504  若者よ舞いあがれ!

 本日は皆既月食です。昨日は二十四節気の「立冬」でした。いよいよこれから寒くなります。実は今週はいろいろな記念日目白押しなのです。11月6日(日)はお見合い記念日とアパート記念日、11月7日(月)はロシア革命記念日、11月8日(火)は満月、いっぱい記念日のある日、レントゲンの日、ボイラーデー、いい歯の日、八ヶ岳の日、いいパックの日、刃物の日、世界都市計画の日という具合です。11月9日(水)もいっぱい記念日があり、ベルリンの壁崩壊の日、太陽暦採用記念日、秋季全国火災予防運動(11月9日〜15日の1週間)、119番の日、換気の日という具合です。11月10日(木)はエレベーターの日、技能の日、肢体不自由児愛護の日、ギネス世界記録の日、トイレの日、ハンドクリームの日など、11月11日(金)はスゴイですよ。1が4つ並ぶだけに世界平和記念日、公共建築の日、土の日、ピーナッツの日、靴下の日、鮭の日、西陣の日、電池の日、配線器具の日、もやしの日、煙突の日、きりたんぽの日、磁気の日、おりがみの日、ジュエリーデー、ポッキー&プリッツの日、チーズの日、サッカーの日、めんの日、ハッピーバイナリデーと目白押しですが、何と言っても1111=独身記念日、中国・アリババグループの11月11日のECセール「独身の日(W11;ダブルイレブン)」です。11月12日(土)はパンの日、洋服記念日、皮膚の日という具合です。

■ 天体ショー
 本日は皆既月食です。しかも天王星の惑星食という安土桃山時代の1580年以来442年ぶりの天体ショーも見られるという天文ファンにとっては夢のような日です。次は2342年だそうです。惑星食と皆既食が同時に観測されるのはとても珍しいことで、私たちが生きている間には二度とありません。このチャンスを逃すわけには行きません。かぶりつきで観なければならないと思い、双眼鏡片手に見ていました。国立天文台によりますと、今回の皆既月食は全国どこでも、18時9分ごろから月が欠け始め、19時16分ごろ皆既食開始、19時59分ごろ最大で、20時42分ごろ皆既食終了、21時49分ごろ明るい満月に戻るということでした。あちらでもこちらでも人々が外に出て空を見上げていました。ロマンがありますね。


■ 伊香保温泉へ
 前回は籠原駅前のビジホ「シティフィールドかごはら」に途中一泊してから伊香保温泉に行って来たことを写真で紹介しました。伊香保温泉へは下図のように我家からほぼ北西一直線、100kmです。2日目朝「シティフィールドかごはら」を出発して「道の駅おおた」に寄り、国道17号線「今井町」交差点で降りて左折してすぐの「フラワーガーデン泉」に寄りました。毎年ここで花の鉢を買うのが楽しみなのです。今年は赤いアザレア、赤いリーガースベゴニア(ベゴニアはシュウカイドウ科の花で、1万種以上あり、中でもリーガースベゴニアは花が鮮やかで好きな花です)、橙色の花のカランコエを買いました。その後前橋市内でランチし、吉岡町の「Aコープ・ファーマーズマーケット野田宿」に寄り、宿泊する伊香保温泉の「ホテルふくぜん」の駐車場に車を置いて、歩いて伊香保の石段街を登り降り〜往復しました。途中365段の誕生日のところで記念撮影し、伊香保神社から河鹿橋往復しました。再び石段街から伊香保温泉の下り坂を歩いて「ホテルふくぜん」に宿泊しました。

我家から1日目「シティフィールドかごはら」へ、2日目伊香保温泉へのルート、石段街〜河鹿橋を楽しむための時間割


 「道の駅おおた」は良く寄ります。飲食施設が無く、キッチンカーが数台並んでいます。ここで買って、施設内の広いレストコーナーまたは屋外テラスのテーブルで食べるのです。




「道の駅おおた」


リーガースベゴニア


■ 伊香保温泉からの帰途
 3日目朝伊香保温泉の「ホテルふくぜん」を出発してすぐ、竹久夢二伊香保記念館の隣の「食の駅伊香保」に寄り、いろいろ買い物しました。野菜やお土産です。その後吉岡町の「Aコープ・ファーマーズマーケット野田宿」でまた買い物、前日寄ったのは下見でした。ここで買うものを決めるためです。このお店は野菜、果物、花、卵など、とにかく魅力的なものがいっぱい置いてあって大好きな店です。りんごや赤大根、きゅうり、ネギ、しいたけなどドッサリ買いました。お土産を含めてです。その後「道の駅めぬま」に寄ったのは、ニュースで盛んに紹介されている秋薔薇を見るためです。埼玉県川島町の「川島農産物直売所」に寄りました。ここでもよく花の鉢を買います。今年は風車菊やパンジー他を買いました。風車菊は花弁がスプーンのようになっている洋菊で、風車(かざぐるま)を連想させることから名づけられたと思われ、高価です。帰宅して夜は余熱利用施設「エコパ」に行き、バーデプールと露天風呂を楽しみました。


3日目伊香保温泉から買い物ツアーしながら、途中秋薔薇を鑑賞して家路に着きました


りんごと柿を買いました


風車菊

「道の駅めぬま」


「メヌパル」は食堂、展示コーナー、ショップ共に大変充実しています

■ 不評だった?「ちむどんどん」
 NHK2022年前期の朝ドラ「ちむどんどん」ほどバッシングされたドラマは記憶にありません。ツイッターで『#ちむどんどん反省会』が盛り上がりました。都合よすぎるストーリー展開や、重要部分をナレーションで飛ばす “ナレ飛ばし” などが批判を浴びました。確かに見ていても、「それはないでしょう」という部分がしばしばありました。全話平均視聴率は2010年以降の朝ドラで最低をマークしましたから、不評だったのでしょう。しかしこれは脚本の問題であり、豪華出演陣はそれぞれ一生懸命演じておられ、筆者的には面白いドラマでした。むしろ批判するために見ている層が存在するということは、新しいテレビドラマの視聴様式、もしかして集客の一旦では?と勘ぐったほどです。アリエナイ脚本はともかくとして、いかにも沖縄男子らしい長男賢秀に対しての母親優子の盲目の愛、それに批判的な妹の長女は教師となる、そんなのどうでもいい猪突猛進の次女が主人公で、料理一筋東京のイタリアン・レストランで働き、横浜の沖縄ムラの人たちに助けられながら成長して、やがて沖縄料理の店を出す...結婚して、後にヤンバルに戻る、ここでも周囲のオバァなどに助けられ店を出す、体の弱い三女は歌が上手いけれど自信が無い、それを励ます幼馴染と結婚して段々自信を取り戻して行く、兄の賢秀も千葉の養豚場で「豚愛」にまみれながら真面目に働いている...結局この沖縄4兄妹はお互いに助け合ってそれぞれの道を確かなものとして行くのでした。一貫して沖縄の人たちの家族愛が描かれました。実はこのドラマを批判的に捉えていた人たちも、この家族愛に対しては肯定的だったのでは無いでしょうか。母親の盲目の愛こそ、人間の原点だからです。そして励まし合って助け合って成長していく兄妹愛、これこそが失ってはならない大切なもの、それを山原と東京の二つの舞台を対照として描いたドラマだったという事です。三線(サンシン)の音色、沖縄民謡、悲しみも喜びも歌とともに...面白いドラマでした。三浦大知の主題歌も良かったですね。

NHKのSNSより

■ 好評の「舞いあがれ!」
 さて一方2022年後期の朝ドラ「舞いあがれ!」は好評です。何よりNHK総合で放送が始まる直前の「ニュース7」の最後に朝ドラフォローするのは「ちむどんどん」ではあまりありませんでしたが「舞いあがれ!」は今日の内容をちらつかせて誘導しています。放送直後の「あさイチ」も「ちむどんどん」では途中から朝ドラ受けをやめることが多くなりましたが、「舞いあがれ!」では一転、毎回朝ドラ受けが盛り上がっています。大阪府東大阪市と長崎県の五島列島を舞台に、町工場で生まれたヒロイン、岩倉舞(福原遥)がパイロットに憧れ、空を目指す物語です。語りが長崎県出身のさだまさし、主人公の父:高橋克典、母:永作博美、兄:横山裕(関ジャニ∞)、東大阪の幼馴染:赤楚衛二と山下美月(乃木坂46)、祖母:高畑淳子ら豪華俳優陣が脇を固めます。哀川翔や前川清も出ましたよ。主人公の幼少期、五島列島編、いきなり泣かせましたね。

「メヌパル」・・・薔薇好きにとっては至上の楽園ですね

■ およ
 祖母の祥子(高畑淳子)に見守られ、すぐ熱を出す子だった小学生の舞(浅田芭路ちゃん)が、たくましく成長する五島編は感動ものでした。東大阪の小学校から長崎県の五島に転校した舞ちゃん、環境を変えて、いわば転地療養が目的でした。初めて会ったとき「よろしくお願いします」と頭を下げた母のめぐみに、祖母は怖い顔で「およ」と言います。何コレ?オヨ?どういう意味だろう?と思いました。やがて母は東大阪に帰り、祥子おばあちゃんと暮らすことになった舞ちゃん、皿洗いや学校への遅刻などで熱が出てしまい、「何やってもうまいことでけへんねん」と落ち込みます。祥子は「できんことは、次、できるようになればよか。そっでな、できんなら、できることば探せばよかとぞ」とアドバイスしました。この五島弁がこのドラマのポイントだなと思いました。「およ」、「およう」・・・”YES”という場合、「分かった」というとき、微妙にイントネーションで表現されます。イイ言葉です。

「道の駅めぬま」にはいろいろな色の薔薇が咲いています

■ 失敗は悪いことじゃなか
 舞がビワを摘み、ジャムを作り、それを瓶詰めする祥子の仕事を手伝います。というかおばあちゃんに「手伝ってみんね」と言われたのですが、失敗もあってしょんぼりする舞に対して祥子は、「ビワ取りも瓶詰めも最後はちゃんとでくっことなったやろ。失敗は悪いことじゃなか。舞は自分で手伝いばすると決めて、最後までできたやろ。すごかことぞ」と褒めたたえます。チャレンジさせて、失敗しつつも最後はうまく行く、この成功体験がヒトを成長させ、ましてや褒められることでますますやる気が出る、素晴らしい教育です。過保護な母ではなくひと世代離れた祖母だからこそできることです。祥子が磯釣りの客を船で迎えに行くはずが、ばらもん凧に夢中になって約束の時間を忘れてしまい、客を怒らせてしまいます・・・客に頭を下げ続ける祥子を見ていた舞は「おばあちゃん、大丈夫?」と声をかけ、そっと祥子の手を握ります。そして「おばあちゃん、失敗は悪いことやないんやろ?」と語りかけると、祥子はハッとして「およ」とうなずき、舞を優しく抱きしめます。孫に教えられたのでした。

「道の駅めぬま」の石標

■ 「おばあちゃん」から「ばんば」に
 五島の小学校同級の一太(野原壱太君)から、一緒にばらもん凧を揚げようと言われた舞が、どうするか悩んでいたときは「ばあちゃんもた〜くさん失敗したとよ。めぐみのことだってそう。失敗したせいで、めぐみにも舞にもず〜っと会えんかったとさ。舞は、人ん気持ちば考えられる子たい。じゃってん、自分の気持ちも大事にせんば」と舞の背中を優しく押します。
 舞の成長を見て祥子は東大阪に帰すことにしました。2人が過ごす最後の夜、祥子は「舞、ばらもん凧あげたときのこと覚えとっか? 舞もばらもん凧ごたぁ、どがん向かい風にも負けんとたくましく生きるとぞ」とエールを送ります。舞は「ばんば、今までありがとう」と言うと、祥子は目を真っ赤にして優しくほほ笑みました。「おばあちゃん」から「ばんば」に変った呼称が、二人の間の距離感の変化を表していましたが、筆者的には「おばあちゃん」のほうが良かったなぁ。

「道の駅めぬま」の薔薇にまみれて楽しむ人は圧倒的に女性

■ 「なにわバードマン」に入部
 迎えに来た母めぐみと東大阪に帰るとき舞は飛行機に乗りたいと言います。これを機に空を飛ぶという魅力に取りつかれた舞は2004年、地元の浪速大学に進学し、人力飛行機サークルの「なにわバードマン」に入部しました。サークルは、女性パイロットによる飛行距離新記録の樹立を目標に活動していましたが、本番に向けたテスト飛行で、先輩部員の由良冬子(吉谷彩子)が操縦する人力飛行機「スワン号」が墜落し、冬子は全治2ヶ月の大怪我をしてしまいます。コマーシャルでしか見たことのなかった吉谷彩子の登場に、「およ、ビズリーチ!」と思いました。冬子に体格が近い舞は、落ち込む部員たちを見て自らパイロットになることを決心しますが、この計画に設計担当の刈谷博文(高杉真宙)は猛反対し、部長の鶴田葵(足立英)と口論となりサークルを去って行きました。しかし舞に懇願され、部員たちの熱い思いも知って復帰を決意します。体力が足りない舞でも記録が狙えるよう、機体の改造に着手、舞も刈谷から要求された体力づくりと減量達成を目指し、トレーニングに没頭します。高い部費を工面するため週2日の飲食店アルバイトにも精を出します。この「ノーサイド」というカフェの店員さんは皆縞々のラグビーウェアを着ています。目標をクリアするのは簡単ではありませんが、舞と冬子の二人三脚でのトレーニングが始まると、成果が少しずつ出はじめ、テスト飛行の日、舞が乗ったスワン号は1本目のフライトで、フワリと空へ舞いあがりました。しかし新記録達成のためには部品の加工が必要です。それを父の工場で加工してもらい、いよいよ琵琶湖での本番飛行の日がやってきました。

「道の駅めぬま」にある郷土の偉人:荻野吟子像 日本の近代最初の女性医師です

■ 向かい風に負けんと、ばらもん凧のごたぁ、自分ば信じて飛べばよか
 スワン号が無事に空を飛ぶのを楽しみにしていたものの、部員たちの期待を裏切られないというプレッシャーで、本番前日の晩、なかなか寝付けなかった舞は思わず五島の祥子に携帯から電話します。サークルのみんながどれだけ頑張ってスワン号を作ってきたか、その飛行機を自分が飛ばすと思うと、「怖い」という感情が沸き上がってくると説明しました。祥子は「舞なら大丈夫。みんな信じとる。じゃけん、舞も自分ば信じて飛べばよか」と励まします。さあ、行け!飛べ!舞いあがれスワン号・・・

NHKのSNSより・・・琵琶湖に舞いあがるスワン号

■ 若者の姿に感動
 筆者は国立大学法人の経営協議会委員を務めています。その関係でたまに大学キャンパスを訪れると若者がウヨウヨ居ます。普段は少年野球やこどもエコクラブで小学生と交わっていますが、大学生となるともはや大人の先駆けです。若さ溢れるエネルギーにいつも励まされます。この大学でも人力飛行機で琵琶湖チャレンジするために学生たちが寄付を募り、沢山の人たちから支援を受けてチャレンジしています。浪速大学ならいいですが、遠くの大学では機体の輸送も、部員たちの宿泊交通費も大変です。このドラマを見ていて、若者たちの悩む姿、頑張る姿、励まし合う姿、協働、絆、色々な言葉が思い浮かびますが、何より若者にしか無いエネルギーとそのはつらつとした瞬発に感動します。明治維新だって主役はこの世代の若者でした。若者頑張れ!目標を持って、それ目指して舞いあがれ!

NHKのインスタグラムより・・・「舞いあがれ!」ヒロイン岩倉舞役の福原遥さんと子ども時代の浅田芭路ちゃん
(2022年11月8日)


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