396  箱根T

 台風14号が日本の南岸沿いに東へ進み、秋雨前線を刺激して長期にシトシト雨が降り続くため、累積雨量はすごく多くなりました。八丈島などでは記録だそうです。気温も15℃前後で11月末並み。今年はコロナ禍で少年野球の大会が続々中止になり、やっと解禁になって、ただでさえ試合数が少ないのに、9月下旬から秋雨で順延が続き、参りました。

■ 秋雨前線とは?
 秋雨前線は北日本から南下しながら東へ進みます。関東ではおおむね8月下旬から10月上旬にかけて雨が降り、特に10月上旬に多く降ります。降水量は、東京が大阪の1.5倍ぐらいだそうです。この前線は暑い太平洋高気圧と冷たいシベリア高気圧やオホーツク高気圧がぶつかって出来ます。10月半ば頃になると冷たい空気が勝って前線を南へ押し下げ、秋雨のシーズンは終わります。
 ところが今年は台風一過で秋晴れとは行きません。この後の予報でもしばらく曇りが続き、時には雨になり、寒い日もあって、北海道では早くも降雪などということのようです。またこの週末の少年野球は心配です。街角では所々にオレンジ色のじゅうたんとほのかな芳香が漂っています。キンモクセイ(金木犀)の花が散っているのです

キンモクセイ(金木犀)はモクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で、金木犀という和名の由来は、この樹皮がサイ(犀)の足に似ているため中国で「木犀」と名付けられ、ギンモクセイの白い花色に対して、橙黄色の花を金色に見立てキンモクセイとなったそうです。香りが良く、昔はトイレの芳香剤に用いられました

■ 火星が10月6日に地球に最接近
 夜空での存在感を増している火星が10月6日に地球に最接近、10月14日に「衝」となり、見頃を迎えます。この頃の火星は宵には東の低空に見え、真夜中になると南の空高い位置で堂々とした輝きを放ちます。秋の星座の中で、火星はひときわ目立ちます。火星は、地球の一つ外側を公転している惑星です。火星よりも内側を回る地球は、約780日(約2年2ヶ月)の周期で火星に近づき追い越します。この地球と火星が最も近づく時を「最接近」と呼んでいます。また、「衝」とは、地球から見て火星が太陽と反対の位置にある時のことを指します。最接近の頃の火星は、地球との距離が近くなるため明るく見え、見かけの大きさも大きくなり望遠鏡でも観察しやすくなります。
 今回の10月6日の最接近時、火星と地球との距離は約6207万キロメートル、前回の2018年7月31日の最接近(約5759万キロメートル)には及ばないものの、火星の明るさはマイナス2.6等と、木星よりも明るくなります。また、最接近前後の数週間は地球と火星との距離は大きく変わらず、比較的長期間、観察の好機が続きます。この機会に、ぜひ火星を観察してみましょう。詳しく知りたい方は、国立天文台の特設サイト「火星最接近2020」、基礎知識「火星の接近」をご覧ください。

■ 箱根強羅温泉
 箱根強羅温泉に泊まって来ました。箱根はしばらくぶりです。2011年に、仙石原の芦ノ湖にも近い姥子通りの宿に泊まって以来です。仙石原と湖尻桃源台の間ぐらいですね。残念ながらこの宿は9月末に休館となりました。今や温泉宿には厳しい時代です。特にコロナ禍が温泉宿に決定的なダメージを与えたと思われます。
 箱根は2015年6月、箱根火山の観測史上初めて大涌谷でごく小規模な水蒸気爆発が起こり、その後入山規制で箱根ロープウェイが止まりました。これは意外でした。大涌谷の、あのもうもうと吹き出る蒸気、昔は「地獄谷」と呼ばれていたそうですが、明治天皇行幸の際に、「地獄」では按配悪かんべぇということで現在の大涌谷に改称されたのだそうです。大量の湯気が立ち上っていて、2015年の火山騒動の際にも、火山灰が混じった事による学術上の用語として噴火が使われ誤解を招きましたが、本当に文字通り火を噴いた訳ではありません。噴火ではなく、水蒸気爆発だったわけですが、箱根火山は爆発しそうでしない山だったというところが意外だったのです。

■ 御嶽山噴火
 水蒸気爆発と言えばすぐ思い浮かぶのが2014年9月27日正午前の御嶽山噴火です。噴火警戒レベル1の段階で噴火したため、火口付近に居合わせた登山者ら58名が死亡、日本における戦後最悪の火山災害となりました。御嶽山は休火山ではないかと見られていたため、意外性をもって受け止められました。この記憶が鮮明であったため、2015年6月の箱根ではすぐ警戒態勢を引き上げて、入山規制し、箱根ロープウェイを止めたわけです。2018年1月23日には草津白根山も3千年ぶりに噴火し、草津温泉の客足が減少しました。


損保ジャパン社員高橋秀臣さん(当時41歳)の携帯に残っていた画像、この4分後噴火で犠牲となりました

■ 雫石町には二つの活火山あり
 岩手県雫石町の、1970年駒ケ岳噴火(ストロンボリ噴火)を体験しているだけに、筆者にとって火山はごく身近なもので、火山と言えば普段は穏やかでもたまに爆発するものというイメージがあったのです。雫石町には西の駒ケ岳、北の岩手山という二つの活火山があります。駒ケ岳への登山口でもある滝の上温泉の辺りは大涌谷同様もうもうと湯気が吹き出ていて、地熱発電所が設置されています。雫石町は日本百名山岩手山の南麓ですが、北麓は八幡平市になります。実は岩手山は南側から見ると雄大で南部片富士という名称の如く右側が富士山そっくりの美しい山ですが、北側から見ると全く様相が異なり、荒々しい山です。そして浅間山の鬼押出しと同様、焼走り溶岩流というものが見られます。その溶岩の壮観な光景は、噴火の凄まじさを目で見て実感できるところです。産総研の地質調査総合センターの「日本の活火山」というページに岩手山の水蒸気爆発について詳しく掲載されています。岩手山には大別して二つの火口があり、西岩手火口には「大地獄谷」というところがあって、現在でも立ち入り禁止でもうもうと湯気が吹き出ています。


盛岡市南部から見た岩手山と北上川 活火山とは思えぬ穏やかな美しい山 西側尾根は奥羽山脈に繋がります


雫石町から見た秋田駒ケ岳 山頂は秋田県仙北市(田沢湖あり)と雫石町の境界 なぜ冠が秋田なのかは不明

■ 災難続く箱根
 箱根は2019年には台風19号により沿線各所で被害を受けたことで10月13日から箱根登山電車の箱根湯本駅〜強羅駅間の運行を休止していて、やっと2020年7月23日運転再開しました。このように災難続きで、どうしても危ないイメージがあって足が遠のいていたのです。
 箱根町は富士箱根伊豆国立公園の中央にあり、小田急ロマンスカーや小田原厚木道路、東名高速道路など、都心からのアクセスが良い観光・温泉地です。したがって企業や健保組合の保養所がものすごくたくさん有ります。しかし近年これら保養所は次々と閉鎖されつつあります。終身雇用制の崩壊と共に、従業員の福利厚生の重点がシフト、必要性が薄れて・・・時代の流れですね。箱根の四季折々の自然の景色は美しく、美術館・博物館、その他レジャー施設、また正月の箱根駅伝をはじめイベント・祭事も多く、1年を通じて楽しめます。


箱根の主要8エリア

 箱根の旅は、まず仙石原で昼食後、「ガラスの森美術館」に行き、それから強羅温泉宿泊、翌日は大涌谷を観光して、小田原市風祭の鈴廣蒲鉾本店に立ち寄って買い物して帰って来ました。詳細は次回紹介します。

■ GoToトラベルの宿泊割引でスッタモンダ
 GoToトラベルキャンペーンについては、宿泊額の35%引きとなるため、今がチャンスとばかりに、これまでは敬遠していた高い宿を予約しようとする動きが見られます。1万円以下の安い宿には恩恵が少なくて閑古鳥が鳴いているとのことで、不公平ではないかとの声が出ていました。10月に入ってから、「JR東海ツアーズ」のように給付金枠に達した都道府県からGoTo適用の販売を終了する旅行業者も出てきました。人気の京都などではGoTo枠が無くなったと嘆く店も出てきました。10月8日には、「楽天トラベル」がクーポンの利用回数を1会員1回に制限しました。「じゃらん」、「Yahoo!トラベル」、「一休」は10月9日、GoToトラベルクーポンを多くの旅行者に利用してもらうため、割引上限金額を1人1泊あたり最大3500円(税込)、利用回数制限なし、地域共通クーポンは従来通り( 旅行代金の15%相当、1人1泊あたり最大6000円分)と変更しました。すなわち宿泊代金が1万円以上の宿は一律割引上限3500円(税込)となるため、なるべく高い宿を予約しようとする動きにブレーキがかかることで、リーズナブルな価格を設定していたが故に閑古鳥が鳴いていた宿からは歓迎の声も聞かれました。一方で、こういう時しか高い宿に泊まれないという若い世代などからはブーイングが出ました。これまで、割引を「率」ではなく「額」にすべきだとの声が出ていて、筆者は良いことだと思いました。こうしたネット予約サイトではなく、JTBほか大手旅行会社や、GoToトラベルキャンペーンに対応している宿に直接ネットでも電話でも予約すれば、最大14,000円引きは受けられるので、別にどうってことないと思っていたら、テレビのワイドショーなどでは、「それは不公平だ」というのです。「情報弱者」や「ネット難民」が取り残されると言う・・・そんなこと言ってるから、日本はデジタル後進国だ、と言われるのです。
 政府は慌てて旅行業者やネット予約サイトに追加枠を交付し、10月13日からおおむね元に戻りました。3日間のドタバタ劇、今の政府はコロナ対応でもそうですが、どうにも頼りない、「丁寧な説明」なんて言いながら肝心なことは言わないし、国民の歓心を得ることに汲々として、国家百年の計などという大局観無し、将来世代にツケ回し、諸外国からどんどん置き去りにされています。情けなくて話題にする気にもなりません。


キョウチクトウ科のマンデビラはつる性で春から秋にかけて長期間咲く

■ とびざる
 大相撲2020年9月場所で、あわや新入幕優勝かという活躍で11勝4敗、堂々の敢闘賞を受賞した翔猿(とびざる)は、東京都江戸川区出身で追手風部屋、身長174cm、体重120kgは大相撲では「小兵;こひょう」と言われます。しかし中々の美男子で、一躍女性ファンを獲得したのではないでしょうか。この場所では、正代が熊本県出身としては初優勝で大関に昇進しました。
 「とびざる」と聞いてオヤ?と思いました。筆者の感覚では、TBS系列の時代劇『水戸黄門』に登場する伊賀の忍者;柘植の飛猿(つげのとびざる)が頭に浮かぶからです。佐々木助三郎や渥美格之進と異なり、特定のモデルは存在しないそうですが、野村将希が演じて、かげろうお銀こと、由美かおる演じるくの一と相棒でかっこよかったですね。飛猿と翔猿で字は違いますが、どちらも飛翔(と)んでます。
(2020年10月14日)


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