343  八幡平
 いよいよ10月に入りました。昨週月曜日の9月30日(月)は恒例の伊香保でした。おばあちゃんたちを乗せてアッシー君です。伊香保温泉の泉質はpH6.4のカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)です。お湯の中に含まれる鉄分が空気に触れることで黄金色になるんですね。
 10月の予定としては初旬に在京盛岡広域産業人会の視察旅行、盛岡つなぎから、八幡平を旅します。8日は「寒露」です。中旬には恒例の伊香保、10月19日(土)は岩手大学開学70周年記念行事のためまた盛岡ですが、単身早朝出かけて、午前に一つ、午後に二つのイベント、夜に祝賀会に出て、日付けの替わった深夜に戻る強行軍です。翌日立教大学に行かなければならないので仕方ありません。22日は即位正殿の儀、川越です。24日は「霜降」です。26日は湯島で在京雫石町友会役員会、月末は草津です。

伊香保温泉は黄金の湯

■ 東北道を走り、雫石駅前で昼食、七ツ森の墓参り
 雫石駅前は寺の下という地名です。新幹線停車駅とは思えない駅前ですが、突き当たりに崖があり、その丘の上に三つの寺が並んでいます。地元の人は俗称で上寺、中寺、下寺と呼んでいます。下寺は永昌寺と言い、曹洞宗で我が父母の菩提寺です。併設の保育園は、福田こうへいが通っていました。すぐ近くに、衆議院議員階猛さんの実家があります。
 雫石駅は「銀河ステーション」という名前で、2階改札口前の産直の店は思わず買いたくなる品揃えです。1階には観光案内所や雫石産品販売コーナー、イベントスペースがあります。「ごろすけホーホー」というレストランもあります。
 駅前に「いしや」という食堂があり、二人で、よしゃれそばと玉子あんかけラーメンを注文しました。共に700円、前は680円でしたが、消費税アップで値上げされたんですね。よしゃれそばは地元雫石で採れた山菜やきのこが載っていて、蕎麦がとにかく美味い!ラーメンは縮れ麺でこれも美味い!次に来たらざるそばで蕎麦そのものを味わってみようと思いました。昔、駅の真ん前には「階理容店」という伯父さんの店があり、近くに従姉の経営する「階畳店」もありました。石材店もあったので、「いしや」はその系統でしょう。
 雫石駅前にはもうひとつ「熊源食堂」もあります。みそラーメンが売りで、昨年まではワンコインでした。東京から来たラーメングルメが、「こんな美味い麺は東京には無い」と言ったそうです。そのうち行ってみよう。

いしやの「よしゃれそば」

いしやの「玉子あんかけラーメン」
 昼食後、雫石町営七ツ森墓地公園に行きました。我が家の墓です。やがて骨になったらここに納まるので、草取りして掃除しました。お彼岸に妹が備えた花がまだ残っていました。墓参り後、今は更地の旧実家前で国道46号線から右折してつなぎ温泉に近道しました。

■ 盛岡つなぎ温泉愛真館に宿泊
 在京盛岡広域産業人会の視察旅行に先立って盛岡つなぎ愛真館に泊まり、ホテル紫苑との湯巡りを楽しみました。どちらもしばしば利用します。この日愛真館では民謡ショーがあり、津軽三味線の三代目井上成美さんほか、井上ゆかり、るり子さんの唄を楽しみました。
つなぎ温泉愛真館の外観

庭園縄文風呂 ぬりさわの湯
 南部俵積み唄、沢内甚句、南部牛追い唄、南部よしゃれ節・・・良かったですね、最高でした。南部よしゃれ節は雫石の民謡で、雫石の町民は概ねこの唄を歌えますし、女は大抵踊れます。昔、雫石にもお城がありました。ここを攻略しようとした敵が、城の飲み水を止める水攻めの戦法を考え、湧き水の場所を探すため山伏姿で一軒の茶屋を訪ねました。山伏姿の隠密は、茶屋の美人おかみにぞっこん惚れ込んだとみせかけて、秘密の湧き水の場所を聞き出そうとしました。「茶屋のカカア(おかみさん)、花染めのたすきが今日は肩にかかっていないので、気にかかる」とおかみのたすきを褒めますが、山伏が怪しいと知っていたおかみは、「よしゃれ(よしなさい)、おかしゃれ(手にかくしたものを、置きなさい)、その手は食わないよ。その手を食うような野暮じゃないよ」と肘鉄砲をくわせました。隠密を上手く撃退したと知った村の人たちは喜び、この話を歌にしました。これが民謡”南部よしゃれ”の始まりだと言われています。唄うのは男でも女でも良いのですが、チョイサーノサーサという合いの手(はやし言葉)は高音の女声に限ります。民謡の多くがどことなく艶っぽい理由、わかる気がしますね。
南部よしゃれ節
(チョイサノサーサト チョイサノサーサ)
♪ハアーよしゃれ茶屋のかがあサァ
♪花染のたすきサァ-ハーヨー
(チョイサノサーサ)
♪肩にかからねでサーア
♪気にかかる
♪よしゃれサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサト チョイサノサーサ)
 ♪ハアーよしゃれおかしゃれサァ
 ♪その手はくわぬサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサ)
 ♪その手くうようなサーア
 ♪野暮じゃない
 ♪よしゃれサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサト チョイサノサーサ)
 ♪ハアーよしゃれ駒下駄のサァ
 ♪鼻緒が切れたサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサ)
 ♪誰がたてたかサーア
 ♪また切れた
 ♪よしゃれサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサト チョイサノサーサ)
 ♪ハアー南部南部とサァ
 ♪皆様おしゃるサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサ)
 ♪南部姉ことサーア
 ♪馬がよい
 ♪よしゃれサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサト チョイサノサーサ)
 ♪ハアーよしゃれよしゃれはサァ
 ♪どこでもはやるサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサ)
 ♪まして南部のサーア
 ♪雫石 ♪よしゃれサァ-ハーヨー
 (チョイサノサーサト チョイサノサーサ)

■ 八幡平ドライブ;樹海ライン〜アスピーテライン
 在京盛岡広域産業人会の視察旅行では、松川温泉から八幡平山頂をめざして樹海ラインを約15km、雫石町のマイクロバスで走りました。道路沿いには、蒸気が吹き出る「太古の息吹」や、標高1400mにある藤七温泉、大昔の噴火によってできた蓬莱境など、八幡平の特色を堪能しました。木々はうっそうと生い茂り、山頂近くは紅葉真っ盛りでした。赤と、黄と、緑が目に鮮やかでした。八幡平山頂直下でアスピーテラインに突き当たりました。レストハウスがあります。
 日本百名山;八幡平山頂は真夏でも15度という涼しさです。シンボルである八幡沼は、八幡平の湖沼の中で一番大きい沼で、エメラルドグリーンに輝く沼の周囲には、ミズバショウ、ニッコウキスゲ、チングルマ、ワタスゲと、高山植物が咲き誇ります。鏡沼は5月にドラゴンアイができます。新緑の季節、雪解けが始まって青く透き通った水面が「龍の目」のように姿を現します。わずかな時期だけの自然の神秘、運がよければ見られる奇跡の景色で、今やその時期には中国などから大挙して観光客が殺到します。山頂から八幡平アスピーテラインを下って行くと、標高ごとに景色が変わって行きます。熊笹地帯から、強風に枯れたアオモリトドマツの群れを抜け、右下眼下に沼が次々と現れます。硫黄ガスで枯れた木々、硫黄の白い山肌、噴出する蒸気...
ドラゴンアイ
 八幡平は日本百名山の中で最も行き易い山です。なにしろ山頂直下まで道路がありますから、ロープウェーで行く筑波山や谷川岳よりもっと楽です。八幡平樹海ラインと八幡平アスピーテラインでは樹木が全く違うのが分かりました。標高900mの松尾鉱山跡地は、今や日本の廃墟マニアの聖地、憧れの地だそうです。

■ 松尾八幡平地熱発電所を視察
 岩手県八幡平市で2019年1月から「松尾八幡平地熱発電所」の運転が始まりました。定格出力7499kWで、出力7000kWを超える地熱発電所の稼働は国内で約22年ぶり、1996年に稼働した大分県南西部の久重町にある九州電力の「滝上発電所」(出力2万7500kW)以来です。運営する岩手地熱は、日本重化学工業(出資比率14.959%)、地熱エンジニアリング(14.956%)、JFEエンジニアリング(29.913%)、三井石油開発(29.913%)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、10.258%)の出資です。発電設備は地熱蒸気によりタービンを直接回すシングルフラッシュ式を採用。発電した電力は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」を活用して東北電力へ売電し、JFEエンジニアリングの100%子会社であるアーバンエナジーが特定卸供給先です。
松尾八幡平地熱発電所
石油天然ガス・金属鉱物資源機構から助成金や出資を受け、債務保証対象事業として採択された国内初の案件だそうです。

■ 八幡平温泉
 八幡平は掘らなくても温泉が湧き出るような地域、日本初の松川地熱発電所を始め、今年稼動した新しい松尾八幡平地熱発電所など、まさに踏んだ地面の足の下はグラグラと煮えたぎっているような地域です。
 八幡平温泉は、八幡平ハイツをはじめ、アクティブリゾーツ岩手八幡平(旧八幡平ロイヤルホテル)や八幡平マウンテンホテル、八幡平ライジングサンホテルなど大きなホテルや、ペンション、別荘などが立ち並ぶ一大リゾート地区です。松川地熱発電所の副産物である熱水を利用して大規模リゾートが形成されました。昨年もペンションに宿泊しました。森林ふれあい学習館フォレストI(あい)も見どころです。

↑八幡平市観光協会のホームページより↓
八幡平温泉郷マップ

■ 八幡平ハイツに宿泊
 「八幡平ハイツ」は、右写真のように、岩手山の山麓から北に、長〜〜く裾を引いた地域にあります。周りが白樺林とゴルフ場に囲まれて、素晴らしい立地です。いわゆるビルではなく、ゆったり拡がったゆとりのリゾートホテルです。放射状に客室が展開されています。
 本館棟が1F、2Fに宿泊棟が有り、西館宿泊棟、別館特別室姫神(五つのツインルーム)が有ります。障子がカラフルで素適です。館内見取り図はコチラ(PDF)をご覧下さい。
 本館棟2Fに宿泊しました。部屋には檜の露天風呂が備え付けられていました。岩手山が眺望されます。盛岡から見る岩手山は、富士山のような優しい山ですが、北側から見ると雄々しい山に見えて、これもまた素適です。
 朝食会場のレストランの外は白樺林と芝生、まさに森林浴の真っ只中の感じです。相応の宿泊料金ですが、いい部屋、いい風呂、いい食事、満足しました。一級の宿、お墨付き与えます。

八幡平ハイツ・エントランス

部屋は露天風呂付き

内風呂
大浴場は、窓から屋外が眺められて、開放感抜群です。温泉は単純硫黄泉で、何の癖もありません

露天風呂
露天風呂には壷湯もありますが、雄大な岩手山が見えて絶景です


■ ふるさと納税に関わる事件
 八幡平ハイツでは、八幡平市の田村正彦市長の臨席のもと、懇親会を行いました。席上田村市長と親しく懇談しましたが、同市では過去「ふるさと応援寄附金事務代行業務受託業者による不正競争防止法違反事件」が起きました。返礼品の名産品「松茸」が降雨不足で高品質のものが確保できず、代行業者が他県産品を送ってしまったのです。産地偽装の疑いで関係者が逮捕されました。市ではインターネット上での寄附の受付を休止し、申し込み者にはお待ち頂いているようです。
 今月には鹿児島県いちき串木野市で昨年度、ふるさと納税返礼品の県産黒毛和牛を受け取った寄付者から、「ほとんどが脂身だ」などの苦情が100件以上寄せられていたことが分かり、宮崎県美郷町が返礼品として発送した県産黒毛和牛でも同様の問題が判明、いずれの自治体も、寄付者に謝罪して対応に追われています。

■ ふるさと納税制度の堕落
 ふるさと納税制度は、「地方出身者が故郷に貢献する」という趣旨で2008年度に始まり、返礼品の充実で広く普及しましたが、近年では「金持ちのための制度」と化し、本来の「ふるさと応援寄附金」の主旨から逸脱しているのが実態です。税金を使ったネットショッピングになって、自治体から業者にお金が還流する制度と堕しています。むしろ、現居住地に本来納めるべき税金を納めないため、特に金持ちの多く住む都会の自治体ほど苦渋しているのが現実です。そのため、今年6月に返礼品を「寄付額の3割以下の地場産品」に限った自治体だけが参加できる新制度に移行しました。総務省はこれに先立って同様の基準を守るよう自治体に要請していましたが、泉佐野市など4市町は要請に従わずに多額の寄付金を集めており「昨年11月以降、制度の趣旨に反する方法で著しく多額の寄付を集めていない」との基準に適合していないとして、新制度から除外しました。泉佐野市はこれを不服として、総務相を相手取って高裁に提訴する模様です。泉佐野市のようなずるい自治体がまかり通る制度なら、いっそ廃止すべきです。

■ 「ふるさと納税」をやめて、「ふるさと応援寄附金」にすべき
 菅官房長官が総務大臣時代に始めたふるさと納税制度が、本来の主旨から外れるならば、むしろコレを廃止し、本来の「ふるさと応援寄附金」にすべきだと田村正彦八幡平市長は力説していました。これによって従来型ふるさと納税は激減するでしょうが、本当にふるさとを応援したい人は寄付するでしょうし、現居住自治体にかける迷惑も激減するだろうと言うのです。市長会などでも、国への意見としてこれを注進すべきだと常々主張しているとおっしゃっていました。正論です。

■ 関電役員の金品受領問題
 関西電力は、とんでもない問題を起こしたのに、経営者が辞めませんという信じられない対応、何考えてまんねん、と思いましたが、あらゆる方面からの大ブーイングの結果、ヤッパリ八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)始め、金品を受領していた役員らが辞任することになりました。日本の大企業の企業統治はどうなってるんだ、と悲しくなります。

■ テコンドー協会の内紛問題
 強化方針などを巡って選手との内紛が起きている全日本テコンドー協会、金原昇会長(65)ののワンマン運営に対し、選手たちが反乱して揉めています。なにやらアマチュアボクシング連盟の山根明会長を彷彿とさせる金原昇会長の風貌など、テレビのワイドショーネタには最適の人物みたいで、先行きが懸念されます。そもそも、オリンピック前年にこんな揉め事が起きる団体って、どうなの?と思いますね。

■ 愛知トリエンナーレ・表現の不自由展再開
 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展『表現の不自由展・その後』が再開され、初日10月8日は、抽選で1回30人ずつ、合計60人限定でガイドがつくという警戒態勢のなかでの鑑賞となりました。延べ1300人を超える希望者が殺到したことを見ても、中味の善し悪しは別にして、見てみたいという人が大変多いことが分かりました。会場の安全対策として、手荷物検査の金属探知機を導入したり、抗議電話への対策として、専用の電話回線の設置などが行われました。一方、名古屋市の河村たかし市長は、会場の愛知芸術文化センター前で座り込みをし、抗議の意思を表明しました。市長が座り込み?何考えてまんねん。

■ 旭化成の吉野彰さんノーベル化学賞
 2019年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池を開発した旭化成名誉フェローの吉野彰氏(71)ら3氏に授与されることが発表されました。小型で高性能の充電池として携帯型の電子機器を急速に普及させ、IT(情報技術)社会の発展に大きく貢献した功績が評価されたそうです。近年リチウムイオン電池は、電気自動車や人工衛星などにも用途が拡大し、再生可能エネルギーを有効に利用する手段としても期待されています。大学ではなく、民間からの受賞も意義ありますね。

■ 金田正一氏逝去
 プロ野球の投手として唯一の400勝を達成した元ロッテ監督の金田正一(かねだ・まさいち)さんが2019年10月6日、急性胆管炎による敗血症のため東京都内の病院で死去されました。86歳でした。「カネやん」の愛称で親しまれ、一線を退いた後もタレントとして活躍、球界のご意見番としても発言し続けました。気性も激しかったけれど、張本さんなどとともに朝鮮をルーツに持ち、もはや誰にも破られないであろう大記録を打ち立てました。ご苦労様でした。
(2019年10月9日)


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