299  国会見学
 12月となりました。今年木枯し1号はついに吹きませんでしたね。東京で木枯し1号が吹かなかったのは1979年以来39年ぶりとのことです。気象庁天気相談所のホームページをご覧下さい。

■ 雫石町友会「国会見学ツアー」
 岩手県雫石町の在京ふるさと会「雫石町友会」では毎年秋のツアーを実施しています。これまで参加したことは無かったのですが、今年6月の総会で、前任者が事情があって辞任したいということで副会長を引き受けた以上、出なければならないということで出かけました。

■ 湯島天神と神田明神
 東京メトロ湯島駅集合、まずは岩崎邸の見学ですが、その前に湯島天神(湯島天満宮)参拝です。学業成就・合格祈願の神様だけあって、合格祈願の絵馬がビッシリ。何故牛がいるの?みんな撫でているみたいでテカテカ。そうこうしているうちに参加者から「神田明神も見たい」という意見が出て、じゃあ行くかという話になりました。神田明神や湯島聖堂はこれまで何度も訪れました。この近辺は坂だらけ、運動になります。妻恋神社の脇を通って往復しました。湯島天神にも神田明神にも男坂、女坂があります。男坂は急坂、女坂は緩い坂です。そういえば向こうに東大病院が見えますが、本郷から不忍池にかけて無縁坂がありますね。

神田明神

岩崎邸の洋館

■ 岩崎邸の見学
 旧岩崎邸は、1896(明治29)年に三菱を創設した岩崎家の第三代当主・久彌の本邸として建てられ、往時の3分の1の面積を持つ園内には、洋館、和館、撞球室(ビリヤードルーム)の3棟が現存し、洋館と撞球室は、日本の近代建築史に名を残す英国人建築家、ジョサイア・コンドルに設計を依頼したものです。洋館に併置された和館は、名棟梁大河喜十郎の施工と言われております。往時は20棟もの建物があったそうです。本格的な洋風建築と和風建築が融合されたもので、平成13(2001)年10月1日より都立庭園として開園しました。したがって入場料が取られます。
 三菱は岩崎家が当主でした。岩崎彌次郎の長男彌太郎が第一代当主、次男彌之助が第二代当主です。以降岩崎彌太郎の長男久彌が第三代当主、彌之助の長男小彌太が第四代当主というように交互に当主を務めました。久彌が建てた本邸が今残っているわけですが、当時のお金持ちのすごさが良くわかります。そして中には岩手県雫石町の小岩井農場の写真パネルがたくさん飾られており、毎夏小岩井農場で過ごした岩崎久彌がいかに小岩井農場を愛していたかと言うエピソードが展示されています。今は100%三菱資本の小岩井農場も、創設は小野、岩崎、井上の明治三巨頭の共同出資でした。だから小岩井なのです。邸内の土産販売所でも小岩井農場製品が売られています。

■ 国会議事堂へ
 日本の政治の中心地・永田町を代表する建物が「国会議事堂」です。東京メトロ千代田線の湯島駅から国会議事堂前駅まで11分、階段を上がった出口のところに、本日国会議事堂を案内してくれる階 猛(しな たけし)衆議院議員の秘書・木村さんが出迎えてくれました。三角の建物の左側が衆議院、右側が参議院となっており、国会閉会中では衆議院、参議院それぞれ見学できます。ところが、前日の衆議院法務委員会で階 猛衆議院議員が活躍して、何度もテレビに出ていましたが、出入国管理法改正案が法務委員会で新聞報道では強行採決(注:政権与党は強行採決ではないと言っています)され、すぐ本会議を開いてアッと言う間に可決、参議院に回されたため、この日は衆議院は見学できますが参議院はムリとのことでした。雫石町友会の会員で、長く国会議事堂で仕事されてきた方が木村秘書と共に案内してくれました。国会の顔なので、どこもスムーズに見ることが出来ました。


地下鉄出口に階 猛衆議院議員の秘書・木村さんがお出迎え

国会議事堂正面

■ 17年の歳月をかけて建築された国会議事堂
 国会議事堂は大正9(1920)年1月着工、昭和11(1936)年11月竣工ですから、およそ17年の歳月をかけて建築されました。当時の工事費は2,573万5,977円だったそうで、当時500円あれば銀座に立派な屋敷を持てたそうですから、いかに巨額であるか分かります。工事に当たり、基本的にすべて国産部材を使う方針でしたが、実は三つだけ外国産が使われています。それはドアノブの鍵(米国製)、郵便ポスト(米国製)、議場照明のライト(英国製)です。ドアノブは部屋ごとに鍵が違いますが、非常時用にマスターキーがあって、これを使うとすべての鍵が開けられるというもので、当時の日本にはこうした鍵は無かったそうです。郵便ポストは壁に付いていて、そこに郵便物を入れると、下まで落ちていくもので、ホテルなどでも見られますが、これも当時の日本には無かったそうです。

■ 内部の見学
 まずは議員食堂で予約していた昼食です。弁当と味噌汁で1,500円でした。国会議員と陳情に来た人のような連中が食事しています。その後、テレビでよく見る衆議院本会議場を見学できました。以前は写真撮影禁止でしたが、2年前に規制緩和で許可されました。
 天皇陛下が通常国会や特別国会召集時の挨拶に訪れる際に利用する中央階段、その先の「御休所(ごきゅうしょ)」を見学しました。向かう途中、渡り廊下から中庭を眺めますと、長円形の水槽に鯉が元気に泳いでいます。昔は国会議員が馬車で登院したため、馬の水飲み場だったそうです。見学のハイライトである「中央広間」は2階から6階までの吹き抜けになっていて、天井までの高さは32.62m。法隆寺の五重塔がちょうど入るぐらいの高さだそうです。天井にはステンドグラスがはめ込まれており、外国から取り寄せたものとのこと。ここで注目すべきは三体の銅像で、議会政治の功労者板垣退助、初代内閣総理大臣の伊藤博文、日本初の政党内閣の総理大臣・大隈重信の銅像が立っています。更に、主の居ない台座が一つありますが、実は4人目を将来に持ち越したとか、「政治に完成はない、未完の象徴」とも言われています。柱や壁は化石の宝庫と言われていて、頑丈な石ということで沖縄の海底から掘り出した石などが使われたので、巻貝の化石が埋まっていたりします。

衆議院本会議場は撮影が解禁されました

衆議院第二議員会館7Fから国会議事堂前の道路を見下ろす
 その後、国会議事堂を出て、衆議院議員会館に向かいました。こちらはまたパスが違います。衆議院議員会館が2棟、参議院議員会館が1棟あります。2階の階 猛衆議院議員の部屋を訪れました。更に7階から国会議事堂を見ました。次に首相官邸が見える喫茶店でティータイム、ホットコーヒー420円。地下で国会土産の店に寄り、その後再び東京メトロ国会議事堂前駅まで歩きました。首相官邸周囲には竹が生い茂り、ツワブキの黄色い花が綺麗でした。千代田線に乗って再び11分、湯島駅に向かい、奥様公認居酒屋「岩手屋」で懇親会でした。

■ 都道府県の木
 国会議事堂の前庭では、議事堂建設前からある大きな銀杏の木が見事でした。下の写真左端です。その右の敷地内にある木々は、議会開設80周年を記念して各都道府県から贈られたそうです。二列に並んで、左端が沖縄(そてつ)と福岡(つつじ)、右端が岩手(なんぶあかまつ)と山形(さくらんぼ)です。最も多いのはくすのきで鹿児島、熊本、佐賀、兵庫、けやきが埼玉、福島、宮城です。くろまつは島根、福井、群馬、総理大臣を最も多く輩出している山口があかまつで岡山もそうです。総理大臣輩出2番目の岩手がなんぶあかまつで北海道はあかえぞまつです。やはり松は日本では多いようです。愛媛のごようまつというのは何故?奈良は杉ですが、秋田があきたすぎ、富山たてやますぎ、京都きたやますぎ、三重じんぐうすぎ、鳥取おきのやますぎ、高知やなせすぎ、やはり杉も日本の山の象徴ですね。栃木がとちのき、新潟ゆきつばき、長野しらかば、香川オリーブ、茨城うめは納得しますね。大分はぶんごうめです。山梨がかえで、滋賀がもみじ、広島がやまもみじです。ひのきあすなろを青森はひば、石川はあてと呼んでいるそうです。愛知はなのき、岐阜いちい、和歌山うばめがし()、千葉まきです。東京と大阪がいちょうというのも面白いですね。
紀州備長炭と言えば、木炭の最高級品で、超高価なブランド品として今や世界中にその名が轟いています。和歌山のうばめがしを焼いた炭と思われがちですが、紀州備長炭本舗のホームページによりますと、9割がたはうばめがしが原木ですが、特に原木を規定していないので、その他の木も用いられているそうです。うばめがしは成長が遅く、他の木が育ちにくいところに生えるので、木を入手するのが困難です。しかし備長炭としての性能は他を寄せ付けないので、うばめがしの備長炭が市場で好まれるのです。今や「紀州備長炭」ではない、単なる備長炭が市場に多く出回っています。宮崎や高知、岩手、そしてマレーシア、中国まで、備長炭の産地は広がっています。

■ アマゾンを使った詐欺
 フェイスブックで、次のような警告投稿がありました。「本日アマゾンから代引き送りつけ詐欺荷物が届きました。ヤマト便が、奥様宛にアマゾンから代引き荷物ですと言うので、通常アマゾンはカード払いなので、おかしいなあと思いながらも2,612円を支払い受け取りました。家内に聞いたら、そんな荷物は頼んだ覚えも無いし、アカウントの購入履歴にも載っていない。子供達に聞いても頼んで無いとの事。開けて見ると中国製タオルが入っていました。長男から彼の友達のところにも着払いで商品が届いたそうで、最近このパターンの詐欺が多いらしいと教えくれた。アマゾンに電話しても、送り主は教えられない、代金はアカウントにクーポンで返すと、誠意の無い対応。とりあえず返品引き取りを依頼して電話を切る。その後ヤマトで一つ、佐川で一つ、アマゾン代引き荷物が届きましたが、受け取り拒否しました。皆さんも気をつけて下さい」というものです。

■ 張本さんが丸の巨人移籍に「お金ですよ」
 TBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)の名物コーナー「週刊・御意見番」に2018年12月2日出演した張本さん(78)が、広島から国内フリーエージェント(FA)宣言した丸佳浩外野手(29)が、巨人移籍を表明したことについて「巨人はいい選手を取りましたね。やっぱり年俸ですよ。お金が高いところに行きますよ。桁が違うんだから。私でもそうします。でも口が裂けてもそんなこと言えない。バッシングされるから」と歯に衣着せぬ発言でした。
 2年連続セ・リーグMVPの丸に対し広島は宣言残留を認め、4年総額17億円とみられる破格条件を出しましたが、千葉ロッテも4年総額20億円、巨人は5年総額30〜35億円規模を提示したようです。張本さんは来年の丸について、「やってみないとわかりませんよ。今年のゲレーロ見てよ。まさか去年中日でホームラン王取ったのに、巨人に移ったらあんな体たらくとは思わないじゃないですか」と言いました。気になるのは坂本勇人です。巨人の顔である坂本の倍額を丸に払ってチーム内は大丈夫でしょうか?
 巨人はパドレスのクリスチャン・ビヤヌエバ(27)も獲得したほか、オリックスから中島宏之(36)、西武から炭谷銀仁朗(31)を獲得しました。阿部が捕手に復帰すると言っています。折角育ってきた若手はどうなるのでしょうか?若手を育てて強くなってきた広島と正反対の方向ですが、巨人に来ると大物もダメになる、これを繰り返してきた懲りない面々、不安です。巨人が弱いのは投手で、絶対エース菅野に頼り切り、獲るなら投手のはずです。根本的に戦略を間違えてる気がします。

■ 雫石の葬儀へ
 293『秋のツアー』(2018年10月23日)で、雫石町七ツ森墓地公園に行き、墓の掃除とお参りした後、従兄の入院している鶯宿温泉の病院に行き、見舞ったことを書きました。2年前まで元気で、秋田へ車で出かけては釣りをしたり、山菜取り、きのこ採りなどに走り回っていた従兄が、今や経口飲食が出来ず胃ろうになっており愕然としたと書きました。2014年の大晦日に奥様を亡くされて独り暮らしでした。お金持ちなので病院は個室でしたが、どんなにお金があってもやはり独り暮らしは寂しかったでしょう。人はいつかは死にます。他人事ではありません。我が身にとってももうすぐのことです。改めて死に方について考えさせられました。胃ろうをやっていれば生き続けられます・・・と書きましたが、ついに訃報が届きました。正直、こんなに早いとは思っていませんでした。父方の最長兄で、子供のころから隣の家でお互い育ったので葬儀には行かなければなりません。
(2018年12月3日)


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