268  貿易摩擦
 庭に茗荷の芽がニョキニョキ生えてきました。これはイカンと、キュウリやプチトマト、ゴーヤの苗を買ってきて植えました。接木苗の高価な苗ですが、ゴーヤが早速一株駄目になりました。毎年、何故か一株ぐらい枯れるのです。他は順調に育っています。

■ 南北朝鮮首脳会談・・・歴史的一歩
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は2018年4月27日、軍事境界線のある板門店(パンムンジョム)の韓国側施設「平和の家」で会談し、「完全な非核化により、核のない朝鮮半島の実現という共通の目標を確認した」とする「板門店宣言」に署名しました。宣言では1953年から休戦状態にある朝鮮戦争の「終戦」を今年中に目指すことや、両国に米国や中国を交えた多国間の枠組みで、平和体制の構築を協議する方針も示しました。南北首脳会談で拉致問題の進展があるかもしれないと期待を込めて注目していた日本の被害者家族からは、「共同宣言で拉致問題に言及がなかったのはがっかり、米朝首脳会談に期待するしかない」と落胆の声が上がりました。
 印象としては、金正恩委員長の役者振りの凄さ...若いのに文在寅大統領より貫禄を感じさせました。朝鮮民族の悲願として、統一の夢があるだけに、韓国では概ね歓迎の論調ですが、過去を振り返ると手放しで楽観はできません。拉致問題は他力本願ではダメ、最後は日朝直接交渉、日本から見たらとんでもない話ですが、いかに高く売るかと考えている北朝鮮ですから、韓国や米国頼みでは進展しません。

もうすぐ母の日

■ G20の限界
 黒いハットにサングラス姿・・・海外映画に登場するマフィアのような格好でワシントンに到着したのは、麻生太郎財務相です。2018年4月19日、主要20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席するための訪米です。日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が出席しました。世界経済については、引き続き改善しているとの認識で一致、前回会合から1ヶ月しかたっておらず、共同声明発表は見送られました。ドゥホブネ議長(アルゼンチン財務相)は、世界経済の下振れ要因として、地政学リスクや金融引き締めに加え、「内向き志向の政策」を挙げました。その上で自由貿易が成長を生み出すとの認識では一致したものの、保護主義をめぐっては「見解の相違がある」と説明、「G20は世界貿易機関(WTO)ではない」とも語り、通商問題解決で果たせる役割には限界があると認めました。つまりトランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発動したことを念頭に保護主義的な政策を懸念するものの、打つ手無しとホールドアップした形です。

■ 日米為替相場のせめぎあい
 最近の金融市場は「米中貿易戦争」をにらみつつ日替わりメニューのように強気と弱気が交錯し、ドル円相場も106〜109円台を中心に一進一退を繰り返しています。その背景には、トランプ米政権の政策がハッキリしてきて円高圧力が続いて来たことと、日本企業…武田薬品や富士フイルムHDの大型欧米企業M&A案件などの投資のせめぎあい・・・すなわち円売りドル買い案件が続いていることがありそうで、これが年初来の円高地合いを押しとどめる要因の1つになっているようです。日本にとっては円安が望ましく、一時期アベノミクスによって円安になり日本が好景気になりましたが、ここに来てトランプ米大統領が日本の対米貿易黒字が多過ぎるのはアンフェアだ!と言い出して円高地合いに転換して以降、日経平均株価も低迷して雲行きが怪しくなってきました。

■ トランプ政権は対中強硬派と保護主義者だらけに
 では今後の円相場の鍵を握る材料は何でしょうか。安倍政権の不安定化やシリア・北朝鮮などの地政学問題もありますが、やはり米中貿易摩擦こそが相場の方向を決定付けると思います。 「アメリカ・ファースト(米国第一)」を掲げるトランプ大統領は、理念的支柱と言われたバノン氏がホワイトハウスを去ると、政権内の人事が流動化して、次々と高官の辞任、解任が相次いで、良識派や穏健派が去りました。経済政策の司令塔である国家経済会議(NEC)委員長には、親ビジネス派と言われたコーン氏に代わって、中国の知的財産権侵害などを問題視していたカドロー氏が就任、国家安全保障担当の大統領補佐官には、トランプ大統領との不和が報じられていたマクマスター氏に代わって、保守強硬派のボルトン氏が就任しました。国務長官もティラーソン氏が解任され、後任には中央情報局(CIA)長官のポンペオ氏が指名されています。政権内では、対中強硬派のナバロ通商製造政策局長やライトハイザー通商代表部(USTR)代表も存在感を増しており、保護主義者による鉄壁の布陣が出来上がりました。

■ 「米中貿易戦争」は起きるか?
 トランプ米政権は鉄鋼・アルミニウムの関税を引き上げる輸入制限を発動したことに加えて、知的財産権侵害を根拠に中国を狙い撃ちする追加関税を発表、中国がこれに真っ向から応酬してきたため、トランプ大統領は1,000憶ドルの追加関税を検討するよう新たにUSTRに指示しました。しかし貿易戦争に勝者がいないことは歴史が証明していますから、このまま米中貿易戦争に突入するとは思えません。中国は、かつての日米貿易摩擦の経緯を深く研究し、日本で起きたバブル崩壊や円高不況と同じ轍を踏まぬように内需を拡大しながら、緩やかな市場開放と人民元高へと軟着陸を目指すのではないかと思います。なにしろ習近平国家主席の磐石な体制は、ちょっとやそっとでは揺るぎそうもありません。

■ 中国の反面教師は日本、緩やかな元高を志向
 日本は1980年代以降、米国との間で深刻な貿易摩擦に直面し、プラザ合意を経て急激な円高に見舞われ、日米構造協議などを通じ市場開放を迫られました。右図は高度成長を経て1973年第1次オイルショック、1979年第2次オイルショック、そしてプラザ合意からリーマンショックに至る円ドルレートの変遷です。現在の中国は、米国との通商関係において、当時の日本と同じ道のりを歩もうとしているようです。経済構造改革の必要性は中国側も感じているはずですから、このタイミングで米国との決定的対立をエスカレートさせることはないでしょう。何事もディ−ル(取引)で考えるトランプ大統領よりも、一帯一路構想を掲げる習近平国家主席のほうが一枚上に見えます。米中間選挙がある今年は、何らかのお土産をトランプ政権に渡すことで、のらりくらりと巧みにかわしながら時間稼ぎするでしょう。なにしろ安保で首根っこを掴まれている日本とは違って、中国にとっては弱みはありません。むしろ米国が安保面で中国に脅威を感じています。したがってプラザ合意のようなことは起きないでしょう。

■ 日本丸の舵取りは・・・
 では今回日本は大丈夫でしょうか?中国、メキシコに次ぐ688億ドルの対米貿易黒字(2017年)を稼ぎながら、米中が対立しているがゆえに同盟国として「免罪符」を与えられていると錯覚しているのではありませんか?「中国は黒字削減を約束した。日本はどうするのだ」と問われた時、日米自由貿易協定(FTA)交渉を拒否し続けられるのでしょうか。日銀緩和と円安政策のアベノミクスがやり玉に挙がる可能性もあり得ます。1980年代にレーガン政権下のUSTR次席代表として対日交渉に携わったライトハイザー氏が、今回はUSTR代表として旗を振るわけですから、日本にとっては苦々しい思い出です。米中貿易摩擦の沈静化がもたらすものが、日米貿易摩擦と円高とならないように、日本の優秀な官僚をフル動員し、次は無いと言われているトランプ大統領の退任までのらりくらりと時間稼ぎするのが得策でしょう。したがって現在安倍政権で政治と官僚のトラブルが続く根っこを絶ち、中国と米国の間でユラユラと上手く立ち回る舵取りが求められます。

■ 幸楽苑新メニュー
 幸楽苑は4月24日(火)より販売開始した「新・極上中華そば」(通常価格 税抜390円)を、1時間限定かつ100名限定で、10円(税込)にて販売するキャンペーンを行いました。
 このラーメンは鶏豚濃厚合わせダシ、価格そのまま!チャーシュー2倍!!をキャッチとする新商品です。もともと幸楽苑の売りは中華そば、それも290円商品でした。それを税別390円の新商品にしたところから崩落が始まりました。日高屋の中華そばは税込390円、幸楽苑421円、このわずかな差が明暗を分けました。

新・極上中華そば

10円キャンペーン


■ 「日高飲み」で儲けている日高屋
 外食チェーン店にはフラッグ商品というものがあります。牛丼の吉野家が280円牛丼を値上げした途端客数が落ち込んだ「吉野家ショック」というのはいまだに語り草で、すき家や松屋は常に価格戦略には慎重になってきました。信じられないのはカツ丼のかつやですね。カツ丼(梅)税別490円、ロースカツ定食税別690円、これで毎回100円サービス券付きですから実質カツ丼(梅)税別390円です。よく商売になるものだと思います。一時期勢いのあった「東京チカラめし」などは今や風前のともしびです。幸楽苑と日高屋にとってのフラッグ商品はまさにこれが中華そばです。そもそも幸楽苑の290円中華そばは安過ぎました。目玉商品というのは、これで釣って他の商品を利用させるものですが、余程の大食いでなければ中華そば一杯で十分です。値上げ後の390円でも十分安いですが、日高屋は大盛りサービス券をくれるので、実質大盛り税込390円ですから、大盛り分50円プラス消費税分、合わせて80円強日高屋のほうが安い勘定になります。麺の違い、スープの違いがあり、ラーメンオタクの中には「食べない」という人もいますが、この差は大きいですね。他にも日高屋が強い理由は覗いて見れば分かります。真昼間からアルコールを飲んでいる年寄りがゾロゾロ...日高屋は駅前オンリーで駐車場無し、飲んべえを対象にした「日高飲み」で儲けているのです。

■ 外食業界が抱える問題
 先日久し振りに上野界隈を歩いて見ました。バイクショップが随分減りました。増えたのはエスニックの飲食店です。日本の食べ物ではないものをサービスする店が増えたのはそういう客層が増えたということです。最近我が街を歩いていると、昔ながらの食堂が次々閉店しています。経営者が高齢化し、後継ぎが居ないからでしょう。一方でいま外食業界が抱える問題の一つは人手不足です。ピザ屋さんが従業員が集まらなくて閉店したりしています。幸楽苑は時給を高くして常に従業員を募集しています。我が家の近くの店で働いているのはみんなお母さん達です。駅前の日高屋はガイジンですね。やはりサービス対応は日本人のお母さんの幸楽苑のほうが良い感じです。ほんのちょっとの違いなのですが...頑張れ、ニッポン!

■ 「獺祭」をメーカー希望小売価格で買えました
 「獺祭」を正規価格で買うために、旭酒造と契約した正規販売店で我が家から最も近い4.6kmの潟}ツザキ中福店(川越市中福547)に行ってきました。「初孫」(山形県)も買ってきました。次は田酒(青森県)や出羽桜(山形県)を買ってこようと思っています。川越の畑の中を走りながら、こんな農地ばかりのところに酒屋なんてあるのかな?と思いながら走っていたら、有りました!中に入ったら、感動的!すてきなお酒がずらりと並んで、どれもこれも飲みたいお酒が・・・・むしろ街から酒屋が無くなって行く中で、農村に立派な酒屋が残っていることに感動しました。「卸売りの方はご遠慮下さい」という張り紙があります。「獺祭」のようなプレミア付けて売れる酒なら確かにここで買ってよそで売ることもできるでしょうが、だからこそまとめ売りしないということでしょう。本当にメーカー希望小売価格で買えました。

■ 豪快なフルスイング・・・「鉄人」衣笠祥雄さん逝く

 プロ野球の広島で2215試合連続出場の世界記録(当時)を樹立し、「鉄人」と呼ばれた衣笠祥雄(きぬがさ・さちお)さんが上行結腸がんのため、2018年4月23日夜死去、享年71歳でした。
 1月には星野仙一さんが70歳でこの世を去り、今また団塊の世代の星と言える野球人を失いました。「打てるものなら打ってみろ」と打者を睨みつけての真っ向勝負の星野さん、対して豪快なフルスイングからの強打が持ち味で、ぶつけられてもへこたれず、色めきたつベンチを抑えて1塁に向かう衣笠さん、対照的ではありますが、どちらも「カッコイイ!」と思わせる野球人でした。
 京都府生まれですが、1965年広島に入団して、1987年の現役引退まで広島一筋でプレーしました。1975年球団初のセ・リーグ優勝では、同年齢の山本浩二とともに主砲として活躍、「赤ヘル旋風」を巻き起こしました。1979年には死球を受け肩甲骨を骨折しましたが、翌日の試合に代打で出て強振、三振したものの「西本のために振った」という名言を残しました。不屈の闘志で出場を重ね、1980年にはプロ野球新記録の1247試合連続出場をマークしました。1987年6月には当時の米大リーグ記録だったルー・ゲーリッグの2130試合も抜いて国民栄誉賞を受賞、これは1996年に大リーグのカル・リプケンが塗り替えるまで世界記録でした。プロ通算成績は、2677試合に出場して2543安打、打率2割7分、1448打点、1372得点、504本塁打、266盗塁、いずれも素晴らしく、守備でもゴールデングラブ賞の名手でした。背番号3は広島球団の永久欠番です。引退後は評論家として活躍し、1996年に野球殿堂入りしました。
 4月19日(木)もBS―TBSの解説者としてDeNA・巨人戦(横浜)でテレビ解説を務めましたが、声がよく出ないので局側が槙原寛己さんを急遽呼んで、一緒に解説していました。その解説は選手への愛、野球への愛に溢れていました。本人の希望もあり、26日にも同局で解説者として出演する予定だったそうです。仕事を全うする姿は「鉄人」そのものでした。ご冥福を祈ります    合掌


衣笠祥雄さん

(2018年4月29日)


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