471  あれから11年

 2022年3月16日23時36分頃、福島県沖を震源とする地震が発生しました。スマホが唸り、慌ててテレビを押えました。宮城県から福島県で震度6強の揺れとなり、東北新幹線が脱線したほか、各地で死者も出る大きな被害となりました。11年前をほうふつとさせる揺れでしたね。ただ揺れ方や規模において11年前とはちょっと違いました。

■ 東北新幹線が大被害の大地震
 この地震はマグニチュード7.4、震度6強の大地震でした。杜の都・仙台では仙台城跡の石垣が崩れ、「伊達政宗公騎馬像」が、地震の激しい揺れで足元に亀裂が入り、正面から見て左側に大きく傾きました。それほど大きな地震で、東北新幹線の下り列車で東京発、仙台行きの「やまびこ223号」(E5系とE6系連結車両)が福島駅と白石蔵王駅の間の宮城県白石市内で脱線しました。白石蔵王駅の直前ですから減速していたはずです。17両編成のうち1両を除く16両が脱線し、合わせて68の車輪の軸のうち60基がレールから外れたということです。レールが上下にゆがんでいるのが複数の箇所で見つかったほか、架線を支える柱が折れたり高架の下にある橋脚が一部崩れたりするなど広い範囲で被害が確認されました。全線での運転再開については、複数の電柱が傾いたりするなど被害が特に大きい福島駅と仙台駅の間の復旧に時間がかかるため、JR東日本の発表では、3月22日(火)より那須塩原〜郡山間と一ノ関〜盛岡間での運転を再開、郡山〜一ノ関間は引き続き運転を見合わせるとのこと。在来線で臨時列車の運転を行い、郡山〜福島間は4月2日(土)ごろ、仙台〜一ノ関間は4月4日(月)ごろの運転再開を計画、東北新幹線の全線運転再開は4月20日(水)前後を目指すとのことです。


JR・E5系車両

■ 東日本大震災と別タイプの逆断層型
 この地震は東北地方太平洋沖の日本海溝で、日本列島を乗せた陸側の岩板(プレート)の下に沈み込む太平洋プレートの内部に歪(ひず)みが蓄積し、プレート内の断層が活動して発生した「逆断層型地震」で、東日本大震災のようなプレート境界の固着域が滑って起きる「プレート境界型地震」ではないことから、発生機構が異なり、東日本大震災の余震ではないと見られています。発生の2分前に近くで最大震度5弱、マグニチュード6.1の地震が起きており、これが誘発したのかもしれません。この付近では、東日本大震災の余震とは無関係に、マグニチュード7〜7.5程度の地震が繰り返し発生してきました。昨年2月13日にもプレート内が震源のマグニチュード7.3の地震が発生、最大震度6強を記録しました。度重なる地震に、この地域の方々からは「やんたくなる(いやになる)」との声も聞かれます。

産経デジタルより

■ JESEAの予測がピッタリ的中
 この地震で仙台の弟は11年前に続く大変な目にあったようです。筆者も今週は盛岡で会議の予定でしたが、新幹線移動が無理なので急遽リモートに切り替えます。地震予知はかねて不可能と言われてきましたが、今回「地震発生予測」について注目すべきことが明らかになりました。JESEA地震科学探査機構(https://www.jesea.co.jp/)が発表している「ピンポイント予測」において、2022年3月16日の地震予測が実際の地震と、時期・場所ともに合致する結果となったのです。2020年11月から2022年3月16日までの期間では22件予測して16件が的中、73%という非常に高い精度での地震予測的中率なのだそうです。これは画期的なことですね。

JESEA地震科学探査機構のホームページより転載
 しかも驚いたのは、2022年3月16日の地震予測で、発生予測地点が宮城県と福島県の境の沖であること、更に岩手県北部沖でも起きる可能性があるということでした。するとその日の23時36分頃、福島県沖を震源とする地震が発生し、さらに2日後の3月18日23時25分ごろ、岩手県北部沖で地震があり、震度5強の揺れを岩手県の野田村で観測したのです。これらは震源の深さも異なり、相互に関連は無いと見られます。

■ JESEAの「MEGA地震予測」とは
 JESEA地震科学探査機構の「MEGA地震予測」では、人工衛星を使い、絶えず動き続ける地表をリアルタイムで観測し続けることで、異常変動を検知し、地震を予測しているそうです。「地震予知」ではなく「地震予測」であることがミソです。地震学では地震のメカニズムを研究していますが、この測量を主体としたアプローチによる「地震予測」を確立したのが、「MEGA地震予測」の生みの親であり、世界の測量工学界をリードしてきた村井俊治東京大学名誉教授とのこと。村井俊治(むらいしゅんじ、1939年9月19日〜 )さんは、日本の土木工学者、東京大学名誉教授で、専門は測量、空間情報工学、2013年4月より日本測量協会会長。「MEGA地震予測」では、GPSを使い、絶えず動き続ける地表をリアルタイムで観測し続けることで、異常変動を検知し、地震を予測しています。村井俊治さんは現在JESEA地震科学探査機構の取締役会長ですが、地震を予測することで、少しでも被害を防げたら、ということでこの組織を設立したそうです。実は東日本大震災の地震も予測していたそうですが、観測データ提供企業との守秘義務契約があって公表できなかったとのこと。村井さんはこれを悔いて、「MEGA地震予測」を世に広めることを決意したそうです。これで思い浮かぶのが、日曜劇場「日本沈没−希望のひと−」(TBS系)で香川照之さん演じる地球物理学者・田所雄介博士でした。ドラマの主人公は小栗旬さん演じる環境省の官僚・天海啓示ですが、他にも多くの魅力的なキャラクターが登場していました。松山ケンイチ、杏、仲村トオル、國村隼・・・中でも、独特の存在感を発揮していたのが香川照之さんでした。第8話でも象徴的な場面がありました。海外への移住で国民を救おうとする政策がうまくいかず、窮地に陥った主人公に田所博士は「海底の波動は、ふさがれた道をこじ開けてでも進んでくる」と指摘し、「君も、こじ開けろ!」と背中を押します。それが主人公に新たな戦略を考えさせ、移住政策を軌道に乗せたのです。
 
顔芸の凄い香川照之さん(実は東大卒)

■ ウクライナ戦争1ヶ月経過
 東日本大震災から11年経ちましたが、自然災害ではなく、人的災害は防げるはずなのに手の打ちようが無いと、イライラして健康に悪いことこの上無しです。ロシアのウクライナ侵攻から3週間が過ぎてそろそろ1ヶ月、戦況はロシアの無差別攻撃の様相が強まっています。当初はロシアの圧倒的な軍事的優位性から、首都キエフの陥落は時間の問題と言われていましたが、ウクライナ軍の抗戦によってロシア軍がなかなか進軍できない状況のようです。米国はじめNATOから衛星画像などでロシア軍の動きが精密に伝えられ、ウクライナ軍がロシア軍の戦車や補給トラックを携帯型のミサイルやドローンで攻撃できるため、ロシア軍はかなりのダメージを受け、20人居る将軍中すでに5人戦死したと言われます。自衛隊元幹部によれば、これはものすごく異常事態だそうです。しかもNATO各国からこれでもかと兵器が次々支援供与されるため、長引くほどロシア軍にとっては不利になると思われます。しかも前線への補給が必要ですから、長引かせないために、既に1000発以上のミサイルを撃ち込んでいるといわれますが、今後無差別砲撃、爆撃に出るのではないかと心配です。日本の子どもたちにも破壊の映像は深い心のダメージを与えているのではないかと、とても心配です。

ふじみ野市立西原小学校の菜の花満開 日本とウクライナの子どもたちの置かれた環境の差に思いを至します

■ 「幸福」ならともかく「降伏」を言う人の愚かさ
 「羽鳥慎一モーニングショー」でテレビ朝日局員の玉川徹さんがロシアのウクライナ侵攻について「どこかで退くことも考えないと」「軍の敗北=国民の敗北とは僕は思わない」と発言しました。長嶋一茂さんと言い合いになりましたが論を曲げませんでした。ラジオ番組で、テリー伊藤さんとウクライナ人が口論となった件もネットで炎上しました。「たぶん今リアルな状況だと、ウクライナは勝てませんよ」と言うテリー伊藤さんに対し、「降参しろっていうことですね」と呆れた様子だったウクライナ人は、オクサーナ・ピスクノーワさん、NHK教育テレビでロシア語講座のキャスターを務めたことがある人です。橋下徹さんに到っては論外ですね。フジテレビの番組『めざまし8』や、日本テレビの番組『情報ライブ ミヤネ屋』にコメンテータとして出演して、その発言が大炎上しているのに性懲りも無く日本の一部テレビ情報番組は起用し続けています。それは話の上手い人を出して視聴率を稼ぎたいからでしょう。しかしことは戦争で、日々ウクライナでは民間人が殺傷されているのです。筆者もウクライナ国民支援のために寄付させていただきましたが、子どもが涙ぐんで「パパが心配だ」と言っている姿を見ると、可哀そう過ぎて言葉を失います。あまり強い言葉で批判したくはありませんが、「偉そうにペラペラとよくも言えるな」と思います。在日ウクライナ人の国際政治学者グレンコ・アンドリーさんとの激論では、「今、ウクライナは18歳から60歳まで男性を国外退避させないっていうのは、これは違うと思いますよ」、「アンドリーさん、日本で生活してていいでしょう。未来が見えるじゃないですか。あと10年、20年、頑張りましょうよ。もう一回、そこからウクライナを立て直してもいいじゃないですか。プーチンだっていつか死ぬんですから」・・・ウクライナの現状を懸命に説明していたグレンコさんの発言に割って入ってまで、橋下さんは「ウクライナ人は国外へ逃げろ(=つまり、国土をロシアに明け渡せ)」と言ったのです。フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演した時は、自民党の高市早苗政調会長にも「中国を取り込まないと(対露)制裁の効きが弱いともいわれている」と指摘し、「中国に頭を下げてでも、こっちに付いてもらう必要があるのでは」と問いかけ、高市氏はあきれ顔で「だめだコリャ」という感じでした。さらに橋下さんは自身のツイッターで「今の中国は欧米の制裁に負けたというのを最も嫌がる。アヘン戦争の敗北の歴史からの脱却が原動力なんやから。中国をこっちに引き寄せるには、お願いかお土産が先やろ。制裁をちらつかせるのは最後の手段。こんな建前政治は、解決能力なし。ほんまアカン。」(2022年3月15日)とつぶやきました。確かに一理ありますけどね。

ハクモクレン花盛り

■ 歴史を勉強して下さい・・・戦争に勝者は居ません
 これら3人の方は、歴史認識が違うのでしょう。太平洋戦争で日本は無条件降伏したのではありません。「国体護持」が条件でした。しかし米国民を納得させるためにトルーマンは無条件降伏を装ってプレスリリースしたのです。硫黄島や沖縄での戦いを見て、日本人は全滅覚悟で向かってくると恐ろしくなり、原爆2発食らわせてもなお降伏しないので、「国体護持」を条件にして降伏させたのです。しかしソ連のスターリンは原爆投下を見て「これはヤバイ」と日ソ不可侵条約を破って8月9日参戦しました。そうしないと日本の領土を奪えないと判断したからです。マッカーサーは「国体護持」が条件だったのにもかかわらず、軍国主義の中心にあった国家神道を禁止し、国のために命を捧げれば靖国神社に神として祀られるという思想を禁止しました。次いで、教育の場から徹底的に軍国主義を追放しました。そして、日本人に対し「戦争を賛美してはいけない」、「戦争で戦う人を英雄視してはいけない」、「国のために自分を犠牲にすることはよくない」、「国のために死ぬことを名誉としてはいけない」という考え方を植え付けたのです。それは侵略戦争に対しては正しい考えです。しかし自衛戦争は違います。日本の場合は、たまたま領土的野心を持たないアメリカに降伏したので、国を奪われずに済みましたが、ウクライナ人の場合はそうはいかないということが理解できていない人たちは、自衛の戦争であっても「戦争はよくない」といい、国のために戦うな、犠牲になるなといい、勝ち目がないし、無駄だから、さっさと無条件降伏すればいいと言うわけです。国を奪われること、亡国の民となることがどんなことか理解していないのでしょう。更に言うなら、いまウクライナ人を一生懸命支援しているポーランド人が体験したワルシャワの悲劇、ソ連と戦ったフィンランドとリトアニアの違い、歴史をもっと勉強しろと言いたいですね。ナチスドイツに2千7百万人弱も殺されたソ連、その後のロシアが今度は友邦ウクライナを攻撃している、しかし歴史が教えるのは、戦争に真の勝者は居ないということです。かつての蒙古帝国のように、女子ども含めて皆殺しにするというのは恐ろしいですが、世界一の軍事大国USAでさえ、ベトナムやアフガニスタンで勝てずに結局引き揚げました。長い戦いが終わって結局勝者は居ないのです。ロシアもウクライナも結局どちらも悲惨な目にあい、プーチンはヒトラーと並び称されるようになるでしょう。

生垣の定番レッドロビンの新芽が紅くなってきました

■ シュワちゃんの訴え
 シュワちゃんの愛称で親しまれる俳優で政治家のアーノルド・シュワルツェネッガーさんが、ロシア国民に向けて約9分間の動画を公開し、ロシア政府にウクライナでの戦争を終わらせるよう求め、国家のプロパガンダを非難しました。父グスタフ・シュワルツェネッガーが所属していたナチス軍がいかにロシアにひどいことをしたか、ナチスから吹き込まれた嘘を信じて戦った末に、レニングラードを去るとき、父が肉体的にも精神的にもボロボロに壊れていたことを語りました。父が残りの人生を痛みに苦しみながら生きたことを伝え、「ロシアの兵士のみなさんには、私の父のように壊れてほしくないのです」と訴えました。実に説得力がありましたね。しかしこれはロシア軍の兵士たちに伝わるのでしょうか。

アーノルド・シュワルツェネッガー

■ 簡単には終わらない戦争
 G7各国ではロシア軍の思いがけない停滞や、ロシア経済が制裁で大変なことになる、ロシアから脱出する国民が増えているとの報道が盛んですが、モスクワに居る日本人の広瀬さんという方へのインタビューでは、確かにぜいたく品は店頭から減り、パソコンはグンと値上がりし、ユニクロやスタバ、マクドナルドが閉めたが、バーガーキングはやってるし、ATMに行列も出来ていないそうです。カードもロシア国内発行のものは使える、モノの値上がりはあるがそれほど国民がうろたえたり右往左往していないとのこと。しかも国民のおよそ6割はプーチンを支持していて、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokが使えなくて困っている若者もいるが、ウクライナの現状なども調べる力がある人は情報入手できるそうです。プロパガンダでだまされているロシア国民という認識は一部にはあるが、大多数は欧米日の制裁に立ち向かおうというプーチンを信じているというのが現実だそうですから、この戦争は簡単には終わらないでしょうね。やんたくなり(いやになり)ます。

近年生垣に人気のトキワマンサク

■ マレリが私的整理の衝撃
 自動車部品大手のマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)は、経営再建に向け私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請し、3月7日メインバンクのみずほ銀行など取引金融機関全26行から同意を取り付けたそうです。負債総額が1兆円を超えており、金融機関に債権放棄などを求めています。マレリ(さいたま市北区、ベダ・ボルゼニウス社長)は売上高1兆円以上、埼玉県最大の企業であり、半導体不足などで生産ダウンした主要な取引先である日産自動車の経営不振で工場の稼働率が低迷していたことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大にとどめを刺された模様です。日産自動車系列だった自動車部品大手のカルソニックカンセイは、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部品部門のマニエッティ・マレリと経営統合し、2019年10月に社名を「マレリ」に変更していました。かつてお得意様だったので、衝撃的ですが、時代の波かもしれませんね。

さいたま市北区マレリ本社 かつて「しまむら」本社の場所を購入しましたが、この建物も売却

■ 地蔵院の桜と掲示板
 埼玉県ふじみ野市の地蔵院のしだれ桜(樹齢三百数十年のエドヒガン)が見頃です。花を観に来て、スマホでパシャパシャやっている人が多数居ます。門前の掲示板には「過去を自慢するのは 進歩が無くなった証拠」と書いてありました。

地蔵院のしだれ桜

■ まん延防止等重点措置が終了
 日本は本日でまん延防止等重点措置が終了となります。これは医療逼迫の判断基準を変えてでも、経済優先に舵を切るためです。相変わらずテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」などはこの政府方針に批判的ですが、日本よりはるかに感染者比率が多い米英などがいち早く経済優先に舵を切った結果、高い成長を示しているのに、日本は物価が上がり、国民の収入は減るどん底状態なので、これはイカンと方針転換したわけです。中国では日本よりずっと少ない感染者数でも都市封鎖して、相変わらず強力な国家統制でゼロコロナ政策を維持しています。一方徹底的検査とIT活用で感染を封じ込める「K防疫」で鳴らした韓国の新型コロナウイルス感染者急増は凄まじいですが、それでも日本よりさらに規制を緩めています。今や人口当たりの感染者数は世界トップ、3月16日には621,317人、2位のドイツの3倍なのに何故でしょう?それは風邪と同じ扱いとみなすように方向転換したからです。ワクチン接種も日本よりずっと進んでいるので、感染しても重症化率は低い、それより経済だ、というわけです。日本の3月21日の感染者数は全国で27,701人、東京都で3,855人と順調に減少している上、重症者数も減っているので、やっと方向転換を始めたというわけです。ロシアのウクライナ侵攻でリセッションが進むことは何としても避けたいという政府の方針は正しいでしょう。ただし、感染のひっ迫度合いを端的に示すふじみ野救急病院の状況を3月21日も見てきましたが、広大な駐車場が車で溢れています。治療薬が少なく、検査キットも足りない、重症化を防ぐワクチン3回目接種も遅れているなど、課題はまだ山積です。3月初旬、新型コロナ対策のアドバイザリーボードは、季節性インフルエンザの致死率が0.006〜0.09%なのに対し、オミクロン株のそれは0.13%と推定しました。「ただの風邪」に近いとはいえ、治療薬の早期投与などを可能にする必要があるでしょう。

日本のCOVID-19感染者数推移

■ 岩手大学教授ら遭難
 共同通信によりますと、2022年3月17日17時45分ごろ、岩手県普代村の太田名部漁港から北西約1.3kmの海上で、小型遊漁船「地洋丸」(2.9トン)が転覆していると釜石海上保安部に連絡があったとのこと。同保安部によると、乗っていた男性3人のうち2人を海上で発見、搬送先の病院で死亡が確認されました。残る1人も船内から遺体で見つかりました。3人は普代村の団体職員松頭貴志さん(54)と同県大船渡市の岩手大学教授後藤友明さん(54)、船の所有者で普代村の太田泰文さん(67)。後藤さんが行うホヤの調査のため出港したそうです。船は14時ごろに漁港を出たまま戻らず、捜索中の漁業関係者が沖合で転覆しているのを発見したそうです。
 岩手大学農学部食料生産環境学科の後藤友明教授は、水産システム学研究室(漁業資源生態学分野、Facebook)所属で、三陸水産研究センター(釜石キャンパス)副センター長です。1991年3月北海道大学水産学部水産増殖学科卒業、1998年3月北海道大学水産学研究科博士課程修了、1997年4月〜1999年3月岩手県農林水産部水産振興課技師、1999年4月〜2016年3月岩手県水産技術センター研究員を勤め、その後岩手大学の先生になりました。水産業は豊かな海の生産力によって育まれる多様な水圏資源に支えられる複合的な産業であると捉え、三陸を主なフィールドとして、海を知ること、水産資源を知ること、そしてそこで営まれる漁業を知ることを通じ、これからの水産業を一緒に考えましょうとおっしゃっておられました。海洋の変動が水産資源にどのような変化をもたらすか、三陸で起こっていることを中心にわかりやすく紹介する出前授業も行っていました。外来種ヨーロッパザラボヤの防除方法を確立するための基礎的研究として、本種の生態学的特性を明らかにするため、付着基質を設置したモニタリングと飼育試験に基づいてヨーロッパザラボヤの生態学的研究も行っていました。こんな情熱を持った海の男の死、今はただ安らかな眠りを祈るしかありません。

■ 宝田明さん死去
 俳優の宝田明さんが2022年3月14日 肺炎のため死去されたそうです 87歳でした 2020年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳ですから長生きでしたね 安らかな眠りを祈ります 宝田明さんは二枚目から不良役まで器用に幅広く演じて親しまれたスターでした 父親が南満州鉄道(満鉄)に勤務していたため旧満州で終戦を迎え 艱難辛苦の末に日本へ帰ってきました その体験から講演などで戦争体験を語り 平和憲法を守ろうと訴え 集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法にも反対していました 4月1日公開の映画「世の中にたえて桜のなかりせば」ではプロデューサーを兼ねて出演しており 完成披露舞台あいさつにも登壇した4日後の突然の悲報でした ウクライナ侵略戦争の現実に照らし もっとやるべきことがあると語っておられましたが 遺志は継がなければなりませんね

3月10日映画「世の中にたえて桜のなかりせば」の完成披露試写会でのスナップ
(左から)岩本蓮加、宝田明、三宅伸行監督(スポーツニッポン新聞社)
(2022年3月21日)


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