450  収穫祭と選挙

 10月31日(日)が衆議院議員選挙になって、もともとふじみ野市長選挙と、それに伴う市議会議員補欠選挙が予定されていたのとダブったので、選挙掲示板が急遽増設されました。市中には選挙カーが徘徊してうるさいです。さてさて10月31日はハロウィンです。どなたが収穫を祝えるのでしょうか?
 10月26日には市役所で久しぶりの環境審議会に出席しました。コロナ禍でほぼ2年ストップして、何もしないで2年の任期が終わるのかと思って危惧していました。どういうわけか環境審議会はハロウィンと同じく10月31日が期末です。次は11月に新しい委員の下、急ぎ開催するようです。次期も委員を務めることになりました。

■ 収穫祭
 収穫祭というのは世界中で行われています。秋祭りは典型ですね。日本各地で様々な形で秋祭りが行われます。それは各神社を中心として行われますが、「産業まつり」という形で神社抜きで行われるイベントも増えました。岩手はいま紅葉真っ盛りですが、小岩井農場(雫石町)のイベントや遠野のホップ収穫祭(岩手県はホップ収穫量日本一です)、一関館ヶ森アーク牧場の収穫祭&音楽フェスはじめ、各地で様々なイベントが行われます、岩手県はこのところずっと新型コロナウイルス感染者ゼロが続いており、首都圏ではイベントがほとんど中止となるなか、感染対策しながら開催されているのは素晴らしいことです。


小岩井農場(雫石町)の紅葉

■ ハロウィン
 10月31日はハロウィンです。その前の週に、ある小学校で少年野球の試合がありました。花壇で年配のご婦人が小さな樹木にハロウィンの飾りつけをしています。その傍らでより若いご婦人が草取りと植物の枯葉を抜き、花壇の整備をしています。学校内ですからもちろん学校承知の上のことでしょう。ボランティアでしょうか。日曜日なので先生がわざわざ来ているわけではないでしょう。あのオレンジ色のパンプキンやら、きらきら光るテープや各種の飾り・・・でもなぜ日本でハロウィンなのでしょうか。ハロウィンが行われる10月31日は、古代ケルト人(ヨーロッパの先住民)の暦で1年の終わりだそうです。秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す宗教行事です。アメリカ合衆国ではカボチャのお化けが有名ですが、本家アイルランドではこれがカブだそうです。カボチャは新大陸アメリカ原産の作物だからでしょうね。日本ではかつては一部外国人だけの祭りでしたが、クリスマスやバレンタインのように、何でも受け入れて自分流にしてしまう日本人の国民性もあり、若者を中心とする大仮装大会として一気にブレイクしました。近年ではこの時期、渋谷ではアルコールも販売しないようになってきましたね。

■ ボジョレーヌーボー
 フランスのパリ東南のワイン産地ブルゴーニュ南部にあるボジョレー地方でつくられた、その年の新酒「ヌーボー」が出来たことを祝って、11月の第3木曜日午前0時、一般の人々への販売が解禁されます。時差の関係で、先進国では日本が最もはやく発売されます。本来は新酒の試飲会みたいなイベントだったようですが、何でもいいからお祭り好きの日本人なので、毎年日本ではマスコミに大きく取り上げられて話題になります。なんと、ボジョレーヌーボーの半分近くは日本に輸出されるのだそうですよ。

■ Thanksgiving=感謝祭
 サンクスギビングは11月の第4木曜日、アメリカ合衆国の大切な祝日です。1620年に新大陸プリマスに漂着したメイフラワー号でアメリカにたどり着いた人々に、寒さと飢えが襲いました。人々を救ったのがネイティブアメリカン(アメリカ大陸先住民でアメリカインディアンと呼ばれる人々)でした。収穫に感謝!ネイティブアメリカンに感謝して、この日のごちそうは、グレービーソース(調理された肉から出る肉汁)やクランベリーソースをかけたローストターキー(七面鳥の丸焼き)・コーンブレッド(とうもろこしパン)・かぼちゃパイなどアメリカ大陸原産作物と決まっているそうです。

■ 芋煮会
 日本の収穫祭の一つが「芋煮会」で、東北各地では秋の川原で盛大に行われます。山形県などではお花見よりもコチラのほうが楽しみとされています。「花よりダンゴならぬ「花見より芋煮」なのですよ。山形市内の馬見ケ崎川河川敷を会場とする「日本一の芋煮会フェスティバル」では、大型重機を使用して、約3万食が用意され、テレビ放映されます。山形県民は芋煮に対してはとてもうるさいようです。具材や肉、味付けなどは地域によって異なり、豚肉、牛肉、鶏肉、塩、醤油、味噌、もちろん主役はサトイモで、ネギも欠かせません。もう何でも入れちゃえとこんにゃくやゴボウ、ニンジン、豆腐、油揚げなどを入れることもあります。中には里芋ではなくジャガイモを入れる地域もあるみたいですよ。

埼玉県戸田市・彩湖道満グリーンパークで芋煮会(2009年10月26日)

■ 新嘗祭
 新嘗祭(にいなめさい)は、日本の神の収穫祭です。皇居では毎年天皇陛下が田植えをして稲刈りします。皇后陛下はお蚕さんを育てて生糸を得ます。毎年11月23日に天皇がその年の五穀(『古事記』では稲・麦・粟(あわ)・大豆・小麦、『日本書紀』では稲・麦・粟・稗(ひえ)・豆)の収穫を祝い、新酒を神々に供えて感謝し、自らも食す儀式として新嘗祭を行います。伊勢神宮や出雲大社など全国の神社でも式典が行われます。これを戦後形を変えて「勤労感謝の日」と定めました。国民の祝日に関する法律によると“勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう”ことを趣旨としています。

■ 衆議院選挙の前哨戦・・・参議院補選の結果
 岸田内閣発足後初の国政選挙で、1週間後の衆院総選挙の前哨戦でもあった参院静岡、山口の2補選は、どちらも自民党議員の辞職を受けて行われただけに、自民党にとっては負けられない選挙でした。結果は1勝1敗でした。
 山口は候補者から見て結果は明らかでした。野党統一候補が出ず、実質自民党対共産党だったからです。ただ、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」から立候補した元迷惑系ユーチューバーの“へずまりゅう”こと原田将大氏が6809票も得たことには驚きました。全体で36・5%という低投票率にも呆れましたが、有罪判決の出た候補者に得票率約1・7%もの票をあげるなんて何考えてんの?という感じですね。へずまりゅうの姿は選挙最終日の23日、山口県ではなく、東京にありました。公選法では選挙区外での活動も認められており、選挙戦最終盤にも関わらず山口を出発し、広島や大阪、名古屋、静岡と行脚し、最終日は東京の渋谷、秋葉原で街頭演説を行ったそうです。「日本の選挙をなめてんのか、ワレ」という感じですね。
 静岡は与野党対決、ただし野党共闘が実現せず共産党も出馬して3候補の戦いだったので、自民党有利とみられていました。岸田首相は選挙期間中に2度も静岡県入りして応援演説、甘利幹事長や元スピードの今井絵理子参議院議員も応援に入るなど、この選挙への姿勢が伺われました。自民党支持者の中には、「どうして河野太郎さんが来ないの?」という声も聞かれたようです。結果は立憲民主党、国民民主党が推薦する無所属の山崎真之輔氏が65万789票、自民党の若林洋平氏は60万2780票でした。共産党の鈴木千佳氏が11万6554票を獲得、山崎氏の票と鈴木氏の票を足すと77万票近くですから、野党共闘が実現していれば、野党側は「圧勝」だった計算です。ポイントは川勝知事が山崎真之輔氏を応援したことでしょう。これで無党派層が雪崩を打って流れました。いま日本で最大の勢力は「無党派層」です。これがどう流れるかが勝敗を左右します。ただし、無党派層が投票所に向かうかどうか、これが鍵です。この静岡補選の分析結果では、公明党の票が思ったほど若林氏に入らなかっただけでなく、自民党支持層からも一部山崎氏に流れたみたいです。「どうして河野太郎さんが来ないの?」という声と絡んでいるみたいですね。

■ 衆院総選挙への影響は?
 今回の選挙はいまいち盛り上がらない感じがありましたが、静岡補選の結果で自民党は危機感を強めて改めて大号令をかけているそうです。もし「岸田首相では来年の参院選は戦えない」となれば、早くも自民党内政局が勃発するかもしれないので、衆院総選挙は負けられない選挙になるわけです。静岡補選の結果に野党のほうは力を得ているみたいですね。野党共闘でなくても勝った、ましてや野党共闘に於いてをやということでしょう。公明党は日本維新の会の躍進に危機感を強めているようです。日本維新の会に理解を示していた安倍・菅政権からハト派イメージの岸田政権に代わって、日本維新の会はこれまでと異なって自民党との対決ムードを強めており、自民党右派支持層が日本維新の会に流れて、自公連携の公明党の影が薄くなるのでは?と懸念しているようです。実際、事前予想でも日本維新の会は躍進しそうです。

小岩井農場(雫石町)で(2017年10月21日)

■ 日本の投票率が低いのはなぜ?
 フジテレビ朝の情報番組「めざまし8」が10月25日放送で採り上げていましたが、国際的な研究機関である民主主義・選挙支援国際研究所が、世界各国の議会選挙の投票率をランキングしたところ、194の国と地域の中で、日本は139位という結果だそうです。なぜ、日本では投票しない人が多いのでしょうか。街角インタビューしたら、「誰に投票していいか分からないし興味もない」や「投票してもどうせ変わらない」などという意見が聞こえてきました。10代がはじめて投票に参加した2017年の衆院選時は、全体投票率が53.68%でした。10代が投票権を得ても、投票率の増加はあまりないようでした。投票の割合を世代別に見ていくと10代〜30代の若年層で20%にも達しておらず、40代以上で4分の3以上を占めました。若者の投票率が低いと、政治家は当選するために、高齢者向けの政策を優先的に示すことになり、若い世代への歳出減少や消費減少に繋がり、最終的には国の活力が低下することが懸念されています。
 2017年の衆院選時の選挙前世論調査では「選挙に必ず行く」という答えが68%で、実際の投票率は54%でした。2014年はこれがそれぞれ69%、53%でした。すなわち投票すると答えた人よりおよそ15%前後低いことになります。今回の世論調査では「必ず行く」と答えた人が59%だそうですから、実際の投票率は今のままでは40%台になるかもしれません。参院静岡選挙区補欠選挙の投票率は45・57%で、通常選挙だった2019年7月の前回選(50・46%)を4・89ポイント下回りました。参院選山口選挙区補欠選挙の投票率は36・54%で、2019年7月の参院選山口選挙区の前回選(47・32%)を10・78ポイント下回りました。この結果を見ても、今回の衆院総選挙の投票率はあまり期待できませんね。
 投票率が低いと組織票が生きますから、与党有利になります。したがって自民党の中には選挙への啓蒙に熱心でないと疑われるような傾向が見られます。何か大きなスキャンダルなど持ち上がって、無党派層が動くと嵐が起きるかもしれませんが、いまのところそんな感じはありません。自民党では幹部になるべくテレビに出るなとお達しが出ているという報道もありました。失言が怖いのでしょう。今のままだと野党に大きなうねりは来ないでしょう。

■ 出ました失言
 失言大魔王と言えば自民党の麻生太郎副総裁です。麻生氏は10月25日、札幌や小樽市などでの街頭演説で道産米について「暑くなった、温暖化した、悪い話しか書いてないけど、温暖化したおかげで北海道のコメはうまくなったろ?北海道米は昔は厄介道米(やっかいどうまい)って言われてたじゃないの。それなのに今はコシヒカリだ、コチピカリだ、ねえ、なんか怪しげな名前だけど、おぼろづきとか名前をくっつけて金賞をとって、その米を輸出してんだよ。温度が2度、お米の花が実に変わるあのころの温度が2度上がった。それだけで売れるようになった。おいしいお米になって。それを輸出してる。これが今の現実じゃありませんか」などと言ったそうです。これに対し、立憲民主党北海道連は翌日、文書で「農業関係者の長年にわたる努力を侮辱したもので、温暖化と結びつけるのは見当違いだ」と抗議しました。岸田文雄首相は「発言は適切ではなかった。申し訳ないと思う」と陳謝、「お米は、関係者の皆さんが絶えず品種改良など大変な努力をされ、その積み重ねでおいしくなっていると認識している」としたうえで、気候変動についても「災害や農産物にも影響を及ぼす地球規模の大変重要な課題だ」と述べたそうです。実は筆者は九州農試からの依頼で、圃場に露天風呂みたいなものを造り、ボイラーを設置して温水を圃場に掛け流す施設を納入したことがあります。地球温暖化で九州産米の味が落ちたため、コシヒカリなどに負けない美味しいコメを開発しろとの、当時の麻生福岡県知事の号令で、水がぬるくても美味しいコメができる品種改良のためです。お蔭で時間はかかりましたが、今や九州産米も美味しいブランドが出回るようになりました。このように品種改良の不断の努力が続けられている中で、余りに失礼な発言です。ましてや、今年は米価が暴落し、選挙に向けて米価対策が候補者の口から飛び交っている中ですから、困ったものですね。もう一つ付け加えれば、実は日本のコメの輸出は伸び悩んでいます。国内では米価が安いと問題になっていますが、国際相場に比べればまだまだ高いからです。この辺りの認識も甘いですね。

■ 小室圭さん、眞子さん、ご結婚おめでとうございます
 2021年10月26日小室圭さんと結婚されて皇籍離脱、小室眞子さんとなられて、都内のホテルでお二人そろって会見されました。ただし直前になって宮内庁から、質疑応答は行わず、事前に寄せられた質問には文書で回答するとの発表がありました。これは小室眞子さんが、質問の中に耐えられないものがあったからとのこと。日本雑誌協会からの「小室さんの母親の金銭トラブルが解決されていない」「小室さんの経歴に皇室利用≠ニ受けとめられかねない事柄がある」などとした質問を、眞子さんは「この質問は、誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問であると思います」と批判。「このような質問に会場で口頭でお答えすることを想像すると、恐怖心が再燃し心の傷が更に広がりそうで、口頭で質問にお答えすることは不可能であると思いました。誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問をいただいたことは、誠に残念に思います」と、自身の複雑性PTSDについても示唆しつつ不快感を示されました。米フォーダム大に留学する際、内親王の婚約者として待遇を受けたのではないかと、疑念の声が上がっている、などの質問には「圭さんが『フィアンセ』としてフォーダム大学に入学しようとしたという事実はありません」、小室さんも「私が皇室利用をしたという事実はありません。『婚約者としての特別な待遇』もありません」と否定しました。
 小室眞子さんのおっしゃったこと・・・本日まで、私が公で発言する機会は限られてきました。そのために生まれてしまった誤解もあったと思います。一部の方はご存じのように、婚約に関する報道が出て以降、圭さんが独断で動いたことはありませんでした。たとえば、圭さんのお母さまの元婚約者の方への対応は、私がお願いした方向で進めていただきました。圭さんの留学については、圭さんが将来計画していた留学を前倒しして、海外に拠点を作ってほしいと私がお願いしました。留学に際して、私は一切の援助はできませんでしたが、圭さんが厳しい状況の中、努力してくれたことをありがたく思っています。圭さんのすることが独断で行われていると批判され、私の気持ちを考えていないといった一方的な臆測が流れるたびに、誤った情報がなぜか間違いのない事実であるかのように取り上げられ、いわれのない物語となって広がっていくことに恐怖心を覚えるとともに、つらく悲しい思いをいたしました。厳しい状況の中でも、圭さんを信じ続けてくださった方々に感謝しております。
 日本雑誌協会がこの期に及んでもフェイクニュースをもとに質問を組み立てたことに失望するとともに、許しがたい怒りを覚えます。誹謗中傷と言論の自由は明確に異なります。いくらイジメ社会の日本とは言え、眞子さんが圭さんに頼んで早くこんな日本から脱出しましょうと企図するなんて悲しすぎます。欧米メディアは、日本ではいまだに結婚が当人同士の意思よりも「家」の概念で語られることに呆れていますが、恐らく日本国民の多くは小室圭さんと眞子さんを応援しているのではないでしょうか。どんな社会にも5%ぐらいはヘソの曲がっている人はいます。しかしこの結婚にはどうも3割ぐらいの国民が疑念を抱いているらしいとの調査結果も見られ、改めて日本人というのはヘンな国民だなぁと思う今日この頃です。お二人にはニューヨークで幸せに暮らしていただきたいと、心から願います。

■ 中古で億ション?
 前回、2021年度上半期(4〜9月)の首都圏(1都3県)新築マンションの1戸当たり平均価格は前年同期比10.1%増の6702万円となり、1973年の調査開始以来、上半期として最高になったことを紹介しました。ところが9月の中古マンションの平均価格は、首都圏で4305万円となり5ヶ月連続の上昇となったそうです。これまで販売の中心は、築10〜20年といった物件でしたが、最近は築50年以上の物件も売れていて、都心ではいわゆる“億ション”も誕生しているとのこと、東京都での取引件数は、5年前の約3倍になっているといいます。中国で恒大集団が問題となっているというのに、ニッポン大丈夫か?
(2021年10月26日)


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