437  東京五輪開幕

 蝉が鳴いて夏本番の感じです。本来はいま沖縄の予定でしたが、緊急事態宣言下でもあり、台風6号も来て断念しました。東京五輪が開幕しましたが、開会式にあわせて「海の日」、「スポーツの日」を特例移動して4連休にしたら、帰省する人、レジャーに出かける人で新幹線や高速が賑わったそうです。確かにおじいちゃん、おばあちゃんがワクチン2回接種を終えてますから、もう会っても大丈夫だろう、この肉親の情は当然です。しかし筆者は連日の炎天下、小学校のグラウンドに居ました。グローブやバットに替えて、手袋に鎌、竹箒を手に、隅々まで除草しました。熱中症にならぬよう水分補給を怠らないようにしました。お父さん、お母さんは連日ご苦労様でしたが、こどものためならそれを厭わないのが親というものです。こうして長い間、人類は続いてきたのだと思うと、暑さなんて苦になりません。ましてや頑張る野球少年の姿を見ていると、実に癒されます。


我が少年野球のホームグラウンドはふじみ野市立西原小学校です
上写真では4階建て校舎の前に、校庭入り口に建つ時計塔、手前のネット際にサッカーゴールが見えます
ネットの外が横山さんの畑で、そこにオオワシのような凧が風に乗ってグルングルンと舞っています
おそらく鳥から作物を守る狙いでしょう・・・こんな大きな翼の鳥が舞っていたら怖くて近づけないはずです
鷲(ワシ)と鷹(タカ)の違いは・・・大きい方がワシ、小さい方がタカだそうです
これは広げた翼が250pぐらいありますから、オオワシでしょう。ちなみにハヤブサはインコの仲間です

■ 新型コロナウイルス猛威
 SARS-CoV-2変異ウイルスがデルタ株に移行して第五波が本格的にやってきました。ふじみ野救急病院の広い駐車場が混んできました。PCR検査受付、ワクチン接種、一般外来、救急患者受け入れ、それぞれの入り口が別なのですが、車が列を成し、無症状の人はドライブスルーで乗ったまま検査を受けれるのかな?発熱の人は専用の場所に案内されるようです。炎天下、防護服に身を包んだ看護師さんたち、大変だろうなぁと思います。ずらりと並んだ車列を見て、なるほど感染疑いの人が増えているんだと実感します。ここだけで1日3百人ぐらいも陽性者が見つかるそうです。他の都県からも受け入れているからでしょう。

■ 東京五輪開会式入場行進にお姫様旗手
 7月23日に開催された東京五輪開会式のテレビ視聴率は56.4%だったそうです。スゴイですね。入場行進でカザフスタン選手団の旗手を務めたオルガ・リパコワ選手が注目されました。リパコワ選手は、カザフスタンを象徴する伝統的な装飾が刺繍された白いドレスを着用して「ファイナルファンタジー」の楽曲とともに入場したことから、SNS上では「お姫様みたい」という声が溢れました。カザフスタンの五輪委員会は公式サイトで東京五輪の開会式の様子を伝え、特に“お姫様旗手”として話題となったリパコワ選手についてコメントと衣装の詳細を掲載しました。白をベースに美しい刺しゅうで飾られた衣装は、ともに旗手を務めたボクシングのクンカバエフとリパコワを「二羽の白鳥、幸福の鳥」をイメージしてデザインされたものだそうです。選手村でも、多くの他国の選手から、写真撮影を求められたとのこと。リパコワは陸上女子三段跳びの選手で、2008年北京五輪では銀、2012年ロンドン五輪では金、2016年リオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得と3大会連続のメダリストで、今回で4大会連続の出場だそうです。このスタイルで36歳、2児の母、世界中で2億を越すネットフィーバーだそうですから、今大会の注目選手になりそうですね。オリンピック開会式の入場行進は、さすがにスタイルの良い選手たちがいっぱいいて、それを見ているだけで「スゴイ!」と感動しました。

■ ガラパゴス化?
 オリンピックの開催についてはスッタモンダがありました。開催反対の声もあり、日本が分断された印象です。オリンピックの最高位のスポンサーである「ワールドワイドパートナー」のトヨタ自動車は、国内でのオリンピック関連のテレビCMを取り止め、あわせて豊田章男社長の開会式の出席も見合わせました。これに同調するように、多くのスポンサー企業のトップが開会式を欠席し、アメリカのバイデン大統領はじめ各国首脳も続々と来日を中止しました。新型コロナウイルス感染者が100万人あたり日本の30倍で死亡率も高い英国で、7月11日サッカー欧州選手権が6万人の観衆の前で行われました。同じ日にテニスのウィンブルドン選手権男子シングルス決勝が大観衆の前で行われました。一方の日本では無観客開催です。直前までプロ野球でもサッカーJリーグでも観客を入れて試合が行われていたのに、オリンピックが何故無観客なの?と不思議でした。結局分断された日本国民の間をとっての無観客だったのでしょう。しかし海外メディアの反応は違いました。日本は外国人が来るからこのような措置を採ったのだと言うのです。日本を含む東アジアの「ガラパゴス化」を懸念する声さえあります。

■ やっぱりスポーツはいい
 オリンピックが始まってみると、やっぱりスポーツはいいなと思います。観客が入っていれば開催国日本には有利だっただろうなという感じはします。ソフトボールは日本が2位で決勝進出、宿敵米国と金メダルをかけての戦いとなりました。男子サッカーは久保建英選手が予選リーグ初戦で南アフリカ、第2戦でメキシコと2試合連続ゴールの活躍で2連勝、一方女子サッカーなでしこジャパンはカナダ女子代表との初戦に1-1で引き分けたあと、第2戦はイギリス女子代表に0-1で敗戦、レジェンド澤穂希さんから酷評される覇気のなさでちょっとガッカリ。体操の内村航平選手は、鉄棒の演技で落下して決勝に進めず、大会2日目で姿を消すことになりました。今大会かぎりで引退を表明していた重量挙げの三宅宏美選手は記録なしに終わり、3大会連続のメダル獲得はならず21年間の競技人生に幕を下ろしました。でもお二人とも長い間お疲れ様でした。日本人に多くの感動と勇気を与えてくれたお二人にアッパレ、ご苦労様でした。
内村航平さんと三宅宏美さんに 13年前の上野由岐子さん

■ 金メダルラッシュ
 日本はメダルラッシュです。開幕前に世界大手のグレースノート(イギリス)がメダル獲得数を予想したところでは、総数ではアメリカ96、ロシア68、中国66、日本60、イギリス52、オランダ48で、金メダル数は米国40、中国33、日本26、ロシア21、オランダ16、イギリス14でした。日本の金メダル第1号は柔道男子60キロ級の藤直寿選手、そして柔道女子52キロ級の阿部詩選手に続き、柔道男子66キロ級の阿部一二三選手が兄妹で金メダル獲得、素晴らしい!新競技スケートボードのストリートで最初の金メダリストは大技を連発した堀米雄斗選手、そして女子でも13歳10ヶ月と日本史上最年少の西矢椛(もみじ)選手、競泳陣のトップを切って女子400m個人メドレーで大橋悠依選手、柔道男子73キロ級では前回に続き大野将平選手、新種目卓球混合ダブルスで伊藤美誠・水谷隼の磐田市出身の11歳差コンビが日本卓球界初の金メダルを獲得しました。

阿部一二三と詩選手が兄妹で金メダル(毎日新聞より)

■ 劇的な金メダル獲得
 新種目・卓球混合ダブルスの伊藤美誠選手と水谷隼選手のペアはこれまで宿敵中国の許/劉ペアに勝ったことがありませんでした。無観客の中、中国選手団は40人で大声援を送り、代々木体育館はさながらアウェーの雰囲気でした。第1ゲームは11−5で中国ペアが取り、第2ゲームも11−7で中国、第3ゲームは11−8と日本が奪い、第4ゲームも11−9で日本が連取、第5ゲームを11−9日本が取って逆転するも第6ゲームは11−5と中国にゲームカウント3−3で追い着かれました。迎えた最終ゲーム、伊藤美誠はここまで男子世界ランキング2位の許の回転数の多いチキータに苦しみました。水谷隼が積極的にフォアで強打し、許の体めがけて打ち込んで11歳下の後輩を助けるという流れでしたが、最終ゲームの伊藤美誠は許にひるむことなくスマッシュを打ち込み、8−0と圧倒する展開で、観戦していた日本男子代表の倉嶋監督が「普段以上の力。見たことがない」と驚くほどでした。水谷隼の父信雄さんが代表を務める豊田町卓球スポーツ少年団に伊藤美誠が4歳の時に入団し、その頃からの幼なじみの二人です。11歳下の伊藤美誠が敬語を使わない、遠慮が必要ない関係性がこのコンビの強さだったようですね。
 しかし実はここまで来る前に劇的なゲームがありました。7月25日の準々決勝で、ドイツ代表のパトリック・フランツィスカ/ペトリサ・ソルヤ ペアと73分の激戦の末、ゲームカウント4−3で勝利した試合です。最終第7ゲームの日本は開始から5連続失点、相手にペースを握られ1−7と6点差をつけられ、一時は2−9と追い込まれたところから水谷隼が気迫のフォアドライブを決めるなど4連続得点と奮起、6−10とマッチポイントを握られたた後も、再び4連続得点で10−10の同点に追い着きました。デュースに持ち込んだ後も互いにポイントを取り合う大接戦となり、最後は16−14で日本が大熱戦をモノにしました。「7度のマッチポイントを握りながらも勝利を収められなかった」ことに、ドイツ五輪代表チームの公式ツイッターも、この結果を「信じられないほど苦い」と伝えました。

混合ダブルスの伊藤美誠選手と水谷隼選手が金メダル(THE DIGEST;Getty Imagesより)

■ 金メダルを期待されながら予選落ち...
 一方で男子400m個人メドレーで金メダル有力候補の瀬戸大也選手は予選9位で決勝進出を逃しました。スタートのバタフライから先頭に立ち、背泳ぎ、平泳ぎとトップを守り、300メートル通過時点では2位以下に1秒7以上の大差をつけて、楽勝だなと思ったら、ラストの自由形で失速、直後のインタビューで「信じられない」と話しました。イヤイヤ信じられないのはコチラのほうですと言いたかったですね。決勝に向けて考えるレースだったようですが、まさか予選落ちするとは思わなかったのでしょう。予選頑張りすぎて決勝でタイムを落とし、銅メダルに終わった5年前のリオ五輪の反省に立って、余力を残して決勝に進む算段だったようです。ネット上では不倫問題などを蒸し返すような書き込みもありましたが、あまり心無い仕打ちはいけません。過ぎたるは及ばざるがごとし、気持ちを切り替えて、次頑張って下さい。

■ 藤井聡太二冠が豊島将之二冠に3連勝
 前回「お〜いお茶杯第62期王位戦」7番勝負の第2局で、藤井聡太王位(当時18)=棋聖=が苦しい将棋を辛抱し、豊島将之竜王(31)=叡王=に大逆転勝利して1勝1敗のタイとしたことを書きました。さらに7月19日に19歳となったばかりの第3局が7月21、22日、ここで第2局の終盤大逆転の意味が分かって来るのではないでしょうか。藤井二冠が豊島二冠への苦手意識を払しょくできたかどうかです。続いて叡王戦の5番勝負は7月25日から、いずれも藤井二冠対豊島二冠です。そして竜王戦の挑戦者決定戦でも藤井二冠は準決勝進出、もしここでも挑戦者になれば、王位戦7番勝負、叡王戦5番勝負。竜王戦7番勝負、合計19番勝負となりますと書きました。結果は王位戦第3局、叡王戦第1局と藤井聡太二冠が連勝、通算成績4勝7敗としました。押されていても辛抱して終盤一気にたたみ込む、後から考えると、前に打っていた手の意味が分かって来るという藤井将棋に、観戦していたプロ棋士たちが唸るという局面が続いています。ここに来ての豊島将之二冠への3連勝によって、苦手意識は払しょくされたのではないでしょうか。むしろ充実度を増している藤井将棋がどこまで勝ちまくるのかに興味が移ってきました。7月30日は王将戦の二次予選で石田直裕五段と対局、続いて豊島将之二冠と叡王戦第2局は8月3日甲府です。8月6日は竜王戦挑戦者決定戦準決勝を八代弥七段と闘い、8月9日叡王戦第3局、8月18、19日は王位戦第4局、この間に別の対局が入ってくるかもしれません。忙しいですね。

日本将棋連盟ホームページより
(2021年7月26日)


次回へ    前回へ    最新ページへ    つぶやき最終回