372  オカネ

ゴールデンウィークが始まりました。今年はゴールデンとは程遠いと言うか、むしろグレイに徹して皆さん不要不急の外出は自粛しましょうということで、大抵の人は守っているようです。マスクは相変わらず出回らないなぁと思っていたら、生鮮食品スーパーのレジ脇に50枚入り¥3,980で山積みされていましたが、あまり手に取る人は居ませんでした。高いからでしょうか?ドラッグストアに「品切れ」とか「入荷未定」などと張り紙があるのに、どうしてこんなところに?と思いました。ブローカーが暗躍しているのでしょう。食品スーパーへの買い物もなるべく回数を減らしている人が多いみたいで、遠目に見ても密集してはいないようです。ただ近所のホームセンター「スーパービバホーム」は広い駐車場に車が何百台も詰め掛けていました。営業時間を短縮していて、5月2日から6日は休業すると予告しているので今の内にということでしょうか。上福岡駅前のパチンコ店6店舗は休業していますがスロットの店1店は営業していました。カラオケ店やスナック、バーなどの多くは休業しています。営業している開放的な居酒屋でも19時でアルコールストップと書いてあります。大きなレストランなども休業する店もありますが、本来は営業してくださいと言われている業種なのに何故かというと、従業員のためでしょう。普段混んでいる人気店ほど休んでいる印象です。休めば収入は無くなるわけで、泣きの涙で休んでいるわけです。可哀そうです。頭が下がります。有難うございます。

■ 4.22日本国政府の専門家会議の提言
 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が、現状の状況分析を行い、分析した結果をまとめた「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を4月22日公表しました。




■ 岡江久美子さん、和田周さん、立石義雄さん・・・続々と新型コロナウイルスによる肺炎で死去
 新型コロナウイルス感染による肺炎で2020年4月23日午前5時20分に亡くなった俳優、岡江久美子さん(63)の遺体が荼毘に付され、遺骨が東京都内の自宅に翌日戻りました。夫の大和田獏さんは火葬にも立ち会えず、遺骨を抱えて、自宅前でマスコミにコメントした姿が痛々しく、COVID-19の恐ろしさを改めて印象付ける形になりました。岡江久美子さんは1996〜2014年に放送されたTBS系の朝の情報番組「はなまるマーケット」の司会を、タレントの薬丸裕英さんと共に務め、その明るさや人格で誰からも親しまれたそうです。「はなまるマーケット」は新人アナウンサーの登竜門とも言われ、安住紳一郎アナ(46)によりますと、「私も10年近く一緒に仕事をさせてもらいましたが、新しいことを一番最初に面白がってくださる方」と言い、続けて「岡江さんにウケてもらうために、一生懸命仕事していたスタッフが多かったのでは」とも語ったそうです。またテレビ朝日系の「徹子の部屋」では、直ちに特番を組み、過去度々出演した画像を放映して在りし日を偲びました。昨年の映像では持ち前の明るさで、信じられないという気持ちがいっそう強くなりました。4月3日に発熱し、「コロナかも?」と言っていたようですが、6日朝に容体が急変して入院、その後のPCR検査(遺伝子検査)で陽性と判明したようです。昨年末に初期の乳がんの手術をして、今年1月末から2月半ばまでに放射線治療を受けていたため、この影響による免疫力低下で重症化した可能性があるのでは?と言われています。


故・岡江久美子さん

故・立石義雄さん

 俳優や劇作家、演出家として活動した和田周(わだ・しゅう)さんも4月23日、新型コロナウイルス感染が原因で死去したそうです。81歳でした。和田さんが主宰する演劇組織「夜の樹」のフェイスブックで24日に発表されました。
 先立つ4月21日未明、大手制御機器メーカー・オムロン元社長(現名誉顧問)で、京都商工会議所前会頭の立石義雄さん(80)が死去されました。「とうとう有名経営者まで」との感がぬぐえません。4月1日に倦怠感を訴え、2日に発熱、5日に肺炎が確認され、6日に新型コロナウイルス感染症の陽性と判定され、治療を続けていたそうです。立石義雄さんは、3月末まで5期にわたり京都商工会議所会頭の重責を果たすとともに、京都の5つの花街の振興を目指す公益財団法人、京都伝統伎芸振興財団(通称おおきに財団)の理事長も務め、挨拶代わりの言葉は「昼も夜も会頭」だったそうです。

■ 初期症状のうちにアビガン投与が有効みたい
 岡江さんのように症状が急変して死去するのがCOVID-19の怖さであり、基礎疾患を持つ人や、がん治療中のひと、人工透析中の人などは今回の件でいっそう恐怖に駆られたのではないでしょうか。喫煙中の人や喫煙歴のある人のほか、意外にも高齢者だけでなく50代ぐらいの働き盛りの人に死亡リスクが高いと言われています。40〜20代ぐらいの人は活動量が多いので感染リスクも高いそうですが、まだ若いために重症化せず、感染したことすら分からないで他人に移している人が多いと言われます。俳優の石田純一さん(66)は沖縄から帰ってきた次の朝に初めて平熱を超え、4月15日には熱も38.8℃に上がり、これはもうダメだと思ったとき、医師から『一刻も猶予がないのでアビガンで行かないか』と勧められ、そのお蔭で回復に向かったようです。脚本家で俳優の宮藤官九郎(49)さんも医師にアビガン投与を勧められ、症状が徐々に改善して回復したそうです。アビガンは国内で抗インフルエンザウイルス薬として製造販売承認を取得している薬で、現在、国内で350人以上に投与され、効果があると報告されています。ウイルスの増殖を防ぐメカニズムがあるため、初期症状のうちに投与すれば効果があるようです。重症化してからでは手遅れだとも言われています。岡江久美子さんも早期にPCR検査を受けて、早期にアビガン投与していれば助かったかもしれません。政府は70万人分となる現在のアビガン備蓄量を、本年度中に200万人分まで増やすとしています。メーカーの富士フイルムは忙しいですね。

■ 毎度お馴染みのCOVID-19感染者及び死者の状況
●3月29日12:00現在の各国での新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数…厚労省発表

国・
地域
イタリア スペイン 中国 イラン フランス 米国 英国 オランダ ドイツ ベル
ギー
スイス 韓国 スウェー
デン
オース
トリア
デンマ
ーク
日本 ノルウェ
台湾
感染者 92,472 73,235 81,439 35.408 37,575 122,666 17,089 9,762 57,695 9,134 13,213 9,583 3,447 7,995 2,366 1,693 3,845 283
死亡者 10,023 5,982 3,300 2,517 2,314 2,147 1,019 639 433 353 235 152 102 68 65 52 20 2
致死率 12.1% 8.1% 4.0% 7.1% 6.1% 1.7% 5.9% 6.5% 0.7% 3.8% 1.7% 1.5% 2.9% 0.8% 2.7% 3.0% 0.5% 0.7%
死者ppm 165 128 2.3 31.0 35.4 6.5 15.3 36.7 5.2 30.7 27.5 2.9 10.0 7.7 11.6 0.41 3.7 0.08
●先週の4月19日12:00現在は下記、中国の死者数が武漢での訂正で増えました
国・
地域
米国 イタリア スペイン フランス 英国 ベル
ギー
イラン 中国 ドイツ オランダ ブラ
ジル
トルコ スウェー
デン
カナダ 韓国 日本 台湾
感染者 726,645 175,925 191,726 111,821 114,217 37,183 80,868 82,735 143,160 31,589 36,599 82,329 13,822 33,341 10,661 10,361 398
死亡者 38,664 23,227 20,043 19,323 15,464 5,453 5,031 4,632 4,459 3,601 2,347 1,890 1,511 1,467 234 161 6
致死率 5.3% 13.2% 10.5% 17.3% 13.5% 14.7% 6.2% 5.6% 3.1% 11.4% 6.4% 2.3% 10.9% 4.4% 2.2% 1.6% 1.5%
死者ppm 117 384 429 288 233 475 62.0 3.2 53.6 207 11.2 23.0 148 39.0 4.6 1.3 0.25

●4月26日12:00現在は下記、日本が韓国を抜きました。欧米先進国の死者の凄まじさ...

国・
地域
米国 イタリア スペイン フランス 英国 ベル
ギー
ドイツ イラン 中国 オランダ ブラ
ジル
トルコ カナダ スウェー
デン
日本 韓国 台湾
人口百万 331.0 60.46 46.75 66.99 66.44 11.49 83.15 81.16 1439 17.38 209.5 82.0 37.59 10.22 126.5 51.26 23.87
感染者 933,933 195,351 223,759 124,114 148,377 45,325 156,418 89,328 82,827 37,190 58,509 107,773 45,341 18,177 13,182 10,728 429
死亡者 53,449 26,384 22,902 22,614 20,319 6,917 5,873 5,650 4,632 4,409 4,016 2,706 2,465 2,192 348 242 6
致死率 5.7% 13.5% 10.2% 18.2% 13.7% 15.3% 3.8% 6.3% 5.6% 11.9% 6.9% 2.5% 5.4% 12.1% 1.6% 2.3% 1.4%
死者ppm 161 436 490 338 306 602 70.6 69.6 3.2 254 19.2 33.0 65.5 214 2.8 4.7 0.25


■ 東京都の感染者数が100人を下回る
 東京都の4月26日(日)の感染者は72人で、都内の1日の感染者数が100人を下回ったのは、4月13日以来、13日ぶりです。週末のため、検査の件数自体が少なかった可能性もあります。厚生労働省の4月19日までのデータでは東京都のPCR検査数に対する陽性者比率は40%で、大阪が24%で続きますが、全国平均は10.9%なので、東京は極めて高い、すなわちこれまではPCR検査を疑わしい人だけにやってきたためと思われますが、潜在的感染者は膨大に居ると思われます。慶応大学の調査で無症状の患者にPCR検査をしたら感染率6%だったという報告がありますから、東京都の人口1,395万人の6%の83万人も感染している?4月26日現在3,850人の感染者が発表されていますが、実はこれは200分の1、氷山の一角かもしれません。


増え続ける東京の人口


■ 大阪府のパチンコ店休業要請
 大阪府の吉村洋文知事(44)が府内のパチンコ店に休業を要請し、休業要請に応じない府内の大型パチンコ店6店舗の名前を公表し、感染拡大防止のため府民に利用しないよう呼びかけました。4月25日には6店舗のうち、大阪市内の2店舗が休業し、26日には枚方市内のパチンコ店が休業要請に協力しましたが、堺市の3店舗は営業を続け、客が押しかけました。吉村知事は「政府が一律10万円給付しても、それをパチンコ代に使ってしまう人がいる」と述べて、「パチンコの依存症問題に正面から取り組むべき。国はパチンコをギャンブルと認めず、何らの規制もない。依存症対策も正面から論じてこなかった。IRは入場制限や依存症対策を様々とる。パチンコもやるべきだ」とカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に対し、“ギャンブル依存症の人が増える”などと反対する意見があることに触れながら、訴えました。


■ パチンコはまだかわいいもの、カジノとは違う
 しかし大阪府が熱心に進める統合型リゾート施設(IR)の誘致こそ危険です。まだパチンコはかわいいものではないでしょうか。損する金額が少なく、ほとんどの客は大局的には損することが分かっていても、娯楽としてオカネを使って楽しんでいるのです。たまに勝って、ほとんどは負けても、勝ったときの嬉しさの記憶だけが残っている・・・損というより楽しみの代償としてオカネを使うのです。競輪、競馬、競艇はギャンブルと言えますが、自分が稼いだカネをギャンブルにパァ〜ッと使って、日々の生活に汲々としている人が多くても、それが娯楽である限り、それで良いのではないでしょうか。しかしカジノとなるともはや庶民の、というよりもカネのある人のやるもの、財産を失くす危険性があります。筆者は理論的にモノを考える性質(タチ)なので、パチンコも、競輪、競馬、競艇もやらず、宝くじさえも買いません。面白くない人間ですが、確率的に考えれば、これらはみな損するに決まっているからです。パチンコ店は規模が大きく、面積が大きいので地代・家賃額が大きく、従業員もそれなりに居て、飲み屋の損とは規模が違います。休業補償も焼け石に水でしょう。それでもなお休んで欲しいとお願いするのなら、脅し、イジメのようなことはすべきではありません。


スギナ


■ カネ、カネ、カネの話が多くなり...
 緊急事態宣言が出て、イライラする人が増えています。スポーツも娯楽も自粛では当然ですね。ましてや営業自粛せざるを得ない自営業の人などは死活問題です。雇い止めや派遣切りも出てくると、生活に困る人が出るでしょう。学生など親の仕送りでは足らずアルバイトでやっと、という苦学生が結構多いはずですから、この緊急事態宣言が長引くと退学せざるを得ない人も出てくると思われます。ひとり10万円の話が出ると早速公務員は要らないだろうとか、年金生活者や生活保護受給者は要らないだろうという話が出ます。政府の経済対策も含めて、カネ、カネ、カネの話が多くなりました。確かに生活に困らない人にまでカネを配るのはどうか?というのは正論です。お金持ちは10万円貰ったって・・・という人も居るでしょう。だったら寄付したらいかがでしょうか。医療関係者でも、社会福祉関係でも、学生支援にあてて下さいと大学にでも・・・ただ、日本はこの「寄付文化」が世界で最も貧弱な国です。欧米では裕福な人が貧しい人に支援する意味でオカネを出すのは当たり前です。東南アジアや南米でも、豊かでないのにより貧しい人のためにオカネを出す光景が見られます。日本にこの文化が無いのはなぜでしょう。宗教の問題が根底にあると思われます。なにせ日本は「困ったときの神頼み」の文化ですから。
 景気悪化によって日本人全体の所得が低下する恐れがあります。というか、低下するに決まっています。すると年金生活者は現役世代におんぶしていますから当然ながら年金額は減ります。もし株価下落によってGPIFの損失が確定した場合、更に悲惨なことになります。年金生活者とて、過去の人たちとは違って、これから年金は減る覚悟が必要です。


福沢諭吉もやがて渋沢栄一になる


■ 深刻な医師不足にあえぐ岩手県
 日本の47都道府県でいまだに感染者が見つからないのは岩手県だけです。首都圏から岩手への移動自粛、帰省自粛、もし来たら2週間移動を控えてジッとしていて下さいという厳しい対応が有名になりました。しかしそれがゆえにいろいろな報道があって批判もされています。千葉県から岩手県一関市の実家に帰省していた最中に破水した30代の妊婦の受け入れを、新型コロナウイルスの感染リスクを理由に岩手県立の2病院が断っていたことが大々的に報道されました。病院側は「院内感染に備えた対策が万全でないため」と説明し、岩手県医療局は「院内感染を考慮したとしても過剰な対応だった」としているそうです。岩手県医療局によりますと、女性は17日に破水し、自分で磐井病院(一関市)に電話したが断られ、同病院を通じて受け入れを求めた中部病院(北上市)からも拒まれた後、救急車で別の病院に搬送されたそうです。PCR検査で陰性が確認された後に帝王切開で出産し、母子ともに健康だということで、良かったですね。岩手県は感染者が多い地域から来県した人に2週間の不要不急の外出自粛を求める一方、医療機関には、感染症対策をした上で通常通り対応するよう求めていますが、帝王切開になってしまうんですね。
 この報道に「なんてひどい」と批判が多く出ているようですが、実は岩手県の県立病院は深刻な医師不足にあえいでいます。首都圏のお医者さんに岩手県に来て下さいと必死になってリクルートしていますが、思うように進みません。ましてや感染症に対応した病床はほんのわずかで、もし感染者が出たら瞬く間に医療崩壊してしまいます。したがって首都圏の医療とは大きな格差があり、何としても新型コロナウイルスの感染者を出してはいけないのです。


■ 岩手県での父葬儀出席を断念した息子たち
 岩手県で葬儀があったとき、首都圏に居る息子さんたちは父親の葬儀に出席しなかったという話を聞きました。岩手県の自粛要請に応えてのことです。もちろん葬儀は不要不急ではありませんが、コロナウイルスに侵された死者は顔も見れず骨になって帰ってくるという遺族の悲しみを思えば、自分が岩手県に行ってコロナウイルスを運ぶかもしれないと考えたとき、自粛するしかないと考えたのでしょう。コロナウイルスが落ち着いたら改めて帰省する...そこまで考えて決断した息子さんたちの心情を思えば、私たちみんなが外出を自粛することなど当然ではないでしょうか。
 それにもかかわらずSNSでキャッキャと写真を載せながら、ああだこうだと論評かまびすしい人たちが居ます。あんたたちこそ自粛したら?と思うのですがいかがでしょうか。


もうすぐ母の日


■ 地震頻発
 2020年4月26日 9時49分ごろ、茨城県南部北緯36.2度/東経140.1度地点を震源とする地震が発生、深さ70km、マグニチュード4.8、埼玉県では春日部市が震度4、埼玉県東部地域からさいたま市が震度3、川越市など中部地域が震度2、ふじみ野市より西部地域が震度1でした。このところ長野県で地震が頻発していますが、他にも沖縄本島北西沖や奄美大島近海、青森県東方沖、宮城県沖、小笠原諸島西方沖などで頻発しています。長野県中部の岐阜県境近くを震源とする地震は4月22日以降、50回に達し、活発な状態が続いています。いまもし避難所設置を伴う災害が起きると、COVID-19蔓延の3密が発生する恐れが有り、懸念されます。
(2020年4月26日)


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