286  エアコン
 9月になりました。2018年9月1日(土)早朝はオレンジ色の朝焼けがきれいで、西の空に美しい虹が現れるや、すぐに掻き曇り雨が落ちてくる・・・これからの不気味な気象を予感させて恐ろしい!日本海側から東北にかけての秋雨前線による線状降水帯が各地に異常な大雨を降らせて河川の氾濫を惹き起こしています。関東地方でも今後要注意です。近年でも我が家の周辺では柳瀬川や江川、不老川などで集中豪雨による水害が起きています。
 今年最強とされる猛烈な台風21号は、9月4日(火)から5日(水)に九州から関東のいずれかに上陸するようです。今後中心気圧は900hPa、中心付近の最大風速は60m/s以上に達し、その後も北上を続ける模様で、厳重な警戒が必要です。
浸水想定区域対象河川
埼玉県の浸水想定区域対象河川

■ 埼玉県毛呂山町

埼玉県毛呂山町大類ソフトボールパークの看板
 2018年8月26日(日)は朝から埼玉県毛呂山町で少年野球の試合、物凄い暑さ、朝8時にして既に直射日光は肌を刺すように痛い、その前日25日(土)も小学校のグラウンドに居て、さすがに夜は熱中症症状になりました・・・と前回書きました。
 埼玉県毛呂山町というのは森林を背景に、埼玉医科大学病院がデーンと鎮座する町です。豊かな自然に恵まれています。

延慶の板碑
 毛呂山町というのはスポーツ選手を多く輩出しており、有名なのは水泳の瀬戸大也選手ですね。観光大使でもあります。他にも旭化成陸上部コーチで2000年シドニー五輪男子マラソン日本代表、元東洋大学陸上競技部監督の川嶋伸次さんや、たけし軍団のダンカンなどが居ます。そういえば、女優・歌手の大竹しのぶは東京生まれですが、しのぶが小学校1年のとき、お父さんが結核となり、家族で空気のよい埼玉県入間郡毛呂山町に引っ越し、父は高校の数学教師となりました。しのぶが中学2年のとき、東京に戻り江戸川区の区立中学に編入したそうです。あの天然キャラは毛呂山育ちかもしれませんね。

■ 大類グラウンド周辺は遺跡だらけ
 毛呂山町長杯・読売旗争奪少年野球大会は大類という地区に70mのソフトボールパーク2面があり、上左の「まむしに注意して下さい」という看板が設置されています。やぶをつつくと蛇が出るかもしれません。また隣に大類グラウンドという照明設備のある大型球場があり、左翼・右翼98mですからプロ野球クラスの球場で、オープン時は名球会の記念試合が行われたということで、出場選手のサインが残されています。この大類グラウンドの周辺は苦林の古戦場や古墳群が沢山あり、グラウンドの下には遺跡が埋まっています。隣に毛呂山町歴史民俗資料館があります。その間を「鎌倉街道上道(かみつみち)」が通っています。毛呂山町のホームページ参照


「道・鎌倉街道探索日記」鎌倉街道上道埼玉編(個人ホームページ)より転載

■ 延慶の板碑
 まむしに注意しながら川角古墳群の林を散策していたら、若い男女が多数、何やら測定しています。「何をされているんですか?」と訊ねたら、女性が「私たちは駒澤大学の者です。毛呂山町歴史民俗資料館の要請で、各古墳の二次元等高線図を作成しています」と丁寧に説明してくれました。彼女は大学院生とのことでした。「延慶の板碑」の案内標識をもとに、またぶらぶら歩いて、舗装道路に出たのですが、それらしいものは見当たりません。大学生の男に「えんぎょうのいたひはどこにあるかわかりますか」と訊ねたら、「えんぎょうのいたびですか、ぼくもワカリマセン」と、隣の女子学生にも聞いてくれましたが首を横に振ります。この若者たち、やたらに親切なので「いいです、自分で探します」と、作業の邪魔にならないようにおいとましました。「延慶の板碑」は、元々は崇徳寺跡に立っていたそうですが、昭和35(1960)年に板碑のすぐ西側に道路を作り、通行者の目につくようになったため、子どもたちなどが板碑に石を投げたりして破損するなどして保護する必要に迫られ、2年後に現在地に移設されたそうです。道路わきに立っていた案内標識の方向へ草を掻き分け入って行ったら、林の中にありました。これは分かりにくいです。「来ないで下さい」と言っているみたいでした。延慶3年(1310)と刻まれた塔婆は、高さ3メートルもある大型板碑です。板碑というのは石の板です。青みがかっています。梵字(種子)の彫りも深くシャープで美しいです。700年経っているとは思えません。大変恥ずかしながら、「いたひ」だと思っていました。野球に負けてもただでは帰れない、グルグル散歩8千歩、お蔭でまた一つ賢くなった歴史散歩でした。

■ 鎌倉街道
 平安時代の後半から室町時代の関東は、様々な武士たちによって支配されていました。彼らは、未開墾地を開発して開発地名を名乗りました。ふじみ野市周辺では、河越氏、仙波氏、大井氏、難波田氏などです。彼らは源頼朝の鎌倉幕府創立に貢献し、鎌倉幕府滅亡後の南北朝・室町時代の争乱でも活躍しました。市内にはこれらの武士が鎌倉との往来に利用した鎌倉街道と伝承される古道があり、その近辺から、死後の極楽往生を願う当時の武士・民衆の信仰の一端をうかがわせる板碑(いたび)が出土しています。大井郷土資料館や上福岡歴史民俗資料館に行きますと、これら板碑が展示されています。
 これらの板碑は、埼玉県の長瀞町や小川町などでとれる緑色っぽい石を使っています。トラックも無い時代によく運んだものですね。資料館以外でも、板碑が残っている寺や墓地など(特に新河岸川や川越街道に近いところ)があります。ふじみ野市の東原小学校近辺は、昔から「もとの村」という意味の「本村(ほむら)」とよばれ、鎌倉時代から室町時代にかけて村があり、「大井郷」だと考えられています。江戸時代の初めに川越街道が整備されると、この村が西へ移転して「大井宿(おおいしゅく」になりました。上福岡駅の近くから亀久保を通り、大井弁天の森の近く、復元大井戸から大井分館の前に「古坂(ふるざか)」とよばれている坂がありますが、この道がまさに鎌倉街道と言われています。古坂をのぼって、さらに三芳町藤久保の方へと川越街道沿いに続く道が鎌倉街道と伝えられます。 埼玉県内の主な鎌倉街道地図
埼玉県内の主な鎌倉街道
三芳町の鎌倉街道  クリック

■ エアコン故障で熱中症死亡?
 岐阜市一番町の「Y&M藤掛第一病院」で2018年8月26〜27日の約15時間に83歳と84歳の男性と、84歳と85歳の女性の入院患者4人が死亡した問題で、岐阜県警岐阜中署は入院患者の男性(84)が28日夕方に死亡したことを新たに確認したと発表し、この問題での死者は5人となりました。
 岐阜県警が、「エアコンが故障していたのに放置し、患者を死亡させた可能性もある」として、容疑者を特定しないまま殺人容疑で同病院を捜索し、岐阜市や岐阜県も立ち入り検査を実施するという大騒ぎとなりました。27日夜、関係者から県警に「病院で4人が亡くなった。熱中症の疑いがある」との電話があり判明したそうです。病棟3、4階のエアコンが故障していたようですが、院長の話では業者から修理に1ヶ月かかると言われたとのこと。故障から6日後の相次ぐ死亡、殺人容疑での捜索というのは穏やかではありません。
 思うに@内部告発があったということは、エアコン故障で患者に危険が及ぶと危惧していた病院関係者が居たA病院運営者の意識としては終末期医療なのである程度のことは仕方が無いとしてさほど危機感を持っていなかった、ということでしょう。この時期に「修理に1ヶ月かかる」ということは、何もしないということでお互い了解・・・という意味です。危機感があれば新品代替もできます。それなら業者も素早く対応したはず、それも出来ないほど逼迫していたとは思えません。

■ 公立小中学校へのエアコン設置問題
 教室へのエアコン設置をめぐってはさまざまな議論が行われてきました。学校への冷房の設置率には、各地で大きな差があります。2017年に文部科学省が調査した「公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況の結果について」をご覧下さい。
 最近の調査では10%未満…北海道・青森県・秋田県・岩手県・宮城県・長野県・静岡県・奈良県・愛媛県・長崎県、10〜20%…新潟県・山形県・山口県・高知県、(途中省略)80〜90%…沖縄県・滋賀県・京都府・群馬県・福井県、90%〜100%…香川県・東京都です。暑さ日本一の熊谷がある埼玉県は70〜80%に入ります。かつての日本一;山形県や四万十市の高知県が20%未満というのもビックリです。暑さピーク期間短くて、そのときは夏休みかもしれません。

NHK NEWSWEBより転載

■ 所沢市の学校エアコン設置中止
 2011年に埼玉県所沢市長に就任した藤本正人氏は、2006年に所沢市が自衛隊機の騒音のために窓を閉め切る市内29校へのエアコン整備計画を決めたことを見直し、設置工事を中止しました。「快適な生活が多くの犠牲で成り立つことを原発事故で知った今、その追求をやめるべきだ。家でも学校でも冷房の中では、子どもの身体機能も弱まる」(朝日新聞 2012年6月24日)とか、「東日本大震災を機に自然と調和した生き方への転換を」(共同通信 2015年2月16日)、「東日本大震災を経験し、私たちは便利さや快適さから転換すべきだ」(ハフィントンポスト 2015年4月2日)などとエアコン設置工事中止の理由を述べました。その頃、我が住むまち、所沢市の東隣のふじみ野市は、盛んにエアコン設置を進め、ほぼ終わるところでした。ふじみ野市も自衛隊機や米軍機が頭上をガンガン飛び回りますが、窓を閉めなければならないほど頻繁ではありません。狭山市や入間市は基地があるのでより低空で迫力があります。このニュースを聞いて、いまだに根性論で教育を考えるまちがあるんだなと、いささか驚いたものです。

■ 住民投票も資格者総数の3分の1以下なので、結果は「尊重」止まり
 2015年2月には所沢市立小中学校へのエアコン設置の是非を問う異例の住民投票が行われ、賛成56,921票、反対30,047票と賛成が反対を上回りましたが、条例には「賛否いずれか過半数の結果が投票資格者総数の3分の1以上に達したときは、その結果の重みを斟酌しなければならない」との定めがあり、示された住民の意思は「尊重」はされるけれども「斟酌」はされないこととなりました。このときの住民投票における投票資格者総数は278,248人で、投票したのは87,763人、投票率は31.54%でした。この時点で、仮に投票した全員が賛成だったとしても結果が「斟酌」されることのない住民投票だったわけです。ただ、藤本市長は同年4月、投票結果を受けて、最も騒音がひどい地域にある2校のみにエアコンを設置する方針を表明しました。

■ 首長の政策は強い意味を持つ
 所沢市のホームページ「エアコン設置に関する考え方」をご覧下さい。藤本正人市長のまちづくり構想は第一に「「教育・子ども」日本一、子どもを大切にするマチ 所沢」、第二に「環境 エネルギーの自立、マチごとエコタウン所沢」、第三以下は省略します。もともと教師ですから「教育・子ども」が第一に来るわけですが、エコと子どもの健康・安全を秤にはかけられません。ましてや今年の殺人的暑さで、テレビで「エアコンをつけろ」と盛んに呼びかけているときに、「エアコンがありません」では悲し過ぎます。東日本大震災の頃でさえ「便利さや快適さからの転換」という発想は古過ぎました。北海道や北東北、信州の山間部ならばともかく、所沢は東京都に隣接したまちです。当麻よし子前市長は、民主党の推薦を受けて市長に当選しました。結構人気がありましたが、もともと米軍のお膝元、防衛医科大学病院もある保守色の強い土地柄、これではイカンと保守系が危機感を強めました。2011年10月の市長選挙、当時は東日本大震災への民主党政権の対応に国民がウンザリしていた時期です。自民党の柴山昌彦衆議院議員が支援した藤本正人氏が、激戦を制してわずか1,626票差で現職の当麻前市長を抑え、当選しました。このときの投票率は34.68%、藤本市長の得票数は38,655票で全有権者に対する得票率は13.98%でした。これでわかるようにそもそも有権者の三分の一しか投票所に行かないわけですから、選挙への関心が低いようです。こういう土地柄では首長の政策は強い意味を持ちます。関心が低いのですから、反対する人の声も届きにくいのです。「地球温暖化なんて嘘っぱちだ」というトランプ氏が米国で大統領になって、信じられないような政策を次々打ち出して世界中から反感を買っていますが、米国世論の三分の一は相変わらずトランプ支持です。過半数で方向を決めるのが民主主義と言われますが、政治に関心がある人が少なければ、ほんの一部の声の大きい人がリードするのが実態なのです。

■ 政府の対応と市の現実
 文部科学省は2018年、小中学校の教室の望ましい温度の基準をこれまでの「30度以下」から54年ぶりに「28度以下」に引き下げました。愛知県豊田市での小学生熱中症死亡事故など、連日の猛暑で熱中症の患者が多発していることを受けて、菅官房長官は政府が本格的に小中学校の猛暑の対策を支援する方向で検討していると発表しました。2015年の二期目の所沢市長選挙では、自民党としても藤本正人市長の根性論にいつまでもくみしているわけには行かないということで、エアコン設置問題から逃げる姿勢でした。対抗馬は同じ自民党で、長く所沢市の少年野球をバックアップされてきた並木正芳氏でした。自民党の柴山昌彦内閣総理大臣補佐官(現)が選対本部長を務めた藤本正人氏が二選されました。
 所沢市は2018年度の予算にエアコン設置のための調査費を計上し、今後、市立小中学校すべてにエアコンを設置する方針だそうです。今更ですが、2011年に藤本正人市長が所沢市内29校へのエアコン設置工事を中止したのは何だったのだろう?と思います。2006年にはエアコン整備計画を決めていたのに、「アレから12年」・・・綾小路きみまろのセリフじゃないですが、いつのまにか議論しながら時が経ちました。所沢市は人口が減る方向で高齢化率が高まっています。隣のふじみ野市はどんどん人口が増えています。「子どもを大切にするマチ」がどちらなのか、市長の政策で分かりますが、子どもが増えるふじみ野市の現実が、何より答えとして明らかですね。

■ 重なって見える徳島市の遠藤彰良市長と東京都の小池百合子都知事
 先般阿波踊りの徳島市長がクローズアップされました。イベントの目玉である総踊りをめぐってのドタバタ騒ぎです。赤字の阿波おどりを改革しようと考えた結果、今年の来場者数は昨年より1割も減ってしまい、総踊りの中止を先導した徳島市の遠藤彰良市長は苦しい立場に立たされています。改革しようとして挫折した姿は、東京都の小池百合子都知事と重なって見えますね。
 2016年3月の徳島市長選に立候補した遠藤氏は、それまでは四国放送のアナウンサーでした。「新町西地区第一種市街地再開発事業」の計画撤回を公約に掲げて立候補、おおさか維新の会(当時)の推薦を受けて4期目を目指した現職の原秀樹氏は3位に終わる惨敗でした。新市長は刷新勢力として期待されました。
 一方、小池知事の場合は中央政界から都政へのいわば天下り的な登場でしたが、自民党と公明党推薦の増田寛也氏、野党各党の推薦を受けた鳥越俊太郎氏を大きく引き離してトップ当選を果たしました。小池氏はやがて希望の党を立ち上げて代表となり、国政進出をも狙いました。遠藤市長も小池知事もその当選は2016年です。小池知事は「都政刷新」を掲げて、その改革の象徴として選んだのが「築地市場移転問題」でした。遠藤市長にとっての改革の象徴は、「新町西地区第一種市街地再開発事業」で、原前市長が進めていた総事業費は約225億円、文化活動などに用いる新ホールの建設が中核でした。当選した遠藤市長は、地権者に対する権利変換計画の不認可を通知し、再開発組合と現在も訴訟状態にあります。

■ 改革の挫折・・・権力を笠に着た結果
 小池知事の勢いが止まったのは、2017年10月の衆院総選挙です。希望の党代表として会見し、他党からの移籍者を「排除します」と発言してしまい、国民から総スカンを食らってしまいました。この発言を契機にすっかりそのカリスマ性を失ってしまった小池知事は、希望の党代表を降り、都知事に専念することにしました。その後、築地市場の豊洲移転が決定され、「過去の小池知事の決定は何だったのか」と嘲笑されるに至っています。むしろ、遡って、あの都知事選挙は何だったのか、と東京都民の意識を疑ってしまいますね。
 遠藤市長は訴訟に足をとられつつ、次は阿波踊りの改革に乗り出しました。市が補助金を出していた市観光協会を監査したところ、累積で4億3千万円の赤字が出ていたので、今年3月に入ると市観光協会を相手にその破産手続きを徳島地裁に申請し、決定されました。そして、8月の総踊り中止のドタバタ騒ぎでした。メディアの反応を見ますと、遠藤市長は「権力を笠に着た」とすこぶる評判が悪いですが、無理もありません。四国だけでなく日本にとっても大きな夏の行事、国民的行事ともいえる阿波踊りに水を差して、そのブランドを毀損した犯人とさえ言えます。この苦境、難しい政局を遠藤市長はどのように乗り切るか?旧来の大きな波に飲み込まれて小池知事のように光を失っていくのでしょうか。

■ 日本体操協会パワハラ問題
 体操女子で2016年リオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江選手(18)のパワハラ問題、困りましたね。2018年8月29日、自らへの暴力行為で日本体操協会から無期限の登録抹消と味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での活動禁止処分を科せられた速見佑斗コーチ(34)に関する一連のパワハラ騒動について、都内で会見を開きました。暴力行為があったことは認めましたが、自分は速見コーチからパワハラを受けたとは思っておらず、むしろ日本体操協会からパワハラを受けたと言うのです。速見コーチは、5月に20年8月末までの契約を結んでいた所属先のレインボー体操教室(愛知県)から所属を解除され、コレに伴って宮川選手もレインボーから離れました。27日に都内で始まった、体操女子の世界選手権(10〜11月、カタール)代表合宿への参加を見送り、世界選手権の代表候補も辞退するそうです。
 このパワハラの話は1年以上前のことのようで、何故今頃になって?レインボー体操教室は日本体操協会の傘下にあると言って良いわけですから、日本体操協会(の中のある一部の勢力)から見れば速見コーチと宮川選手の絆は好ましくなかったということでしょう。暴力はダメですから速見コーチに対する処分は当然として、ハラスメントは受けた側が感じるものなので、宮川選手が塚原夫妻からパワハラを受けたと言っているということは重大なことです。

■ マスコミ対応の良さ、悪さ
 日本体操協会の塚原光男副会長、その妻の千恵子女子強化本部長は夫婦で要職にあり、今批判の矢表に立たされています。塚原家は日本体操を支えてきたと言って良い名門で、朝日生命体操クラブと日本体操協会を二股かけて引っ張ってきました。その功績は極めて大きいですが、マスコミ対応がまずかった!宮川選手の記者会見を受けて日本体操協会の山本専務理事が弁護士二人を伴って行った会見が火に油を注ぎました。言っている事は極めて当たり前のことですが、18歳の女の子が記者会見した後では極めて冷徹に見えてしまったのです。翌朝、日本体操協会のレジェンド;塚原副会長が宮川選手の記者会見について「全部ウソ」と言ったものだから、テレビ局がヒートアップ、慌てて日本体操協会は臨時の対策会議を開き、二木会長が騒動を謝罪、続いて具志堅幸司副会長と山本専務理事が並んで会見を開きました。二人とも立ったままで、日体大学長でもある具志堅副会長(61)の受け答えに、SNSなどでは「スポーツ協会関係者で久し振りにまともな人を見た」などと称賛する声が続出、危機管理専門家からも「感情的にならず、合理的な受け答えで見ている人に納得感をもたらした」と評価する声が出ました。
 日本レスリング協会のパワハラ問題後、あんなに強かった日本レスリングはもうガタガタです。日本体操協会も大丈夫でしょうか。大相撲の暴力問題、日大アメフト問題、日本ボクシング連盟、バスケットボールの買春問題・・・、日本のスポーツ界はどうなってしまったのでしょう。東京オリンピック、大丈夫?

■ 不穏な経済情勢
 米国トランプ政権の経済政策が世界経済に不安と波乱を巻き起こし、新興国通貨の急落を惹き起こしています。NAFTAの協定見直しでメキシコとの個別貿易協定を結び、日本企業も戦略の見直しを迫られています。今後中国との貿易戦争は予断を許しません。日本に対してもかなりえげつない要求を突きつけてくるだろうと思われます。
 一方日本では、ヤマト運輸など企業の不正が次々明らかになっており、今や超有名大企業でも不正が当たり前のような状況です。これは独フォルクスワーゲンなど、かつて不正とは最も縁遠いと思われていた企業ですら不正にまみれていたことが明らかになって以降、続々と表に出て来た印象です。「企業コンプライアンス」などと格好つけるから、逆に封じ込められるものがある?
(2018年9月1日)


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