがカメルーンにグループリーグ初黒星を喫するなど番狂わせが続出、日本がドイツとスペインを破ったことも世界中を驚かせました。決勝トーナメントは一発勝負なので、サプライズはグッと減ると言われています。

日本時間2022年12月5日昼現在(フットボールチャンネルより)

■ 藤井聡太竜王初防衛
 将棋の藤井聡太竜王(20歳4ヶ月)=棋聖・王位・叡王・王将との五冠=が12月3日、鹿児島県指宿市で指された第35期竜王戦七番勝負第6局で後手の広瀬章人八段(35)を113手で下し、対戦成績4勝2敗で初防衛を果たし、渡辺明名人(38)=棋王との二冠=が2005年11月に竜王初防衛を果たした当時21歳7ヶ月の記録を17年ぶりに更新しました。

■ 渡辺徹さん死去
 俳優でタレントの渡辺徹(わたなべ・とおる)さんが11月28日午後9時1分 敗血症のため都内の病院で亡くなったそうです 61歳の若さ まことに残念です 1987年 ドラマでの共演をきっかけに交際していた女優の榊原郁恵(63)さんと結婚 評判のおしどり夫婦でした ただ人生は病気との戦いでした 亡くなる9日前 11月19日には 秋田大学で行われた「心臓病とともに元気に生きる」というテーマの医療フォーラムに出演 体調を崩していたため 秋田県にはいたもののリモートでの出演となり この姿が最後の公の場となりました というのは翌11月20日に発熱 腹痛などの症状が出たため 都内の病院で検査を受け 細菌性胃腸炎と診断され 入院したからです 治療を受けるも回復せず 死因は敗血症と診断されました 心臓だけでなく 糖尿病 腎臓で人工透析 まさに満身創痍ながら常に明るさを絶やさず トークではホロっとさせながら明るい笑いで締める その人柄で多くの人たちに愛されながらのアッパレな人生でした 安らかな眠りを祈ります
(2022年12月5日)


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