397  箱根U

 少年野球の大会は9月下旬から秋雨で順延が続いていますが、10月17日(土)も一日中雨で中止、参りました。気温も初冬並みです。二十四節気では10月8日(木)が「寒露」でした。10月23日(金)は「霜降」です。聞いただけで寒くなるような時期なんですね。天気予報では10月20日(火)と21日(水)は晴れ、その後23日(金)ぐらいまでぐずつき、24日(土)、25日(日)は晴れ、また26日(月)からぐずついて、晴れと雨が繰り返す秋らしい天気になるようです。

■ 高速使って箱根へ
 箱根の旅は、まず仙石原で昼食後、「ガラスの森美術館」に行き、それから強羅温泉宿泊、翌日は大涌谷を観光して、小田原市風祭の鈴廣蒲鉾本店に立ち寄って買い物して帰って来ました。


 箱根・仙石原まで下道で行けば110km、4時間ぐらいかかります。高速道路を使えば2時間とちょっと、栃木や群馬などの温泉地であれば途中の風景もまた楽しみながら下道でのんびりも良いですが、入間〜八王子〜厚木〜平塚〜小田原と経由して行くとなると概ね市街地走行、高速道路を使うしかありません。湯河原や熱海ほか東伊豆、西伊豆でも高速道路を使います。圏央道入間ICから入って、海老名JCT経由小田原厚木道路に乗り換えて小田原西で降りると高速道路ETC料金平日¥2,690です。この数値は、覚えてしまいました。

■ 箱根駅伝予選会
 正月の名物と言えば箱根駅伝です。第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、前回優勝の青山学院大学はじめシード10校、予選会通過10校とオープン参加の関東学生連合の計21チームが新春の箱根路を走ります。その予選会が10月17日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地内周回コース=21.0975kmで行われました。予選会は例年、陸上自衛隊立川駐屯地をスタート、立川市街地を回り、国営昭和記念公園ゴールのコースで行われていますが、今回は新型コロナウイルス感染防止対策として、無観客で陸上自衛隊立川駐屯地内の1周約2.6キロの滑走路を周回するコースで開催され、冷たい雨の降りしきる中、母校の出場をかけて必死な学生たちに、頑張れと思わず手を握りました。出場46校が上位10人のハーフマラソンの合計タイムで競い、上位10チームが箱根駅伝本戦の出場権を獲得します。歴代3位の優勝12回を誇る名門の日大は18位で落選し、大会歴代2位タイとなる90回目の出場を逃しました。予選会1位は順天堂大学、続いて中央大学、城西大学、神奈川大学、国士舘大学、日本体育大学、山梨学院大学、法政大学、拓殖大学、専修大学、そうそうたる顔ぶれです。出るだけでも大変なんですね。

■ 大学駅伝のコースを登る
 小田原から1号線を走り、箱根湯本駅前を通過しますが、車はノロノロ、それというのもすごい人出です。ちなみにこの日は月曜日、平日なのに。やはり東京が解禁となったためでしょうか。箱根湯本駅から箱根登山電車が強羅まで、早川沿いに1号線と共に走ります。塔ノ沢、大平台、宮ノ下と登り、ここで箱根駅伝コースと別れ、仙石原方面に向かいました。

■ 仙石原「蔵一」で喜多方ラーメン
 箱根で昼食を摂ろうとして、さて「ガラスの森美術館」の中でも良いが、仙石原小学校の先が賑やかそうだということで、「ガラスの森美術館」前を通過して緩やかに下り、また登る途中の看板を見て、結局「蔵一」にしました。蔵造りで、喜多方ラーメンの店です。コロナ対策で席の間を広く取り、窓を開けて換気していました。営業も昼だけのようです。席はほぼ満席でしたが、本来の定員の半分以下でしょう。筆者は醤油、連れ合いは塩、¥850でした。鶏、豚、煮干しの効いたスープがややぬるかったけれど、チャーシュー、メンマ、麺、スープも良し。観光地にしては高くない気もしますが、¥790から消費税アップと共に一気に値上げしたようです。このコロナ禍で今やラーメン店は全国的に大ピンチです。一時は¥1,000を越す人気ラーメン店も徐々に姿を消しています。日本人の国民食ですから、平均年収がジワジワ下がっている以上、デフレが続かざるを得ません。讃岐うどんの本場では朝うどんを食べて出勤する人が結構居ますが、朝ラーで有名なのは会津・喜多方です。ここの有名店、まこと食堂、あべ食堂と実の3姉妹の店なのだそうです。

「蔵一」の駐車場には屋外トイレもあり。道の駅的配慮、親切ですね。お土産売り場もあります。喜多方ラーメンなので麺は幅広、縮れ、コシ強く,,,


■ ガラスの森美術館
 「ガラスの森美術館」は駐車料金¥300でした。入場料は大人¥1,500です。連れ合いはバス旅行でいろいろなところに行っているので、旅先でよく観光ガイドになります。ここもそうでした。彫刻の森美術館は二度ほど行きましたが、ガラスの森は筆者は初めてでした。近くには湿生花園や星の王子様ミュージアム、ポーラ美術館はじめ様々な施設があります。


 「ガラスの森美術館」はイタリア・ヴェネチアングラスの美術館です。詳細はホームページをご覧下さい。ヴェネチアと言えばアドリア海に面したイタリア北部にある都市、水の都と言われて有名です。ヴェネツィアとかベニスと言う場合もありますが、COVID-19の大流行で医療崩壊が起きて死者多数、観光がストップした結果、水がとてもきれいになったとニュースでたびたび採り上げられました。


水の都・ヴェネチアのパネルが置いてあって、ここで記念撮影


■ ヴェネチアングラス
 ヨーロッパの王侯貴族を魅了したヴェネチアングラス(ベネチアングラス)は、古代ローマ時代のローマン・グラスの発明にその起源を発するともいわれており、その時代にはすでにイタリア半島全域には多くのガラス工房が作られていました。1291年に、現在のヴェネチア共和国の「ガラス製造業者および工人・助手、家族等のすべてをムラーノ島に移住させ、島外に脱出する者には死罪を課す」という強力な保護政策により、ガラス生産の中心地はムラーノ島へと移ります。イタリアではヴェネチアングラス(ベネチアングラス)のことを「ムラーノグラス(vetro di Murano)」と呼ぶのはこのためです。鉛を含まないソーダ石灰を使用する事が特徴で、コバルトやマンガンなどの鉱物を混ぜることで様々な色合いを表現することが出来ます。基本的な製法は吹きガラスですが、空中で吹くことにより極薄に吹き上げる技法や、グラスを細く引き伸ばしそこに竜や花や鳥などをモチーフにした複雑な装飾を施すなど、「軽業師の妙技」と呼ばれる高度なテクニックが用いられています。製品を見ると、まさに芸術です。

 
色鮮やかで複雑な模様も・・・ヴェネチアングラス


水の都ヴェネチアをイメージしますが、遠くに見える冠ヶ岳と大涌谷がこの風景のポイントです 右の大きな山は台ヶ岳

ススキの本物とガラスのススキの競演、見事です

■ 火器実射演習の音が響く
 「ガラスの森美術館」を散策中、時折ドーンという音が響きます。最初は噴火かな?と思いましたが誰も慌てていません。いや落雷かな?と次に思いましたが、空を見るとそんな感じがしない、職員の方に尋ねたら、陸上自衛隊の東富士演習場の砲弾射撃訓練の音だと言います。アッそうか、思い出しました。前回触れましたが、1970年の岩手県雫石町で駒ケ岳の噴火、草木も眠る丑三つ時にドーンという音が断続的に響き、「おかしいな、こんな真夜中に自衛隊の演習かな?そんなことするはずない、何だろう?」と思ったときと同じです。ネット検索したら、東富士演習場では10月1日から10月17日まで、ほぼ7時から22時の間に火器の実射演習があるそうです。御殿場はじめ、地元の人は馴れているかもしれませんが、心休まらず大変ですね。
 次回は強羅温泉へ、「箱根V」を紹介します。
(2020年10月19日)


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