436  若者二人

 前回関東甲信の梅雨明けは7月17、18日の土日ごろと予想しましたが、7月16日(金)に明けましておめでとうございます。平年は7月19日ごろなので、若干早いのですが、梅雨入りが遅かったので短い梅雨でした。我が家のアオイは、最上部の一輪の花だけが咲き残り、なるほど梅雨明けかと納得しました。隣のビルのツバメの子育ては続いています。鳥というのはけなげだなと感心します。東京五輪開幕を前にして一都三県の新型コロナウイルス感染者が急増し、第五波突入は確実です。デルタ株の比率が増えてきました。とにかくワクチン接種を急ぐしかありません。今回はこの一週間夢中になった若者二人…大谷祥平と藤井聡太について採り上げます。

■ 埼玉県はまん防追加
 埼玉県は新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の対象区域に、さいたま市と川口市に加え、18市町を追加することを決めました。期間は7月20日から8月22日までです。追加されるのは川越、所沢、春日部、草加、越谷、蕨、戸田、朝霞、志木、和光、新座、八潮、富士見、三郷、鶴ケ島、ふじみ野の16市と、伊奈、三芳の2町で、いずれも東京との往来が頻繁で感染者が多い地域です。お蔭でエコパも7月20日から20時までの短縮営業に逆戻り、お客様のほとんどがワクチン2回接種してるのに...

■ 草津温泉閑散
 ワクチン2回目接種から2週間以上経過したので、久々の草津温泉、♪草津よいとこ 一度はおいで アドッコイショ ♪お湯の中にもコ〜リャ 花が咲くよ チョイナチョイナ・・・下写真は大東舘の部屋から見た湯畑の夜景、湯畑を取り巻く「草津に歩みし100人」の石柵と歩道は、かの岡本太郎氏の監修になるもの、ズラリ並んだ有名人の名前、一番古くは日本武尊から、昭和の名優渥美清まで顔ぶれは豊かです。草津町町制施行100周年の記念事業の一環として2000年に、草津を訪れた多くの人々の中から選ばれた100人の名前です。本来浴衣を着て散策する人がウジャウジャ居るはずなのに、ほとんど見当たりません。もっともこの後間もなくして、雷鳴と共にバケツをひっくり返したような豪雨となりました。


人影見えない夜の湯畑

■ 花巻東コンビがMLBオールスター出場
 MLBオールスターゲームが2021年7月13日(日本時間14日)クアーズフィールドで行われました。コロラド州デンバーにあるロッキーズのホーム球場で、ビール会社の名前を冠としています。50,445人収容、標高1マイル(約1600m)地点にあるため、通称「マイル・ハイ」と呼ばれているそうです。高地で気圧が低いため空気抵抗が少なく、打球の飛距離がよく伸びることで知られます。ロッキーズ公式サイトでは「海面と同じ高さに設けられた他球場に比べ、およそ10%も飛距離が伸びる」とされています。エンゼルス大谷翔平投手(27)とマリナーズ菊池雄星投手(30)の花巻東コンビが、オールスター戦のベンチ裏で同校のユニホームを手に記念撮影、「花巻から世界へ」の文字とともに、それぞれのサインを記し、オールスターゲームの日付を添えました。これはスゴイことです。大リーグのオールスター戦に出るだけでもスゴイのに、同じ高校の先輩、後輩が同時に...しかも揃ってイイ男...米国人にも「どうだ!」と言えますね。

日刊スポーツより

■ ホームラン競争
 ホームラン競争に日本選手で初めて出場したエンゼルスの大谷翔平選手が、1回戦で昨年首位打者のナショナルズのソト選手と対戦、敗れましたが、延長戦を繰り返す熱戦で球場を沸かせました。延長戦、さらに再延長戦、1人3回のスイングで争って、先攻のソト選手が3スイングともホームランを打ったのに対し、大谷選手は最初のスイングでホームランを打てず、28対31で1回戦敗退。最長156.3メートルの特大の1打も出て、打ったホームランの平均飛距離は141.7メートルで1回戦の8選手中トップでした。受け取った賞金15万ドル(約1,650万円)を球団職員らに贈ったそうです。これは思わぬボーナスですね。

湯畑に面した大東舘の内湯・・・湯畑源泉です

■ オールスターゲームで勝利投手
 ホームラン競争では「疲れた」と連発していた大谷翔平選手、気圧が低いので、登山経験のある人なら分かりますが、すぐハァハァしてしまうのです。そして翌日のオールスターゲーム、1番DHで打席に立ち、投手名にも同じ名前、大リーグ史上無かった出来事です。打席は2回、ノーヒットでしたが、最初の打席は強い当たり、オオタニ・トラップのため二塁ゴロになりましたが、そんなシフトを敷かせること自体がスゴイことです。1回裏の登板でそうそうたる打者を迎えて三者凡退に仕留め、勝ち投手となりました。球速0.1マイルの速球も披露、ホームラン競争の激戦の翌日にこんな活躍をするのですから、他の出場選手から「信じられない」との言葉が出て、サイン攻めにあったそうです。まさしくオオタニのため特別ルールを作ったオールスターゲームでした。

大東舘の外湯、今年はツバメの巣に金網張って「ご遠慮ください」と...

■ 第62期王位戦で藤井聡太王位大逆転でタイに持ち込む
 藤井聡太棋士が年度勝率8割以上を4回記録したのは将棋界初の出来事です。それも4年連続というのですから、おそろしい限りです。まだ18歳ですよ。7月13、14日に北海道旭川市で指された、「お〜いお茶杯第62期王位戦」7番勝負の第2局は、藤井聡太王位(18)=棋聖=が苦しい将棋を辛抱し、豊島将之竜王(31)=叡王=に勝って1勝1敗のタイとしました。2日間で17時間にわたる大熱戦を繰り広げましたが、序盤の約7時間は互角で、中盤から終盤の9時間以上は豊島竜王が優勢とみられる局面が続いたのに、終盤、それもギリギリで藤井王位が逆転しました。勝負というものは恐ろしいと感じた一戦でした。豊島竜王は深く研究して臨むタイプで、序盤からぶっ飛ばします。互いの持ち味が出た対戦でしたが、藤井王位は第1局に続き、序中盤で豊島竜王にリードを奪われる苦しい展開でした。第1局は藤井王位が持ち時間を残して投了せざるを得ない完敗、豊島竜王が何故藤井二冠に強いのか、現在棋界四天王の中で渡辺三冠、永瀬王座に対しては藤井二冠は滅法強いのに豊島竜王には滅法弱いのはどうして?というのがナゾと言われています。藤井二冠は渡辺名人いわく「圧倒的な終盤力」を持つので、終盤までもつれたら、特に一分将棋に入ったら強いと言われていますが、豊島竜王は攻めに攻める棋風なので、さすがの藤井二冠でも攻め込まれて圧倒されてしまうのがこれまででした。藤井二冠は戦前、「今回はじっくり考えて対処する」と言っていたように、中盤で劣勢にならぬよう耐えて、時間も使って持ちこたえるという狙いでした。ところがこの局でも豊島挑戦者は、残り時間に差をつけて優勢で終盤に持ち込むという理想的な展開でした。ABEMAの中継をネットで見ていて、AIはずっと豊島優勢と表示しています。終盤、豊島挑戦者が長考する場面があり、大きな差があった持ち時間がジワジワと近付いて行きます。何を読んでいるんだろう?余程悩んでるなと思いました。AIが最善手としている手を見て、解説の棋士たちは「それはチョット考えられない」と言っていました。大東舘の夕食タイムとなってしまい、スマホで見ながらというのは行儀悪いので、夕食済ませて見たらナント!藤井王位が勝ったではありませんか。やはり長考していたところが勝負の分かれ目となったようです。

ガラガラの湯畑、こんなに人影まばらなのは見たことありません

■ 藤井二冠対豊島二冠の闘いは続く

 藤井二冠はこの大逆転につなげる布石をしていたのでしょう。おっと、布石は囲碁ですね。将棋なら定跡でしょうか。終盤で豊島挑戦者を悩ませる展開に持ち込んで、AIでも奇手を持ち出さざるを得ないような場面を作るなんてスゴイの一言です。藤井二冠の対局の時は、プロ棋士の人たちが控室で見ていて唸っている場面が良く見られます。どうしてこんな手を?定跡ならこうなんじゃないの?とケンケンガクガクです。後になって「そうだったのか〜」と唸るわけです。さて7月19日(月)で藤井聡太棋士もいよいよ19歳になります。高校を中退してまで将棋に集中してきました。「お〜いお茶杯第62期王位戦」7番勝負の第3局は7月21、22日です。ここで第2局の終盤大逆転の意味が分かって来るのではないでしょうか。藤井二冠が豊島二冠への苦手意識を払しょくできたかどうかです。続いて叡王戦の5番勝負は7月25日から、いずれも藤井二冠対豊島二冠です。そして竜王戦の挑戦者決定戦でも藤井二冠は準決勝進出、もしここでも挑戦者になれば、王位戦7番勝負、叡王戦5番勝負、竜王戦7番勝負、合計19番勝負となります。

アメリカフヨウ

■ GDP減なのに税収は過去最高
 コロナ禍で2020年度の国内総生産(GDP)は前年度比4.6%減と過去最大の落ち込みです。すると税収も減るかと思ったら、国の一般会計の税収は、過去最高の60.8兆円になる見通しだそうです。見込みより5兆円超も上振れした形です。法人税収が想定を大幅に上回り、3.2兆円も多く、消費税収も2019年10月から税率を10%に上げたせいもあり、前年度比2.6兆円増の21兆円になり、これは想定より1.7兆円の上振れです。自動車、半導体といった製造業で海外輸出が回復し、国内でも巣ごもり需要があり、食品スーパー、家電量販店やホームセンターの売り上げが増えました。ゲーム分野でも任天堂やソニーがウハウハ、好決算を叩き出しています。企業決算が集中する3月期、同じ業界でも赤字の企業が目に付く中、3割ほどの企業は好決算でした。それで法人税収が想定を大幅に上回るということは、儲かった企業が如何に多く儲けたか、ということです。GDP減なのに税収が伸びるのは、本来異常です。社会構造が二極化して、いびつになっているのでしょう。コロナ禍にあって企業経営者や一部投資家などの富める者はますます富み、貧しい者はより貧しくなったということを、データが示しているのです。

ムクゲ

■ 最低賃金28円引上げ
 中央最低賃金審議会の小委員会は7月14日、2021年度の最低賃金を全国平均で28円目安に引き上げ、時給930円とすると決めました。目安通りに上がれば最高額の東京は1013円から1041円、最低額の秋田や高知などは792円から820円になります。ずいぶん差がありますね。200円以上ですよ。ただ主要先進国ではこれでもなお低い水準です。最低賃金の引き上げが示されたことに対し、日本商工会議所など中小企業3団体は「極めて残念であり、到底納得できない。多くの経営者の心が折れ、雇用に深刻な影響が出ることを強く懸念する」とのコメントを発表しました。中小企業やコンビニからは悲鳴があがっています。実はコロナ禍で、あがき、もだえ苦しんでいるのは、最低賃金で働いている人たちだ、ということを菅政権は分かっているので、最低賃金引き上げを打ち出しているのです。

フヨウ

■ 中小企業に対して政治の支援を!
 これで思うのは韓国の例です。文在寅大統領が大幅な賃金アップをした結果、非正規雇用が増えて、若者の失業率が増えました。しかし、今回の日本の最低賃金アップとは比較にならない大幅アップでした。したがって日本では韓国と同じことは起こらないでしょう。日本商工会議所などには一言物申したい。経団連などに加盟する大手企業は儲かっていますから最低賃金引き上げは何の影響も無いでしょう。日本商工会議所に加盟する中小企業や、サービス産業が最低賃金引き上げを問題視するのは、低賃金だからです。労働者の賃金を上げる必要があるのは、日本の国力低下を見れば明らかです。この30年、日本の労働者は実質賃金が下がり続け、世界からドンドン置いてけぼりになってきました。もちろん発展途上国に比べればまだ上ですが、OECD加盟国では最低クラスまで落ちました。反対するのではなく、知恵を絞るべきでしょう。それが出来ないなら、菅首相がおっしゃるように、そんな企業は淘汰されて、大企業に吸収されてもやむを得ないとも言えるかもしれませんが、日本の中小企業は大企業に抑え付けられているのが実態ですから、ここにも政治の力を注入すべきです。そうでなければDXの立ち遅れから、中小企業は奈落の底へまっしぐらになりかねません。

ハイビスカス

■ 中韓不動産バブルが心配
 中国経済は絶好調です。コロナ禍はもはや過去のこと、しかし心配なのは不動産バブルです。韓国の不動産バブルも心配ですね。崩壊はそう遠くないかもしれません。

モミジアオイ

■ 白鵬45回目の優勝
 横綱・白鵬が6場所連続休場から復活し、歴代最多を更新する45回目の優勝を果たしました。終盤には横綱ながら奇策も用い、「そうまでして優勝したいのか」と憐れむ声も出ました。14日目の大関・正代戦では、土俵際まで下がって仕切り、北の富士さんからぼろくそに言われました。八角理事長も苦言を呈しました。千秋楽の照ノ富士戦では、得意の顔面肘打ちから右、左と張り手、もはや格闘技です。さしもの照ノ富士もカーッとなってやり返す、最後は小手投げ、危ない!とヒヤッとした技でした。勝って雄たけび、横綱の威厳もクソもあったものではありません。解説の舞ノ海さんも北の富士さんもあきれ果てたコメント、優勝インタビューでは「右膝がボロボロ」、「これでまた進める」と言いました。「徳を積んでいくという思いでやってきたことがつながったのかなと思います」と言い、「これで899勝、横綱として、あと1勝で900勝なんで、1勝目指して頑張っていきたいと思います」という話でした。これまで横審からたびたび注意を受けてきた横綱の品格を貶める相撲をとっても、「徳を積んでいくという思いでやってきた」と思っているとすればもはや何をかいわんやです。これだけ優勝しても名横綱と言われない理由は分かっているかと思っていましたがそれは間違いでした。八角理事長は仕方ないと思ってるみたいですね。年輩の相撲ファンからは白鵬の相撲に批判が出ていますが、若い世代では「勝てば良い、さすがだ」という声もあるようです。相撲が格闘技ならばその通りでしょう。大相撲協会も、横綱のこんな相撲を許すのなら、「相撲は神事」なんて言ってはいけません。日本格闘技選手権・相撲の部と改めたほうが良いのではないでしょうか。
(2021年7月18日)


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