いよいよ梅雨入りしました。5、6月は会合がたくさんあります。大学の同窓会、高校の同窓会、在京の産業人会、ふるさと雫石の町友会、岩手県人の集い、などなど...知り合いの誕生日もあり、岩手にも二度行って来ます。もちろん温泉にも行ってゆったりと湯に浸かることは忘れません ■ 藻谷浩介さんの講演
■ 日本のすべての市町村を歩く 藻谷さんは山口県徳山の生まれで、徳山高校〜東大法学部卒です。1988年日本開発銀行(現鞄本政策投資銀行)に入社、1992年コロンビア大学経営大学院に派遣留学して1994年MBAを取り、(財)日本経済研究所調査局に派遣出向で研究員となりました。2007年日本政策投資銀行地域振興部参事役、2012年日本総合研究所調査部主席研究員となりました。経歴は立派ですが、この人の特徴は都市の起源や歴史、盛衰に関して興味を持って、受験生時代には受験科目に関係ない「地理」の独学に励んでいたという点です。当初はほとんどが私費で全国を旅して、開通している日本の鉄軌道(JR・民鉄・公営交通)全線を完乗したというほどです。平成合併前の全国3,200市町村すべて、海外90ヶ国を私費で歩いたとは恐れ入ります。この結果、地域特性を詳しく把握した上で、その都市の抱える問題点を解析し、現場の実例も紹介しながらその都市の中心市街地活性化などまちづくりのあり方を提言する活動が評価され、全国各地で年間400回以上の講演会をこなすというスーパンマン振りです。政府関係の様々な委員も務めています。 ■ 里山資本主義
■ 岩手と山形 講演の最後に藻谷さんは、日本全国飛び回っているけれど、好きなところは盛岡と山形県だとおっしゃいました。風土、人間性、食べ物、いろいろ理由を述べられました。
■ 四、五十年前のイメージに基いて考える日本人 藻谷さんいわく、「日本人の多くが言っていることは、四、五十年前のイメージに基いている」のだそうです。不動産を持っていれば安心といまだに多くの人が思っていると言います。藻谷さんは、その例として聴衆にクイズを出しました。「四、五十年前と比べて自殺が増えていると思いますか」・・・「増えている」という人が多数でした。「四、五十年前と比べて殺人すなわち他殺が増えていると思いますか」・・・「増えている」という人が多数でした。「空き家が増えているのは地方ですか、大都市ですか」・・・「地方です」という人が多数でした。「老人が増えているのは地方ですか、大都市ですか」・・・「地方です」という人が多数でした。「違いますよ、すべて逆です」というのが答えでした。 ■ 自殺者数は減っている
■ 殺された人も減っている 他殺の件数も減っていると藻谷さんは指摘し、日本がいかに安全な国かということをおっしゃいました。秋葉原の無差別殺傷事件から2018年6月8日で10年となりました。元派遣社員の加藤智大死刑囚(35)が歩行者天国の交差点にトラックで突っ込んで通行人をはね、刃物で次々に襲って7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた事件でした。戦後最悪の大量殺人事件としては、2016年7月26日未明、神奈川県立の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」に元施設職員の男が侵入し、所持していた刃物で入所者19人を刺殺し、入所者・職員計26人に重軽傷を負わせた恐るべき事件でした。このような大量殺人があったとしても殺された人の数は減っています。
■ 他殺と自殺マトメ
■ 交通事故死者数と高齢者
■ 人生9回裏まで 藻谷さんがおっしゃるには、今五十歳以上の人は九十ウン歳まで生きると言います。広島カープファンである藻谷さんは、野球になぞらえて人生は9回裏まである、と言うのです。9回裏すなわち95〜99歳まで生きると考えて人生設計しなさいとのこと。2010年から2015年の5年間で東京の人口は36万人増えて、うち34万人は若者、全国から若者が東京に移動していると言います。人口が増えているのは東京以外では神奈川、愛知、埼玉、沖縄、福岡県です。一方で日本で64歳以下が減っていないのは沖縄県だけ、65歳以上の人口増日本一は東京、空き家が多いのは大都市圏です。これから大都市圏は老人比率が増えて、医療、介護の問題に直面する、特に厳しくなるのは東京だというのです。将来を考えたら東京は暮らしやすい街ではなくなるそうです。 ■ 地域力を生かした街づくりを
(2018年6月11日) |