469  ラスプーチン

 3月になり急に暖かくなったら沈丁花が咲き出しました。春の香りが漂っています。ジンチョウゲは香りのよい花を早春に咲かせる常緑の花木です。「沈丁花」という名前は、花の香りが沈香に似ていることと、十字型の花がフトモモ科の丁子(ちょうじ、クローブ)に似ていることに由来しているそうです。開花期は2月下旬〜4月中旬、外側が紅紫色で内側が純白の肉厚な花は、濃い緑色の葉とよく合います。花弁のように見える部分は萼が花弁状に変化したもので、本来の花弁ではありません。耐寒性は-5℃程度で、東北地方南部の平地以南で庭植えにすることができます。


沈丁花

■ 北京パラリンピック開幕
 ロシアのウクライナへの軍事侵攻が激しさを増す中、北京冬季パラリンピックが2022年3月4日幕を開けました。パラリンピックは1948年、第2次世界大戦の負傷兵を受け入れていた英ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院で実施された競技会が始まりだそうです。脊髄(せきずい)に損傷を負った兵士のリハビリテーションを起源とする大会は、本来「平和の祭典」であるべきですが、今、その理念が脅かされています。昨年12月にロシアを含む173ヶ国が共同で提案し、国連で採択された「五輪休戦決議」は守られませんでした。国際パラリンピック委員会(IPC)は2日、ロシアとベラルーシの選手について、個人資格となる「中立」の立場での出場を認めましたが、それなら参加しないなど、ごうごうたる非難を浴びて翌3日に撤回に追い込まれたのです。ウクライナの選手は当初の予定通り全20人が出場しましたが、北京入りしていたロシアとベラルーシの選手は、出場が認められず、国の責任を個人で負う形となりました。本来選手に罪は無いのに、気の毒ですがこうでもしないと戦争中止への圧力とならないからでしょう。ロシアとベラルーシの国民が、スポーツに政治を持ち込まないのは当然としても、戦争は別の話だということを認識して、国の指導部を変える動きをして欲しいという、世界中からのメッセージと受け止めて欲しいものです。本来オリンピックやパラリンピックは戦争をしない代わりにスポーツで戦うのが目的なのです。

■ ウクライナの選手活躍
 大会が始まるや、ウクライナのバイアスロン代表がいきなり躍動しました。バイアスロンはクロスカントリースキーと射撃を組み合わせた競技で、大変人気があります。ウクライナのグリゴリー・ボブチンスキー選手は、パラリンピック4大会連続出場の33歳で、バイアスロンではソチ大会で金メダルを獲得しています。5日のレースでは10発の射撃をすべて命中させ、クロスカントリースキーでもほかの選手を寄せつけず、大会第1号の金メダルを獲得しました。ボブチンスキー選手は、レース後の取材で、「寝ていても起きていても戦争のことを考えています。国民が、子どもたちが、死んでいく状況を許せません。オリンピックやパラリンピックで競うほうがいい。今すぐ戦争を止めるべきです。われわれを助けてください」と訴えました。ウクライナはこの日だけでメダル7個を獲得、金メダルは3個で、国・地域別で首位に立ちました。

河津桜

■ 国連総会緊急特別会合の採決結果
 ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて国連総会が3月2日、緊急特別会合を開きました。ロシア軍の完全撤退などを要求する決議案が、加盟193ヶ国の3分の2以上(73%)の141ヶ国の賛成多数で採択されました。反対票は5ヶ国で、当事者であるロシアのほか、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリアで、棄権は35ヶ国・・・アルジェリア、アンゴラ、アルメニア、バングラデシュ、ボリビア、ブルンジ、中央アフリカ共和国、中国、コンゴ、キューバ、エルサルバドル、赤道ギニア、インド、イラン、イラク、カザフスタン、キルギス、ラオス、マダガスカル、マリ、モンゴル、モザンビーク、ナミビア、ニカラグア、パキスタン、セネガル、南アフリカ、南スーダン、スリランカ、スーダン、タジキスタン、ウガンダ、タンザニア、ベトナム、ジンバブエです。無投票は12ヶ国・・・アゼルバイジャン、ブルキナファソ、カメルーン、エスワティニ、エチオピア、ギニア、ギニアビサウ、モロッコ、トーゴ、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベネズエラです。国連安保理のロシア非難決議案と、その後の緊急特別会合の開催を要請するための採決で中国とインド、アラブ首長国連邦(UAE)が棄権に回った理由を前回書きましたが、アラブ首長国連邦(UAE)は緊急特別会合の決議案では賛成に回りました。さすがに侵略の事実を見せつけられてはそうせざるを得なかったのでしょう。棄権というのも反対できないという意味ですから、実質国連加盟国のほぼすべてがロシアの行動を支持しないということです。

水仙

■ テレビ朝日・玉川徹氏の発言
 前々回、日本のテレビ局の苦悩を採り上げました。フジテレビはリストラで大揺れですし、テレビ朝日は幹部に二人逮捕者を出したばかりか、社長がセコイ金遣いで自分の財布から出さなければいけないカネを会社の経費で落としたことを追及されて辞任しました。その前にはコロナ禍にもかかわらず社員が飲み会の末転落事故で怪我したり、トンデモナイことが次々起きています。更に3月4日の「羽鳥慎一モーニングショー」では、社員コメンテータの玉川徹氏が、「ウクライナは降伏しないと死者がドンドン出る、それを防ぐのも国家指導者の責任だ。日本だって太平洋戦争末期、早く降伏すれば原爆まで落とされずに済んだ」という論を展開しました。他のコメンテータが「日本が宣戦布告して始めた戦争と今回のウクライナはまるで違う、ウクライナの指導者が徹底抗戦を叫ぶのは理解できる」と反論しましたが自説を曲げませんでした。玉川氏は降伏すれば命が助かると思っているようですが、太平洋戦争終結時のアメリカとロシアの日本人に対する対応を見ればその論が誤りであることは自明です。確かにアメリカが日本各地の民間人を標的に無差別爆撃したのは戦争犯罪です。しかし終戦後は復興のために尽力しました。ロシアという国の虐殺の歴史を知れば、降伏して助かるなんて甘い国でないことは明らかです。その場で殺さずともシベリアへ連行して強制労働で死んでいった旧日本兵のなんと多かったことか。国を守るために戦うウクライナ人にとって、玉川氏の発言は悲憤慷慨でしょう。更に言えば日本は分割されずに済みましたが、朝鮮半島はソ連・中国と米国によって北と南に分断されました。日本に統治されたが故に、結果的に朝鮮は分断されてしまった、今でも韓国人が歴史問題を忘れないのはこういう過去があるからです。

■ 安倍元首相と橋下徹氏のフジテレビ対談
 玉川徹氏の発言と真逆なのは橋下徹氏です。どちらも徹さんだけど、橋下徹氏は「どうしてNATOが動かないんだ」と疑問をぶつけます。「イラク国民がかわいそうじゃないか」と言うのです。戦争反対の声は全世界にあふれ、日本でも渋谷に2000人近い人々が集まったほか、全国各地でデモが行われていますが、橋下徹氏は「日本国内で集まってもクソの役にも立たない」とおっしゃいます。プーチンが核をチラつかせたら、フジテレビの番組で安倍元総理と橋下徹氏が対談し、安倍氏の口から「核シェアリング」という言葉が出ました。橋下徹氏に至っては「核武装について次の参院選の争点にするべきだ」とおっしゃいます。さすがに非核三原則の日本の元総理が核武装とは言えないでしょうから、橋下徹氏が代弁しているのでしょうか。日本維新の会の本質が分かりますね。

プリムラ・マラコイデス

■ Go get him!
 プーチンはテレビ画像で見ても明らかに異常です。「老害」という言葉がありますが、高齢化によってホルモン異常を起こして怒りっぽくなったり、周囲への疑心暗鬼で被害妄想になるとか、恐怖心からとんでもないことをしでかすことは良く知られたことです。一説にはパーキンソン病の疑いという報道もありますが、定かではありません。こうした「老害」が権力者に起きると大変です。日大の理事長の例や、企業経営者でも、権力を持つ人が道を誤ったら、下に居る人間には悲劇です。強大な軍事力を持つ国のトップがこんな状態になったら国民の悲劇です。プーチンは後世、ヒトラーと並ぶ悪人とされるでしょう。「ペンは剣よりも強し」と言われますが、世界中の人々が反プーチンとなっても、狂った人間を刺激すると何をしでかすか分かりません。爆撃の映像を見ても、原発を攻撃することをとっても、もはや冷静な思考力は無いと見るしかないようです。第二次世界大戦で2700万人弱が死んだ国ですから、ヒトラーの怖さは身に染みているはずです。ロシア国民に真実を伝えて、プーチンを潰すしかありません。しかし報道規制の法律を施行し、SNSを遮断しました。CNNやBBCももはやロシアから報道するのは危険だということで取材報道停止しました。米国のバイデン大統領が一般教書演説の最後に、ボソッと”Go get him!”と言いました。ロシア国民ないしロシア軍の人達に向けたメッセージでしょう。それしかないでしょうね。

■ ラスプーチン
 ロシアのラスプーチンと言えば、怪異な容貌の怪僧で、人々に病気治療を施して信者を増やし「神の人」と称されるようになりました。ロシア皇帝ニコライ2世とアレクサンドラ皇后の寵愛を受けましたが、多くの人々はラスプーチンをペテン師だと考えていたようです。ロシア帝国崩壊の一因をつくり、多くの女性と関係を持ち、歴史的な人物評は極めて低く、最後は暗殺されました。ラスプーチンの死後まもなくニコライ2世は退いて、ロシア帝国は崩壊しました。佐藤優氏の著書『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』という本が以前ベストセラーになりました。佐藤優氏は1985年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省に入省して、在英日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館などを経て、1995(平成7)年から外務本省国際情報局分析第一課に勤務しました。2002年5月、鈴木宗男事件に絡んで背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、東京拘置所に512日間拘留されました。2005年2月執行猶予付き有罪判決を受け2013年執行猶予期間を満了しました。「有能な外交官にして傑出した諜報員であって、国を愛し、ロシア外交の最前線に飛び出した男は、なぜ、国に裏切られ、逮捕されなければならなかったのか?政官財を巻き込んだ対立軸が交錯し、国益、国策、利権、野望など様々な思惑が複雑に絡み合う中で、対ロ交渉の実務と情報収集・分析を担っていた男は、何をしようとしていたのか?」というのがこの本のキャッチです。
 佐藤優氏の事件についてはご自分でお調べください。実はこの「ラスプーチン」という言葉が今回妙に頭に浮かんだのは、プーチンにラストを!ラストプーチンにしたい、という思いからです。プーチン帝国を終わらせるには、ラスプーチンの最期と同様の結果しかないのかもしれないと思います。

佐藤優氏

■ 佐藤優氏の見方
 ロシア政治研究についての専門家という意味合いから、筑波大学の中村逸郎教授がよくマスコミに登場しますが、筆者は佐藤優氏のほうが現実的と見ています。共にモスクワ国立大学に留学経験がありますが、学者と外務省官僚という立場から留学してロシア人と付き合って人脈を作ったという点で、より現実的なのはどちらかと考えれば自然でしょう。ソ連崩壊のとき、アメリカよりも早く情報をつかんで、当時のブッシュ大統領を驚かせたというくらいですから、そのロシア人脈はただならぬものと考えられます。佐藤優氏はウクライナ侵攻について「ロシアが孤立しているとの見方は間違いだ」と言います。欧米は戦争しないで話し合い解決路線ですが、そうでない国と今後は二極化すると言います。イラン、中国、インドもダブルスタンダードだし、ロシアは今後トルコやサウジアラビアとネットワークして行き、戦争はこれから多発して行くと言います。いくら経済制裁しても、資源を持ち、食糧も自給できるロシアは最終的に屈服させられない、ガスプロムに対してヨーロッパが制裁できないのは、それをやったら自分たちが立ち行かなくなるから、ロシアはここから戦争資金を調達できると言います。今回の戦争はプーチンが暴走してるのではなく、これはロシア全体の考えと解釈すべきで、反戦デモなどごく一部だというのです。日本は日米同盟を固め、情報を集めて、ロシア、中国、北朝鮮が日本に攻めてこないように知恵を働かせて生き残りを図らなければならない局面に入ったとのこと、恐ろしい話ですが、これが現実なのかもしれません。

■ リセッションの恐れ
 リセッション(recession)とは、景気のピークを「山」、最悪期を「谷」とすると、山から谷に向かって悪化する局面のことを言います。これまではこんなこと(=景気後退)など考えてもいませんでしたが、ロシアのウクライナ侵略により、原油相場が急騰しており、しかもこれまでもインフレが顕著になってきたところに、ロシアの主要銀行を国際決済取引網「SWIFT」から締め出す経済制裁によって、世界的なインフレが加速しそうだということで、投資家が株式を敬遠し、債券に殺到しているためです。ルーブルは暴落し、信用不安により預金を引き出そうとロシア国民はATMに長い行列を作りました。この事態にロシア中央銀行は政策金利を9.5%から20%と2倍以上の大幅利上げに踏み切りました。また欧米メーカーは続々ロシアビジネスから撤退し、VISAとマスターカードもロシア人は使えなくなりました。ロシア社会は大混乱に陥るでしょう。ロシアは資源大国ですから、この経済制裁はリバウンドとして世界中に波及します。戦争が長引けば、リセッションもありうるかもしれません。

■ 為替の動き
 ところがこのルーブルよりも価値が低いのが日本円です。その実質実効為替レートは2022年1月時点で67.55円となり、過去最高の1995年4月(150.85)の半分以下まで沈下しました。名目の115円より4割以上低く、50年前に逆戻りしています。こんな日本はともかく、少なくともアメリカではリセッションは起きないだろうと言われてきました。しかし、ロシアの暴挙によって、投資家の心理に陰りが出て、心配な状況になってきました。日経平均株価の急降下は、資源の無い国ですから仕方ないかもしれませんが、従来「有事の円」と言われていたのに、今回は円高になりません。戦争局面では「有事のドル」だからです。一方ロシアは、ウクライナ侵略したら制裁を受けることは分かっていますから、外貨準備としてはドルに頼れないので、ドルやユーロを売って円や人民元にシフトしてきました。この結果、人民元は対ドルで高くなっています。したがって暴落したルーブルに対して人民元はより一層高くなっていますから、ルーブルが暴落しても外貨としては人民元が頼りなのです。

紅梅と白梅

■ 貧しくなった日本の働き盛り世代
 3月3日の経済財政諮問会議で、内閣府が衝撃データを提出しました。1994年と2019年の世帯所得を年代別で比べたものです。そのデータによれば、1994年と比べ2019年は世帯所得の中央値が、35〜44歳で569万円から465万円と104万円減、45〜54歳は697万円から513万円と実に184万円も減少したというのです。45〜54歳の所得1000万円以上の世帯が約17%から約8%に半減、逆に200万円以下の世帯は3倍近く増えているとのこと。間違ってはいけないのは「個人所得」ではなく、「世帯所得」だということです。この25年間で共働き世帯の割合は上昇しましたが、夫婦2人で稼いでも1994年の所得よりも減っているのが実態だというのです。この原因は何処にあるか?言うまでも無く、新自由主義でしょう。2001年発足の小泉政権は「郵政改革」など構造改革路線をとり、それを主導したのは竹中平蔵氏、現在パソナの会長です。更に長期政権を確立した安倍元首相です。アベノミクスと構造改革に共通する新自由主義の弱肉強食路線のもたらしたものが、徹底的に日本人を貧しくしたと言えそうです。ただし大企業は別ですよ。たっぷりと海外資産を蓄財しています。

■ まん延防止等重点措置が3月21日まで延長
 東京都の新型コロナウイルスの感染者数は3月6日新たに9289人確認、前週日曜日(2月27日)の1万321人を1032人下回って、久々の4桁となりました。31都道府県に適用されていた「まん延防止等重点措置」は、東京や大阪など18都道府県の期限が3月21日まで再延長され、残る福岡など13県は6日の期限で解除されました。ただ2月20日で重点措置が解除された沖縄県などでは、新規感染者数が増加傾向に転じています。ワクチン接種の遅れもありますが、オミクロン株の感染の速さや、新たなBA2といった変異株の出現によって、第六波は減少速度が遅く、もしかすると下がり切らないうちに第七波につながって行くのでは?という見方さえ出ています。

YAHOO!ニュースより転載

■ 日本の男女格差、世界103位に急降下
 世界銀行は2022年3月1日、190ヶ国・地域の経済的な権利を巡る最新の男女格差調査を公表しました。職業や育児、年金など8項目の評価の総合点で、日本は2020年は74位タイ、昨年は80位タイでしたが今回は78.8点で103位タイに急降下、女性の職業選択や賃金、起業に関する制約が響いたようです。ベルギーやカナダ、デンマークなど12ヶ国がすべての項目で100点満点で1位、アジアでは香港が91.9点、33位タイでトップ、台湾が91.3点で米国と同じ35位タイで、韓国は85.0点で61位タイでした。

■ SMBC日興証券の相場操縦事件
 特定銘柄の株価を不正に維持したとして、東京地検特捜部がSMBC日興証券(東京)の専務取締役ヒル・トレボー・アロン容疑者(51)ら幹部4人を逮捕したという相場操縦事件、ヒル容疑者らは特定銘柄の株価を操作した後に、一般投資家に株式を売りつけるという禁じ手を繰り返していたそうです。舞台となったのは「ブロックオファー」と呼ばれる市場時間外取引で、SMBC日興証券の「看板商品の一つ」(捜査幹部)とされ、投資家という顧客を欺いた行為に市場関係者の間で衝撃が走りました。ブロックオファー取引は創業家などの大株主が大量の株式を手放す際、市場を通さず証券会社を介して一般投資家に売る取引です。特捜部は、組織ぐるみで株価を安定させるために買い支えて操作し、不当に利益を得ていたとみて調べているとのこと、大手証券マンの個人犯罪ではなく、組織的な犯行が立証されれば、証券犯罪としては前代未聞だそうです。

■ 那須町湯本の国指定名勝「殺生石」が真っ二つ
 筆者が毎年訪れる栃木県那須町湯本の国指定名勝「殺生石」が真っ二つに割れているのを3月5日観光客が発見したそうです。殺生石は、那須湯本温泉近くの那須岳の斜面にある巨大な溶岩で、室町時代の文献などによると、九尾の狐が美しい女性に化けて鳥羽上皇を殺そうとしたところを陰陽師(おんみょうじ)に見破られ、那須まで逃げた末に退治され石になったという伝説があり、石が放つ毒気で多くの生き物が命を落としたため「殺生石」と名付けられたといわれます。数年前からひびが入っていたことが確認されており、自然に割れたとみられるそうです。

割れる前の殺生石(ひびが見えます)
  
真っ二つに割れた殺生石

■ 訃報…元プロ野球投手三沢淳さん
 元プロ野球中日ドラゴンズと日本ハムファイターズ投手 元衆院議員の三沢淳(みさわ・じゅん)さんが3月3日中皮腫のため死去されました 69歳でした 右下手から繰り出すシュートを武器に2桁勝利を5度マークしました

■ 訃報…トラベルミステリー作家・西村京太郎さん
 鉄道ミステリーの第一人者で、「十津川警部」シリーズなどで知られる作家の西村京太郎(にしむら・きょうたろう)さんが3月3日 肝臓がんのため神奈川県湯河原町の病院で死去されました 91歳でした 1978年にブルートレイン「はやぶさ」を舞台にした「寝台特急殺人事件」が大ヒット 列車や時刻表をトリックに用いた鉄道ミステリーを数多く執筆されました

■ 訃報…今成泰章さん
 プロ野球球団日本ハムファイターズは3日、今成泰章スカウトが3月2日20時35分 劇症型溶血性レンサ球菌感染症のため埼玉・朝霞市の病院で死去したと発表しました 66歳でした その死を悼んで新庄監督以下 春季キャンプで黙とうを捧げました 通夜は3月6日18時より 告別式は7日10時30分から埼玉県富士見市下南畑70-1 しののめの里第3式場で行われます 喪主は長男の優太さん(富士見市少年野球連盟副会長 富士見市議会副議長)です 今成泰章さんは現役スカウトのまま旅立たれましたが 我々少年野球人から見ると 富士見市少年野球連盟育成部長 富士見クラブ総監督として 多くの球児の健全育成に多大な貢献をされました 駒大を卒業して1978年にスカウトとして阪神タイガースに入団 「新卒スカウトはオレが初めて」と言っていたそうで 通常はプロ野球選手を引退してスカウトになるので 名前も知られていないスカウトということで随分苦労したそうです 和田豊 桧山進次郎らを発掘し チーフスカウトも務めましたが 2003年からは日本ハムへ移籍し 主に関東地区や東北地区を担当 ダルビッシュ有や大谷翔平らの獲得に携わり 今季でスカウト生活は44年目でした その粘り強い交渉力は「マムシの今成」と称されたそうです ギョロリとした眼で見つめられるとビクッとしたものです 今成氏は2月17日に沖縄・名護で行われたスカウト会議に参加するなど今春もキャンプを視察して その後帰京して埼玉県内の自宅に戻った数日後の2月22日に体調不良を訴えて 病院で「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と診断され 集中治療室へ入って そのまま帰らぬ人となってしまいました 次男の亮太さんは少年野球水谷フェニックスから富士見シニアを経て埼玉県の高校野球の名門浦和学院高校に進み主将を務めました 甲子園にも出場し プロ野球では日本ハム、阪神でプレーして2019年引退 現在は野球解説者です 亮太さんは父から「お前がもしプロに入りたいんだったら 打つ 打たないじゃなく スカウトは形を見ているから そこを意識してやれ」と言われたそうです これはけだし名言ですね さすがです なお劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは初めて聞きましたが 突発性ショックを引き起こす細菌感染症で 人食いバクテリアとも呼ばれ 毎年 全国で600〜900人の患者が確認されているそうです 壊死(えし)性筋膜炎や多臓器不全を引き起こし 致死率は30%ときわめて高く 発症から48時間以内に死に至るなど症状の進行も早くて 30歳以上の成人に多いという特徴があるとのこと 今成氏はなかなか迫力のある方でしたが 名スカウトとして また少年野球への貢献を見ても 本当に野球が好きで また子どもが好きな方だったなと想いを馳せます 安らかな眠りを祈ります

在りし日の今成泰章さん(スポーツニッポン新聞社)
■ 訃報…画家の原田泰治さん
 ナイーブアート(素朴画)による風景画で知られ 小児まひの影響で両足が不自由な中で 日本の古里をテーマに各地を取材 古里の情景と人々の暮らしを温かい筆致で描いた画家の原田泰治さんが3月2日死去されました 81歳でした

■ 訃報…俳人・稲畑汀子さん
 日本伝統俳句協会名誉会長で 高浜虚子のお孫さんである 俳誌「ホトトギス」名誉主宰の稲畑汀子(いなはた・ていこ)さんが2月27日、心不全のため死去されました 91歳でした

■ 訃報…俳優・川津祐介さん
 ドラマ「ザ・ガードマン」などで俳優として人気を博した川津祐介(かわず・ゆうすけ)さんが2月26日、慢性心不全のため東京都内の自宅で死去されました 86歳でした

(2022年3月6日)


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