263  東北新幹線
 湯西川、繋と二週連続湯めぐりでした。2018年3月21日の春分の日は寒かったですね。雪まで降りました。少年野球が春季大会佳境になってきて、21日(水・祝)の雨で埼玉南部春季大会が中止になって、日程グチャグチャになりました。並行して行われている富士見市親善大会やふじみ野市春季大会にも影響が出て、前回「さすがにとは参りません」と書きましたが、やっぱりに行きました。2018年3月22日の夜は恒例川越温泉でした。

小さな旅川越温泉の外観夜景

源泉はアルカリ単純泉、ツツルする柔らかい湯

■ 国立大学法人岩手大学の卒業式
 2018年3月23日(金)は国立大学法人岩手大学の卒業式、登壇するので日帰りで行ってきました。写真の左端・ひな壇の左側に学長以下大学関係者、右側に経営協議会委員や同窓会、後援会トップが並び、筆者は最左翼に座り、隣が共に学外委員を務める岩手県副知事でした。例年の会場;岩手県民会館がリニューアル工事のため、盛岡市タカヤアリーナで行われました。バスケットボールや、テニスのデビスカップなども行われたところです。昔はアイスアリーナでしたが、スケート場が別に出来たため、多目的アリーナになりました。
 今年度は、大学院285名、学部1,104名、計1,393名の皆さんが新たな門出を迎えました。学長のスピーチは後半、留学生に配慮して英語で行われました。
 毎年思うのですが、旅立とうとする若者たちの希望に溢れた笑顔は本当に良いものですね。女性の晴れ着も美しい、交通費をかけてでも出席したいイベントです。

盛岡市タカヤアリーナでの国立大学法人岩手大学の卒業式

■ 人気東北1の道の駅「雫石あねっこ」の素晴らしい温泉に浸かり・・・
 3月23日の卒業式後、やはりこのまま帰るには心残りで、雫石町の橋場温泉あねっこの湯」に立ち寄りました。道の駅にあるのですが、ここは東北の道の駅人気ナンバー1だそうです。洋風に全面リニューアルしたトイレ、レストコーナー、産直野菜の店や、雫石の各種物産の販売ブース、食堂、茶屋、そば専門の「しずく庵」、大浴場と露天風呂、サウナを備えた温泉保養施設があり、中には食事も頼めるお休み処や無料休憩所も併設され、やすらぎの空間が提供されています。72畳の広々とした和室の「食事処こまくさ」では、オリジナルメニューの食事が用意されています。入浴料は大人510円ですが、各種カードたとえばJAFカードなどを提示すると100円引きになりますが、そのなかにイオンカードもあったので見せたら本当に410円になりました。ラッキー
 橋場温泉新はしばの湯は、洋風・和風の二つのスタイルが楽しめる日帰り温泉です。泉質はアルカリ性単純泉(低張性アルカリ性高温泉)で、入ると、トロトロした肌触りです。色白美人として知られる「雫石あねっこ」を想わせるお湯が、いで湯の情緒を醸し出す美肌に効果的な温泉です。露天風呂で「雫石川」のせせらぎに耳を傾けながらゆっくりと浸かると、時を忘れた悠久のひとときを過ごせます。最近体験したことの無い、素晴らしい湯でした。

 内風呂も露天風呂も、豊富な湯量の掛け流し温泉です。3月でまだ外気は寒いので、露天風呂は内風呂よりやや温度は低い感じでした。ドライサウナの外には水風呂もあります。脱衣所もゆったりしてロッカーも整備されていて、貴重品も安心です。
 上で料金を書きましたが、回数券は10枚で3,500円です。これは首都圏では有り得ない安さ、しかも温泉らしい温泉ですよ、うらやましい...

露天風呂

内風呂

ドライサウナ

■ 新幹線
 さて、筆者は頻繁にJR東日本の新幹線を利用しますが、盛岡や雫石へ所用で出掛けることが多いので、中でも東北新幹線、秋田新幹線を利用することが多くなります。

七ツ森を背に岩手山と一本桜を望むアングルに、疾走する秋田新幹線こまちの勇姿が・・・(JR東日本2017年カレンダーより)

■ 距離が長くて時間がかかるほうが運賃が安い

 新幹線乗車駅は大宮で、大宮までは東武東上線上福岡駅から下り方面2駅川越駅まで4.6km165円、乗り換えて、JR川越線で5駅大宮へ16.1km324円、もしくは上福岡駅から上り方面6駅朝霞台駅まで9.5km195円、隣接するJR武蔵野線北朝霞駅乗り換え、2駅で武蔵浦和駅、また乗り換えて埼京線で5駅大宮へ14.4km216円、武蔵野線南浦和駅で乗り換えてJR京浜東北線で5駅大宮へ16.7km216円もありますが、1駅多いし、大宮駅での乗り換えが距離あるので使いません。川越経由だと大宮まで20.7km489円、北朝霞〜武蔵浦和経由大宮は23.9km411円、北朝霞〜南浦和経由大宮は26.2km411円、距離が長くて時間がかかるほうが安いのです。これは川越線は「幹線」、武蔵野線・埼京線・京浜東北線は「東京電車特定区間」となっていて、後者の方が安い運賃になっているからです。こうした運賃マジックは鉄道好きの人にはたまりません。例えば赤羽から東京駅折り返し大宮駅(埼玉)までの運賃より、赤羽から東京駅折り返し大宮を通り過ぎて隣の川越線日進駅までの運賃のほうが安いなんてどうしても腑に落ちませんが、さあこれは何故でしょう?興味がある人は調べてください。

■ 武蔵浦和ルートと南浦和ルートの違い
 もっと面白いのは、盛岡駅までの鉄道料金です。
@上福岡〜北朝霞〜武蔵浦和経由埼京線大宮→盛岡は
  528.9km14,385円(最安)
A上福岡〜北朝霞〜南浦和経由京浜東北線大宮→盛岡は
  531.2km14,595円(距離、所要時間とも最長)
B上福岡〜川越経由川越線大宮→盛岡は
  525.7km14,565円(距離、所要時間とも最短)
いずれも大宮から「はやぶさ号」で指定席5,980円利用した場合です。北朝霞→大宮間はどちらも216円だったのに盛岡までだと運賃が違うのは、520kmまでJR運賃8,210円、521kmから540kmは8,420円だからです。券売機で北朝霞発盛岡着を指定すると武蔵浦和ルートと南浦和ルートが表示されるワケが以前は分かりませんでした。南浦和ルートで買ったら、アレ?前より高いな、と思って不思議でした。後日武蔵浦和ルートで買ったらアレ?今度は安いぞ、となってやっと理由が分かったのです。

■ 東日本の新幹線網の扇の要は大宮駅
 東北新幹線が開業したのは1982年6月23日、当時の最高速度は東海道・山陽新幹線と同じ210km/hでした。特急はつかり号で6時間かかっていた大宮−盛岡間が3時間17分と飛躍的に短縮されました。20年後の2002年12月には八戸まで延伸、2010年12月には新青森まで28年かかって全線開通しました。更に津軽海峡を超えて2016年3月には北海道新幹線;新青森−新函館北斗間が開業しました。
 東北新幹線が開業した1982年には、5ヶ月後の11月15日、上越新幹線の大宮−新潟間が開通し、特急で3時間45分かかっていたのが1時間45分で結ばれ、大きなセンセーションを巻き起こしました。このことで、北海道、東北、上越、北陸への新幹線の基幹駅は大宮であることが分かります。鉄道博物館がある理由が分かりますね。つまり東日本の新幹線網の扇の要は大宮であり、これら新幹線を乗り継ぐには大宮で乗り換えるわけです。大宮以南は住宅密集地を通るので土地確保や騒音対策が大変だったでしょう。ここで日本の誇る地下掘削技術が活躍します。1985年3月には上野まで延伸され、1991年6月には東京駅まで繋がりました。

E5系はやぶさ↑
↓E6系こまち


E5系とE6系連結で盛岡へ、E5系は北上して青森・北海道へ、E6系は西方秋田へ

■ ミニ新幹線方式の成功
 1992年7月にはミニ新幹線の山形新幹線が福島−山形間で開業し、東京−山形間が2時間27分で結ばれました。在来線の線路幅を新幹線に合わせて広げ、車体は在来トンネルを通れるようにコンパクトにしたもので、この成功により秋田新幹線もミニ新幹線方式で1997年3月に秋田まで開業しました。ミニ新幹線の車体出入り口ステップには、東北新幹線駅ではパタンと補助ステップが倒されてホームまでの隙間を埋めます。

■ 長野新幹線から北陸新幹線に
 同じ1997年10月にはフル規格の新幹線が高崎から長野まで開業し、このときは長野新幹線と呼ばれました。金沢までの北陸新幹線は、豪雪地帯を走るので、雪に耐えられる線路作りに知恵を絞り、時間がかかりましたが2015年3月についに開業し、長野新幹線から北陸新幹線に名前が変わりました。今年の北陸豪雪でも、在来線が大雪で立ち往生して乗客が一晩電車内に閉じ込められるなどという事件が起きましたが、北陸新幹線E7系車両は何事も無いようにダイヤ通り運行を続ける、この雪への強さは改めて北陸新幹線の凄さを印象付けました。

■ 新幹線の高速化
 さて新幹線が快適性を損なわずに高速化してきた歴史をたどりましょう。開業時210km/hの東北新幹線は、1985年3月の上野までの延伸時には240km/hにスピードアップしました。高速化しても騒音レベルを上げないという大原則を守るために、パンタグラフを半減させることに成功したからです。1990年には上越新幹線で大清水トンネルの下り坂を利用する限定的区間ながら275km/h運転が実現しました。この経験を生かしてE2系、E3系車両が開発され、東北新幹線でも275km/h運転が始まりました。更に高速化を図るため、ロングノーズの車両が開発され、ノーズ長15mのE5系、13mのE6系では320km/hと、開業時から110km/hも早くなって、大宮−仙台間は321.5km1時間6分で行けるようになりました。大宮−盛岡間は505km1時間49分です。東京−仙台は351.8km1時間32分、東京−名古屋366km1時間41分、東京−盛岡は535.3km2時間13分、東京−新大阪は552.6km2時間30分です。

■ 360km/hの試験車両が2019年春登場
 2019年春にはJR東日本で360km/hの試験車両が登場します。こうなると、リニア新幹線は果たして必要か?という議論が巻き起こるかもしれません。もちろんリニアは夢ですから、東海道新幹線に代わるものとしては必要ですが、東日本の路線では不要でしょう。

■ 東京バイパス、東北・上越−東海道直結?
 東京駅でJR東日本とJR東海の新幹線を乗り換えなければならないのは不便です。国鉄時代には東京駅で直結することになっていましたが、現実には東海道と東北では開業時期が異なるだけに様々な障壁があります。両新幹線は、東海道が交流2万5千ボルト60Hz、東北が交流2万5千ボルト50Hzの電気を使う、また東海道は「ATC-NS」、東北は「DS-ATC」という信号システムを使うなど様々な違いがあるため、単純にレールを接続しただけで直通運転はできませんが、技術的に難しい問題ではありません。ただ雪に弱い東海道車両では冬の東北・上越は無理です。東日本の要の大宮から、川越、立川を経由して東海道新幹線に接続すれば、東京湾岸をバイパスして短時間で東海道各駅に行けるようになるのですが、リニアを推進する東海が難色を示しているという話も聞きます。
 というよりもJR東海としてはリニア建設に夢中で、それどころではないというのが本音でしょう。ただ、東京駅という軟弱地盤ではなく、関東ローム層の強固な地盤を通って東北・上越と東海道を結ぶほうが災害上も安全です。やがてこの議論も現実化するかもしれません。

E5系


E6系


E7系

■ リニア談合事件
 リニア中央新幹線の建設工事を巡るゼネコン大手4社の談合事件で、東京地検特捜部は3月23日、法人の大林組、鹿島、大成建設、清水建設と、鹿島と大成建設の社員2人を独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪で起訴し、この事件の捜査は終結する見通しだそうです。しかし鹿島と大成建設の二社は談合を否定しています。民間発注事業に関し、受注業者が同罪で起訴されるのは初めてです。鹿島と大成建設が踏ん張っているのにはそれなりの理由が有ると推察します。JR東海としても他に頼るところが無いとすれば選択の余地は無い気がします。ましてや災害国日本で、技術的に超高度な安全を要求される工事において、独占禁止法違反というのはいかがなものでしょうか。検察は優先度において他にやることがあるのではないでしょうか。どうも何かボタンを掛け違えているような気がします。国民にハッキリ分かるように説明してもらわないと納得できません。ゼネコン=談合=悪という方程式が前提にあるのではないでしょうか。
高梨沙羅、男女通じて歴代最多のW杯通算54勝おめでとう!
(2018年3月25日)


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