389  処暑

 本日は「処暑」、暑かった夏も、終わりを告げる頃・・・まさにその通り、外気温は朝25℃、15時過ぎが最高で30℃、PC部屋の温度計は31℃弱です。久し振りにエアコン要らず、扇風機でOKでした。天気予報では雷雨とのことでしたが、都内とさいたま市南部は降雨、ふじみ野市はパラパラで終わり、全く涼しくなりません。日の入りは18時20分頃になって、日を追って太陽が沈むのが早くなっていることを感じます。この時間はエコパのバーデプールの中なので、丸いガラス窓から沈む太陽を見ていると、こういうことが分かるのです。それにしても今夏は酷暑でした。日中最高気温が35℃以下になることはほとんど無く、冷房をつけざるを得ません。夜も、とてもじゃないが窓を開けて網戸にしてという温度ではなく、熱帯夜の連続、おかげで今月の電気使用量は2015年に引っ越して来て以来の最高記録になります。なにしろ、出掛けないで巣篭もり状態ですから、当然そうなります。


エコパのバーデプール、朝予約、夕方入り、車で2往復20km

■ 「地蔵院」掲示板に張られている文言
 埼玉県ふじみ野市には旧川越街道と新川越街道(国道254号線)に挟まれて「地蔵院」という寺があり、ここの境内のしだれ桜は、春の彼岸に花を咲かせる江戸彼岸桜(えどひがんざくら)の変種で、市の天然記念物に指定されています。その大きさ・古さでは市内はもとより近隣でも有名で、高さ6.3メートル、根回り周囲が3.9メートル、枝張りは最大17.5メートルに及び、その樹齢は350年前後と推定されます。3km以上離れた畑に自転車で通う途中、ここの山門前を通ります。すると掲示板に何かしら心に残る文言が張られています。

地蔵院の境内

地蔵院の門

■ 「小言」と「腹立ち」
 「人に小言をいわれた時に腹をたてるな はらの立つとき小言をいうな」・・・これは同志社を設立してキリスト教精神に基づく教育を行なった新島襄の言葉で、それがお寺に張られているというのは、どんな宗教でもその教えは同様だということです。要するに、素直な心のふれあいが大事だよと言いたいのでしょう。小言というのはくどくどクレームをつけること、ハッキリ言えばどうでもよいことです。小言はハイハイと受け流して、それに腹を立てるもんじゃないということです。ただし小言ではないクレームには真摯に向き合わなければなりません。逆に、腹を立てて言う小言は感情的になって相手に反抗心を起こさせるだけなので、グッと抑えなければならないということです。

地蔵院の門脇の掲示板

掲示板に張られていた文言


■ COVID-19は2年未満で収束可能
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は2020年8月21日の記者会見で、新型コロナウイルスCOVID-19のパンデミック(世界的流行)について、1918年から約2年間流行が続いたスペイン風邪と比較し、より短い「2年未満」で収束が可能だとの見通しを示しました。グローバル化による人間の接触増加など不利な点がある一方、ワクチンなどの技術が進んでいる点を指摘しました。ただし呼吸器感染症ワクチンは感染予防と言うより発症予防、重症化を防ぐという要素が大きいそうです。すなわちワクチンを投与したから大丈夫ということではなく、しかも今回の新型コロナウイルスの厄介なところは、発症に気付かないままドンドン他人に移しているという要素があることだと言われています。

■ 国家政治体制と指導者による感染拡大の差
 しかしながら世界的には発生源の中国がいち早く感染拡大を抑え込んで、いまや通常の経済活動〜市民生活に戻っている一方で、アメリカやブラジルなどではとんでもないことになっています。結局共産党独裁政権の中国と、民主主義でありながらも独裁的指導者がいる国の違いです。米国やブラジルでは経済への影響を心配するトランプ大統領とボルソナロ大統領が、当初からコロナは大したことないというニュアンスの発言を繰り返し、地方自治体でロックダウンが始まると、経済活動を再開するよう圧力をかけました。そもそもアメリカの保守層は、政府による規制を嫌う傾向にあり、トランプ支持者の中には、コロナは風邪と大して変わらないと考え、マスクやソーシャルディスタンスを断固として拒否する者すらいるのです。しかし余りにも急激な感染拡大と死者の増加を受けて、さすがのトランプ大統領も「マスクは着けたほうが良い」と言うようになり、拡大ペースは鈍ってきました。

■ 日本での『第2波』ピークは7月27日から29日頃か
 日本では感染症学会の舘田一博理事長が「我々はいま『第2波』のまっただ中にいる」と述べました。一方、政府は『第2波』と認定することを避けてきて、いまだそれは変わりありません。どうも『第2波』というのは秋以降に現われるものという概念があるように感じられますが、日本のみならず欧州などでの新規感染者数のグラフを見れば、どう詭弁を弄しようともそれは無理があります。新型コロナウイルス感染症対策専門家分科会は8月21日、第6回目となる会合を開き、現在の感染状況の評価とワクチンの接種に関する現段階での提言をまとめました。会見の冒頭、東北大学の押谷仁教授は、発症日別のデータ、すなわち全国のエピデミックカーブを見ると、現在のところ7月27日から29日のところにピークがあるように見えると述べました。感染再拡大を受けてGo To Travelキャンペーンが出ても空の便や新幹線、高速道路はお盆もガラガラ、家族連れも近隣の観光地止まりでグッと我慢でしたから、このデータはさもありなんと思います。ただし沖縄はさすがにウイルスが持ち込まれ医療が逼迫して大変です。それでも沖縄県知事は観光客に来るなとは言えません。それはそうです、観光立県ですから、来てもらわなければ県民の生活が危うくなるのです。心配なのは大阪府です。重症患者が東京都を上回りました。その原因はまだ分かりませんが、東京人と大阪人の気質を見れば分かる気がします。大阪人は楽しい人が多く、よくしゃべり、声も大きく、親しみやすい、人のつながりを大事にしますから、新型コロナウイルスには最も頼りになる人種です。ポピドンヨードでうがいしているのでしょうか。

■ 日本の産業縮小、倒産ラッシュ、失業急増を懸念する
 内閣府が発表した2020年4〜6月期のGDP速報値は前期比7.8%減、年率換算で27・8%減となり、リーマン・ショック後を上回る戦後最悪のマイナス成長だと前回書きました。そしてこれは欧米よりはマシという数値と言われています。しかし日本では昨年の消費増税の前にすでに景気後退途上にありましたから、COVID-19で落ち込んだ欧米よりマシとは言い切れません。中国では早くもプラス成長に戻っていますから、この国の活力には恐れ入ります。日本のGDPは6月には10万円の給付金で急回復していますから、実質4、5月の落ち込みが急激だったということです。したがってもはや日本国政府には再び緊急事態宣言を発するなんて恐ろしくて思いもよりません。政府が必死になって雇用調整助成金を出したりして失業者の急増を防いでいますが、リーマン・ショックのときの経験によれば、現実に失業者が急増するのは年末ぐらいからだということです。しかも大企業は内部留保を取り崩して雇用対策しています。内部留保を積み増していた企業が褒められるという状況ですから、今後経営者はこの路線を守ろうとするので、韓国と違って日本人労働者の賃金は低迷のままとなるでしょう。すると個人消費は伸びず、通常ならデフレが続き、景気のV字回復は到底望めません。更に恐ろしいのは、このまま日本人が不安に駆られて自粛を続ければ、観光、旅行、宿泊、運輸を始めとする産業は倒産ラッシュに襲われる恐れがあります。更に小規模な会社やお店は、この際たたんでしまおうという動きが身近にも出てきました。日本の多くの産業が縮小しかねない恐ろしい状況です。


我が家の2階ベランダにはゴーヤがたくさんぶら下がる
いろんな人に差し上げています

■ 将棋・竜王戦挑戦者決定戦三番勝負は、羽生善治九段に丸山忠久九段が先勝
 8月17日の将棋・第33期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第1戦は、羽生善治九段と丸山忠久九段との同学年(49歳)対決で、初戦丸山忠久九段の快勝でした。丸山九段は、まるで決勝トーナメント3回戦で藤井聡太棋聖(当時)に勝ったときと同様に、早指しでポンポン指して行きます。AbemaTVトーナメントじゃあるまいし、本当にちゃんと考えているんだろうか?と不思議に思うような展開で、正午からの昼食休憩まで持ち時間を1分も消費しないノータイム指しを続けました。考えながら指す羽生九段の持ち時間はドンドン減り、丸山九段との差は開く一方です。途中段階でのAI評価は、5時間経過時点では羽生九段58%;残り時間2時間25分、丸山九段42%;残り時間3時間24分と羽生九段優勢でした。6時間経過時点でも羽生九段54%;残り時間1時間47分、丸山九段46%;残り時間2時間59分と羽生九段優勢でした。6時間40分経過の頃、解説していた千葉幸生七段と金井恒太六段の会話で「羽生九段の残りが1時間10分になりましたね。1時間切るとちょっと焦る感じになりますね。丸山九段は本来長考型なのに最近スタイルが変わりましたね」というやりとりが有りました。羽生九段残り1時間08分時点で「8二角」を打ち込んだ途端、AI評価が逆転、44%−56%、丸山九段残り時間2時間58分です。ここで丸山九段は19分考えて54手目「7三桂」を打ちました。ここでAI評価は48%−52%に戻り、羽生九段考え込みます。どんどん時間が経過します。羽生九段残り34分で夕食休憩、丸山九段残り時間2時間39分です。実に2時間以上の差があります。夕食は羽生九段ざるそば¥680、丸山九段ヒレカツ定食+赤ダシ¥2,200でした。再開後、羽生九段残り30分、丸山九段は68手目で34分をかけました。ここでAI評価は44%−56%、丸山九段残り時間1時間32分です。羽生九段3分考えて「4三銀」、丸山九段間髪入れず70手目を打ち、AI評価は48%−52%に戻りました。一進一退です。羽生九段残り25分、1分経過段階で39%−61%、5分経過段階で42%−58%とAI評価が揺れ動きます。局面が変わっていないのにAI評価が動くのは、何億手と読んでいるうちに勝敗の確率が変わるわけです。羽生九段71手目「4七王」で27%−73%、残り20分、丸山九段残り時間1時間32分、1分考えて丸山九段72手目指し、羽生九段ピンチです。5分後、73手目、羽生九段打って10%−90%、丸山九段すぐ指します。75手目1%−99%、丸山九段すぐ指して76手で羽生九段投了。怒涛の追い込みでした。

■ 熱を帯びる将棋の攻防戦
 これに先立ち、7月25日に行われた第33期竜王戦決勝トーナメント3回戦では、藤井聡太棋聖(18)と丸山忠久九段(49)の対局で、千日手指し直しとなった末に、丸山九段が押しに押して勝利しました。例によってAbemaテレビで食いつきで観ていました。初対戦ですが、丸山九段は藤井聡太棋聖の将棋をよく研究していた感じでした。ズバズバ指して、持ち時間の差がドンドン拡がっていきました。先の棋聖戦第3局で渡辺明九段が見せたパターンです。しかしヤレと言っても、真の実力が無ければこんなことは出来ません。ましてや千日手指し直し後は後手です。さすがは元名人、一分将棋に持ち込まれ、夜遅くまで必死に粘った藤井クンでしたが、23時31分116手で投了となりました。Abemaテレビかぶりつき・・・こちらも疲れました。両者の差はメシの差だ!というのが筆者見解でした。丸山九段の昼食は、「チキン南蛮弁当+肉豆腐(キムチ)弁当」で、ご飯をそうめん大盛りに変更しました。定食2食分ですよ!藤井クンは「肉豆腐(キムチ)弁当」のご飯少なめでした。昼からこの食欲は丸山オジサンすごい。夕食は両者とも「チキンガーリックバター焼き弁当」でしたが、丸山九段はご飯大盛りを注文、長丁場の体力勝負、ガッツリ食べて元気モリモリの丸山オジサンの迫力に圧倒されました。黙って座っているだけに見えるのに、こんなに食べるということは、いかに頭を使うということがエネルギーを消費するかが分かります。ダイエットするのなら、運動だけでなく、必死になって頭を使うべきなんですね。この棋戦では、Abemaテレビの解説者;深浦康市九段(48)が、「なんか藤井さんのバッグ、ゾウさんに見えない?」と言って、聞き手の武富礼衣女流初段(21)が、必死に笑いをこらえるという場面がありました。同じ九州出身、長崎県と佐賀県の隣県同士です。盤面の解説だけでなく、こうしたやりとりの中から、棋士の人柄が分かって楽しいものです。

第33期竜王戦、藤井棋士の後方にゾウさんバッグ

■ 藤井聡太二冠(棋聖・王位)、八段誕生
 木村一基王位に藤井聡太棋聖が挑戦する第61期王位戦七番勝負第4局は8月19・20日(水・木)に福岡県福岡市の「大濠公園能楽堂」で行われ、藤井棋聖が木村王位を80手で破り、七番勝負の成績を4勝0敗として自身初の王位獲得を果たしました。同時に、タイトル2期獲得による昇段規定を満たしたため、八段に昇段、18歳1ヶ月での二冠獲得、八段昇段はともに史上最年少の記録です。
 1日目は藤井挑戦者が42手目を封じて指し掛けとなりました。封じ手はまさかの同飛車大学か?と話題になりました。この局の立会人は中田功八段、副立会人は豊川孝弘七段です。そもそもこの二人は同じ九州出身で子どものころからの将棋仲間、二人が揃えば吉本興業も真っ青というくらいの漫才になります。豊川七段は将棋界を代表するオヤジギャグの名手として知られています。特に将棋用語を交えたダジャレ解説に定評があり「両取りヘップバーン」「ジョーズニ攻めてクルーニー」「同飛車大学」「難解ホークス」など、好手の数々は枚挙に暇がありません。さあ二日目、9時となり「定刻になりました。封じ手を開封します」立会人の中田功八段が封筒にはさみを入れ、「封じ手は藤井棋聖、△8七同飛成」・・・何度か大きくうなずく木村王位、やはり覚悟はしていたのでしょう。将棋界の若き天才は、またもや歴史に残る一手を放ちました。

■ 抱腹絶倒の立会人漫才、同飛車大学...
 Abemaの中継で途中、中田功八段と豊川孝弘七段に中継が繋がりました。中田八段の弟子・武富礼衣女流初段も居ます。第33期竜王戦でAbemaテレビの解説者;深浦康市九段の聞き手を務め、「ゾウさんバッグ」で悶絶したヒト、現役の立命館大学生です。例によって、豊川七段がギャグ連発、中田八段が受けて、ボケと突っ込みで抱腹絶倒の漫才を展開、中年の星・木村王位と藤井棋聖が鬼気迫る真剣勝負を繰り広げているところの別室で、「博多土産は何がいい?」、「コレが良い」とポリポリ、ムシャムシャ試食しながら、ナニやってんの?このオジサンたちという場面を展開しました。豊川七段は途中で武富礼衣女流初段を引っ張り出し、「このヒト、立命館大学、藤井クンの封じ手は同飛車大学、ねぇ、何食べる?」と博多土産を勧めます。関西の私学の雄、立命館大学は西園寺公望、同志社大学は新島襄が創始者です。コレになぞらえているんですね。それにしても同飛車大学...これが立会人と副立会人、日本将棋連盟大丈夫か?と思わずにはいられません。しかし、長考場面ではこういうのも良いですね。

■ 中年の星・木村一基前王位も健闘
 木村一基前王位は、七番勝負を振り返って「ストレート負けは恥ずかしい限りで、申し訳ないと思っております。まあ、また一から出直します。封じ手は本命と見られていた△2六飛と△8七同飛成が半分半分だと思ってました。昨日、ホテルに戻ってからは両方、2通りの順を考えてました。藤井さんはやっぱりミスが少ない・・・何度も言ってますけど、もうしゃべってますけど、ミスが少ないなということを感じました。対して私の方はミスが多かったので、まあそういうところを。反省材料になりました」・・・と語りました。人柄が良くて皆に好かれるのに、将棋になると一転厳しい「千駄ヶ谷の受け師」は一方的に敗れたわけではありません。第2局は優勢でしたが詰め切れず終盤ミスで逆転負け、第3局は優勢だった藤井七段が終盤ミスをしたのを追い込みきれずに逃げられました。相手が藤井棋士でなければ2勝1敗でした。羽生九段が若い頃は「逆転の羽生」と言われ、終盤で相手のミスを突く棋士でしたが、藤井棋士は前半戦、中盤戦、終盤戦とミスが少ないので、逆転する場面が少ないのですが、木村一基前王位はさすがに強かったということです。全般に「何が敗因かと言われても良く分からない」というのは、棋聖を奪われた渡辺三冠と同じ感想でした。

■ AbemaTVトーナメント(第3回)決勝戦、チーム渡辺のTシャツが楽しい!
 AbemaTVトーナメントは、AbemaTV・将棋チャンネルで配信される将棋のトーナメント戦(非公式戦)です。「永世七冠」を達成し、国民栄誉賞も受賞した将棋界の第一人者である羽生善治九段のアイデアから生まれたもの、持ち時間各5分で、1手指すごとに5秒加算されるという変則の「フィッシャールール」を採用した超早指しの棋戦です。つまり素早く指せば持ち時間が増えますが、長考なんて出来ません。頭の回転が速い若者向きではありますが、一手間違えたらアウトですから定跡(注;定石は囲碁です)を沢山身に着けていないといけないという面からはベテランの経験もモノを言うというものです。2018年に第1回が行われ、藤井聡太七段(当時)が優勝、2019年の第2回も藤井聡太七段(当時)が優勝しました。今年の第3回から団体戦になっています。8月22日(土)決勝戦は所司一門チーム(渡辺明三冠(36)がリーダー、近藤誠也七段(24)、石井健太郎六段(21)の同門チーム) 対 バナナチーム(永瀬拓矢二冠(27)がリーダー、藤井聡大二冠(18)、増田康宏六段(22)という超若いメンバーで、永瀬拓矢リーダーが無類のバナナ好き、対局するときも後ろに山盛り高級バナナが積まれていることで有名です)の対戦でした。両チームで計七冠という、文字通りトップが集まったわけですが、所司一門チームの渡辺明三冠は何か楽しいことをやらかそうという意識が常にあります。自身が坊主頭みたいな外観で「魔王」というあだ名があり、この日はチーム3人の似顔絵を描いたTシャツを着て臨みましたが、なんかリーダーの眉毛がヘン、問われて「奥さんが強そうな顔をイメージして、ゴルゴ13を見ながら眉毛を描いたんですよ」と答え、会場の爆笑を誘っていました。渡辺名人の奥さんは漫画家の伊奈めぐみさん、将棋の結果は...でしたが、取った笑いでは圧勝でした。

このTシャツ、売れそうですね

左から石井六段、ゴルゴ13・渡辺三冠、近藤七段

■ バナナチームが5-0で圧勝、賞金1千万円は?
 9局で先に5勝したほうが勝ち、第1局は藤井聡太二冠が石井健太郎六段に勝ち、第2局は“西の天才”藤井聡太二冠に対し、“東の天才”と称される増田康宏六段が、名人位を獲得して将棋界の序列1位になった所司一門リーダー渡辺明三冠に何もさせない会心の勝利、第3局はいよいよバナナリーダー永瀬拓矢二冠の登場です。相手は今大会絶好調の近藤誠也七段、最後は際どい斬り合いを制して永瀬拓矢二冠が勝ってチーム3連勝、第4局は一矢報わねばと登場した渡辺明三冠と藤井聡太二冠の「三冠対二冠対決」となりました。矢倉の序盤から激戦となるも、詰み将棋では他者の追随を許さない藤井二冠が終盤で踏み込んで勝利を飾り、チーム4連勝で王手をかけました。第5局はバナナリーダー永瀬拓矢二冠が登場し、「決めに来たな」と感じた所司一門は決勝までチームを引っ張り挙げた立役者の近藤誠也七段をぶつけ、第3局と同じ相手の対局となりました。両者ガップリの局面から永瀬拓矢二冠が中盤劣勢、しかし持ち前の粘り強さを発揮して徐々に勢いを取り戻し、崖っぷち、負けられない近藤誠也七段がものすごい気迫で迫りますが、その強気が勝ち過ぎて手を誤ったか、永瀬拓矢二冠が逆転勝利、無傷の5連勝でバナナチームが優勝。優勝賞金1千万円を3人で分け合うことになり、使い道については増田康宏六段が「車を買いたい」、藤井聡太二冠が「パソコンを自作したいので、パーツを集めたい」と語りましたが、永瀬拓矢二冠はあまり考えていなかったみたいでした。バナナにしたら何局分になるのでしょうか。年下の二人の大活躍で決勝まで駒を進めたバナナチームですが、チーム永瀬のリーダーとしては、ドラフトでこの二人を抽選で獲得した時点で強運に恵まれていたということでしょう。これで藤井聡太クンはAbemaTVトーナメント3連勝、このヒトのために作られた棋戦みたいですね。
 今回の第3回で藤井棋士が敗れたのは、チーム広瀬のリーダー広瀬章人八段(33)に2敗、森内俊之九段(49)に1敗という、計3局だけです。バナナチームは8月8日の準決勝で佐藤康光九段(50)がリーダー、谷川浩司九段(58)と森内俊之九段(49)がメンバーというLEGENDチームと対戦しました。全員が永世称号資格を持つレジェンドで構成されたチームです。森内俊之九段が、バナナチームの永瀬拓矢リーダーと藤井聡太棋聖に勝利、十八世名人の有資格者でもあるレジェンドが自らフリークラスを選んだのは驚きですが、若きタイトルホルダー2人を連続で破り、将棋史に名を残す棋士の力をまたもファンに見せつけました。この人はまるで歌舞伎俳優のようなカッコイイ美男子です。しかし絶好調の増田康宏六段が森内俊之九段を破るなど2連勝、リーダーが1勝2敗と振るわないバナナチームは4勝3敗と王手を掛けた8局目、藤井棋聖で勝負をかけました。一方のLEGENDチームは佐藤康光九段を立て、1局目と同じ顔合わせ、新進気鋭の若手対日本将棋連盟会長の激突はまたしても藤井棋聖の勝ち、チームを8月22日の決勝へと導きました。佐藤康光リーダーもさすがに口惜しそうでした。
(2020年8月23日)


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