426  八十八夜

 鳥の恋の季節です。燐家の軒先に、今年もスズメがせっせと材料を運んで巣を作りました。チュンチュンとかまびすしいです。先だってスズメが追いかけっこみたいに飛び回る姿を良く見ました。オスが求愛でメスを追いかけているのでしょう。イヤだ、イヤだと逃げ回るのにしつこく追いかけて、あれはストーカースズメか?ツバメの巣は良く見ますね。カラスも集まっては「アー、アー」と鳴いています。カラスが「カー、カー」と鳴くというのは誰が言ったのでしょう。我が家の周辺のカラスは川越街道の背の高いヒマラヤ杉の天辺で「アー、アー」と鳴いています。

■ 茜襷に菅の笠
 ♪夏も近づく八十八夜
 ♪野にも山にも若葉が茂る
 ♪あれに見えるは茶摘みじゃないか
 ♪茜襷に菅の笠
 「茶摘み」という唱歌ですね。
茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠という装束については右イラストを参照ください。新茶を摘むのに、かすりの着物にあかね色のタスキをして、スゲで編んだ笠を被る...こういういで立ちでお茶を摘んだのは恐らく静岡ではないかと言われています。ただ、岩手県雫石町の観光マスコットキャラクター「しずくちゃん」はタスキではなく赤と黄色の腰帯をしていますが、農家の娘さんや若い(これがポイント)お嫁さんは農作業の晴れ姿としてこういう服装だったと考えられます。

しずくちゃん

■ 茶摘みと製茶
 我が町会では5月16日(日)に、近所の「新井園」で茶摘みをします。お天気が心配ですが、摘んだ茶葉は持ち帰り、電子レンジで蒸して絞り、その後フライパン/ホットプレート/電子レンジいずれかを使って煎り、揉んでは煎り、を繰り返して製茶します。昨年、知り合いの皆さんに自家製茶をプレゼントしたら、甘くて美味しかったと大好評でした。


我が家のすぐ近くの「新井園」の茶畑
■ 八十八夜
 「八十八夜」とは何でしょう?二十四節気の「立春」の日から数えて88日目だそうです。なぜ「八十八日」ではなく「八十八夜」と言うのでしょうか。この辺りの詳しいことはよく分かりませんが、旧暦は太陽暦ではないので、日にちで新暦と比較すると日付は結構ずれます。例えば2021年5月1日は旧暦3月20日ですが、2022年5月1日は旧暦4月2日です。つまり日付と季節の移り変わりが旧暦では合致しないのです。昔の人はお月様を見て日を数えました。月の満ち欠けは約29.530589日周期ですから、どうしても太陽暦とはちょっとズレてきます。十五夜とは旧暦15日の月です。この時期の月は、夕方に昇って朝方に沈みます。満月が夜空にこうこうと映えるのです。逆に新月は、朝方に昇って夕方に沈みます。ちなみに2021年5月12日は新月でした。東京では月の出が4時53分、月の入りが19時1分、月は昼間に空に昇っているわけですが、どうせ新月ですから見えません。つまり夜空を見て日を数えるので「夜」と「日」は同じと考え、「八十八夜」=「八十八日」と考えれば良いのです。「八十八夜」とは「立春」の日から数えて88日目です。2021年の立春は2月3日でしたから88日目は5月2日です。八十八夜の3日後は、立夏です。暦の上ではもう夏、「夏も近づく八十八夜」なのです。2021年の立夏は5月5日です。計算は合ってますね。ところが筆者の使っているJR東日本の手帳では5月1日に「八十八夜」と記載されています。調べたら立春の日を1日目と数えて88日目だそうで、5月1日となるようです。5月1日の夜が「八十八夜」なら、夜が明けた5月2日の3日後の5月5日が立夏なのかなぁ?どうも釈然としませんが、月の周期に端数があるのでこういうことが起きるのかもしれません。

■ 八十八夜の別れ霜
 「八十八夜の別れ霜」という言葉があります。この時期が遅霜の心配が薄れる頃という意味でしょう。農家にとって霜は天敵です。茶畑にもよく防霜ファンが林立してますね。空気を動かして、霜柱が立たないようにしているのです。先頃茶所牧之原を竜巻が襲いましたが、防霜ファンの柱が倒れている映像が映りました。

「新井園」の茶畑では機械で茶葉を刈り取っています

■ 荒茶生産量
 日本の荒茶生産量の農水省統計を見ると2020年度では69,800トンで、前年産に比べ11,900トン(15%)減少したそうです。「荒茶」とは、茶葉(生葉)を蒸熱(じょうねつ)、揉み操作、乾燥等の加工処理を行い製造したもので、仕上げ茶として再製する以前のものを言います。1年で15%の減少とは大変なことです。恐らくCOVID-19の影響でしょう。1位:静岡県25,200トン(36%)、2位:鹿児島県23,900トン(34%)、3位:三重県5,080トン(7%)、4位:宮崎県3,060トン(4%)、5位:京都府2,360トン(3%)で、狭山茶の埼玉県は754トンで10位(1%)です。

■ 高齢者のワクチン接種始まる
 高齢者のワクチン接種が始まりました。わがふじみ野市では後期高齢者から始まりましたが、74歳の人が5月11日に接種を受けて、2回目は6月1日だと言っていました。痛くもなんともなく、副作用もないと言って、接種当日からエコパに来ていました。この方は早生まれなので、今年度中に75歳になるので対象なのだそうです。「何度電話してもつながらない」という人や、近所の医院がリストにあったので電話したら「診察券が無い人はダメ」と言われたとか、直接医院に行ったら長蛇の列で諦めたという人がいる一方、クリニックでスンナリ2回目までの予約が取れた人、総合病院に電話して予約した人は診察券など関係ないと言っていて、人によって言うことが全然違います。集団接種は市の電話が繋がりにくいとのことで、これはある意味仕方ないことです。電話が殺到すれば、当然そうなります。どうやら病院やクリニックの直接予約が良いみたいですね。

■ 眼からの感染も
 第四波が凄いことになってきました。全国的に感染拡大し、どうやら変異ウイルスが主役に躍り出たようです。北海道などでは、クラスターの場所が様変わりし、飲食店はほとんどなく、職場や学校、病院などになってきたとのこと。したがってススキノを規制しても効果が無いのです。食事の時はマスクを外しますから、ここでの飛沫感染が多いのでしょう。怖いのは眼から鼻涙腺を介して喉〜肺と入ってくることもあるそうで、マスクだけではだめ、フェースガードや花粉症用ゴーグルがオススメだと...こうなると徹底して他人に近づかないということになります。それが無理だとすると、ワクチンが広く行きわたるまでは感染拡大抑止困難かもしれません。

アマリリス
 ふじみ野こどもエコクラブの畑でもアマリリスが咲きました。ヒガンバナ科で、花径10〜20cmもある鮮やかな色の花を、すっと立ち上がる太い茎に咲かせます。1株でもインパクトがあり、鉢植えや花壇、あるいは切り花として利用されています。球根が多く出回るのは2月から3月で、鉢植えで育てれば1ヶ月半〜2ヶ月後に花が咲きます
(2021年5月13日)


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