493  宗教T

 お盆が過ぎて秋風を感じますが、天気予報では南関東では9月にかけて気温の高い日が続くとのこと、真夏日はもう無いようですが、秋雨前線が徐々に南下し、本州付近に停滞しそうです。前線に向かって湿った空気が流れ込むため、局地的に大雨の可能性があり、注意が必要とのこと。秋雨前線が本州付近に南下して停滞するようになるので、28日ごろにかけて全国的に雨や曇りの天気が続きそうです。一方北日本は、秋の空気に包まれ、昼間でも上着が必要なくらいの気温になるのに、東日本と西日本は、30度を超える日が多く、西日本では真夏日もまだあって、厳しい残暑に警戒が必要だそうです。

■ 浄土真宗親鸞会
 フェイスブックでよく見かける広告「浄土真宗親鸞会」です。ホームページはhttps://shinrankai.jp/で、親鸞会から発信している情報(浄土真宗の教えや親鸞聖人に関すること、親鸞会の活動など)が紹介されています。この広告を見ると、日本最大の宗派、浄土真宗・・・2,000万人の信徒がいると言われる浄土真宗の魅力をわかりやすく解説しています・・・と書かれています。


 ところが最近のフェイスブックへの掲載画像はちょっと変わりました。そこには・・・これを読んだらすっきりしました!と好評の仏教を初歩からやさしく解説する本。身近だけど、実はあまり知らない仏教を少し知ってみませんか・・・と書かれています。


 もしかして、浄土真宗の前に、まずは仏教について知ってもらいたいということなのでしょうか。

■ 宗教法人数と信者数
 以前書いたように宗教については触れるべきでない話題としてこれまでは封印してきました。いま旧統一教会が大問題となっているので、少しずつ触れて行こうと思います。そもそも、日本という国は、世界的にも宗教に関しては特異な国の一つでしょう。海外ではイスラム教、仏教、キリスト教などが広く信仰され、他にも数多くの宗教が有ります。日本の宗教法人を所轄するのは文化庁ですが、その統計によりますと、日本の宗教法人数は、最新の2020年12月31日時点で18万544団体あるそうです。同じく同時期の文化庁統計によりますと、各宗教の信者数は、神道系が8792万4087人(48.5%)、仏教系が8397万1139人(46.4%)、キリスト教系が191万5294人(1.1%)、諸教(神道系・仏教系・キリスト教系以外であるもの)733万5572人(4.0%)、合計1億8114万6092人となり、これは日本の総人口(約1億2600万人)のおよそ1.5倍です。複数信じている人が居るということでしょうか?皆様もうお分かりでしょう。そんなはずはありませんよね。国民へのアンケート調査をすると、「何らかの信仰・信心を持っている、あるいは信じている」人は2割から3割だそうです。文化庁の統計調査は、宗教法人を回答者として申告制で行うため、各宗教団体が必然的に自団体の信者数を多めに申告するのだそうです。キリスト教やイスラム教などでは定期的に礼拝に参加していても、信徒と非信徒とを明確に区別しており、洗礼やシャハーダなどの入会儀式を受けるまでは信徒として扱われないとのこと。しかし神道や日本の仏教ではそんな固いことは問いません。浄土真宗の信徒が2千万人居る?周りの人も宗教の話はほとんどしないので、本当か?と思います。でも6人に1人が浄土真宗の信徒なら普通分かりますよね。アリエナイのでは?

■ 浄土真宗の教え
 浄土真宗は、鎌倉時代初期の僧である親鸞が、その師である法然によって明らかにされた浄土往生を説く教え=「浄土を顕かにする真実の教え」を継承し、展開させて、親鸞の没後に、その門弟たちが教団として発展させたものだそうです。ただ、親鸞の教えを受け継ぐ我こそは正統派なりという人たちがたくさんいて、いろいろ派生しました。他の仏教宗派に対する浄土真宗の最大の違いは、僧侶に肉食妻帯が許されること、戒律がない点です。ただ阿弥陀如来の働きにまかせて、すべての人は往生することが出来るとする教えから、多くの宗教儀式や習俗にとらわれず、報恩謝徳の念仏と聞法を大事にし、加持祈祷を行わないのも大きな特徴だそうです。日本の仏教諸宗中、最も多くの寺院、信徒がいるとされています。
 ただ、宗派はものすごく分かれていて、浄土真宗本願寺派という西本願寺と、真宗大谷派という東本願寺の他、8派で真宗十派(真宗教団連合)を構成していますが、更に分派した宗派がいっぱいあるようです。浄土真宗親鸞会は、他の浄土真宗の宗派からは異端と目されているようです。
 親鸞会のホームページには次のように書かれていました・・・浄土真宗の一枚看板は、「生きている平生に救われる」「平生業成(へいぜいごうじょう)」の教えといわれます。お釈迦さまが説かれ、親鸞聖人が明らかにされた真理は、現代の私たちの人生にも全く通じるものです。そもそも、時代の変化とともに変わるようなものは、真理とはいえません。2500年前、お釈迦さまによって説かれた仏教は、時空を超えて、あなたの心に届けられ、一人一人の人生を、生き返らせるのです。
 お釈迦さまは、王様の太子として生まれ、幼少はシッタルタといわれました。文武ともに抜群で、国いちばんの美女と結婚し、何一つ不自由はありませんでしたが、シッタルタ太子の心は少しも晴れませんでした。それは、健康、財産、地位、名誉、妻子、才能などに恵まれていても、やがてすべてに見捨てられる時がくる。どんな幸福も、老いと病と死によって、崩れ去っていく現実を知られたお釈迦さまは、真実の幸福を求めずにおれなくなったのです。29歳のある日、太子は夜中ひそかに城を抜け出し、山奥深く入られ、私たちの想像もできない厳しい修行を6年間されました。そしてついに、35歳の12月8日、大宇宙の最高のさとりである、「仏」のさとりを開かれ、すべての人が本当の幸福になれる真理を体得されたのです。それから80歳でお亡くなりになるまで45年間、お釈迦さまは、すべての人が本当の幸福になれる道一つを、説き続けていかれました。その教えを今日、仏教といわれます。
 親鸞聖人の波乱万丈の90年、最期に遺されたメッセージは・・・「まもなく私の一生は終わるであろう。一度は弥陀の浄土へ還るけれども、寄せては返す波のように、すぐに戻って来るからな。一人いるときは二人、二人のときは三人と思ってくだされ。嬉しいときも悲しいときも、決してあなたは、一人ではないのだよ。いつもそばに親鸞がいるからね」・・・“すべての人が幸せに救われるまで親鸞は無限に活動を続けるぞ。極楽浄土でのんびりなんかしていない”との宣言です。


■ 浄土真宗本願寺派と戦争
 2022年8月20日(土)21時よりNHKで、BS1スペシャル「戦禍のなかの僧侶たち〜浄土真宗本願寺派と戦争」が放送されました。満州事変から太平洋戦争の時代、仏教は戦争にどうのように関わっていたのか、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の戦時被災等調査委員会が、宗派内全寺院約1万寺を対象に2020年4月から6月にかけ調査を実施し、調査結果を報告書としてとりまとめた『本願寺派寺院と戦争「宗門寺院と戦争・平和」調査報告書』をもとにしたものです。約4千寺から回答があり、多くの写真や資料が寄せられたそうです。そこからは日中戦争の戦場に派遣された従軍僧の日誌、旧満州の開拓地で布教にあたった開教師の記録などアジアに進出した教団の姿が浮かび上がってきました。太平洋戦争が始まると85%の寺が金属回収に応じ、学童疎開や戦時動員に協力していました。東南アジアでは陸軍が仏教による宣撫(センブ)工作を進めていましたが、「マレー興亜訓練所」で日本語教育に当たった僧侶もいたそうです。番組では、新たな全国調査をもとに戦禍の中の僧侶たちの姿を描きました。

■ 三宅一生さん、森英恵さん死去
 日本を代表するファッションデザイナーで文化勲章受章者の森英恵(もり・はなえ)さんが2022年8月11日 老衰のため死去されたそうです 96歳でした 先だって8月5日には 斬新な服作りで国際的に高く評価されたファッションデザイナーで文化勲章受章者の三宅一生(みやけ・いっせい、本名かずなる)さんが 肝細胞がんのため東京都内の病院で84歳で死去されたとの報があったばかりです 昨年11月13日には米アカデミー賞を受賞するなど国際的に活躍した衣装デザイナーのワダエミ(本名和田恵美子=わだ・えみこ)さんが84歳で死去されました 相次ぐファッション界の巨星落つの報ですが 考えてみれば日本人もずいぶんファッション界で世界的に活躍しているんだと 改めて認識しました
(2022年8月21日)


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