290  タトゥー
 9月もオシマイです。今年も四分の三が過ぎました。人生バリバリの人にはなんということもないでしょうが、黄昏てくるとカウントダウンがひとつ、また一つと進んでくるように感じるのです。

■ 台風24号
 本日は孫の運動会ですが、少年野球新人戦の開会式でも有り、後者を優先しました。庭の朝顔が今一番きれいです。みょうがもびっしり芽を出しています。水道のお湯状態はちょっぴり改善されましたが、気温が下がってきたので、相変わらず少し出していると温く感じます。先般の日本縦断台風21号は各地に大被害をもたらしましたが、またもや同じようなコースで台風24号がやってきました。実は9月下旬が日本を襲う台風の最も多い時期です。台風25号も本日発生しました。24号の後を追うようにやって来そうです。

■ 「入墨の方入浴お断り」
 温泉施設や銭湯などで「入墨の方入浴お断り」という張り紙をよく見ます。先日TVで国際的温泉地別府では刺青(タトゥー)がある人の利用を特に問題にしていないとのこと。同様な温泉施設が千葉県成田市大竹1630にある「大和の湯」というところです。ここではタトゥーOKの理由を次のようにHPに載せています。
 「大和の湯では刺青がある方の入館を特にお断りしてはおりません。以前は刺青をしている方に対しての良くないイメージがありました。しかしここ最近、特に若い人の間でファッション・タトゥーも流行しているように、刺青そのものが問題視される時代ではなくなってきているようです。また刺青をしていても今ではきちんと良い仕事をして社会に貢献している人もいれば、刺青をしていなくても悪いことをする人も大勢います。「大和の湯」では人を見かけによって判断することはしません。少なくともそのように努力することが、新しい世代に向けて開かれた温泉の姿であると認識しています」

■ 外国ではタトゥーが当たり前も
 かつての日本では、刺青をした人=反社会的勢力に属する人でした。マトモな人は刺青をしないという社会でした。刺青=タトゥーというと反社会的勢力のイメージが強かったため、社会から排除する意味で利用を断る温泉や銭湯が多かったのですが、例えば先般のサッカーワールドカップをご覧になった方は、サッカー選手にはタトゥーが当たり前ということを認識したことでしょう。最近、外国人観光客の増加に伴い、ファッションや文化的な意味などでタトゥーを入れた人々が観光地の温泉施設に続々と足を運び、たびたび物議を醸しています。
 「大和の湯」は大小合わせて4つの内湯、8つの露天風呂、サウナ、体温より1〜1.5度高い室温で体をじっくり温めるラディアントバスなどを備え、入浴料は平日800円・土日祝1000円です。喫煙と小学生未満の入館はお断りだそうです。その理由は、タバコに関しては「お客様の体と心を癒していただくため」で全館禁煙。子供は、「大人のためのリゾート施設」を目指した結果で、安全管理や他者への迷惑防止などの観点から苦渋の決断で遠慮していただいているそうです。今後タトゥーにこだわらないお風呂が増えるのではないでしょうか。

■日米首脳会談の結果・・・日米の報道の違い
 2018年9月26日、注目された日米首脳会談が開催されました。トランプ米大統領の最近の言動から、対日貿易赤字の解消に向けて厳しい要求を突き付けてくる可能性が指摘されていましたが、日本のマスコミの多くは「無難な結果に終わったことで、市場にも一定の安心感を与え、ドル円、国内株式の下支え要因となろう」と報道しました。一方米国マスコミは「トランプ大統領が日本をFTA交渉の場に引きずり出すことに成功した」と報じました。この日米の報道の違いは何でしょう?
 安倍首相は、「FTAではなく、2国間のモノの貿易を自由化するTAG(物品貿易協定)の締結に向けた交渉を始めることで合意した」と述べました。交渉開始は年明け以降の予定です。最大の焦点となっていたのが日本車への追加関税を賦課するかどうかです。今は2.5%ですが、これを25%にするぞと脅されていたのです。一方の米国車への日本の関税は以前からゼロ、はなはだ理不尽な要求ですね。安倍首相は「交渉をしている間、米国が各国に対して検討している自動車への追加関税が、日本に対しては発動されないことをトランプ大統領が明言した」と述べました。もう1つの焦点が農林水産品に対する関税です。日本は、「過去の環太平洋経済連携協定(TPP)で約束した内容が最大限として、TPPで決めた水準を上回る関税引き下げはない」ことを共同声明に盛り込みました。

■ TAG?実質はFTA
 TAGなどという聞き慣れない言葉を使っていますが、これはトランプ大統領の圧力によってこれまで避けていた2国間のFTAに追い込まれたという印象を日本国民に与えたくないからです。実際にメキシコと韓国は従来より不利なFTAを呑まされました。「FTAではなく、TAGだ、日本と米国はWin Winの関係を築ける」・・・このあたりが安倍首相流コトバのマジックです。貿易交渉で2国間交渉すればどちらかが有利になります。Win Winというのであれば、結託して第三国から貿易利益を挙げる?そんなことを話し合ったとは思えません。以前にも「丁寧に説明する」と繰り返しおっしゃっていましたが、本当のことを聞いた人は居ないのではないでしょうか。「TAGの交渉が終わるまではサービスや投資の話はしない」という共同宣言ですから、これを「丁寧に解説する」ならば、TAGの後はFTAだと言っているのです。すなわち米国マスコミの報道が事実なのです。しかもライトハイザー通商代表は、「数ヶ月で具体的成果を示せるだろう」と言っていますから、日本政府が目論んでいる時間稼ぎはどうやら許さないゾということのようです。

■ アメリカファースト
 過去の米国政府は、自由貿易を標榜し、関税を引き下げる方向へリーダーシップを発揮していました。ところがトランプ大統領は真逆で、アメリカファーストのもと保護貿易を主張しています。確かに米国から見れば日本の対米貿易黒字はあんまりだ、というのは分かります。その大半は実は自動車とその部品です。仮に日本車に追加関税が賦課されれば、日本経済への影響は甚大です。財務省によれば、2017年度の対米自動車輸出額(部品含む)は5.56兆円で全体の4割弱を占める最大の品目です。また、取引の裾野が広い自動車産業の浮沈は他産業への波及も大きく、雇用や地域経済が大きく動揺するでしょう。米国の雇用は増えるでしょうが、日本の雇用は減ります。すなわちトランプ大統領の要求を受け入れたら、日本経済は大きなダメージを受けるのです。「アメリカファースト」というのは「アメリカ人の生活が第一だ」という意味で、かつて日本の民主党が政権を獲得したときのスローガン「国民の生活が第一」()と「ファースト=第一」の意味は同じです。このときの「国民」に対峙するものは「企業」でしょうか。今では「大企業が未曾有の利益を上げて富を蓄積している」のに対し、国民は総体的に所得が増えず、格差が拡大しています。「アメリカファースト」を掲げると、どうしても外国は排他されるようになります。「アメリカファースト」の裏返しが「ジャパンラスト」になるのなら、日本政府は身体を張って阻止してもらいたいものです。
「国民の生活が第一」というのはその後政党にもなりましたが、あっと言う間に無くなりました

■ 日本の関税引き下げ
 もう一つの農林水産品の関税引き下げですが、日本はこの分野では保護貿易です。食は文化ですから、なんでも自由で良いものではありません。コレに関しては世界的に保護貿易が認められています。それは自然を守るとか、安心・安全の面があるからです。ヨーロッパなどでは、海外の安い農産物と対抗するために、農業に莫大な補助金を出している国もあります。仮に日本がTPP以上の関税引き下げを受け入れれば、来春の統一地方選、来夏の参院選を控え、政府・与党に政治的な打撃となるでしょう。米国産牛肉には今大きな関税がかかっていますが、今回はなんとか踏ん張ったものの、いずれ国産牛肉は減っていくでしょう。それは税金を払わないamasonがイヤだと言っても、現実には急激にamasonが増えているのと通じます。市場の自由に任せればそうなるのです。段階的に自由化は進んで行くでしょう。

■ 米中貿易戦争
 日本の対米貿易黒字が増えたのは、自由貿易の結果、米国民が日本のモノを欲しがったからです。それがイヤだとトランプ大統領が保護貿易を主張しているのです。では米中貿易戦争はどうなるか。圧倒的に米国が輸入しているもののほうが多いので、中国産品への関税率を高めれば、中国は対抗措置をとっても米国と同等にはなりません。ではアメリカが勝つか?そう単純ではありません。中国はトランプ大統領の退陣まで待って、しのぐ戦略でしょう。米国との貿易が減った分、アジアやアフリカにシフトするでしょう。実はこれが中国の貿易競争力を更に強化する結果になるのではないかと想像します。アメリカが関税を上げるならドル元レートを切り下げるかもしれません。他の国なら出来ないでしょうが、なにしろ中国の習主席は永久政権です。号令一下で為替操作できるはず、トランプ大統領は異を唱えるでしょうが、平気で実行できるはずです。そうなったら泥沼化です。トランプ大統領は中国が米国の中間選挙に介入していると非難していますが、大統領選挙のときはロシアのお蔭でした。トランプ大統領の退陣を待っているのは中国だけではありません。

■ 日経平均株価が一時バブル崩壊後最高値
 2018年9月28日の東京株式市場で、日経平均株価が大幅反発し、一時2万4,286円10銭と、取引時間中としては1991年11月14日以来、約26年10ヶ月ぶりの高値をつけました。つまり「金融バブル崩壊以降最高値」ということです。終値は、前日比323円30銭高の2万4,120円04銭と今年1月23日以来、約8ヶ月ぶりの高い水準でした。アメリカのFRB=連邦準備制度理事会による追加利上げの決定後、外国為替市場で円安・ドル高が進んだことなどが背景にあります。円安になれば、ますます米国に対して日本の輸出が有利になります。そしてその円安を誘導しているのが米国の好景気に伴う金利の引き上げ、マネーの論理からすれば、お金があってもどうにもならない日本から米国にお金を移して運用するのは必然の流れです。そして米国の好景気の要因が旺盛な個人消費、米国民は外国から流入するお金でバンバンモノを買って豊かな暮らしをしています。それを情報化社会の申し子の企業が吸い上げて、富の極度の偏在が起きている、かつて栄華を誇った製造業は廃れ行く、工場労働者の不満に訴えてトランプ大統領が誕生した、ということです。工業化社会から情報化社会へ移行したのは第一にアメリカの力です。トランプ大統領がやろうとしていることは時計の針を逆に回そうということですが、実は最も時計の針を進めてきたのが米国だっただけに、此処で蓄えたエネルギーがパチンと弾けた途端、とんでもないこと、すなわち30年に一度の大バブル崩壊が起きる予感がします。

■ トランプ大統領に好意的な日本の若者
 大変心配なのは世界の大半の国から反発を食らっているトランプ大統領に対して、日本の若者の支持が高いことです。テレビで若者を集めて池上彰さんが質問した時の反応に、池上彰さんがビックリしていました。ほかの番組でも、ある大学教授が学生の半数以上がトランプ大統領に好意的であることに驚いていると言っていました。このことの持つ意味を、私たちは真剣に考えてみなければなりません。

■ 吉澤ひとみ
 大変残念です。隣の三芳町のスターだったのに...埼玉県の大使だったのに...元「モーニング娘。」の吉澤ひとみ被告(33)が芸能界を引退することを発表しました。吉澤ひとみ被告は2018年9月6日朝、酒気帯び状態で乗用車を運転し、東京都中野区内の路上で赤信号を無視して交差点に進入し、男女2人に軽傷を負わせ、そのまま逃げた、すなわち轢き逃げで起訴されました。事故直前には法定速度を26キロ上回る時速86キロで走行していたようです。自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪で起訴され、9月27日に保釈されました。死亡事故につながらなくて本当に良かったと思いました。死亡轢き逃げなら間違いなく実刑です。「酒を飲んだら運転するな」・・・これだけは肝に銘じましょう。

■ タバコ値上げ
 日本たばこ産業(JT)をはじめ、たばこ各社が10月1日から紙巻きたばこや加熱式たばこなどを値上げします。紙巻きたばこの122銘柄を値上げする日本たばこ産業は、1本当たり1円の増税に加え、原材料費の高騰によるコスト上昇を反映、20本入りのタバコで20〜40円値上げします。同社の代表的な「メビウス」シリーズは40円値上げし、480円になります。1日1箱吸う人は月間1万5千円弱が煙と消えるわけです。スゴイ!よく吸えるね。
 国内のタバコ販売数量は1996年度の3483億本がピークで、その後、健康意識の高まりや喫煙規制の流れ、度重なる価格上昇で喫煙者は減少し、2017年度は初めて1千億本を割りました。すごい勢いで減少しています。右図をご覧ください。百聞は一見に如かずです。
 ちなみに都道府県別のタバコ消費量は?2015年調査で都道府県庁所在地の一人当たり全国平均は年間15箱、1位は北海道札幌市33.6箱、2位千葉県千葉市27.6箱、3位山梨県甲府市27.6箱、4位高知県高知市25.9箱、5位山形県山形市24.3箱、地域性はありません。

日本人の男女別喫煙率推移
 では少ないのは?最も少ない47位は岩手県盛岡市6.4箱、46位奈良県奈良市6.4箱、45位鹿児島県鹿児島市6.6箱、44位愛媛県松山市7.2箱、43位岐阜県岐阜市7.8箱です。筆者は冬虫夏草サプリメントを毎月1万円飲んでいますが、煙草代に比べたら安いものです。

■ 葉タバコ生産量も激減
 国内の葉タバコ生産農家からは、タバコ離れに拍車がかからないかと心配の声が上がっているそうです。心配いりません。確実にそうなります。国内の葉タバコの産地は南九州と北東北で、2000年実績では、1位:宮崎県(7174トン)、2位:熊本県(6103トン)、3位:鹿児島県(5757トン)、4位:岩手県(5229トン)、5位:青森県(4204トン)、2007年で1位:熊本県(4191トン)、2位:宮崎県(3805トン)、3位:青森県(3676トン)、4位:岩手県(3674トン)、5位:鹿児島県(2705トン)でした。10年後の2017年は1位:熊本県(2873トン)、2位:青森県(2227トン)、3位:岩手県(2032トン)、4位:沖縄県(1968トン)、5位:長崎県(1691トン)で、宮崎県は1557トン、鹿児島県は1147トンと、いずれも大幅にダウンしています。我が子供時代は、あの大きなタバコの葉っぱが一面に風にそよいでいました。懐かしいけれど、時代の流れです。
(2018年9月29日)


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