258  ダブル羽生
 北海道はじめ、日本海側で大雪に見舞われています。我がふるさと岩手からも大雪の便りが届いています。雪かきの重労働でだいぶお疲れのようです。一般道の車立ち往生、高速道路の通行止めなどが報じられる大雪なのに、山形新幹線はともかく、東北新幹線や北陸新幹線は運休も遅れも無いのはスゴイですね。技術力に感心します。バレンタインデーのチョコレートを持って娘がやってきました。有り難いことです。
 2018年2月17日(土)は日本橋の画廊に行きました。高校時代の同期の女性の旦那さんが2014年に亡くなったのですが、この方が有名なアーティストで、版画家でしたが、その芸術性が際立っていて、しかもその人間性が若い芸術家などから慕われていて、そのオマージュのための展覧会が行われていたのです。実際に見たその絵はまさに想像を絶する素晴らしさでした。いずれご紹介します。

■ ダブル羽生
 しかし実はこの日、テレビを見たいと思っていました。冬季五輪のフィギュアスケート男子フリースタイル、そして藤井聡太棋士の朝日杯将棋オープン戦準決勝、決勝です。フィギュアスケートは羽生結弦、藤井聡太さんは2月13日に国民栄誉賞に輝いた羽生善治さんとの対戦です。奇しくもダブル羽生、ハニュウとハブの違いはありますが。ただ画廊に行く時間がちょうどダブルので、都内のパブリックビューイングも無理だし、スマホにしました。
 余談ですが、羽生善治さんと共に2月13日に国民栄誉賞に輝いた囲碁の井山裕太さんは、第42期棋聖戦七番勝負の第4局が行われる岩手県大船渡市に行き、我が友人の戸田公明市長の歓待を受けました。井山裕太棋聖(28)は結局、挑戦者の一力遼八段(20)に4連勝して6連覇を達成しました。一力八段とは昨秋の王座・天元戦に続いてのタイトル戦対局で、計10局全勝です。名人・本因坊・碁聖・十段とあわせ全七冠を堅持した井山棋聖は、来月6日開幕の第56期十段戦五番勝負で、村川大介八段(27)の挑戦を受けます。ただ、井山裕太さんは2月8日、囲碁の日中韓台の精鋭32人の勝ち抜き戦であるLG杯朝鮮日報棋王戦決勝三番勝負で悲願の「世界一」に挑んだものの、中国の謝爾豪(しゃじごう)五段(19)に1勝2敗で敗れました。上には上が居るということです。

■ 羽生「金」、宇野「銀」、日本中が大興奮!
 平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で、2018年2月17日フリースタイルの競技が行われ、ショートプログラム首位の羽生結弦(23)=ANA=が206.17点をマークし、合計317.85点で優勝して、2014年ソチ冬季五輪に続く連覇を達成しました。1952年のディック・バトン氏(米国)以来、66年ぶりの連覇で、オリンピック史に伝説を打ち立てました。SP三位だった宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=も二位に入り、日本勢が金、銀メダルを獲得しました。これは日本フィギュア史上初のダブル表彰台の快挙です。銅メダルはショートプログラムで二位だったハビエル・フェルナンデス(スペイン)、羽生結弦と同じカナダのコーチなので、言わば兄弟も同様、結果が出た後、お互いの健闘を讃え抱き合う二人の横でブライアン・オーサーコーチがスマホで写真を撮っていました。余程うれしかったのでしょう。
 それはそうですね、教え子二人が表彰台に上がるなんて、普通有り得ません。4年前のソチでのキム・ヨナと羽生結弦の金メダル、そして今回、ブライアンコーチは、まさに名コーチですね。 

左から銀メダルの宇野昌磨、金メダルの羽生結弦、銅メダルのフェルナンデス(スペイン)

■ ユヅルとハビエルを指導したブライアンコーチ
 11月に右足を怪我してからわずかの期間で、冬季五輪連覇、この種目における連覇の困難さを考えると、羽生結弦は国民栄誉賞間違いないでしょうね。テレビのインタビューで「みんな捨ててオリンピックに集中した」と言っていましたが、何を捨てたんだろう?と思いました。それはいずれわかるでしょうが、羽生結弦が17歳でブライアンコーチの門を叩いたとき、彼はあのキム・ヨナ、そしてフェルナンデスのコーチでもありました。当時すでに羽生結弦は有名な選手でした。普通ライバルのコーチにオファーを出すなんてことはこの世界では有り得ないことだそうです。本心を聞くためにブライアン氏はすぐにカナダからニッポンに飛んで、ユヅルに会いました。内気な少年だなという印象を持ったそうですが「ボクはトロントへ行ってブライアンと練習したい」と言う稚拙な英語の言葉から、ユヅルの情熱を感じたブライアン氏は即OKを出しました。後で詳しく聞いたところ、彼は4回転が得意なハビエルを見て、ブライアン氏の指導に秘密があると考えたみたいですね。
 喘息持ちだった羽生結弦は、同時に何事にも手を抜かない、すべての試合に勝ちに行く、ハビエル・フェルナンデスとは真逆の性格でした。日本人とスペイン人の違い、まさにそうですが、ブライアン氏は「時にはノーも、捨てることも必要だよ」と言いました。しかし、強情なユヅルは言うことを聞きませんでした。ソチのときも今回も、ブライアンコーチは報道陣の質問に答えて「ユヅルが優勝する」と言いました。普通、オリンピックの試合前に、そんな選手に重圧を与えるようなことをコーチは言いません。それだけユヅルの性格を知っていて、かつ本番で力を出せる選手と信じていたのでしょう。

■ 宇野昌磨もスゴイ
 羽生結弦が金、宇野昌磨が銀というのは、芸術性を争うフィギュアスケートでは最初から若干ハンディ差がありますね。羽生結弦はそのスラリと手足が長い肢体だけですでにカッコイイからです。ハンディがあっても宇野昌磨という選手の心臓はスゴイと思いました。インタビューに答えて「全員の演技を見ていて、点数も見ていて、自分の自己ベストも知っているので、どの演技をしたらどの順位になるということを頭でだいたい分かっていました。なので、全部成功したら1位だと思っていたんですが、最初の4回転で転んじゃって、笑っちゃった」と話しました。失敗して、ああ、これで優勝は無いな、と思ったら、開き直ってこれからは自分の演技をしようと考えたのだそうですよ。可愛い顔に似合わない強い心臓を持っているんですね。スポーツに限らず人生すべてにおいてそうだと思いますが、人間は必ず失敗します。失敗した後にそれを糧にしてホップステップジャンプするか、めげるかで、その後の結果が変わります。それにしても最初の失敗の後、見事な演技でSP三位から銀メダルまでジャンプするとは、本当にスゴイ!今後が楽しみです。

■ 藤井聡太六段誕生!
 中学生の将棋棋士、藤井聡太さんが2018年2月17日、朝日杯将棋オープン戦の本戦トーナメントで、羽生善治二冠と広瀬章人八段を連破して、トーナメント戦で初優勝しました。藤井さんは2月1日に五段になったばかりですが、「全棋士参加の棋戦で優勝」という条件を満たしたため、中学生として初の六段になり、ひふみんの15歳10ヶ月の最年少記録を塗り替えました。15歳6ヶ月で棋戦の優勝と六段昇段、いずれもこれまでは将棋界のレジェンド・加藤一二三さんの持っていた最年少記録でした。次いで、谷川浩司さんの1979年の16歳10ヶ月、羽生善治さんの1987年の16歳11ヶ月ですから、今後が楽しみです。

■ 来年から年賀はがき料金10円引き上げ62円に
 日本郵便は2019年用年賀はがきの料金を、通常はがき同様10円引き上げ、62円とするそうです。2017年6月に通常はがきを62円に値上げする一方、2018年1月7日までに投函(とうかん)された年賀はがきに限り、52円で据え置きましたが、発行枚数の減少に歯止めがかからない上、はがきの種類で料金が異なるのは分かりにくいとの指摘もあり、一本化するのだそうです。まあ、そうなるだろうとは思っていましたが、インターネット交流サイト(SNS)などの普及で発行枚数が落ち込み、2018年用年賀はがきの総発行枚数は前年比5.6%減の29億6500万枚と、ついに30億枚の大台を割り込んだそうです。
 筆者は200枚ぐらい年賀状を出しますが、「生きてるよ〜、元気だよ〜」通知として写真入りで出します。しかし「もう年賀状は止めます」という通知が来るようになりました。高齢になり、お付き合いをやめたいとか、気力が無くなった等の理由でしょう。ネットで年賀状に代えますという通知の人も出てきました。ただ年に一度の郵便というのも貴重なのではないでしょうか。
(2018年2月18日)


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