438  感染爆発

 夏本番ですが、台風が来たり、突然の雨があったり、いわゆる梅雨明けや台風一過のギンギラギンの夏ではなく、空には雲が多くて、雷が鳴ったりの不安定な天候が続いています。全般に湿度が高くて気温も高い、最も不快な気候で、オリンピックで東京に来ている外国の選手団も「これがニッポンの夏か...」と驚いているのではないでしょうか。閉会式は8月8日(日)ですが、この日の天気予報は雨、マラソンの行われる札幌も雨の予報です。今年の北海道は記録的猛暑なので、雨のほうがランナーには良いでしょう。

■ 町会のブルーベリー狩りは我が第1班の雪平ファームで
 8月1日(日)は我が町会のブルーベリー狩りでした。筆者が班長を務める第1班にある雪平ファームで、たくさんの参加者を集めて行われました。天気予報はクルクル変わり、1週間前には雨予報でしたが、数日前に晴れに変わりました。7月31日(土)、8月1日(日)は少年野球のグラウンドもカンカン照りで、暑さはハンパない週末でした。


雪平ファームで収穫したブルーベリー しばらく朝食のヨーグルトにはイチゴ、マンゴー、レーズン、黒ニンニクにブルーベリーが加わります

■ 「日本一暑いまち」が南下傾向にあり
 2021年8月2日(月)は「余熱利用施設エコパ」が休みなので「小さな旅・川越温泉」に行ってきました。
 露天風呂で急に激しい雨になることが二度あり、すぐまた晴れて熱い日差しが降り注ぐという変な天候でした。庭木には恵みの雨だなとルンルン帰宅したら、我が家では全く雨が降った形跡がありません。走行距離にして7qもないのに...そういえば近年埼玉の気温をテレビの気象情報で見る時に以前は熊谷〇℃と紹介されることが多かったのですが、最近は鳩山〇℃というのが多くなってきました。東京湾からの熱風が東京の高層ビル群に当たって上昇し、降り注ぐ地域が南下してきたということは、それだけ東京の高層ビル群が増えて、しかも高層化してきたことを物語ります。熊谷市と言えば「日本一暑いまち」をキャッチフレーズにしています。2018年7月23日に観測された41.1℃が日本最高温度記録です。その後静岡県浜松市でも2020年8月17日に同温度を観測しました。熊谷市は埼玉県最北にあり、群馬県太田市と接していて、我が家から車で約38qほど北です。埼玉県比企郡鳩山町は我が家から車で約24qほど北で、梅林で有名な入間郡越生町と東松山市の間に有って、丘陵が続く緑豊かなゴルフ場だらけのまちで、近くには大東文化大学や東京電機大学のキャンパスがあります。すぐ北が武蔵嵐山渓谷です。南が競泳の瀬戸大也選手を生んだ毛呂山町、森の中にデッカイ埼玉医大のビルがあるのはちょっと異様な光景です。近年スポーツで名を馳せる東京国際大学があり、医療関係の城西大学や明海大学、日本医療科学大学などが固まって展開しています。その南東に東京五輪ゴルフ会場の霞ケ関カンツリー倶楽部があります。更にその東8kmに「小さな旅・川越温泉」があるのです。すなわち霞ケ関カンツリー倶楽部は我が家から北西方向に車で14qしかなく、すぐ近くです。我が家は川越市との境界ですが、すぐ近くなのに大雨の降ったところと、全く降らないところ、夏の特徴でしょうか。

■ 雷とカラスにたたられた東京五輪・霞ケ関CC
 そういえば東京五輪男子ゴルフ競技が行われた霞ケ関CCは川越市の名門ゴルフコース(7447ヤード・パー71)ですが、最終日をトップと1打差で迎えた松山英樹にメダルの期待がかかりました。少年野球の練習中にも気になって時折スマホチェックしていました。7番ホールをこの日初のバーディーで終え、2位タイとなって迎えた8番(パー5)のティーショットをまさに打とうとした瞬間に「カーカー」という声・・・ここで打つのをやめて仕切り直し、改めて打とうとした時、またもや「カーカーカー」...今度はそのままクラブを振ったのですが、ラフに打ち込み、結局ボギーとなってしまいました。カラスも松山英樹が気になったのかもしれませんが、TPOをわきまえて貰いたいものです。初日、二日目には雷中断もあり、まさに雷とカラスにたたられた大会となって、プレーオフの末惜しくもメダルを逃しました。我が家でも朝には川越街道の高木にカラスの軍団が現れます。またギーギーと鳴く「オナガ」(カラスの仲間)の声や、様々な小鳥がピーチクパーチク大合唱で、鳥の鳴き声で目が覚めます。

オナガ・・・大きくてきれいな鳥です

■ 新型コロナウイルスデルタ株で戦局変化
 COVID-19第五波が本格化し、感染爆発の様相になってきました。SARS-CoV-2変異ウイルスのデルタ株は、これまで口酸っぱく専門家の皆さんが警告してきたように、ものすごい感染力を持っているようです。米疾病対策センター(CDC)は、マサチューセッツ州で7月に起きた新型コロナウイルスの集団感染で、感染者の7割がワクチンを接種済みだったとの調査報告書を8月2日までに公表しました。インドで見つかった変異株(デルタ株)の感染力は水痘(水ぼうそう)並みに強いと指摘しています。従来株より重症化しやすく、ワクチン接種済みの人でも未接種者と同様に感染を広げる可能性があるとして、デルタ株によって「戦局が変わった」と指摘、マスク着用など注意を呼びかけました。インフルエンザと同じようなものなんて言っていた人がいましたが、とんでもない誤りだったわけです。ワクチン接種済みの医療従事者にとっても、これは脅威です。

COVID-19新規感染者数・・・2020年3月1日〜2021年8月3日(YAHOO!JAPANニュースより転載)
グラフで見ると第五波の急峻さが一目瞭然、2020年4月7日発出の緊急事態宣言第1回は何だったの?という感じです

〜2021年7月10日


〜2021年6月8日


〜2021年1月1日


〜2020年11月22日


〜2020年7月27日


〜2020年6月27日 拡大して見ると,,,

縦軸の目盛りがまるで違います...最大値800が現在は14000、17.5倍です それだけ1日の感染者数が増えたのです

■ 緊急事態宣言の効果や如何に?
 東京・沖縄の緊急事態宣言の期限は8月22日→31日に延長され、東京を囲む3県と大阪府に緊急事態宣言発令、全国各地でまん延防止等重点措置が発令されました。いったい何回目?と国民もウンザリ、知事たちが必死になって不要不急の外出抑制を訴えても人出は減るどころか増えているとか...それでも旅行・宿泊・運輸業界はガックリ。飲食業界はもはや破綻覚悟...全国知事会はロックダウンへの法改正さえ検討すべきとしています。しかし緊急事態宣言発令時の菅義偉首相の記者会見・・・ガックリしましたね。危機感を訴える力強さはまるで無し、質問には正面から答えない、ワクチン打てば大丈夫...イヤ大丈夫じゃないでしょう、海外の状況ご覧下さいよ、と言いたくなりました。これでは国民はついて行かないでしょう。

雪平ファームでのブルーベリー狩り ネットの中がブルーベリー林 他にもいろいろなフルーツがあります

■ 「ワクチン接種すれば大丈夫」は幻想

 ひところワクチンによって鎮静化するのではと思われていた欧米やイスラエルでも再び感染者が増加して、「ワクチン接種すれば大丈夫」というのは幻想みたいです。河野大臣も「ワクチンを打てばすべて大丈夫とは言えない」と記者会見で表明しました。米国の新規感染者数の水準は過去10日間でほぼ倍増しており、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は、再拡大している感染の今後について問われ「状況は悪化するだろう」と警告しています。米疾病対策センター(CDC)によると、ワクチンを少なくとも1回接種した米国民は8月1日時点で人口の57.7%、2回接種済みの国民は49.6%にとどまっており、いかに未接種者にワクチンを接種させるかが課題となっています。ワクチン接種したら100ドルくれるという話もあります。イスラエルではもう3回目のワクチン接種を始めました。日本では2回接種した人が38百万人弱で、総人口が1億23百万人ですから、およそ30.89%です。ここに来てブレーキがかかっています。菅義偉首相はかねがね7月末までに高齢者の接種を完了するとしており、7月30日の記者会見でも「目標を達成することができた」と言っていましたが、7月31日時点の内閣官房の集計では1回目が約86・2%、2回目が約75・5%でした。これで目標達成とはどういうことでしょうか。「接種する意思のある人の中で」ということだとすると、4分の1は接種したくてもできないとか、したくない人だということでしょうか。

雪平ファームには子どもの遊び場もあります

■ 在宅医療への大転換・・・往診してくれるの?
 東京都は8月3日、新たに3709人の感染を発表、火曜日としては過去最多を更新しました。年代別では、20代と30代であわせて全体の半分以上を占めています。直近7日間平均でみた新規感染者数はおよそ3330人で、先週と比べ89.3%増えました。米国の現状と同じですね。現在入院している感染者のうち、都の基準で「重症者」とされる人は前日の114人から2人減って112人となっています。かねて橋下徹元大阪府知事はテレビのコメンテータとして「ワクチンが普及しつつ、治療法も確立しつつある今は重症・中等症以外は病院で治療する原則から自宅で治療する原則へ大転換すべき」と提言していました。これを受けてか、政府は8月2日、重症者や重症化リスクのある患者に限り入院を受け入れると方針転換しました。翌3日菅義偉首相は日本医師会の中川会長ら医療関係団体の幹部を総理官邸に招き、この方針転換に対して協力を求めました。田村厚労大臣は「重症化リスク、例えば年齢とか基礎疾患とかでも比較的症状が軽くてリスクがそれほど高くない方は、在宅ということも含めて対応せざるを得ない」「重症化した患者が入院できる病床を常に確保することが重要」と述べました。これに対し過激な政府批判で知られるインターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁氏はTBS系報道番組「Nスタ」で、「中等症2とかで治療に介入していてはもう間に合わない。より早い段階で治療に介入しなければいけないので抗体カクテル療法を承認したはず。その治療は軽症者のうちにしなければならないが、入院しなければ薬は使えない。言っていることがめちゃくちゃです」「レムデシビルや抗体カクテル療法の薬も、数が足りないので入院でしか使うなと厚労相から通達が出ている。外来にたくさん患者さんが来ていて、早く使ってあげたいがそれができないので非常に困っている」と訴えました。橋下徹さんは軽症者は自宅で、と言ってますが、政府方針はそれを上回って重症化が心配される人しか入院させないとなると、果たして保健所はケアできるのか?往診してくれるの?と考えると、これは政府自ら医療崩壊を先取りしているとしか考えられません。

雪平ファームのキウイフルーツもたわわに実っています

■ おかえりモネ
 8月3日(火)放送のNHK朝ドラ「おかえりモネ」で気象キャスターの朝岡(西島秀俊)が真剣な眼差しで「これ、東北の太平洋側に上陸するかも知れない・・・」とつぶやき、百音が気仙沼のおじいちゃんや登米の森林組合の皆さんに対策を訴える場面が放送されました。画面に映し出された台風進路図は、中心気圧が945hPa、最大瞬間風速は60mで、非常に強い勢力を持った台風8号が、複雑な進路を取りながらも東北地方に上陸する予想になっていました。アレ?今年の台風8号は宮城県か福島県に上陸すれば気象庁が統計を取り始めてから初めてとテレビでやってたな、実際に7月28日に宮城県の石巻市付近に上陸しましたが、「おかえりモネ」の舞台は5年前、どうなってるんだろうと思いました。
 ドラマ内の年代でもある2016年8月時点では、東北の太平洋側(岩手・宮城・福島)に上陸した台風は過去一つも無かったのです。台風は南海上から高気圧のふちに沿って北上しますから、本来、北海道や東北地方には、台風が直接やって来ることは考えにくいのです。ドラマに出てくる台風8号のモデルとなったのは、2016年8月の台風10号です。気象予報士も「まさか」と驚愕した台風10号は日本の南海上を西へと進み、グルっと回転して北上を始め、8月30日の夕方に岩手県大船渡市付近に上陸しました。これは東北地方の太平洋側としては初めての出来事でした。この時の総雨量は下戸鎖(岩手県)で278.5mm、岩泉町(岩手県)で248.5mmに達するなど、平年の月降水量のおよそ1.5倍でした。最大瞬間風速も岩手県宮古市で37.7mを観測するなど記録的な大雨と暴風が吹き荒れました。従来岩手に来る台風は、勢力が弱まって来るので、岩手県では台風による甚大な被害はあまり経験が無く、むしろ線状降水帯で大きな被害を受けてきたのです。しかし直接海から上陸したため、この台風のエネルギーはすさまじく、岩手県や北海道を中心に、各地で川が氾濫し、岩手県岩泉町の小本川沿いの高齢者施設が濁流に呑まれて多数の死者が出るなど甚大な被害が出たのです。

ウェザーニュースより転載 この台風10号は日本付近で発生した台風としては過去最長寿命の11日と3時間でした
 1951年の統計開始以来65年間、台風は東北地方に上陸しなかったのに、2016年、そして今年と、近年は東北地方でも台風が直接襲来することが現実のものとなりました。しかも2016年は北海道にも統計史上初めて三つも台風が上陸しました。近年は東京など太平洋側に接近する台風が1.5倍に増えています。しかも台風の移動速度が昔より遅くなっているので、台風の影響を受ける時間も長くなり、その分、被害を受けやすくなっています。2019年の房総半島台風や東日本台風の被害もすさまじかったですね。海水温が上がっているので、台風が発達しやすくなっているようです。もちろんこれは地球温暖化と密接な関係があります。

■ 豊島将之叡王が藤井聡太二冠に大逆転勝ち
 藤井聡太棋士は7月の対局を全勝で終え、絶好調で8月を迎えました。かねて苦手、天敵とされてきた豊島将之二冠(31)=竜王・叡王=に対しても、「お〜いお茶杯第62期王位戦」7番勝負の第2局、第3局、叡王戦第1局と藤井聡太二冠が3連勝、通算成績を4勝7敗として、もはや苦手意識は払しょくされたようだと見ていました。さあ8月に入っての初戦は3日甲府「常盤ホテル」での叡王戦第2局です。スマホでABEMAの中継映像を見ていましたが、エコパのバーデプールへの入場時間が近づき、双方持ち時間が残り少なくなった時点で、AIは藤井聡太二冠80%、豊島将之叡王20%という勝率予想を出していました。残り時間が多かった豊島将之叡王が考えて指すため持ち時間が減って来る、対する藤井二冠はパッと応じる、解説の棋士は「これだけ藤井さんがスパスパ指せるのは、先がずっと見えてるんでしょうね」と言っていました。AIが最善手としていた手ではなく、戦場から遠いところへパチッと打ったのを見て、「アレ?終盤の藤井二冠はほぼAIと一致した手を打つのにどうしたんだろう?」と思いながら、もう時間切れ、水着に着替えました。プール〜露天風呂から上がってスマホのABEMA中継を見たらナント!形勢が逆転してるじゃありませんか。豊島叡王勝率99%と出ていて、両者はもう1分将棋に入っています。それでも藤井二冠は必死に抵抗しています。車に乗って、買い物して帰宅して、またスマホを見たら豊島叡王勝利となっていました。
 どうしてこうなったんだろうとパソコンで真田圭一八段の解説を見たら・・・劣勢の豊島叡王が91手目「5四銀」と歩頭に銀をたたき込む…これがいわゆる「人間の手」というやつで、指された側は無理筋と思いつつも、同時に相手の「気迫」というものをひしひしと感じるものだ・・・というのです。追い詰められてから、たくさん駒を渡して、「詰ましてみろ」と開き直る、このままズルズル負けるわけにはいかない、という豊島二冠の執念が盤上に表現される、相手の気迫に押されながらも、圧倒的終盤力を誇る藤井二冠は最後14連続王手で必死の抵抗を試みるも19時5分投了。ギリギリ詰むや詰まざるやの局面を作りあげた藤井二冠の強さもよく出た名勝負だったというのです。スゴイですね。叡王戦第3局は8月9日、8月18、19日には王位戦第4局と二人の戦いは続きます。

日本将棋連盟ホームページより
(2021年8月3日)


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