390  アベノ・・・

 車が故障しました。エコパから帰ろうとしたらエンジンがかかりません。しかしライト類やカーナビは普通に動作し、明るさも別に暗くない、でもこういう場合普通はバッテリー上がりです。しかし普段バッテリーやエンジンオイル、ウィンドウウォッシャ−液は点検しています。エンジンルームを開けたら、バッテリーの点検窓は緑色、経験上エンジンがかからないほどの電池レベルではありません。筆者は電気技術者で、カーエレクトロニクスにも識見があり、しかも電池に関してはそこら辺の車の修理屋さんにレクチュアしてあげるくらいの知識を保有しています。したがってこれはバッテリーではないと確信しました。

■ 車が故障、原因はバッテリーでは無い
 しかし心配したプール仲間が3人寄って来て、バッテリーコードを持って来てくれて、車を寄せてくれたので、互いのバッテリーをつないで見ましたがダメ、これはやはりバッテリーではありません。エンジンスタートボタンを押したとき、キュルキュルとセルモーターを回しそうな音がしながらすぐプッツンします。今の車は多数のCPUが搭載されて、それが互いに通信して車を動かしています。昔の車みたいに多数のワイヤーハーネスでつながれているのではなく、シリアル通信しているのでケーブルもシンプルなのです。パワステやブレーキもすべて電子制御されています。もし基板がダメなら手に負えません。ダメダコリャと諦めて、エコパの事務室に事情と連絡先をメモして一晩駐車をお願いしました。タクシーを呼んで帰ろうとしたら、そのバッテリーをつないでくれた人が、我が家まで送ってくれるというのです。ありがたやありがたや、エコパから見たら筆者は北方向…川越方面、その人は南方向…池袋方面、家が反対方向だというのに送ってくれました。こういうときに受ける親切は身に沁みます。


■ ロードサービスもディーラーも...
 翌朝、保険のロードサービスに電話してエコパに来てもらいました。レッカー会社の車が来て、案の定バッテリーを出してきます。詳しく説明したのに、バッテリー上がりだと思っているようです。「ダメだ」と、次に巨大なバッテリーを持ってきます。こういう人たち、意外と電気的知識がないみたいです。結局、修理工場にレッカーしますという話になりました。実はこの車を購入したディーラーはちょっと遠いのです。旧居の3軒隣の元ホンダ狭山の野球部監督に近所のよしみで頼んだからです。そのディーラーに電話したらテープ音声で「営業は10時から」と言います。まだ1時間近くある、そこで最も近いHonda Cars 埼玉の店舗に電話したら9時から営業しているというのでそこへレッカーしてもらいました。修理工場の作業員が白い服を着てたくさん働いています。レッカー会社の方に感謝して帰ってもらい、ディーラーの担当者に状況を詳しく説明したのに、やっぱりバッテリー上がりだと思っているようです。「ダメだ」と、何度もトライしては首をひねっています。こういう人たち、意外と電気的知識がないみたいです。結局、セルモーターを交換しなくちゃという結論が出るまでだいぶ待ちました。代車は頼まず、4日後メドに修理してくれるとのこと。自宅→エコパ→ディーラー→自宅と自転車で10km以上走りました。

■ 体温測定に関して注意すべきこと
 Honda Carsのソファーで待っているとき、「新型コロナウイルス対策の取り組み」という紙がテーブルに置いてありました。その中に「37℃以上の社員は出勤停止」という項目が有り、「アレ?」と思いました。筆者は温度計測制御が専門分野です。最近はエコパも温泉施設も非接触温度計で37.5℃以上の方は入館お断りというのをやっていますが、入口で37℃以上37.5℃未満という人が結構沢山出ます。「アレ〜おかしいなぁ」と言う声がよく聞こえてきます。いつもの体温よりどうして高いのだろうと思うわけです。筆者の体温は36.5℃前後ですが、エコパの入口ではたまに37.2℃などと言われることがあります。これは良くあることですが、真夏日に外出していたら、当然体表面温度は高くなります。わきの下や耳の穴で測れば普段に近い体温になるはずです。エコパの入口に入る前に日陰に行き、深呼吸しながらおでこの汗をハンカチでぬぐい、2分ほどして入って計るといつものような体温になります。日本人の体温は36.6℃〜37.2℃が標準です。また前記の如く炎天下から入館したときや、運動した後は皮膚血管が拡張して体表温度は上がります。また筋肉質の人ほど体温は高くなります。したがって「37℃以上の社員は出勤停止」ならば、いつも出勤できない人が出て来ます。それを「新型コロナウイルス対策」というのはいかがなものでしょうか?

■ 安倍首相辞任
 安倍首相が2020年8月28日(金)辞任を表明しました。巷では「突然でびっくりした」という声と共に、その理由が持病の悪化に伴うだけに心配して、早く治るように祈るという声が溢れました。こういうところが、いかにも日本人らしいなぁという感じがします。新型コロナウイルス対策という喫緊の課題に伴う野党の国会延長の声に応えず、国会を閉じてから急に安倍晋三首相のリーダーシップが見えなくなりました。7月末ごろからテレビで見る顔色が悪くなり、足取りも元気が無い、記者会見も行わない、どうやらかなり体が弱っているようだと思い、歴代最長政権となったら辞任するのでは?と思っていたので、この辞任表明には皆さんがおっしゃるような驚きはありませんでした。「あぁ、ヤッパリ」という感想でした。アベノミクスで始まりアベノマスクで終わったと揶揄されてもいますが、何にせよ「アベノ・・・」と言われることはアピール力があったと言うことです。

■ 安倍政権・前半は後半は
 2006〜07年に「戦後レジームからの脱却」を掲げた第1次安倍政権に対し、2012年からの第2次安倍政権では経済政策「アベノミクス」で経済最優先をアピールした一方、安全保障面では特定秘密保護法の成立、組織犯罪処罰法の改正、集団的自衛権の行使容認などを進め、野党の批判を強行突破、スキャンダルに見舞われながらも様々なキャッチフレーズを掲げて長期政権につなげました。安倍政権になって以降、いわゆる「保守本流」という意味での「保守」が瓦解し、自民党の右傾化が進みました。第2次安倍政権の前半は「アベノミクス」が国民に受容れられ、後半は森友問題、加計問題、桜を見る会、東京高検検事長の賭けマージャンなどと政権の体質が問われる問題が立て続けに起き、最後はカジノを含む統合型リゾート施設IR事業をめぐる汚職事件で衆院議員の秋元司容疑者の逮捕、前法務大臣の河井克行被告と妻・案里被告が公職選挙法違反=買収の罪に問われるなど散々な結果、そしてコロナ禍で経済は一気に落ち込んで「アベノミクス」が帳消しになりました。


トランプ米大統領と共に


■ 歴代最長政権となった理由
 歴代最長政権となったのは@民主党政権が余りにも国民の失望を買って、そのトラウマが払拭されなかったA前半のアベノミクスが好評だったB衆院3回、参院3回と国政選挙で6連勝したことで自民党内で求心力が高まり対立候補が育たなかった・・・ということでしょう。支持する理由第一が「他の内閣よりよさそうだから」だったのは、国民の積極的支持ということではなく、実力のない野党に助けられた7年半と言っても過言ではないでしょう。そうした中、消費税率の5%→10%への引き上げは特筆されます。男女共同参画や子育て支援、格差社会の解消はどうだったでしょう?「女性活躍」や「1億総活躍」というキャッチはどうですか?女性や高齢者もドンドン働けという意味ですが、これは労働力不足に直面した結果です。政策の根幹に男女平等の理念があると感じましたか?異次元の金融緩和の納めどころが心配ですね。


大船渡市戸田市長と共に


■ 安倍首相の功罪
 過去の長期政権・・・佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎の各首相は、後継を育てて辞めました。最近よく採り上げられる後藤新平には名言があります。「金を残して死ぬは下。仕事を残して死ぬは中。人を残して死ぬは上」、後継者を育成して死ねということですね。


後藤新平

佐藤栄作は官房長官に竹下登を起用し、三角大福中(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根各氏)を競わせ、いずれも後に首相となりました。中曽根康弘は後藤田正晴を再登板させて幕引きの体制を整えて、安竹宮(安倍晋太郎、竹下登、宮沢喜一各氏)に後を託しました。小泉純一郎は麻垣康三(麻生、谷垣禎一、福田康夫、安倍晋三各氏)というように、次期首相候補を競わせましたが、安倍首相は将来を見据えた人事をして来たのでしょうか。麻生太郎副総理兼財務相は高齢で後継ではなく、意中の人と言われてきた岸田文雄政調会長は本来安倍首相と政治理念が異なるハト派であり、外相時代ロシアのプーチン大統領に軽んじられた”実績”があります。菅義偉官房長官は参謀タイプで、責任を取らない首相を支えてきて、「丁寧に説明する」という得意のフレーズは、「誠心誠意」と180度異なるものでした。安倍首相の後半が、疑惑があっても説明せず、失政を認めない、官僚の中に次第に忖度がはびこるようになったのも菅義偉官房長官とのタッグによるところが大きいでしょう。最後は「官邸官僚」が力を振るうようになって菅氏が蚊帳の外になり、ちょっとヤバカッタですね。安倍首相の政敵とも言うべき石破茂氏が国民に人気があるのは、顔はコワイが言葉に嘘が無いからです。ハッキリものを言う河野太郎氏が台頭してきたのが救いです。


■ 潰瘍性大腸炎
 安倍首相の持病である潰瘍性大腸炎は、難病指定されている中で最も罹患者が多いというだけあって、筆者の知り合いにも患者が複数居ます。ある高齢女性は激しい下痢・下血で一時期は体重が30Kgそこそこになりましたが、ATM療法が効いて40Kg以上に回復して、海外旅行にも出かけられるまでになりました。この病気は、完治したという診断は出ないようで、「寛解」状態となればラッキーということです。またある女性は防衛医大に入院して治療しましたが、全く病人の感じが無かっただけに驚きました。普段は普通の暮らしをしているのに、突然症状が再発したりするようです。難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対する治療は、抗炎症薬、免疫調節薬、抗菌薬など、各種の薬を試して、最も適応する薬を選ぶという形です。いずれにせよ、潰瘍というのはストレスが引き金となるものですから、首相という要職にあればさも有りなんと思います。早く適合薬が見つかることを祈りますが、首相辞任して好きなゴルフをやれば「寛解」してくるのではないでしょうか。
(2020年8月30日)


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