2019年も押し詰まりました。年末は忘年会や外食続きでやや体重が増えたのは問題です。今年は新たにふじみ野こどもエコクラブの活動に参加して、特に農作業にいそしみました。ふじみ野市環境審議会委員にも就任しました。少年野球や産業人会、ふるさと会、同窓会の活動も相変わらず続けています。そんな中でも温泉三昧は続きました。有り難いことです。昨週25、26日は毎月恒例の伊香保でした。来年は4年続けてきた国立大学法人の経営協議会委員の任期が3月で終わり、やっとひとつ役職が減ります。1年が過ぎるのを早いと感じるのは年取った証拠で、少年時代などは長く感じるのだそうです。何にでも興味を持って、知識を吸収する時期には、時間はいくらあっても足りない・・・ああもっと時間が欲しい、と感じるのですが、それだけ時間を大切にしているわけです。図書館に行くと、ヒマそうな老人がタムロしています。対価を得る仕事をしなくて良いから、世のためになるボランティアをしたらどうかなぁと思います。 ■ 1年を振り返り・・・経済面は 2019年はどんな年だったか?経済的には良いのか悪いのか?企業は米中経済摩擦によって大変苦労した1年だったと言えます。年末に掛けて製造業の業績悪化が進行していると報道されています。銀行の先行きは一段と不透明になり、特に地方銀行は生き残り策を模索しています。そんな中で株価は上昇しました。令和初の大納会を迎えた12月30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は2万3656円62銭でした。年末としてはバブル期の1990年以来29年ぶりの高値です。米国と中国の貿易摩擦による不安が後退した年後半にかけて買われる銘柄が増え、大納会株価は昨年は12.1%安だったのに対し、前年末比18.2%高と2年ぶりに上昇しました。ただし30日の日経平均は前週末比181円10銭安で、これは利益確定売りでしょう。市場関係者は、2020年の株価について「東京五輪・パラリンピック後の国内景気や米大統領選の行方が読みにくく、難しい相場になる」と予想しているそうです。「歴史は繰り返す」・・・およそ30年周期のバブル崩壊の年にあたる2020年・・・不安ですね。日経平均株価が急上昇して、みんなが強気になったときが危険、ただ、どう対処するかが問題です。 ■ 日本では人口減少に伴う経済縮小へ 日本の人口減少はのっぴきならない状況に突入しました。出生数は最少を更新、一方死亡数は最多を更新中という状況で、毎年島根1県が消えていく勘定です。当然消費が減りますから、日本の内需も先細りです。今はまだ高齢者も働いていますが、団塊の世代が後期高齢者になっていくと仕事は出来なくなる、介護対象者は増える、急激に経済は縮小します。地方では耕作放棄地が増えています。町では閉鎖する商店や食堂が目立ってきました。街を歩く人も地方ではあまり見なくなり、都会では老人がやたらと目立つようになりました。この現象は長い時間をかけて日本経済が凋落してきて、こどもが産まれにくい社会システムを作ってきた結果ですから、簡単には対策がありません。 ■ 米国では債券バブル崩壊の恐れ 米国では物価がジリジリ上がっています。債券バブルが崩壊する不安材料です。8月14日には逆イールド(10年物国債と2年物国債の金利逆転)が発生しました。2000年のITバブル、2007年の住宅バブル(サブプライムローン)〜リーマンショック、ともに逆イールドが先行指標として現れました。NYダウが新高値を更新し続けていることも、先行指標として知られるだけに警報です。債券市場は一方通行に近いので、売りが売りを呼んで債券利回りが急上昇(債券価格は下落)し、株価もつれ安という事態が、恐らく大統領選挙と絡んで、2020年後半のどこかで発生するのでは?という声が市場関係者の間で出ているそうです。日本企業は、いわゆる内部留保を463兆円保有しているため、外国機関投資家の対日投資が急拡大する材料であり、債券バブル崩壊で日本株が急騰するのではないかと囁かれています。そうなると為替は円高になり、製造業は苦しくなります。 ■ 日本郵政グループのトップ刷新
■ 政治混乱の様相 政治的には大混迷に突入しそうな年末でした。総務省の鈴木茂樹次官(63)が高市総務相に更迭されました。菅義偉官房長官と近い日本郵政の鈴木康雄上級副社長に情報漏えいしたためです。高市総務相は携帯料金値下げやNHK問題など、総務省に手を突っ込んでくる菅義偉官房長官に怒り心頭だったようです。更に自民党の秋元司衆院議員(48)のカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職容疑の逮捕でスッタモンダの大騒ぎです。年明けの政局はいったいどうなることやら、想像もつかない状態です。安倍首相は自らの後継候補として@岸田文雄政調会長A茂木敏充外務大臣B菅義偉官房長官C加藤勝信厚生労働相の4氏を挙げましたが、いずれも国民から支持率ひとケタの人たちです。人気第一位だった小泉進次郎氏は環境大臣で入閣してしまったために急落です。首相の後継候補を育てようとするのなら環境相というポストは有り得ません。原発処理水問題や海洋プラスティック問題、石炭火力発電所問題などで難しい課題を抱える省庁です。だからこそ手腕を試したかったというのならそれは詭弁です。案の定「セクシー発言」やグレタ・トゥーンベリさんに対する「大人の発言」、さらに政治資金問題から不倫疑惑まで、火の車状態です。マスコミも何考えてるんだ?という感じです。 ■ 石破茂さんの人気が急上昇 こんな中で「文春オンライン」が12月11〜19日に調査した結果では次期首相候補として石破茂さんの人気が急上昇、得票率34%で断トツ1位とのことです。2位は20%で、在任期間歴代最長を更新した安倍首相・4選(本人は否定しています)、3位は10.5%で河野太郎防衛相、4位は9%の小泉進次郎環境相、5位は4.9%岸田文雄政調会長、6位は4.1%野田聖子氏、7位は菅義偉官房長官、8位は「れいわ新選組」山本太郎代表、9位は茂木敏充外務大臣で、加藤勝信厚生労働相は選外です。石破茂さんは顔はちょっとコワイですが、正論を堂々と述べます。演説を聴いていると数値をきちんと使って、説得力抜群です。勉強してるな、と感じます。時々、自民党の政策からも外れるようなことを言うことがあります。地方創生や少子化対策、男女平等などへの対策論も的を射ています。2019年後半は韓国のことを一生懸命勉強したそうです。曰く「いかにして韓国と適切な関係を保っていくかというのは日本の外交にとって死活的に重要な問題だ。それは今までもそうだったし、これからもそうだ。それは好き嫌いの問題ではない」。また自民党総裁選に対して聞かれたことに対しては
■ 不穏な国際情勢…今こそ日本の活躍を 国際的には米国の内向き化、中東の不安定化、英国のEU離脱確定的、香港のデモと中国当局の姿勢、米中対立、日韓対立、ブラジルのとんでもない大統領の出現など、不穏な空気が漂っています。2020年には米国大統領選挙がありますが、民主党の候補がイマイチ魅力的でないことが問題ですね。米中対立は現在関税を掛け合う貿易戦争に焦点が当っていますが、実は情報戦争が本質で、どちらが5Gなど次世代情報技術で覇権を握るかの戦いです。こういうときこそ本来は日本が米中両大国の間に立って、主導権を握るべきです。中曽根元首相が、レーガン米大統領とゴルバチョフソ連書記長の間に立って冷戦終結に導いたときのような行動力です。 ■ 陽水の50年〜5人の表現者が語る井上陽水〜 NHK総合テレビで2019年12月27日(金)午後10時〜11時15分、デビュー50周年を迎えたシンガー・ソングライター・井上陽水(いのうえ・ようすい)の軌跡をたどる特集番組を見ました。井上陽水は筆者より1歳年上です。団塊の世代ド真ん中です。井上陽水は本名で、「ようすい」ではなく「あきみ」だそうです。子供の頃は女の子みたいでいやだったそうですが、父親が若水(わかみ)ですから、さもありなんという気もします。 1969年9月にデビューしました。1967年に高校を卒業し、親父の歯科医を継ぐべく大学受験に3年不合格で、好きだった歌のために福岡県から上京したのです。井上陽水を語ったのは、ニューミュージックシーンを共にけん引した松任谷由実、80年代に共作した安全地帯のヒット曲でランキングを席けんした玉置浩二、90年代にタッグを組み、PUFFY旋風を巻き起こした奥田民生、そのマルチな活動の原点は陽水との出会いだったという小倉生まれのリリー・フランキー、そして2019年、井上陽水のトリビュートアルバムで「少年時代」をカバーした宇多田ヒカルでした。
■ 井上陽水の世界 井上陽水はこう語りました・・・「こういう機会にいろいろ「あ、こういう曲もやってたんだ」っていうね。すこしだけでもいいから聴いていただきたいですよね・・・(省略)・・・ある曲に対して「え、これが途中で終わるの嫌だ。これ最後まで聴きたい」なんて。奇特な方もいらっしゃるかもわかりませんが、やっぱり好きな曲が途中で止まるね...切なさ、はかなさ、もののあはれ、みたいなことを感じていただきたい。あ、世の中で生きてるってことはこういうことなんだなあってことを、メドレーを聞きながら感じていただきたいと...」。番組の中で披露された井上陽水の名曲の数々は、下記の通りです。 @デビュー曲「カンドレ・マンドレ」、A「闇夜の国から」、B「ダンスはうまく踊れない」…後に夫人になる石川セリさんの部屋へ行って、気を引こうと30分ぐらいで作った曲だそうです、C「飾りじゃないのよ涙は」…中森明菜に提供しましたね、D「とまどうペリカン」、E「ワインレッドの心」…安全地帯で大ヒット、玉置浩二がボーカルでした、F「ジェラシー」、G「最後のニュース」、H「海へ来なさい」、I「カナリア」、J「結詞」 ■ 松任谷由実は陽水夫人の親友
陽水いわく、「ユーミンはね、僕の周りに音楽関係者、アーティストいますけど、まあ数少ないリスペクトできる人ですね。歌詞にしろメロディにしろサウンドにしろね。ファッショナブルな感じとかスケールとか」。
■ 井上陽水奥田民生というユニット結成 奥田民生・・・「陽水さんの歌詞が面白すぎて。改めて。知ってはいましたけど。さっき見た道すがらのことを書いてあるだけじゃないですか。そういうので作品になって仕上げてしまうんだなっていうところは、スゴイ!しかも何も知らない小娘(PUFFY)に歌わせてたっていうのが一番でかいと思うんですけど。歌ってる人も絶対わかってないよねってムードも出てましたし。誰が責任取るんだ!誰も取らないよっていうものだったんですよね、あれは。だからこそなんつぅですかね、パワーがあったんじゃないでしょうかね」 陽水いわく、「やっぱり父親として、息子に関心持ってるところを示さないといけないなと思ってね、どんなの聞いてんの音楽?と聞いたんですよ。するとユニコーンの「雪が降る町」だという。その歌詞を気に入り、奥田民生にその歌詞を書き写した手紙を送ったことが出会いのきっかけで、その後、小泉今日子の「月ひとしずく」やPUFFYの「アジアの純真」などの共作を経て、自然発生的にセッションを重ね、井上陽水奥田民生というユニット結成に至ったんです」 ■ PUFFYの『アジアの純真』の歌詞はどうやってできたか?
■ 井上陽水とリリー・フランキーは同郷で気が合う リリー・フランキーは陽水とメルトモだそうです。夢は水戸黄門と語った井上陽水、助さん(奥田民生)と格さん(玉置浩二)を従え、司会はリリー・フランキーに任せたいと言っていました。何のこっちゃ?
■ 井上陽水の曲の中で好きな歌 実は井上陽水の歌はよく歌います。
■ 井上陽水の詞 井上陽水の詞はスゴイといろいろな人が言います。確かに井上陽水の詞は阿久悠を除けば他の作詞家には無い独特なものがあります。例えば「少年時代」の風あざみ、宵かがり、夢花火・・・これらは一般には存在しない、すなわち陽水の造語です。「風あざみ」→「風に揺れるアザミの花」、「宵かがり」→「宵のかがり火」、「夢花火」→「夢のようにはかない花火」なのです。「傘が無い」では「都会では自殺する若者が増えている」し、「テレビでは我が国の将来の問題を誰かが深刻な顔をしてしゃべってる」のに、自分にとっていま重要なのは恋人に逢いに行くのに雨が降ってきて、傘が無いことだ!雨に濡れちゃうよ・・・ってことなのです。それかよ?という感じですね。でも、そんな若者なら自殺しないのではないでしょうか。かと思えば「人生が二度あれば」では老父母を想う気持ちが良く出ています。「ジェラシー」は奥様に対する想いなのではないでしょうか。安全地帯へ提供した詞は、玉置浩二の甘い声に最もフィットする好きな女性への情感を綴ります。しかし宮沢賢治の雨ニモ負ケズは「ワカンナイ」というのはいかがなものでしょうか。今や年々人気が高まるばかりの宮沢賢治は、時代が賢治の理想とした仏教思想、思いやりの心でもって他人と接する世界からどんどん乖離しているからこそ人気が高まっているのです。それを「ワカンナイ」と歌う陽水は、陽水らしい反語の表現なのではないかと想像します。賢治の言葉が「ワカンナイ」時代になっちまったよ、と歌っているのだろうと思います。 陽水の初期の詞は日常のことをサラリと歌うものでしたが、年齢を重ねるに従い変わってきました。作詞における基本構造は、単語を繋げることだそうです。作詞をするときに国語辞典をひくそうです。その中で、本人が面白いと思う単語を抜き出してきて、それを繋げて歌詞にしてしまうのだそうですよ。つまり、本人の美意識にフィットする単語の羅列から生まれる歌詞ということになりますから、ストーリーやコンセプト、意味が明確にされていないことが多いということでもあります。 (2019年12月30日) |