382  こむらがえり

 最近頭上をうるさいほど軍用機が飛び回ります。超音速のジェット戦闘機は高高度ですがつんざくような飛行音、爆撃機みたいな大きい機体は低高度をグルグル轟音を響かせながら旋回します。こういう事象は日本を取り巻く国際情勢が不穏になってきたときに現れます。北朝鮮のミサイルが立て続けに発射されたときもそうでした。今は朝鮮半島のみならず、中国の尖閣への動き、潜水艦の動き、香港情勢、ロシアの憲法改定で北方領土の永久占領の動きなど、日本にとっては極めて憂慮すべき事態になってきていることが関係しているのでしょう。我が家のすぐ近くには自衛隊の通信を担う大井通信所があり、米軍所沢通信基地もすぐ近くですから、自衛隊入間基地や米軍横田基地など、近隣から飛び立って警戒しているのでしょう。

■ COVID-19の感染者が増加
 緊急事態宣言解除後、6月19日には県をまたいでの移動自粛が解除されてから2週間、案の定COVID-19の感染者が増加してきました。東京都では急激に増加して3桁越えが4日連続、東京都に引っ張られる形で、全国的にも感染者の増加傾向がみられるため、埼玉県の大野知事は、東京都内での飲食や繁華街への訪問を自粛するよう県民に求めました。足元の大宮のキャバクラでも感染者が出ており、東京のことを言っている場合ではないだろうとの声もあります。鹿児島でもショーパブでの集団感染が起きています。20代、30代の若い人が多くなっています。ホストクラブやキャバクラなど夜の歓楽街には近付くなというのが合言葉になりつつあります。「埼玉都民」という言葉があるように、物価が高くて、何より住居費がダントツに高い東京を避けて埼玉から通うサラリーマンが多いのは、下図で明らかなように東京との県境は埼玉が最も長く、続いて神奈川ですが、都心部との連絡はやはり埼玉が一番便利だからです。全国の都市の中でサラリーマンの所得が最も多いのはさいたま市で、東京の区部よりさいたま市に住んだほうが豊かに暮らせるからです。新宿と池袋の歓楽街が今槍玉に上がっていますが、どちらも「埼玉都民」の遊び場、これを封じ込めるのは至難の業でしょう。


■ PCR検査をドンドンやればもっと増えるはず、正しく恐れよ
 感染者が再び増加していることを受けて、再び緊急事態宣言?などという話が出ていますが、政府や小池都知事はそんな状況ではないと否定しています。緊急事態宣言は4月7日発令でしたが、いま振り返ると、感染のピークは3月28日だったそうです。手遅れだったわけですね。したがって過去の反省に立って「ジタバタするな」というのはそれで良いでしょう。先ごろ西村大臣が唐突に専門家会議の解散を宣言しましたが、これは過去の反省によるものでしょう。抗体検査の結果で都民の0.1%が新型コロナウイルスの抗体を持っているという結果が出ましたが、「えっ、たった0.1%?」と驚きました。国民の7割程度が感染して抗体を持てば収まると言われていたことに比べてあまりにも少なかったからです。「抗体獲得で感染収束」という元厚労省医系技官がおっしゃっていたことは誤りだったことがハッキリしました。しかし1,400万都民の0.1%は14,000人ですから、現在の累積感染者数6,654人はまだ半分にも達していません。すなわち、毎日100人以上感染者が出て当然、PCR検査をドンドンやればもっと増えるはずです。そもそもインフルエンザに年間1千万人が罹患する日本では、近年徐々に死亡者が増えていて年間3千人が死亡するようになっています。致死率ザックリ0.03%です。COVID-19はいま死者が977人ですから、インフルエンザより発生ペースは少ないですが、これは国民が感染しないよう努力しているからです。2020年7月5日現在の累計感染者数19,522人に対する致死率は5%ですから、インフルエンザより2桁多いわけで、恐ろしいことは明確です。正しく恐れるべきです。

■ パチンコ店へのバッシング
 「正しく恐れよ」というので思い出すのがパチンコ店へのバッシングです。一時期小池都知事も吉村府知事もパチンコ店に休業要請を出して、従わなければ店名を公表するぞと脅して、自粛警察がかまびすしかった時期がありました。筆者は「三密回避」を言うならば、これはおかしいのでは?と思っていました。というのは空調工事をなりわいとしていた筆者は、パチンコ店の空調がいかに凄まじいかを知っていたからです。パチンコ店と言えば今は禁止されましたが、煙草スパスパ、音はうるさくチンチンジャラジャラ、照明ギンギラギンで「いらっしゃいませいらっしゃいませ、ありがとうございます、いらっしゃいませ!早朝よりなにかとお忙しい中、また数ある遊技場、娯楽場のなかより、当店へとお運びくださり、大勢多数様のご指名ご来店、まことにまことにありがとうございます。お好きな遊戯台、お手に合います一台をお選びくださいまして、本日もより多きラッキーとご幸運をしっかりとがっちりとおつかみ取りくださいませ!」という放送がガンガンに鳴り響くというパターンでした。パチンコ台はハイテクのかたまりで、マイクロプロセッサにソフトウェア、ネットワークが張り巡らされて、中央システムで出球コントロールされていますから、株投資と同様、勝者1割、敗者9割の世界です。どうして行くんだろうと筆者のような技術人間は首をひねりますが、知っている夫婦はすごい年金を貰っていながらパチンコで消費していつもピーピーしています。それでも楽しいのですから、これはもはや依存症です。まあ、人それぞれだからいいだろうと思います。それで世の中が回っているのですから。しかしこういうことを快く思っていないヤカラが、コロナ禍に乗じて、ここぞとばかりにパチンコ屋を叩いたわけです。

■ パチンコ店は「三密」ではない
 話を戻すと、パチンコ店の空調は「換気回数」がものすごく多いのです。煙草の煙を追い出すためで、電気集塵機もすごいのが着いています。ただ空調された空気を排気して、単純に外気導入したら、ものすごく非効率で電気代が高額になります。そこで「全熱交換機」というものを設置して、新鮮空気と熱交換し、空気はフレッシュになるが熱は逃がさないというシステムを採ります。初期投資は高くなりますが、空調というのは運用費用のほうがはるかに大きいので、元を取るのにそれほど期間を要しません。家庭用エアコンで言えばダイキンのヒット商品「うるるとさらら」というのがこれです。すなわちパチンコ店は「密閉」したようでありながら実は窓を開放する以上にガンガン換気しているのです。しかも音がうるさくて会話が成立しないので皆黙々と台に向かっています。隣の人との距離はあり、対面していないので「密接」していません。「三密」ではないので、カラオケ店と違ってクラスターが発生していません。

■ ビル空調リニューアルでの腹立たしい思い出
 これで思い出したのですが、昔あるビル空調のリニューアルで提案書を出したとき、経営者の顧問が、国立の超有名な研究所の元所長で、「換気回数が多過ぎる」、「全熱交換機は不要」、「冷房で除湿しているのに加湿器は無駄」とおっしゃるのです。あたかも「空調屋が儲けるために出した提案」と言わんばかりです。板ばさみで経営者はホトホト困っていましたが、こちらも理論に関しては負けてはいません。「感染症が怖いので換気回数は絶対これ以上必要」、「初期費用はかかるけれど○年でモトは取れるので全熱交換機を付けるべき」、「従業員の喉対策やインフルエンザウイルス対策のためにも冬場は常時60%の湿度が必要」、「快適空調は湿度管理がポイント、省エネにもなる」、「IT化が進行するオフィス空調では酸素濃度が頭脳回転のために必須」などと猛反論しました。結局経営者は従業員ファーストで我々の提案を採用してくれました。相手がいかに有名なヒトでも、ひるまず立ち向かった成果ですが、「儲けようとして」と言わんばかりの上から目線には腹が立った思い出です。

■ 数値モデルを検証せよとの吉村知事の主張
 大阪の吉村府知事が、「8割おじさん」こと北海道大学の西浦博教授が、すでにピークアウトしていた4月15日「8割削減しなければ42万人が死ぬ」との試算を出したことについて、「それが本当に正しかったのか、検証が必要だ」との見解を出しました。大阪大学核物理研究センター長の中野貴志教授が考案した「K値」モデルは、直近の感染者数を累積感染者数で割り、感染拡大率の加減速を示す指標ですが、これで見ると日本では、感染は自然減の傾向が強く、自粛の効果が見られないということでした。結果論では西浦モデルはハズレ、「K値」が妥当みたいでした。みんなが専門家会議の西浦モデルを信じた結果、緊急事態宣言が延長され、これに危機感を抱いた吉村知事が出口戦略を示すために“大阪モデル”を作り、国も同調して、宣言が5月末まで漫然と延びることが避けられました。吉村知事いわく「失業率が2%増えると、あってはなりませんが、自殺者が2千人ほど増えるという試算もあり、そちらの命も守らなければいけない」・・・その通りです。

■ COCOAインストール率トップはまさかの・・・
 みんなのランキングでは、厚生労働省の「新型コロナウイルス接触確認アプリ;COCOA」に関するアンケート調査を実施、アプリの認知度やインストール率をリサーチしました。Bluetoothを利用し、アプリをインストールしたスマートフォン同士が1m以内の距離で15分以上留まっている場合に「接触」と判断、ウイルス陽性者の登録を行った人と過去14日間で接触した場合に通知を行い、接触者の医療機関の早期受診を促すことで、感染者の拡大を防ぐことが期待されています。アプリの認知度&インストール率の「都道府県別ランキング」のそれぞれトップ5とワースト5を明らかにしました。
 「接触確認アプリのインストール率ランキング」で1位になったのは「岩手県」。岩手県といえば、47都道府県で唯一コロナウイルスの感染者が確認されていないことで知られています。2位「大阪府」、3位「埼玉県」と、累計の感染者数が比較的多いエリアが上位に入り、日に日に増える感染者数に注目が集まっている「東京都」は、長崎県・徳島県・三重県と同率で5位にランクインしました。意識が高いところと言えますね。
 最も低い数値だったのは「奈良県」で、45位の「香川県」と「岡山県」、44位「和歌山県」と見てくると、これまでの感染者数が全国的に見て少ない地域が並んでいます。一方で、「福岡県」と「神奈川県」は感染者が多いのにインストール率はわずか6%にとどまりました。あまり気にしていないのでしょう。

■ 韓国と日本の演劇界の差
 韓国は今年のアカデミー賞で作品賞を取りましたし、Netflixのドラマ「愛の不時着」は日本でもブームとなっています。実は日本が韓国に学ぶべきなのはこうした演劇の分野なのだそうです。韓国の演劇人は、日本から見るとはるかにプロであり、それは社会全体が演劇に対して価値を見出し、大事にしているからだということで、今回のコロナ禍で日本の演劇界が悲惨な状態に陥ったことが日本における演劇界のステータスを如実に示しました。

■ 「関心共同体」の必要性
 「新しい日常」では、高齢者は「ステイホーム」と言われています。しかし、ホームの無い、社会的な関係の希薄な人が日本には一定数居るのです。自粛警察やSNSの誹謗中傷をマスコミは単純にストレスといいますが、実は孤独、孤立している人たちがいることに注目すべきです。もともと中高年の引きこもりや孤独死の問題を日本社会は抱えていて、これをどうするかという課題が最近とみに浮かび上がって来ています。企業社会=利益共同体と 地縁血縁社会の中間に、「関心共同体」・・・すなわち趣味趣向などで繋がっているもう一つの共同体が必要なのです。最近はサードプレイスとも言われますが、そういう緩衝材がないと孤立者が増える一方になるのです。それが今回コロナで加速しました。社会教育でも、演劇やダンス、農作業体験やボランティアでもいいのですが、別のつながりを作っていく必要があるということです。

■ こむらがえり
 夜寝ていて、明け方にふくらはぎが痙攣して、あまりの痛さに飛び起きる、足の親指を引っ張る、という経験はありませんか。「こむらがえり」は、ふくらはぎに起こる痛みを伴った筋肉の痙攣(つり)で、医学的には「腓腹筋(ひふくきん)痙攣」と言われます。「こぶらがえり」と呼ばれることもあります。
 ふくらはぎにある下腿三頭筋の一部が異常に縮んでしまう現象が、こむらがえりで、つっている筋肉に触れてみると硬くなっています。では、なぜ痛みを伴うのか?それは、筋肉が強く縮んで硬くなると、縮んでいる筋肉の線維とそうではない線維との間にズレが生じ、それが筋肉に枝を出している神経の先端(「侵害受容器」、これが痛みの受け皿である)を刺激するからだそうです。
 この筋肉の痙攣は、ふくらはぎだけでなく、首や肩、指にも起きます。スポーツを楽しんでいる最中のみならず、就眠中(特に寒い時期の明け方)に寝床のなかで伸びや寝返りをうった途端、起きることが多く、一度起こってしまうと癖になって、繰り返すので厄介です。原因は、筋肉の疲労、その逆に運動不足、脱水や体液の成分である電解質の異常(カリウム、カルシウム、マグネシウムの不足)などが考えられます。糖尿病や肝硬変、腎不全などによって電解質のバランスが崩れている時にも起こりやすく、脚の伏在静脈に静脈瘤(りゅう)がある場合にも起こりやすくなるので要注意です。
 治療は、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)の服用や、低周波通電療法、あるいはツボへのはり治療、局所注射などがあるそうです。食生活では野菜やフル−ツ、海藻類、小魚、牛乳などをバランスよくとるように心掛けること。ミネラルバランスの乱れのほか、運動中や就寝中の発汗による脱水、冷えなどの血行不良も原因になります。また、加齢によっても起こりやすくなり、60歳以降で顕著になります。運動中や就寝前はまめに水分補給をしましょう。

■ 筋肉をほぐす「波止場のポーズ」
 こむらがえりの予防策としては、筋肉をほぐす「波止場のポーズ」が簡単で効果も期待できます。台または椅子に片足を乗せ、この足に体重をかけ、もう片方の足はかかとを上げないようにして、太ももとふくらはぎの筋肉を伸ばします。そして、息を吐きながら7秒キープすればOKです。足を入れ替えて、同様に行います。左右の足、それぞれ15回ずつ繰り返すと、ふくらはぎや太ももの筋肉がストレッチされ、血行がよくなります。

沢井製薬のHPより

■ 日本夕日百景;真玉海岸
 大分県豊後高田市の真玉海岸の沈む夕日と干潟の美しい光景が、昭和の町・豊後高田市公式観光サイトに載っています。オレンジ色に光る海面と黒い砂地の絶妙なコントラストが訪れた人を魅了します。ん?大分県というと、海は東側に有るはず、どうして夕日が見えるんだ?と疑問が...そこで地図を見ると、周防灘に眼の上のたんこぶみたいに突き出ている国東半島の西半分の豊後高田市は、「長崎鼻」や「昭和の町」、「熊野断崖仏」という観光名所があって、それと並んで「真玉海岸」も名所なのだそうです。国東半島の北西部にあり、国道213号(恋叶ロード)が走ります。したがって西の海に夕日が沈むわけです。日没と干潮時刻が重なる時期に出現する幻想的な光景は「日本の夕陽百選」にも選定されているそうです。

(2020年7月5日)


次回へ    前回へ    最新ページへ    つぶやき最終回