444  ことば

 カラッとした晴れの日が少ないですね。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、「秋の彼岸入り」は9月20日、中日=秋分の日は23日です。9月上旬で暑さは終わるのが普通で、気温の平年値は東京ですと、9月11日;最低気温21.3℃、最高気温28.6℃、朝は半袖ではヒンヤリしますが、昼間は汗ばむくらいです。季節が進んで、9月24日;最低気温18.5℃、最高気温25.6℃、朝は上着が必要ですが、昼間は半袖で過ごせるくらい、服装選びに頭を使う季節です。二週間で気温が3℃下がるのですから、風邪を引きやすい季節、注意しましょう。9月は台風シーズンなので、これまた天気予報要注意です。

■ 9.11から20年
 日本人24人を含む2977人が死亡した2001年9月11日の米同時多発テロから、20年となりました。旅客機2機が突入したニューヨークの世界貿易センター(WTC)ビル跡地「グラウンド・ゼロ」など各地で追悼式典が開かれ、バイデン大統領らが犠牲者への祈りをささげたニュースが流れましたが、ビルへの自爆テロと崩壊の有様は、見たくもない恐ろしい映像です。テロはイスラム過激派の国際テロ組織アルカイダ指導者のビンラディン(サウジアラビア出身)が首謀したとして、米軍が2011年5月2日にパキスタンで殺害し、その様子をホワイトハウスでオバマ大統領などが見つめる衝撃の映像もありましたね。米国ジョージ・ブッシュ大統領(息子)はビンラディンをかくまったアフガニスタンの当時のタリバン政権との「テロとの戦い」を開始し、米国民は圧倒的多数でこれを支持しました。タリバン政権は崩壊、作戦はパキスタン、イラク、シリアなどでも展開されました。対テロ戦争でこれまでに世界で90万人前後が死亡、民間人は36万人以上でした。米軍の死者は約7000人で、米国が投じた戦費などは8兆ドル(約880兆円)に上るそうです。さすがに米国でも厭戦気分が横溢し、20年を機に米軍はアフガニスタンから撤収し、再びタリバン政権となりました。テロや戦争が、如何に虚しいものであるかがわかりますね。


ホワイトハウスのシチュエーションルームで(2011年5月2日)
 ビンラディン殺害作戦を見守る米国政権中枢の面々、軍事・安全保障問題担当の幹部が顔を揃えています。前列左から、ジョー・バイデン副大統領(現大統領)、バラク・オバマ大統領、二人置いて、ヒラリー・クリントン国務長官、ロバート・ゲーツ国防長官。後列左から4番目にアントニー・ブリンケン国家安全保障担当副大統領補佐官(現国務長官)が後ろから覗いている姿が見えますね。

■ 菅首相の「ことば」
 なにやらテレビやネットでは自民党総裁選挙で持ち切りです。菅義偉首相は「ことば」が問題となりました。北東北出身だと口が重い?ウ〜ン、一概にそうとは言えませんが、平均的にはそうですね。気候風土がそうさせるのでしょう。関西の人みたいに軽くはありませんが、関西だって一概にそうとは言えませんよ。菅首相は国民の意に沿うことを心がけたのは間違いありません。先代首相は当初「戦後レジームからの脱却」を掲げ、自民党内では最右翼でした。女系天皇トンデモナイ、夫婦別姓問題外、アベノミクス、原発推進...対して菅首相は自民党内では中軸といえるでしょう。特に地球環境政策に関しては、前首相と一線を画し、2050年カーボンニュートラル、ガソリンエンジン車の廃止、石炭火力発電の削減、再生可能エネルギーの推進など、経済産業省や産業界が目を剥く政策を次々と打ち出しました。首相退陣のニュースが伝わった瞬間、低迷していた日経平均株価がピーンと跳ね上がって3万円突破したのはそういうわけです。
 就任早々の学術会議問題では「ことば」を発せず批判されましたが、携帯電話料金の引き下げ、脱炭素、デジタル庁設立、原発汚染水の海洋排出、高齢者医療費1割負担→2割引き上げ、最低賃金アップ(東京で千円越え、全都道府県で八百円以上、上げ幅過去最大)、7月末までに高齢者へのワクチン接種を終えるという大号令を発し、現実に接種率で米国に追い着きました。前首相が経済産業省主導の政策だったのは今井補佐官の存在が大きかったのですが、菅首相は一人で考え一人で実行して、官僚を抑え付けたので、普通の首相なら10年かかることを1年でやってのけたと言われるわけです。中小企業や地方銀行が淘汰されるのはやむを得ない、海外に対抗してなおかつ賃金アップするには大企業に集約しなければ、という政策は、猛反発を受けましたが、現実には猛スピードでそれが進んでいます。反対が多いほど立ち向かって抑え付けて実行する姿勢は、当然ながら反発を受けたわけです。ご苦労様でした。

■ 緊急事態宣言は9月30日まで延長
 政府は2021年9月9日午前、新型コロナウイルス対策の専門家らによる基本的対処方針分科会を開き、東京など19都道府県の緊急事態宣言を9月30日まで延長する方針を示し、了承を得ました。宮城、岡山両県は宣言からまん延防止等重点措置に移行させます。重点措置が適用されていた12県のうち新規感染者数が減少傾向にある富山、山梨、愛媛、高知、佐賀、長崎の6県は12日で解除し、宣言から移行する宮城、岡山を含めて8県となり、期限は9月30日までです。重点措置の8県では、感染が下降傾向にある場合、飲食店での酒類提供を緩和して20時までとするようです。新規感染者は減少傾向が明確になりましたが、医療逼迫と自宅療養者問題で緊急事態宣言が解除できないわけです。感染者が日本よりはるかに多い欧米で、医療逼迫と自宅療養者問題が起きない理由を報道で知ると、日本の医療行政の問題点を痛感させられます。

ふじみ野こどもエコクラブの畑で「スイカズラ」の花が咲きました
5月〜7月に咲く春の花なのに何故? 恐らく一旦涼しくなってからまた暑くなったので「春が来た」スイッチが入ったのでは? スイカズラ科スイカズラ属の常緑つる性の木で、細長い花筒の奥に蜜があり、花を口にくわえて甘い蜜を吸うことが名前の由来です。別名…冬場を耐え忍び、枯れずに残ることからニンドウ(忍冬)、花色が白から黄色に変化することに由来するキンギンカ(金銀花)とも呼ばれます。白い花と黄色い花が同時に咲いていることが多いので、なるほどと納得します。黄金の湯と白銀の湯がある伊香保みたいなものです。

■ 言葉の間違いと意味の変化
 コミュニケーションをコミニュケーションと書いたり、エステティシャンをエステシャン、ナルシシストをナルシストと間違って表記する例を見ます。
 十戒を「じゅっかい」と読むのは間違いで、正しくは「じっかい」です。一般的には、モーセが神から与えられたとされる10の戒律のことを指します。十戒は仏教にも、ユダヤ教・キリスト教にもあります。モーセの十戒とは、旧約聖書の出エジプト記20章3節から17節、申命記5章7節から21節に書かれており、エジプト出発の後にモーセがシナイ山にて、神より授かったと記されています。
 COVID-19対策で無観客試合というとき、テレビのコメンテータが「むきゃんかくじあい」と言い間違えることがあります。
 年増と聞いて何を思いますか?本来は娘盛りを過ぎた頃合いの、数え年で20歳位の女のこと、すなわち現代で言えば高校卒業したばかりくらいの18、19歳ですから、ピチピチギャルですね。それがどうして30歳以上の女性を年増と呼ぶようになったか?江戸時代、武家の女性の結婚適齢期は10代後半から遅くて25歳、一般の女性は16歳から17歳が適齢期であり、19歳の女性はすでにトウが立っており、20代後半に差し掛かると中年増と呼ばれ、30歳以上の女性は大年増だったのです。すなわち大年増から大が取れたのだけが残ったということです。ちなみに「トウが立つ」のトウはフキノトウのトウです。茎が成長して堅くなると食べられたものではない、という意味です。
 もののあはれと言うときの「あはれ」は美的理念を指す言葉でした。@しみじみとした風情がある Aしみじみと心を動かされる Bかわいい。愛(いと)しい C気の毒だ D寂しい E有難い、尊い などを表します。今では圧倒的にCの意味で、気の毒だとか惨めだという意味で使われます。あはれの音変化したものが「あっぱれ」で、これは驚くほどりっぱであるさまを見てほめたたえる気持ちを表すときの言葉です。
 「結構」というのは家の構造がしっかりしていることを表し、「お茶でもいかがですか」とすすめられたときに「結構です」と言った場合と「結構ですね」と答えた場合では、NOとYESの正反対の回答になります。日本語は難しいというときに典型的な例として挙げられます。

■ 日大に東京地検特捜部が家宅捜索入り
 2021年9月8日(水)東京地検特捜部が、学生数7万人・日本一マンモスの日大本部(東京都千代田区)、関連会社の「日本大学事業部」(世田谷区)、「日大のドン」といわれる田中英寿理事長の自宅(杉並区)、日本大学事業部役員の兵庫県芦屋市の自宅や都内の親族宅などに背任容疑の疑いで家宅捜索に入りました。前回、飯塚幸三被告に関連して、自宅から見えると書いた日本大学付属板橋病院の建設工事に関連した契約をめぐって、大学関係者が大学側に損害を与えた疑いがあるとのこと。田中英寿理事長お気に入りの理事にターゲットしているみたいですね。どうやら「アメフト問題」で注目されたところから派生して、2010年に日大が100%出資して設立された日本大学事業部という会社が、日大関連の物品の調達や施設の管理・運営を多岐にわたって担っているところに利権がうごめいていることをキャッチしたようで、この問題は恐らくおおごとになりそうです。

日本大学付属板橋病院の威容
東武東上線大山駅からハッピーロード商店街を通り徒歩15分
池袋駅西口から病院行きのバスも出ています

■ 輸入小麦価格19%アップ
 農林水産省発表によりますと、政府が製粉業者などに売り渡す輸入小麦の価格を10月から19%引き上げるそうです。中国での需要増加や主要産地である米国とカナダの天候不順による生産量の減少によって小麦の国際価格が上昇しているためですが、この大幅アップは家計に響きますね。今回の輸入価格の引き上げがそのまま小売価格に反映されれば、食パン1斤は2.3円程度、家庭用の薄力粉1kgは14.1円程度、それぞれ高くなり、ほかにもうどんやしょうゆなどいろいろなものに波及しそうです。

■ 米が安い
 皆さん、店頭でお米を買おうとして、安い!と思いませんか。各地で新米の収穫が始まるなか、農協から農家に支払われる仮払金や買い取り価格が前年比で2〜4割も下落しています。米の消費量が年々減っているだけではありません。暴落の原因は、コロナ禍で飲食業の休業・営業自粛による大幅な需要減少です。この米価では専業農家は赤字、離農に拍車をかける水準で、「明るい農村」は遠のくばかりです。コメを食べて農家を応援しましょう。

■ GACKTさん無期限活動休止
 歌手のGACKTさん(48)が体調不良・発声障害のため活動を無期限休止すると、所属事務所が2021年9月8日発表しました。8月6日にキプロスから帰国後、体調不良を訴え、その後容体が急変したとのこと。幼少からの持病である神経系疾患がきっかけで一時は命に関わる状態となり、体重も約10kg減ったそうです。さらに、重度の発声障害を併発し、声を出すことも困難な状況で、現在は自宅で療養中。今後、主治医のいるマレーシアで治療に専念するとのこと。「翔んで埼玉」は、今年8月に続編の製作が発表され、同月下旬にクランクイン。麻実麗役のGACKTは9月10日から撮影に参加する予定でした。東映は「代えの利かない役。一日も早い復帰を待っています」と“無期限スタンバイ”で復帰を待つ構えで、現在撮影が中断しています。

翔んで埼玉;ダブル主演の二階堂ふみ(26)とGACKTさん

■ ジャン・ポール・ベルモンドさん死去
 映画「勝手にしやがれ」などに主演したフランスを代表する俳優;ジャン・ポール・ベルモンドさんが9月6日 88歳で死去されました 追悼式は9月9日 パリの廃兵院(アンバリッド)で異例の大規模な形で営まれました マクロン大統領は弔辞で「あなたを失うことは私たちの一部を失うことだ」と述べ 希代のスターの死を悼みました

2018年、新年恒例の「宝島社」の新聞広告は「世界は、日本を待っている。」というメッセージで、日本頑張れと鼓舞
掲載された2018年1月5日時点で「太陽がいっぱい」のアラン・ドロン82歳、「勝手にしやがれ」のベルモンド84歳
ベルモンドは日本に対し「その深くて大きい精神性にも、美意識にも、私は誉れと友情を感じている」と述べています
(2021年9月12日)


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