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 本日はクリスマスイブです。といっても実際には日没以降がクリスマスイブです。Christmasというのは、Christのmass、すなわち「キリストのミサ」という意味で、イエス・キリストの降誕祭です。誕生を祝う日であって、イエス・キリストの誕生日ではないそうです。「教会暦」の一日は日没から始まり日没に終わります。つまりクリスマスは、12月24日の日没から始まり、12月25日の日没で終わります。イヴはevening(晩)ですから、24日の昼間は「クリスマスイヴ」ではなく、24日の日没以降、夜明け前までがクリスマスイヴです。とはいえ、現実には日没から午前零時ぐらいまででしょう。
それにしても日本にはクリスチャンはそう多くないのに、メリークリスマスと言って街中に音楽が流れますね。何でもいいからイベントにして商売にしようという商魂と、それに乗りたい祭り好きの国民性なのでしょうか。このときしかケーキを食べないという人もいるかもしれません。街のケーキ屋さんがドンドンつぶれてるみたいですね。弁当屋さんがつぶれているのと同じです。少子高齢化時代、今やコンビニやスーパーで買う、カフェで食べる、消費形態が変わったのです。

■ バードウォッチング
 前回「隣家の柿の木にヒヨドリやメジロ、スズメなどの小鳥が来て、一生懸命食べる回数が増えてきました。パソコン部屋の眼下なので、とにかくピーチクパーチクにぎやかです」と書きました。ところが見ているとどうも鳥の種類はとても多いようです。カラスやハトは来ません。小鳥ですがオナガのような中型に近い鳥から、メジロなどの小さな鳥まで様々です。右の写真はベランダから見下ろして撮ったものですが、この中に何羽居るか分かりますか?とにかくたくさんの鳥がやってきます。ツグミやシロガシラ、モズ、ムクドリ、シジュウカラ、セキレイなど、とにかくいっぱい、大型の緑のインコがツガイでやってきたときは、「キレイだなぁ」と見とれてしまいました。この分だとたわわに成っていた柿も、もうすぐ無くなるでしょう。

■ メジロのしたたかさ
 この小鳥の生態を見ていて感じるのは「メジロのしたたかさ」です。他の鳥は人間の気配を感じるとさーっと飛び去ってしまうのですが、メジロは全く動じません。大きな鳥ほど逃げ足が速いように感じますが、メジロよりやや大きいスズメも逃げるのにメジロの平然とした様子はすごいです。メジロは全長11.5cmと小さいだけに動きが素早いので、慌てて逃げる必要がないのでしょう。鮮やかな黄緑色なので、ウグイスと間違える人もいます。実はややこしいことに鶯はウグイス色ではなく、メジロこそウグイス色なのです。花の蜜が好きなので、我が家のアブチロンなどにも口をつけています。甘い物好きのヒヨドリと共にメジロもアジアの熱帯地域に生まれた鳥と考えられています。よく梅にウグイスという構図の絵がありますが、あれは梅にメジロと言ったほうが正解です。
 夫婦で小鳥を眺めながら、「今年はどうしてこんなに鳥が多いんだろう?」と首を傾げています。柿が豊作だというのなら他所の家も同じでしょう。考えられるのは餌が減ったことです。開発が進んでいることで、よりたくさんの鳥が集まってくるようになったのではないか?だとすれば由々しきことです。

メジロ

■ 鳥は「渡り区分」によって種類分けされる
 鳥は、「渡り区分」によって種類分けされます。
渡り区分 説 明 主な鳥
夏鳥 春から夏にかけて日本に渡来し、秋に日本を離れ越冬地に移動する渡り鳥。主に日本より南方から渡来し、日本で繁殖(子育て)をする ツバメ、アマサギ、オオルリ、キビタキ、クロツグミ、ハチクマ、サシバなど
冬鳥 秋から冬にかけて日本に渡来し、春に日本を離れ、繁殖地に移動する渡り鳥。日本より北方で繁殖(子育て)し、日本で越冬をする ツグミ、ジョウビタキ、ユリカモメ、マガモ、オオハクチョウ、マナヅル、オオワシなど
留鳥 日本の中の同じ地域に一年中生息し、繁殖(子育て)をする。基本的には、夏鳥や冬鳥、漂鳥のように季節的な移動をしない カワラバト、キジバト、メジロ、ハシブトガラス、スズメ、キジ、ヤマドリ、フクロウ、ウグイスなど
漂鳥 日本の中で季節的な移動をする鳥。標高の高いところや、緯度の高いところで繁殖(子育て)し、冬はより暖かい地域に移動し越冬する ウグイス、ヒヨドリ、ホオジロなど
旅鳥 春秋の移動の途中に日本に立ち寄る鳥。主に日本より北方で繁殖(子育て)し、日本より南方で越冬する オオジシギをはじめトウネン、ムナグロ、ダイゼンなどシギ・チドリ類に多い
 こうした「渡り区分」についての詳細は、「サントリーの愛鳥活動」というホームページが参考になります。

■ 菅官房長官窮地
 前回安倍首相主催の「桜を見る会」の問題を採り上げましたが、本来問題に成るはずの無いことで紛糾したのは、「隠蔽体質」や、「文書管理のあり方」の問題に発展したからだと書きました。これまで安定した記者会見で乗り切ってきた菅義偉官房長官が、どうしてシドロモドロになってワケのわからない説明に終始したかと言えば、「説明のしようがなかったから」だったのでしょう。民主党政権時に議事録がきちんと残されていなかったことに菅義偉氏は自らの著書で、「公文書管理をきちんとすべきだ」と批判しましたが、記者会見で同じことを言われると奇妙奇天烈な論理で弁明しました。菅官房長官の推しで入閣した菅原経産相が辞任、河井法相も辞任して、足許がおぼつかなくなってきました。そこへ今度は山口敬之元TBSワシントン支局長(53)とジャーナリスト・伊藤詩織さん(30)との名誉棄損訴訟で、山口記者に330万円の支払いが命じられた事件に菅官房長官の陰が...というデイリー新潮のニュースが追い討ちをかけました。

ダイサギ

■ 伊藤詩織さんレイプ事件
 2015年4月に発生したこのレイプ事件は海外メディアから異様なまでに注目されましたが、その理由は欧米では考えられない「日本の性差別」を象徴する事件だったからのようです。おぞましいので詳細は省くとして、伊藤詩織さんの刑事告訴を受け、警視庁高輪署は、同6月準強姦容疑での逮捕状を取り、米国から帰国する山口記者を逮捕すべく成田空港でスタンバイしていたら、警視庁刑事部長から逮捕中止命令が出されたのだそうです。現・警察庁ナンバー3の官房長・中村格氏がその人で、本人が決裁したことを認めています。中村氏は菅官房長官の秘書官を長らく務め、その絶大な信頼を得ている人だそうです。その後書類送検を受けた東京地検は、1年後の2016年7月に不起訴を決定しました。詩織さんは2017年5月、検察審査会に審査申し立てを行なったものの、9月に「不起訴相当」の議決が出て、刑事事件としては決着しました。起訴されなければ事件にはならないからです。
ウグイス

■ 家賃・月200万円のレジデンスで暮らしていた山口記者
 レイプ事件当時山口記者はTBSワシントン支局長の任を解かれていました。それは自身が得たネタを放送できなかったのでそれを週刊文春に持ち込んだためでした。これがTBSを辞める原因となったのですが、2016年5月に退社するも、直後に『総理』(幻冬舎)を上梓しました。山口記者は総理ベッタリ記者と言われていましたが、ナント!首相官邸、日枝神社、国会議事堂を見下ろす広さ約239平方メートル、ハウスキーパーによる週2回の無料清掃付きの部屋で暮らしていました。東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急は客室が18〜29階となっていて、15〜17階が賃貸住宅「ザ・キャピトルレジデンス東急」です。しかし一介の記者がどうすれば家賃・月200万円のレジデンスで生活できたのか?その裏にいろいろあったようです。
ニワトリ

■ 山口元記者敗訴…検察と裁判所の判断が分かれた形
 伊藤詩織さんは民事裁判を起こしましたが、山口元記者は反訴として伊藤詩織さんに1億3千万円の損害賠償を求めました。詩織さんに準強姦被害を訴え続けられ、ジャーナリストとしての社会的生命を絶たれたなどとして営業損害を求めたのです。テレビ番組出演などの営業収入1400万円ほどに加え、菅官房長官の口添えなどで別の社の顧問も務めてきた顧問料が2社で約750万円あったのに、2018年度は無収入に陥った...名誉回復して従前通りの収入を得るための時間を見積もって、5年でその計算になるのだそうです。敗訴を受け山口元記者は控訴すると述べ、その理由として東京地検が不起訴と判断し、検察審査会でも「不起訴相当」になっているんだから私に罪は無いとのことでした。しかし刑事では持ち込まれなかった事件に裁判所が出した判決は重いですね。検察と裁判所が別の判断をしたということになるわけですから。
カワセミ

■ 総務省の鈴木茂樹事務次官更迭、情報漏えいで
 菅官房長官は総務相として鳴らした人ですが、その総務省もまた大揺れです。高市総務相は記者会見して、総務省の鈴木茂樹次官(63)が、かんぽ生命保険の不適切契約問題を受けた行政処分案の検討状況を、元次官で日本郵政の鈴木康雄上級副社長に漏えいしたとして、懲戒処分としたと発表しました。鈴木次官は同日辞任、事実上の更迭です。鈴木康雄上級副社長は、かんぽ生命保険の不正販売を追及したNHK番組を巡り、日本郵政グループからの抗議を受けたNHK経営委員会が上田良一会長に対して厳重注意をした問題で、NHKへの抗議を主導した人です。NHKの取材手法を「まるで暴力団じゃないか」と批判していました。与党国会議員とのパイプ役を担い、菅義偉官房長官とも近いと言われていました。日本郵政は直ちに襟を正さないと組織のあり方を問われるでしょう。高市総務大臣は、総務省から日本郵政に天下りすること自体好ましくないと述べました。
ツグミ

■ 地に堕ちた財務省
 昔は財務省が官庁中の官庁と言われていましたが、森友学園問題の公文書改ざん事件でガタガタになりました。特に佐川国税庁長官・・・ひどかったですね。続いて福田次官のセクハラ辞任、いったいどうなってるんだという醜態の連続...結局最強財務省のお役人でさえも忖度せざるを得ないほど内閣府の力が強くなったと言うことです。

セキレイ

■ 大揺れの文科省・・・「身の丈発言」炎上
 安倍首相が戦後レジーム転換の基本として注力している教育改革の元締め;文科省には岸田派の林芳正氏を除いて、下村博文氏、馳浩氏、松野博一氏、柴山昌彦氏、萩生田光一氏と細田派の腹心を配置してきましたが、前川次官の造反や、次期次官と見られていた佐野太氏が息子を裏口入学させて捕まったり、とにかく文科省は大揺れです。
 そこへ、来年度から始まる予定だった大学入学共通テストへの英語民間試験導入が、萩生田文科相の「身の丈発言」で炎上し、延期になりました。これはもともと下村博文氏が文科相時代の2014年12月に方向性が打ち出されたものです。大学入試センター試験は2020年1月に廃止され、2021年1月から新テスト「大学入学共通テスト」に移行します。国語と数学に記述式の試験も取り入れることになっていましたが、萩生田文科相は「受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を現時点で整えることは困難だと判断した」と欠陥を認め、無期限の見送りを発表しました。文科省の重点事項である「入試改革の2本柱」がともに失われたことになります。萩生田文科相の「身の丈発言」は、親のカネの有無で子供の教育に格差が出るという現状を適確に捉えたものであり、萩生田氏の“本音”がポロリと出たものです。「教育の機会均等」を建て前としている文科省と大臣の発言が矛盾することになったわけですが、ここに文部行政の直面する課題がありますね。

ヒヨドリ

■ 受験生を後押ししながら採点業務を請け負うベネッセの戦略
 英語検定の民間試験導入ではベネッセと下村博文氏、官僚の癒着が従来から関係者の間では囁かれていたそうです。ベネッセは以前は福武書店でしたが、中高生向け通信添削講座「進研ゼミ」を柱に成長を続けてきました。タブレット端末を利用した新しいシステムの導入が遅れ、進研ゼミの会員が減少したため、2014年6月、日本マクドナルドHDで辣腕を振るった「プロ経営者」原田泳幸氏をベネッセHDの会長兼社長に招いた直後、子会社のベネッセコーポレーションの通信講座「進研ゼミ」の個人情報の漏洩事件が発覚、会員数は激減し、原田氏が進めようとしたタブレット学習への転換も不発に終わって二期連続の最終赤字となり、原田氏は在任期間わずか2年で引責辞任しました。そこで後任に三菱商事出身で米投資ファンド;カーライルグループの日本法人会長を務めた「プロ経営者」の安達保氏を招きました。再建請負人;安達氏は大学入試改革がベネッセHDを成長軌道に戻す絶好のチャンスと捉え、大学入試改革体制に組織をシフトしました。2017年5月、採点業務を行う学力評価研究機構を設立、2019年8月には、国語と数学の記述式の採点業務を受注しました。大学入試改革の最大の目玉である英語の民間試験の活用に備えて、英語の技能検定「GTEC」に全力投球し、2018年3月、大学入試センターは共通テストで使われる8種類の民間試験にGTECを認定しました。「進研摸試」に代表される受験産業の雄だったベネッセHDは、いまや“大学入試改革請負人”と呼ぶべき存在に大変身しましたが、受験生を後押ししながら採点業務を請け負うというのは、冷静に考えるとヤバイですね。
ムクドリ

■ 英語民間試験の導入延期
 東大が早々に英語民間試験の成績提出を実質的に求めないと発表したのは、様々な問題点があって時期尚早だと判断したからでした。東大はオールイングリッシュでの講義を行うなど、英語採用に付いては最も進んでいます。「東大がそんなことでどうするんだ、文科省はよく指導して頂きたい」と下村博文氏が自民党の会議で発言したとNHKが報道しました。別に問題発言ではなく、教育のグローバル化のために英語教育は大事なのですが、最先端の東大がなぜそういう対応をしたかと言えば、受験生の公平性に問題ありと見たからです。例えばTOEFLに統一したとしても、高額な受験料どうするんだ、どこで受験するんだ、様々な問題点がありました。ほとんどの大学はそうは言っても文科省の意向には逆らえず英語民間試験の結果を受容れるとしていましたが、天下の東大が逆らったのでは話になりません。
ジョウビタキ

■ 統合型リゾート施設絡みの汚職の疑い
 IR問題は案の定火を噴きそうですね。自民党の秋元司衆院議員(48)=東京15区=の元政策秘書らの自宅が外為法違反容疑の関係先として東京地検特捜部の家宅捜索を受けた事件で、多額の現金を無届けで国内に持ち込んだ疑いがあるのは、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業の元役員らだったようです。特捜部はIRに絡む資金移動の可能性があるとみて、IR担当の内閣府副大臣だった秋元氏の元政策秘書らを事情聴取するなど捜査しています。
 日本では2016年12月にIR推進法が成立し、候補地選定をめぐり、誘致レースが本格化しています。北海道は、新千歳空港に近い苫小牧市を優先候補地としていましたが、鈴木直道知事は今年11月、環境への配慮などを理由に見送りを表明しました。

オオルリ

■ 政治家の言葉や官僚用語
 政治家の言葉、信用できますか?官僚用語というものもありますね。「前向きに検討します」というのは「やりません」という意味です。昔法務大臣を務めた国会議員は、「法相は二つの言葉だけ覚えてればよい。『個別の問題にはお答えできません』と『法と証拠に基づいて適切に行っていると承知しています』だ」と言ったそうです。国民を馬鹿にしていますね。「善処します」というのもおおむね「何もしません」、「対応を協議する」というのは「話し合うだけ」という保留の意味だそうです。「真摯に受け止める」というのも受け止めただけで保留するわけです。保留を意味する政治家言葉は他にもあります。「適切な措置」「喫緊の課題」「諸般の事情に鑑み」「痛恨の極み」「極めて遺憾なことと受け止めています」「誠心誠意」「包括的に考え」「可及的速やかに」などです。「丁寧に説明する」というのは、結論は揺るがず、何を言われても聞く耳持ちませんという意味のようです。「カジノの計画は白紙で」と言っていた林横浜市長はどういう意味で言ったのか?どうやら結論を出していなかったから白紙と言ったんですということみたいですが、普通の受け止めは「白紙に戻す」ということでしょう。結局、曖昧な表現で納得してしまう有権者にも問題があるのです。
ハクチョウ
(2019年12月24日)


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