369  緊急事態宣言

 桜が花冷えで長持ちしています。我が家の庭ではさつきが咲きました。家の中ではシクラメンがもうそろそろ花の終わりを迎えていますが、リーガースベコニアが美しく咲き、ミニバラが咲き始めました。街路樹の根元にはもうナガミヒナゲシが咲いています。4月4日は二十四節期の「清明」でした。4月8日はスーパームーンです。新型コロナウイルスはますます世界中で猛威をふるい、人間が接触するところで感染爆発しています。COVID-19による肺炎で志村けんさんがお亡くなりになったことは日本中に大きな衝撃を与えました。その後も有名人が次々感染判明しています。その割には感染者数が少ない・・・すなわち、実際には発表数値よりはるかに多い感染者の存在が想像されますね。

■ 感染者、死者の状況
 3月22日12:00現在の各国での新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおりです。

国・
地域
中国
イタリア スペイン 米国 イラン ドイツ フランス 韓国 スイス 英国 オランダ ベル
ギー
オース
トリア
ノルウェ
スウェー
デン
デンマ
ーク
日本 台湾
感染者 81,054 53,578 25,496 25,493 20.610 16,662 14,459 8,897 6,613 5,018 3,631 2,815 2,814 1,926 1,746 1,418 1,046 153
死亡者 3,261 4,825 1,381 307 1,556 46 562 104 56 233 136 67 8 7 20 13 36 2
致死率 4.0% 9.0% 5.4% 1.2% 7.5% 0.3% 3.9% 1.2% 0.8% 4.6% 3.7% 2.4% 0.3% 0.4% 1.1% 0.9% 3.4% 1.3%
 ただし、中国は無症状者を感染者に含めていないので実際には12万人以上の模様です。致死率は筆者が付けたものですが、医療レベルの他に高齢者比率も関係していると思われます。台湾を載せたのは、封じ込め成功例です。
 これが1週間後の3月29日12:00現在となるとこうなりました。
国・
地域
中国 イタリア スペイン 米国 イラン ドイツ フランス 韓国 スイス 英国 オランダ ベル
ギー
オース
トリア
ノルウェ
スウェー
デン
デンマ
ーク
日本 台湾
感染者 81,439 92,472 73,235 122,666 35.408 57,695 37,575 9,583 13,213 17,089 9,762 9,134 7,995 3,845 3,447 2,366 1,693 283
死亡者 3,300 10,023 5,982 2,147 2,517 433 2,314 152 235 1,019 639 353 68 20 102 65 52 2
致死率 4.0% 12.1% 8.1% 1.7% 7.1% 0.7% 6.1% 1.5% 1.7% 5.9% 6.5% 3.8% 0.8% 0.5% 2.9% 2.7% 3.0% 0.7%
死者ppm 2.3 165 128 6.5 31.0 5.2 35.4 2.9 27.5 15.3 36.7 30.7 7.7 3.7 10.0 11.6 0.41 0.08
 中国の数値は怪しいですね。そんなはずはないという数値です。実は北欧諸国を抜いて感染者が急増しているのはトルコ7,402、カナダ5,425、ポルトガル5,170、ブラジル3,904、豪州3,635、イスラエル3,619、チェコ2,657、アイルランド2,415などです。それにしてもわずか1週間でこの急増ぶりは恐ろしい限りです。指数関数的、エクスポネンシャルな増加になっています。
 さらに1週間後の4月5日12:00現在となると、もはや感染者数よりも死者数で順位付けすべきと考えました。下表のスウェーデンに続く死者数はポルトガル266人、カナダ231人、オーストリア186人で、そして表中の韓国になります。そのあとはインドネシア181人、エクアドル172人...以降続々と続きます。
国・
地域
イタリア スペイン フランス 英国 イラン 中国 米国 オランダ ドイツ ベル
ギー
スイス トルコ ブラ
ジル
スウェー
デン
韓国 日本 台湾
感染者 124,632 124,736 68,605 41,093 55,743 81,669 308,533 16,627 95,614 18,431 20,201 23,934 10,278 6,443 10,237 3,271 355
死亡者 15,362 11,744 7,560 4,313 3,452 3,329 3,291 1,661 1,427 1,283 540 501 432 373 183 70 5
致死率 12.3% 9.4% 11.0% 10.5% 6.2% 4.1% 1.1% 10.0% 1.5% 7.0% 2.7% 2.1% 4.2% 5.8% 1.8% 2.1% 1.4%
死者ppm 254 251 113 64.9 42.5 2.3 9.9 95.5 17.1 111 63.0 6.1 2.0 36.5 3.6 0.55 0.21
 中国はピークを越えたみたいで、イタリアなども爆発的感染の増加にブレーキがかかってきたようです。米国の感染者増加のすさまじさがその絶対数の多さで注目されていますが、実はトルコ、ブラジル、英国、ベルギーなどもすさまじい伸びで、途上国などではこれから爆発が加速しそうです。日本も伸び率が大きいほうですが、韓国などは明らかに伸びが鈍化しています。これはPCR検査数の違いに起因する部分が大きいかもしれません。徹底的に検査している韓国に比べ、何故か検査数が少ない日本で感染者数が少ないということは、実際の日本の感染者数はもっと多いのだと推定されます。

■ 在日米国大使館がアメリカ市民に帰国呼び掛け
 4月3日、在日アメリカ大使館がホームページに警戒情報として「日本政府がウイルスの検査を広範に行わないと決めたことにより、新型コロナウイルスの感染率を正確に把握することが難しくなっている」と指摘。その上で、日本国内でも感染者が急増する中、「数週間後に日本の医療システムが今までのように機能しているかを予測するのは難しい」とし、「持病をかかえるアメリカ市民がこれまで日本で受けてきた治療を受けられなくなる恐れがある」と警告しました。さらに、日本とアメリカを結ぶ航空便の運航が平時のわずか11%程度にまで減っていると指摘し、現在、日本に滞在中のアメリカ市民に対して、直ちに帰国に向けた手続きに入るべきだと呼びかけました。
 米国の爆発的感染拡大を見ると、何故?と思いませんか。帰国したらもっと危ないのでは?と考えてしまいますね。恐らく米国は日本には現れた数値よりずっと多くの感染者が居て、医療崩壊の危機が差し迫っていると見ているのでしょう。そうなるとCOVID-19感染者以外の医療がおろそかになって、持病を抱える人が適切な医療を受けられなくなると危惧しているのです。

■ 感染者数、検査数、致死率、死者数ppmの関係
 これだけ世界中で感染拡大してくると、死者数に注目すべきです。前述のように感染者数は検査数との関連がありますので、検査キットの充実した先進国は感染者が判明する率が高くなります。また人口が多ければ絶対数も多くなることもあるでしょう。しかし死者数は検査の多寡にかかわらずごまかすことは難しいと考えられます。中国やロシア、北朝鮮のような情報統制する国は別ですが... 4月5日12:00現在の上表で見たときに、人口当たりの死者数をppmで表した数値を見ると、大きいのは欧州の先進国です。米国は感染者の絶対数は飛び抜けていますが死者数ppmは欧州の先進国より小さく、北アジアの国は更に小さい・・・これが意味するものは何か?前回書いたように非医薬品介入(NPI)が効く国民性の国は小さいのです。致死率で見ますと、検査数が多いのに致死率が低い国は医療体制が充実していることを示し、米、独、スイス、韓国などがこれに当ります。日本の致死率は検査数が少ないので、もっと検査すれば低くなるでしょう。特筆はなんといっても死者数ppmの小ささです。今のところはまだなんとか抑えている、しかし今後は?という状況でしょうか。

■ アベノマスク
 安倍首相が各家庭に布製マスク2組を配布すると表明しました。「違うだろう〜!」という声が各所から噴出しました。4月1日だったので「これはエープリルフールに違いない」という声も有りました。5千万世帯に配布するのに2百億円かかるそうです。

街路樹のレッドロビンの赤色が目に鮮やかになってきました
 さっそく「アベノミクス」をもじった「アベノマスク」というのがネットを席巻しました。中にはフェイスブックに面白い動画が投稿されました。ヒトラーみたいな人が怒っています。
 マスク配布のアイデアはどうも今井補佐官から出ているみたいです。最近首相の会見のとき、並びの菅官房長官の横顔が気になりますね。明らかに憮然としています。3月から小中高の一斉休校をするというサプライズ宣言のときも菅官房長官や萩生田文科大臣の表情が引き攣っていました。緊急事態宣言を出さないのもどうやらこの線、経済産業省の意向があるみたいですね。
 マスクは確かにどこも売り切れ、入荷予定無しの張り紙だらけ、我が家はさもありなんと騒ぎになる前に不織布マスクを備蓄していたので大丈夫ですが、それでも寄付したくてもできるような数量ではありません。なお我が家には医療用のプラ手袋やガーゼなどもたくさんあります。何故でしょう?それはヒミツです。冗談はさておき、それでは布製マスクを作っていろいろなところにプレゼントしようかと考えたものの、各種店舗をグルグルまわっても耳にかける細いゴム素材がすべて売切れです。同じことを考える人がたくさん居るからでしょう。

■ 緊急事態宣言を期待する国民
 テレビのモーニングショー、ワイドショー、ニュース特番などが新型コロナウイルスを特集して国民を煽っている感があります。ジャーナリストの木村太郎氏が4月5日、フジテレビ系の生番組「Mr.サンデー」に出演し、「緊急事態宣言が出るのをみんな待ってる」と指摘しました。木村氏は「新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言を小池百合子東京都知事と吉村洋文大阪府知事が求めているものの、安倍政権は慎重になっている。今ね、みんな待ってるんですよ、出るのを」と日本国民の心理を説明し、「例えば会社なんかは株主総会どうするか。そんなもんできっこないだろう。でもね、緊急事態宣言を出してくれたらね、それを理由に集まる株主総会やめちゃおう(という判断ができる)」と具体的な例を挙げ、「待ってるのに政府は出してこない。なんなんですかね、これ。小池さんの方がよっぽど総理大臣みたいに見えますけどね」と、安倍晋三首相のリーダーシップの欠如を批判しました。
 「専門家委員会(専門家会議)だけじゃないですよ、東京都、大阪府、それからお医者さんの団体、みんな出してくれって言ってる。経済界まで出してくれって言ってるのに、なんで出さないんですかね、これ。出さない方の責任取られる方がね、出して責任取られるよりよっぽど大きいですからね」と、さまざまな層からの要望に応えない安倍政権を疑問視し、「度胸あるなと思って見てるんですよ」と皮肉りました。

■ 安倍政権への批判相次ぐ
 また橋下徹元大阪府知事は4月5日、フジテレビの報道番組「日曜報道 THE PRIME」(日曜、前7・30)に出演し、「安倍政権は全国的な蔓延にまだ至っていないようなギリギリの状態だってことばっかり言うんですよね。でもね、全国的な蔓延になったら遅いんですよ。その全国的な蔓延を防ぐためには、大都市部の蔓延を防がなきゃいけないんです。それが東京と大阪ですよ」と指摘し、続けて「安倍政権はこれまで、法律の解釈に関してはウルトラC的な解釈をさんざんやってきてるのに、なんでこの特措法の解釈のところだけね、厳密に厳密に解釈してるのか分かりません」と皮肉りました。
 しかしやや怖いところがありますね。緊急事態として国や自治体に権力を持たせる怖さです。ただ、日本の今の法律では、欧米のようなロックダウンはできません。大多数の国民が自粛しようとしても一部の従わない人間がいるから、コイツラを押さえ込むには緊急事態宣言してもらうしかない、という議論になっているわけです。いかにも日本的です。

我が家のカネのなる木、花盛りです
 確かに我が家の隣組の焼肉キングでは、広い駐車場に車がギッシリ、入店待ちの客がゾロゾロ、排気の煙がもうもうと排出され、店内は満席、ぎゅうぎゅう、むんむん、がやがやしている様子を外から見ると、ダメダコリャと思いますね。もちろん換気はバッチリだと思いますが、見た感じ、3密です。土日外出自粛、関係アリマセン。

■ 戦後すぐの食糧難の買出しか?
 4月5日日曜日の午前中、イオン系列のスーパーに買い物に行きました。プラスティックの買い物袋は不要として貰いませんから、リュックを背負ってです。食品スーパーではその店しかチラシが入ってきませんでした。洋服のAOKIなどは、店内商品50%オフ、売れなくて困っています、助けてください、という、これはまあ何と言う正直な広告、最近チラシがめっきり減って、入って来るものと言えばジャパネットタカタとか、宅配弁当とか、メモリアルホール、墓地など...他の食品スーパーでは店頭に「商品の入荷が不安定なため当分チラシは止めています」と張り紙されています。我が家から最も近い食品スーパーは、チラシを止めたので極端な目玉商品はなくなりました。それでも客足は増えていますから笑いが止まらないでしょう。品出し店員を増強して、売れるソバからガンガン補給しています。もう店内は戦争状態です。リュックを背負って買出しとはまるで戦後すぐの食糧難のときみたいですが、たくさんあるレジがフル稼働でもお客さんは長蛇の列、それもヨーロッパや韓国みたいに一定感覚空けてではありません。これは怖い、3密にはなっていませんが、近い状態です。米や即席めん、パスタ、納豆などの棚が閑散としています。紙製品は棚ガラガラの店とタップリある店が両極端、どうしてでしょう?「在庫はたっぷりあります」と言いながら、スーパーのガラガラの棚を映すテレビ画面の影響でしょうか。

■ 緊急事態宣言発出は2020年4月7日
 国民が緊急事態宣言を求めると言う異常事態ですから、さすがに政府もそろそろ決断するだろうと思っていたらヤッパリ、明日4月7日(火)発出だそうです。対象は首都圏の”ちかさと”すなわち千葉県、神奈川県、埼玉県、東京都と、大阪府、兵庫県、福岡県で、期間は5月6日までの1ヶ月とのことです。
 それが報道されると日経平均株価が急上昇しました。これは何も不可解な現象ではなく、株の世界は先取りですから、コロナもいつか収束する、悪材料は好転の兆し、というわけなのです。安倍首相は今や満身創痍みたいな感じで、特に「人となりが信用できない」という不支持理由が多くなっているそうです。菅原経産大臣の辞任、桜を見る会、検事長の定年延長、森友問題での自殺官僚手記と奥さんの真実を知りたいとの訴え、森まさこ法務大臣の失態、河井案里参議院議員の公職選挙法違反問題と夫の克行前法相の買収事件など、これでもかと問題がゾロゾロ、普通の政権ならとっくに吹っ飛んでいるのに、野党がふがいないがゆえになかなかしぶとく持ちこたえています。まあ野党と言っても大半は元自民党分派みたいなものですから当然です。ただ今回のCOVID-19がもたらす経済危機は、安倍首相の1丁目1番地である経済を直撃していますから実にヤバイですね。危機的状況でのサプライズ・リーダーシップで人気挽回などという不遜な狙いが無いことを祈りましょう。

■ 休めと言われても働かざるを得ない人
 安倍首相がどうしてここまで緊急事態宣言を出し渋ったか、これは推定ですが、法的に強制力の無い宣言を出したときに困るのは休業せざるを得ない業者や労働者、その補償をどうするかでしょう。早く緊急事態宣言を出せ、経済より大事なのはイノチだろうとワイワイ言うひと、しかし今や日本の働く人の中で、およそ3千万人は貧しい人なのです。日本の労働者の実質賃金はず〜〜っと減り続けています。そういう人たちはテレワークなどできません。どうしても働きに行く必要があるのです。1ヶ月引きこもれる人は豊かな人なのです。多くの貧しい人たちに休業を命ずることは、これまでの政府の政策に対するとめどもない怒りを誘発する恐れがあるからでしょう。

外来種のナガミヒナゲシは駆除すべき

■ 休業補償への企業の対応
 コロナ休業補償でサイゼリヤが失点しましたね。休校で国が保護者に用意した助成金を利用せず、独自の特別休暇制度で一律2千円/日支給するということに反発した従業員の告発が大々的に報道されてしまいました。会社が助成金を申請してくれず、そこで働く労働者が追い詰められるケースは何故起きるのでしょう?ひとつは支給額には上限額(8,330円/日)があるため、日額換算した賃金額が8,330円を上回る場合、会社にも財政的負担が生じるというケースがあるそうです。二つ目は会社が対象労働者を休ませたくないために、助成金の申請をしないケースです。サイゼリヤのケースはこれに該当するようです。従業員が店長にどうして助成金を申請してくれないのかと問うたところ、「休む人が多くなるとお店が回らない」と答えたそうです。サービス業では常に人手不足の状態にあり、休まれると業務運営に支障が出かねないという理由から、せっかく助成金があるにもかかわらず、休暇を取得させないという対応が起きているわけです。他には、会社が単に助成金申請のための手続きが面倒だからやらないというケースもあるみたいです。

■ acジャパンのCMが増加
 最近テレビCMでacジャパンが目立ちます。東日本大震災以来ですね。実は今回の新型コロナウィルスが問題化するよりずっと前から、この現象は目立っていました。今やCMはテレビよりネットが主になっています。それはテレビを見ない若者が増えて、スマホでネットCMには接するが、テレビの力が落ちているという表れでしょう。もちろん新型コロナウィルスで休業せざるを得ないアミューズメント他の業種や、工場が次々操業停止している自動車などはCMを停止せざるを得ません。逆に消毒用の薬品や、洗剤など売れに売れて、商品供給が間に合わない業種などはCMを止めざるを得ません。

■ 志村けんの木
 東村山市出身のコメディアンである志村けんさんは「東村山音頭」等を通じて、東村山市の名を全国に広めた功績に対し、昭和51年、市が感謝状を贈呈したことをきっかけに、東村山駅東口ロータリー(グリーンバスのバス停付近)に、市の木である「けやき」が3本植樹されました。このけやきを「志村けんの木」と呼んでいます。もともと「東村山音頭」というのは、昭和36(1961)年、東村山町農業協同組合が中心となって企画して多摩湖小唄とともに作られました。東京音頭に負けない郷土の民謡を作りたいという強い思いを抱いた農協幹部を中心として郷土の民謡の製作を進めることとなったのだそうです。歌うはキングレコード専属歌手の三橋美智也、踊りの振り付けは、昭和を代表する日本舞踊家;花柳徳兵衛というのですから豪華なものです。しかしなんと言ってもこの唄が全国に知られるようになったのは、ドリフターズですね。メンバーで将棋を指しているときに、志村けんが好調になってくると歌いだすヘンな唄を、ドリフの歌の中に採り入れたのだそうです。
志村けんの木…東村山駅東口ロータリーの3本けやき
 考えてみれば、それだけ志村けんの中に郷土愛があったのでしょう。そういう筆者だって、「南部よしゃれ」(雫石よしゃれ)が身体に染み付いていて、時折出ます。同じようなものですよ。

■ 暗い世相だからこそ笑いが必要
 志村けんさんの特番が各局で放送されています。見ながら腹を抱えて笑いました。あまりにも可笑しくて、涙が出てきました。新型コロナウイルスで暗い世相になっているときに、大笑いしたらスッキリしました。この人の素晴らしさは、笑いに嫌味が無いことです。その証拠に、志村けんさんに会ったひとが、別になにもしていないのに笑顔になり、顔を見合わせて大笑いしてしまう、存在そのものが笑いになってしまうのですが、では何が可笑しいのか、表現が不適切かもしれませんが、もう人々の中にウイルスのように志村けんの可笑しさが染み付いてしまっていて、想像するだけで吹き出してしまう、もう立派な感染症になってしまっているのです。昨今イジメみたいにして笑いを取るお笑いもありますが、志村けんさんの場合はそれがありません。子どもに好かれるのはそのためでしょう。合唱団とか、カラスの勝手でしょとか、思い出しただけで可笑しい!

■ 嘲って笑いを取るチコちゃん、キョエちゃん
 例えばいま、NHKで「チコちゃんに叱られる」というのが大人気で、5歳の女の子に「ボーッと生きてんじゃねえーよ!」と叱られるのですが、この中でお笑い芸人・岡村隆史さんを5歳の女の子が「ねぇねぇオカムラ〜」と呼ぶのも違和感があります。ましてや、カラスのキャラクター「キョエちゃん」が地方に赴き、岡村さんの結婚相手を探すという企画・・・キョエちゃんに「この男と結婚してくれませんか?」と不躾に聞かれた人たちは、一様に「ムーリー!」と両手で大きくバツを作って拒否するのです。そもそも「嫁探し」というのは?岡村さんを嘲って笑いを取る?世相とは言え、志村けんさんなら絶対こんなことはしませんね。

■ 東村山・鷹の道
 なお東村山には「鷹の道」というのがあって、筆者の会社人生の中で最も思い出に残る場所です。ここで空調制御システムを納入し、このビルは空調学会賞を受賞しました。明日、明後日の空調負荷を予測して、安い深夜電力を利用して冷熱と温熱を蓄熱し、日中の空調電力を出来る限り削減して電力ピークカットに貢献すると言う画期的システムでした。ところが今のように天気予報の精度が高くありません。しかし博打のようなソフトウェアを作るわけには行きません。すごく苦労しましたが、いろいろな方の励ましと協力があり、思い出深い物件です。特にビル管理の当麻さんというおじさんには大変励まされ、くじけそうになっても、頑張れと明るく言われ、ようしと発奮したものです。我が家から車でオーソドックスな道を走れば13.9kmしかありません。ところが間に所沢市があり、このまちは西武線がX状に走る上に雲の巣みたいな道路で、まさに迷路のようで、抜けるのがはなはだ困難なまちなのです。それを何度往復したことか。百回ではきかないでしょう。裏道を覚えて、それでも信号機が多いので30分強かかりました。

■ C・W・ニコルさん逝去

 環境保護活動で知られる作家のC・W・ニコルさんが2020年4月3日 直腸がんのため長野市民病院で死去されたとのことです 79歳でした 2016年に直腸がんが見つかって入退院を繰り返し 東京都の病院から3月末に信州の自宅に戻りましたが 3日後に容態が急変しました 葬儀は親族のみで営んだそうです 喪主は妻眞理子さん 後日 お別れの会を開く予定とのこと 英国ウェールズ生まれで カナダやエチオピアで海洋哺乳類や野生動物の保護に取り組みました 1962年に空手の修行で初来日 1975年の沖縄国際海洋博覧会でカナダ館の副館長を務めた後 1980年から長野県信濃町の黒姫高原の森に居を構えました 荒れ果てた里山を購入し 「アファンの森」と名付けて間伐や除草などによる森の再生活動を始めました 執筆活動やテレビ出演 全国での講演会などで森づくりの必要性を訴えました 1995年に日本国籍を取得し 2002年に「C・W・ニコル・アファンの森財団」を設立して理事長に就任しました 豊かな森を作り その保水力で環境保護するという活動の重要性を説きました 主な小説に 和歌山・太地の捕鯨を描いた「勇魚」や ファンタジー小説「風を見た少年」などがあります 2005年にはエリザベス女王より名誉大英勲章を受章しました ニコルさんは単なる環境保護活動家というよりも 自らを「ナチュラリスト」と呼びました 人間は古来 狩猟によって生きてきました 野生の生物の命を奪って生きてきました 殺した瞬間から神に許しを乞うて それは食糧になる 余さず利用することこそ 奪った命に応えることだというのです そして捕獲に罠は絶対ダメ それを推奨する日本国政府はトンデモナイと怒ります また日本は 年間60万頭殺した鹿の91%を捨てていることを本当に恥ずかしいと言います 鹿も猪も熊も 殺したら有難く頂くことこそ命の尊厳に応えることなのだと言います これが日本の環境活動家との違いです 心よりご冥福をお祈り致します 合掌


C.W.ニコルさん
(2020年4月6日)


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