425  ホームセンター

 前回はSDGsを採り上げました。環境問題は、米国の大統領がまともな人に戻って、再び注目されるようになりました。昨年に続き、ゴールデンウィークは、多くの働く人にとってその名にふさわしくないグレーなウィークだったのではないでしょうか。昨年と今年はGWの「G」の色が違います。新緑の、この上ない爽やかな時季、仕事を休んで、さあ、緑の中へ、本来ならばそういう時期なのですが、政府が人流抑制、不要不急の外出を避けよ、外での飲酒も避けよと言っていますから、これは素直に従わなければなりません。新型コロナウィルス対策としては、この時期に仕事も休み、レジャーも控えて、他人と接触機会を減らす大チャンスだと、前向きに捉えましょう。

■ ゴールデンウィーク
 ゴールデンウィークは4月29日から始まって5月5日までの7日間で、これに土日が絡んで、製造業では間を振替休日にしたりして10連休などのビッグな休日にしたりするところもありました。以前は4月29日が昭和天皇の誕生日、5月3日が憲法記念日、5月5日がこどもの日で祝日でした。労働組合がある企業では5月1日をメーデーで休みとしていました。間の4月30日、5月2日、5月4日に有給休暇を取れば連休と出来ました。今は4月29日を「昭和の日」という祝日として、昭和天皇が植物をこよなく愛されていたことにちなみ5月4日を「みどりの日」という祝日にしてゴールデンウィークとしています。ただ、日本の産業は今や製造業からサービス産業に主役が移行したので、ゴールデンウィークに外出やスポーツ観戦自粛、百貨店他大型営業施設休業となると、収入を減らす従業員が多くなったでしょう。韓国の輸出がこの時期史上最高で、絶好調というのと日本の落差・・・時代は変わりました。


ふじみ野市のアブラナ畑。中央奥に見える建物は埼玉県立ふじみ野高校
左奥には我が「ふじみ野こどもエコクラブ」の400坪の畑有り
画面右側奥の林の向こうにはコロナ対応のPCR検査で一躍有名になった「ふじみ野救急病院」(住所は三芳町)有り

■ 少年野球に明け暮れたGW
 4月29日から5月5日まで、筆者は少年野球漬けでした。自チームの試合があって、負けたのでひたすら小学校のグラウンドで練習、後半は埼玉県東入間学童野球連盟の春季大会があり、自分のチームを放り出してそちらにかかりっきりでした。5月5日で準々決勝が終わり、5月8日(土)準決勝、9日(日)決勝です。感染対策で少年野球も様変わりです。審判も役員、指導者、応援者も皆検温して、マスクをしています。選手は守備や打席ではマスクを外しますが、ベンチではマスク着用が奨励されています。お茶のサービスなどは一切廃止、マイボトル持参です。試合前後に輪になっての発声も無し、開始時や終了時にホームベースの両側に並ぶことも無くなり、ベンチ前でソーシャルディスタンスをとって挨拶する形に変わりました。ベンチから大声で指示することや、応援席からの大声もご法度、なにやら気持ち悪い試合です。それでもこどもたちは元気に打ち、走り、守り、その笑顔や口惜しい顔を見ると、やはりスポーツは大事だと実感します。

ヒルザキツキミソウ

■ アウトドア用品が売れています
 コロナ禍で外出自粛となって、テレワークのサラリーマンも増えたりして、世の中が変わりました。外食が減り、需要が増えた食品スーパーは、ここぞとばかり消費者還元セールを打ち出して様々な値引き作戦でお客さんを勧誘しています。10%引き、20%引きとバンバン値引きしてお客さんを呼び寄せています。我が家の近くの「スーパービバホーム」の広大な駐車場が車で溢れています。レジャーに行けないなら庭で野菜や花を植えよう、ベランダにプランターで楽しもうなどという人、おうちでバーベキューという人、この際リフォームやDIY(日曜大工)に精出す人などが出かけているのでしょう。また川越街道地蔵院向かい、洋服の青山に隣り合う角地のアウトドア用品ショップ「WILD-1」が昨年から平日にも駐車場が混むようになりました。外にテントを展示しています。冬はスノースポーツ、春や秋はハイキングや野外バーベキュ―、夏は海や登山、キャンプ、釣りなどの用具を売っていますが、年中混むようになったということは、コロナ禍でアウトドアライフの楽しみ方や生活様式が変わったことを示しています。

WILD-1ふじみ野店

■ スーパービバホームが身売り
 ところで「スーパービバホーム」というのはあのLIXILグループのホームセンターです。102店を展開する「ビバホーム」のLIXILビバはホームセンター業界6位ですが、これを11位のア―クランドサカモトが完全子会社化すると発表したときはビックリ仰天でした。”小が大をのみ込む”構図で、買収金額は1085億円です。ホームセンター業界は頭打ちが続き、総合スーパー、ドラッグストア、ディスカウントストア、100円ショップなど、他業種との競合が激しくなっています。「コメリ」と同じく新潟県を地盤とするホームセンターの「ムサシ」(38店)を展開するアークランドサカモトは、独立系で超大型店という特徴を持ちます。しかしながら絶好調のカツ丼専門店「かつや」を上場子会社に持つだけに資金はたっぷり持っていたわけです。買収される側のLIXILビバは「足元のコロナ禍による巣ごもり消費で業界は活性化している。新しいマーケットの変化を主導してゲームチェンジしたい」と意気軒昂だそうです。「身売り」とか「M&A」と聞くと日本では後ろ向きなイメージを持つ人が多いようですが、それは大きな間違いです。もうかっているから、将来性があるから買う企業があるのです。むしろ身売りすると聞いたら、あの会社はもうかってるんだなと思うべきなのです。

「スーパービバホーム」ふじみ野店

「スーパービバホーム」の隣にはイトーヨーカドーほか様々な店が入って「ビバモール」を構成しています

■ ホームセンター業界ではM&Aが続く
  ホームセンター業界トップは「カインズ」です。群馬発祥のベイシアグループ傘下で、兄弟会社には作業着専門店の「ワークマン」があります。僅差で2位のDCMホールディングスは、相次ぐM&Aで規模を拡大してきた企業です。傘下に「カーマ」、「ダイキ」、「ホーマック」、「サンワ」、「くろがねや」を擁し、2017年には「ケーヨーデイツー」を展開するケーヨーの株約20%を約70億円で取得、持ち分会社化しています。業界3位はコーナン商事で、近畿圏で「コーナン」をドミナント展開し、「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス子会社から、関東地盤のホームセンター「ドイト」を約68億円で譲り受けました。4位の「コメリ」は新潟発祥ながら、農業資材を強みに、全国展開を続け、勢いがあります。農家向けに”収穫期払い”を導入するなど、独自戦略で右肩上がりの成長を続けてきました。そういえば農協は”収穫期払い”でしたね。これまで5位だった九州地盤の「ナフコ」はアークランドサカモト+LIXILビバ連合に抜かれて6位になり、続いて「ジョイフル本田」、「島忠」となります。

ナガミヒナゲシが盛んに咲いています。埼玉県レッドデータブックにも掲載され、ふじみ野市は駆除を呼び掛けています

■ NHK朝ドラ『おちょやん』
 昨年11月30日にスタートした朝ドラ『おちょやん』(NHK)がいよいよあと1週間の放送を残すのみとなりました。ここまでは17%前後の世帯視聴率で、近年の朝ドラよりも2〜5%も低いと言われ、ひどいのは「話題にもならない」などと、さんざんな言われようでした。確かにこれまで筆者のESSAYでも朝ドラに触れることが多かったのですが、『おちょやん』については書いていません。それではあんたはどうよ?と言われたら、シッカリ見てるし、良いドラマだと思います。SNSでも、コメントの大半は称賛、感動、愛着などのポジティブなものばかりで、見ている人の満足度はむしろ他の朝ドラよりも高いのではないでしょうか。

アブチロン・チロリアンランプ

■ 『おちょやん』と「おしん」
 『おちょやん』は大阪・南河内の貧しい家に生まれた竹井千代(杉咲花)が、奉公に出ていた道頓堀で芝居に魅了され、女優を目指す物語です。史上最高、お化け番組だった1983年度の1年ドラマ「おしん」とは、貧しい生まれで、苦労と不幸から逃げない志の高さという主人公像が共通しています。ただし「おしん」は雪深い山形県の中山町に生まれ、酒田に奉公に出て、次に東京・浅草の髪結いの店へ、田倉竜三と結婚して佐賀へ、再び夜逃げの形で東京へ、高倉浩太に助けられて三重県伊勢へ、結局ここが終の棲家になったのでした。途中途中でおしんは山形に帰省します。対して『おちょやん』は毒父・テルヲ(トータス松本)と継母・栗子(宮澤エマ)から家を追い出され、9歳で大阪・道頓堀の芝居茶屋「岡安」へ奉公に出て、ここも毒父のせいで出ていかなければならなくなり、京都にたどり着いて、カフェー「キネマ」の女給をしながら、撮影所で女優の夢を追います。再び道頓堀に戻り、天海一平(成田凌)と結婚します。夫の不倫によって、千代は女優を辞め、道頓堀を去り、何故か京都で継母・栗子とその孫・はるちゃんと暮らすようになりました。実は栗子は女優千代のファンであり、常に千代を陰ながら見守り、お芝居を見ては、その転機となるときに花を送ってきた人であることが分かります。父も弟も失った千代が、自分を追い出した継母と姪と家族になったワケが分かりました。常に転機で自分を応援してくれた人の正体が分かった時、ネットは大フィーバーとなりました。そこへNHK大阪放送局から「お父さんはお人好し」というラジオドラマが舞い込んで、やがて「大阪のお母さん」と呼ばれる大女優になって行くのです。「おしん」の山形→東京→佐賀→東京→三重という言葉も文化も違う広範囲な移動に比べ、『おちょやん』はほぼ道頓堀と京都だけが舞台で、他は全く出てきません。

キンギョソウ

■ NHK大阪放送局制作の朝ドラは...
 『おちょやん』が低視聴率だと報じる記事が出ると、SNSではそれを打ち消すような反発のコメントで埋め尽くされ、しかもその声は中盤から終盤にかけて増えています。確かにこれまでの朝ドラは、爽やかな景色の舞台や、裕福な家庭のお嬢様が主人公であることが多いようです。お嬢様ならずとも回りの人間関係が温かい場合が多く、その意味では『おちょやん』や「おしん」は異例です。朝ドラは「朝から重い展開は避けたい」という視聴者の声に配慮して、主人公にそれほどの苦労や不幸を背負わせない傾向が強かったと思われます。NHK大阪放送局制作の朝ドラは、声の大きい視聴者に迎合せず、主人公の人生をシビアに描く傾向があり、近年の『カーネーション』、『ごちそうさん』、『まんぷく』、『スカーレット』などでも、これは共通していました。2006年度下期の『芋たこなんきん』は大阪・天満の商店街を舞台に、主演の藤山直美が当時47歳で「史上最年長ヒロイン」と呼ばれました。もちろん若い頃は別の二人の女優が演じました。平均視聴率が16.8%と低かったのは、この朝ドラらしからぬヒロインの年齢もあったかもしれません。夫役の國村隼とはその後も名コンビとして引く手あまたでした。しかしドラマとしては面白い中味で、さすが大阪放送局と思わせるものでした。翌年の『ちりとてちん』は、心配性でマイナス思考のヒロイン(貫地谷しほり)が大阪で落語家を目指す姿を描きました。平均視聴率は15.9%で、大阪放送局制作の作品の中で最低でしたが、DVDの売り上げは、過去最高の売り上げを記録しています。つまり、「もう一度見たい」と思わせる玄人好みの作品だったわけで、この面からも視聴率と作品の良さは一致しないことが分かります。

ペチュニア

■ お笑い芸人が真面目に演じる面白さ
 『おちょやん』の前作『エール』はコロナ禍で途中撮影が止まり、再放送の間、もちろん視聴率が下がり、コロナ対策を煽る「羽鳥慎一モーニングショー」などに視聴者が逃げて行きました。『おちょやん』もコロナ禍でスタート時期が大幅に遅れました。世帯視聴率は第1週から近作より2〜5%も低い17%台が続きました。道頓堀の光景が茶色いとか汚いとか、その理由が言われ、役者も毒父:トータス松本の憎らしさ、須賀廼家千之助役を演じるほっしゃんこと星田英利の演技が凄過ぎて主役を食ってるとか、さんざんな言われようでした。杉崎花のセリフが聞こえづらいという声もありました。しかし終盤になって人気芸人・花車当郎役の塚地武雅、脚本家長澤誠役の生瀬勝久が出てくると、俄然面白そう!という感じが出てきました。この二人を見るとすぐ『サラリーマンNEO』や『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』が思い浮かびます。公共放送でなんでこんな番組やるのか?と思いますよね。民放でできないからNHKでやるのだそうです。沢村一樹と生瀬勝久が真面目な顔で可笑しい役をやりました。ウッチャン:内村光良がメインキャストで、塚地武雅のイカ大王など、思い出すだけで笑っちゃいます。星田英利も含めてお笑い芸人が真面目な役を本気でやると、実に面白いのです。

紫蘭

■ 世帯視聴率評価はもう古い
 世帯視聴率は、すでに民放各局の営業現場でほとんど取引に使われないのをご存知ですか?一つは録画機器が発達したこと、また過去のドラマをABEMAや動画配信サービス;ビデオオンデマンドVOD(TVerや、GYAO!、Hulu、Paravi、dTV、Amazon Prime Video、Netfrix、U-NEXTなど)やネットで見れるようになったことです。今やドラマはスマホで見る時代なのです。昨年スタートした番組同時配信アプリ「NHKプラス」も加わったことで、ますますリアルタイム視聴が減る中、世帯視聴率のデータを持ち出すことの意味が失われて来たのです。ネットメディアとドラマの親和性は高く、業界内では「勝ちドラマを称え、負けドラマを叩くのが最もページビューを取れる」と言われていますが、「勝ち負けを決める判断材料が世帯視聴率」と思っているのであれば、これは昭和から続くメディアの思い過ごしです。いったい、朝の忙しい時間にどれだけの人がテレビを生で見ているのか?世帯視聴率20%超を記録し続けた『半分、青い。』や『なつぞら』などは、午前8時のリアルタイム視聴者こそ多かったでしょうが、昼の再放送、BS、録画、VOD、ネットを含めた全視聴者がどれだけいて、『おちょやん』より支持者の割合が高かったかというと、疑問が残ります。時代が変わり、むしろネットの反響こそが、本当の視聴者の反応だと見れば、『おちょやん』は人気の朝ドラだと言えるでしょう。SNSなどの反応を見る限り、視聴者の多くは主演の杉咲花の演じる千代に感情移入し、「幸せそうな顔を見たい」と思っているようです。メディアによる過小評価なんて吹き飛ばしてしまう爽快なクライマックスを期待しましょう。

昨年こんなに花盛りだった日の出ツツジが今年は全く咲きません

■ 花盛り
 我が家の周りは花で溢れています。サクラ草;プリミアマラコイデス、ハナズオウ、ムラサキツツジは終わりましたが、蜜柑の白い花が咲きました。真紅、濃いピンク、淡いピンク、色とりどりの薔薇が咲いて、さながらバラ屋敷の様相です。黄色い薔薇はこれからです。色とりどりのキンギョソウ、撫子、白い大輪のマーガレット、ピンクのマーガレット、黄色いオダマキ、赤いデージー、アブチロン・チロリアンランプ、赤とピンクのペチュニア、朱色のゼラニウム、紫の蔓日日草、赤紫と白のシラン、オレンジのパンジーが綺麗に咲いています。コスモスも咲きだしました。ダリヤやたくさんの種類のアジサイの花芽が膨らみ、百合がニョキニョキと伸び、クロスコミアや、グラジオラス、アマリリスの葉も剣のように伸びています。紫の葉のオキザリスもそろそろ白い花を咲かせて良い頃です。

ピンクの薔薇
(2021年5月6日)


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