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 本格的に秋になってきました。「中秋の名月」・・・2017年10月4日(水)の十五夜は、やや雲に隠れることもありましたが、まあまあ見えました、きれいでした。朝晩が冷えるこの時期、実は朝顔が最もきれいなのです。夏は暑さからすぐしぼむので「朝顔」なのですが、この時期は気温が下がったため、昼でもまだ開いています。ちょっと出遅れの蝶などが昼にまだ蜜を探しています。
 食器洗いをしていても水が温かく感じるのは気温が急に下がったのに対し、水温は急には変わらないためです。季節の変わり目にはよく感じることです。我が家は庭にコンポストがあって、生ごみが出ないので、いわゆる「燃やすゴミ」が少量です。プラスチックは週に1回、コチラは40リットル袋に1杯出ます。「燃やすゴミ」は週に2回収集日がありますが、生ごみが無いので量が少なく、週に1回でも小さな袋です。プラスチックリサイクルや紙のリサイクルを徹底しているので、わざわざ燃やすゴミはわずかなのです。

■ 新車販売…プリウス4割減、エヌボックスが首位
 2017年度上半期(4〜9月)の車名別新車販売台数で、首位はホンダの軽自動車「エヌボックス」で、前年同期比10.6%増の94,601台でした。軽は全面改良や一部改良した車種の売れ行きが好調で、上位10車種のうち6車種を占めました。2位はトヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」で42.4%減の78,087台、3位は日産自動車の小型車「ノート」で68.5%増の68,441台、三菱自動車から供給を受ける日産の軽「デイズ」は、前年に三菱自の燃費データ不正問題で一時販売を停止した反動で、2.4倍の67,262台と大幅に回復し、4位に食い込みました。

■ VWに始まる燃費データ不正
 独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車の排ガス不正は衝撃的な出来事でした。

2017年度上半期新車販売台数首位:ホンダ Nボックス
TOYOTAと世界自動車販売トップを争っていたVWが、しかもこうした不正から最も疎遠と思われていたドイツのメーカーの不正だったこともあり、いったい何を信じたら良いのか、他のメーカーも不正に手を染めているのではないか?という疑惑が一気に巻き起こりました。そしてそのとおり、続々と世界中で不正が明らかになりました。
 その中に日本のメーカーも加わりました。三菱自動車が軽自動車の4車種で燃費試験のデータを不正に操作していたのです。その中には日産に供給している「デイズ」もありました。燃費を実際よりもよく見せるためで、4車種の生産・販売を停止しましたが、株価は暴落し、我が家と同じ町会の販売会社も営業を休止しました。販売店に罪は無いのに、と気の毒に思いました。
 更に自動車大手スズキが、国内で販売している軽自動車など全16車種の燃費データを測定する際に、国の定めとは異なる不正なやり方を採用していたと発表、国が定める「惰行法」と呼ぶ測定法でなく、屋内試験でタイヤやブレーキの転がり抵抗、車体の空気抵抗を個別に測定し、それらデータを積み上げて走行抵抗値を出していたそうです。

■ 燃費競争一段落
 三菱やスズキの問題で明らかになったのは、こうした燃費性能等の数値が、自動車メーカーの自主申告だったことです。燃費試験データの不正操作をしたくなる温床でした。ただ、不正を擁護するわけではありませんが、こうしたことは自動車の走行そのものの欠陥隠しではないので、VWもそうですが、企業の存亡を危うくするような悪質なものではありません。昨今はこのためもあって燃費競争を自粛する動きも出て、火付け役だったダイハツの「ミライース」(右写真)もキャッチフレーズだった「燃費第一」の看板を取り下げました。ちなみにダイハツは燃費不正は無いと断言しています。
 ガソリン車からハイブリッド車に切り替えた人が、思いのほか燃費が良くないとガッカリした話も耳にするようになりました。それだけガソリン車の燃費性能が向上したことを表すエピソードです。ハイブリッド車はバッテリーが重いので、燃費を落とす要因になっているのです。

■ 自動車業界でまた不祥事

ダイハツの「ミライース」
 昨年、三菱自動車の燃費データ不正が発覚し、当時のゴーン社長(現会長)の“鶴の一声”で日産自動車が三菱自動車を傘下に入れたことは記憶に新しいですが、三菱自動車がそこまで追い込まれたのは、実は前に事件を起こしていたため、企業の体質を問われたためです。ところが今度はその日産自動車が、国内の日産グループ全6工場で製造した21車種で、完成検査の一部を、正規の検査員以外が実施していたことがわかり、納車前の新車の販売を一時停止して、既に販売済みの車を38車種116万台リコールすると発表しました。日産・ルノーグループは今や世界自動車販売トップです。日産よ、おまえもかという衝撃ニュースでした。
 日産自動車の今回の事件は、検査結果を記載する書類の多くに、実際には検査に関わっていない有資格者の社員の名前が記載され、ハンコも押されていたことが関係者の話でわかったのです。しかも、短期契約の従業員も検査を行っていたことがその後の調査で判明しました。多くの工場には、偽装用の印鑑が複数用意されていたといい、国土交通省は、組織的な偽装工作が常態化していたとみているようです。同省は、これまで同社の国内工場への立ち入り検査を複数回行いましたが、その過程で実際には検査に関わっていない社員の名前が書類に記載され、ハンコも押されていたことが判明したようです。

日産「デイズ」
 ただ、こうした事例は自動車業界に限った話では無いはずです。具体的事例を書いても波風立てるだけなので書きませんが、法が求める「資格」と、その「需要」が、利得を生み、不正の温床になることは公知の事実です。

■ タイの三輪タクシー「トゥクトゥク」をEV化
 タイの首都バンコクを走る三輪タクシー「トゥクトゥク」、観光客などに人気ですが、タイ政府は2017年10月4日、このトゥクトゥクについて2022年までにすべてEV(=電気自動車)に切り替えると発表しました。現在、全国で約2万2千台が走行していますが、まき散らす黒い排ガスには市民から批判があり、環境への影響に配慮するためだそうです。

■ 今回のEVブームはちょっと違うぞ!
 過去何度かEVブームが巻き起こりましたがしぼみました。それは石油価格が高騰して起きて、下落すると去りました。日本でも三菱自動車や日産自動車がいち早くEVを発表しましたが、思うように売れませんでした。その背景にはバッテリーや充電インフラの問題もありますが、何より「価格」でした。

三輪タクシー「トゥクトゥク」
 EVをピストンエンジン(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)の自動車より安く作ることができないため、性能が同じなら、安いものを買うのがユーザーの行動原理だからです。電池は重くて高額で、性能の進歩も遅く、これが最大のネックでした。ところが今回は様相が違います。米国カリフォルニア州の一定割合販売割り当てや、フランスやイギリスの将来ガソリン車禁止も背景にはありますが、自動車市場で世界最大の中国が、国を挙げて「EV推進」に転じたからです。この背景には大気汚染問題もありますが、「新しいEVというジャンルなら中国の自動車産業にも日欧米と戦うチャンスがある」というのが真のところではないでしょうか。国が決めたことには従う中国なので、近い将来にEVが一気に花開く可能性があるのです。

■ ホンダ車が多い我が家周辺
 我が家の周りにはホンダ車が多い、それはホンダが埼玉県をベースとしているため、関連する企業がたくさんあって、そこに勤務する人や家族、その知り合いが車を買うときに当然のごとくホンダ車を選ぶからです。栃木や浜松、鈴鹿、熊本にも工場がありますが、研究は和光、朝霞、生産は狭山、寄居が核です。そして自動車整備学校は我が家から歩いてすぐのところにあります。「ホンダテクニカルカレッジ」で、関東は埼玉県ふじみ野市鶴ヶ岡5-2-2、関西は大阪府大阪狭山市東くみの木2-1937-1にあります。本田宗一郎の「私は技術だけでなく世界に通用する人を育てたい」という大看板が校舎の屋上に設置されています。

■ ホンダが狭山工場閉鎖
 世界各国で急速に進む「EV(電気自動車)シフト」の流れが、ホンダを国内生産拠点の再編に踏み切らせました。2021年度をメドに埼玉県に2つある完成車工場を寄居(よりい)工場へ段階的に集約することを2017年10月4日に発表したのです。これに伴い、1964年稼働の狭山工場は4輪車の生産を終了します。ホンダは2030年に4輪車販売の3分の2をハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、EVといった電動車にする目標を掲げています。

HONDA FitV
 寄居工場では従来の車種に加え、EVやPHVを混流生産するための実証ラインを設計するなど、電動化に向けた生産技術の開発を進めるようです。人口減が進み、若者のクルマ離れも言われる日本では、実は生産能力が過剰なのです。狭山工場を閉じることで国内の生産能力を2割減らし、需要に合わせるようです。狭山工場の従業員は寄居工場を中心に異動し、雇用は維持します。ホンダは自動運転車の開発では米グーグル系のウェイモ、燃料電池車の基幹部品の開発では米ゼネラル・モーターズ(GM)と提携するなど、最近は「自前主義」からの脱却を進めています。生き残りを賭けたホンダの真剣勝負が始まっているようです。

■ EVとFCV、日本は苦しい
 環境問題から言えばEVは良いのですが、ではその電気は?と言えば発電所から供給されます。再生可能エネルギーや原発よりも化石燃料を燃やして発電する比率が高いので、結局は地球温暖化、大気汚染の元凶です。燃料電池車(FCV)ならば究極のエコカーで、水しか排出しません。エンジンは無く、モーターで走りますからEVと同じです。ただ充電する必要がありませんから、これまでのピストンエンジン同様タンクに燃料を入れて走ります。電気スタンドが無くても良いわけです。したがってFCVはEVの一種です。
 ピストンエンジンは高度な技術力を要する上に部品数が多く、日本にとってはここで差別化できるので、他国の追随を許さないということでクルマ王国を築いてきました。しかし電気自動車となるとモーター駆動ですから技術的に容易で、後進国でも作れます。しかも部品数が少ない、差別化する障壁が低いのです。ピストンエンジンで高馬力・低燃費という矛盾を解決するために培ってきた日本の技術は生かされなくなります。モーターは力が強く、しかも高加速も可能です。せめてFCVならば日本は技術的に世界トップなのでまだまだ大丈夫ですが、一気にEV化すると市場を持つ中国が有利と思われます。
日本が誇るHVの代表格プリウス(TOYOTA Prius Aero Package styling)

■ 1都3県で全国の所得総額の3分の1近く
 内閣府が発表したデータによりますと、東京都と埼玉県、千葉県、神奈川県の所得を合計すると126兆4787億円にもなり、これはなんと全国の所得総額の3分の1近くにもなるそうです。経済圏としての「東京圏」がいかに大きいかを実感できるデータですね。2014年度の全国1位はやはり東京都。その金額は、60兆4155億円で、全国の所得総額の7分の1近い金額にもなります。経済の東京一極集中ぶりをよく示していると言えます。2位は神奈川県、3位は大阪府、4位は愛知県、5位は埼玉県、6位は千葉県です。

■ 埼玉県と千葉県は経済発展の将来性大
 近年では、災害リスク分散や、地価の高さなどの問題もあり、本社を東京から他県へ移転させる企業も少なくありません。しかしあまり東京から離れたくないのも事実です。「企業の本社機能流出・流入数」ランキング(流入数が流出数より多いほど上位)では、埼玉県が全国1位、千葉県は全国3位となっています。東京都と隣接する埼玉県と千葉県は、東京からの本社移転による経済発展の将来性がきわめて大きい地域なわけです。

■ 「1人あたり県民所得」は?
 ところが、「1人あたり県民所得」となるとちょっと様相が違ってきます。1位はやはり東京都で450万8千円、2位は愛知県で357万9千円、3位は静岡県、4位は滋賀県、5位は栃木県という結果でした。千葉県12位、神奈川県15位、埼玉県19位です。この理由はなんでしょうか?筆者はすぐピーンと来ました。東京都は官公庁のお役人や大企業の本社勤務者が多く、地価が高いので不動産所得も高いから当然ですが、愛知県は製造業として日本最大の企業といえるトヨタ自動車(豊田市)や、系列のデンソーやアイシン精機などの関連企業が集積し、その収益力の高さから、関連企業も含めて従業員の所得が高いのです。静岡県も、スズキやヤマハのほか大企業の工場が多々あります。滋賀県は、工業素材に使われる炭素繊維の市場シェアで世界トップの東レ(大津市)やエアコントップのダイキン工業、パナソニック、IBMなどを地元企業として抱えています。栃木県も、世界のタイヤメーカーのなかでシェア1位を誇るブリヂストンの栃木工場(那須塩原市)や、日立グループで空調機器などを製造している日立アプライアンスの栃木工場(栃木市)など、規模の大きなメーカーの存在が、1人あたり県民所得の数値を高くしていると考えられます。神奈川県はかつては大工場が多くありましたが、今や他県や海外移転などで減りました。

■ 非正規社員が多い県と少ない県の違い
 県民所得の総額では上位だった東京都の近隣県と大阪府は、いずれも人口が突出して多い地域です。神奈川県の人口は東京に次いで全国2位、大阪府は3位、愛知県が4位、埼玉県は5位、千葉県は6位です。人口が多いところは1人あたりの平均値でみれば所得額は小さくなるわけです。ただし、愛知県民が所得2位なのは雇用形態のためと考えられます。同じ仕事内容でも、パートやアルバイトのような非正規雇用者よりも正規雇用者のほうが、長期勤続による昇給やボーナスなどもあり、手取りの金額が多くなることは当然です。東京の近隣県も大阪府もそろって非正規雇用率が全国平均より高く、とりわけ千葉県では男性が30%、女性が64.4%にもなります。非正規雇用者が多い県と少ない県の違いは「第二次産業従事者の割合」です。2015年の国勢調査によると、「第二次産業従事者」の全国平均は24.1パーセント、第三次産業従事者の全国平均は71.9パーセントですが、1人あたり県民所得で上位の愛知県、静岡県、滋賀県、栃木県は、いずれも第二次産業従事者が32%以上という結果が出ています。現在の神奈川県の第二次産業従事者は20.4%、大阪府は22.6%です。

■ ノーベル文学賞はカズオ・イシグロさん
 2017年のノーベル文学賞の受賞が決まった日系イギリス人の作家、カズオ・イシグロさん(62)の授賞理由は「壮大な感情の力を持つ作品で、世界と結び付いているという幻想的感覚の下の深淵を暴いた」ことだそうです。カズオ・イシグロさんは、長崎県で生まれ、5歳の時に海洋学者の父ら家族とイギリスに移住したそうです。昨年は歌手のボブ・ディランさんが受賞して、「文学賞って何?」と本人もビックリで物議を醸しました。カズオ・イシグロさんは日本人も喜んでるよとインタビューされて「日本社会全体に感謝している。作風には日本文化が大いに関係している。川端康成、大江健三郎の後の受賞ということに感謝している。日本人の両親に育てられて、物の見方や振る舞いなど(日本に)大きな影響を受けた」と語り、ノーベル文学賞の有力候補と目されていた村上春樹さんより先とは意外だったということを言外ににじませたそうです。実は二人はお互いにファンなのだそうです。
 幼時の日本の記憶を描いた長編デビュー作「遠い山なみの光」(1982年)で王立文学協会賞、「浮世の画家」(1986年)でウィットブレッド賞、「日の名残り」(1989年)は第2次世界大戦の前後を舞台に英国貴族に仕えた執事の半生を描き、英文学界最高の栄誉とされるブッカー賞を受賞、アンソニー・ホプキンス主演で映画化もされました。「わたしを離さないで」(2005年)や、短編集「夜想曲集」などもあります。民族的少数派に属しつつ、伝統的な英文学の基盤に立脚した作風を打ち出し、大きな反響を生んだと言われます。
 2015年には10年ぶりの長編「忘れられた巨人」を発表し、そのPRもあって6月には来日し、慶応大学やハヤカワ国際フォーラム(イイノホール)で講演しました。このときは女優の杏さんと対談しています。

■ 作家のシュンは40代半ば
 対談で杏さんが「日の名残り」が好きだ、と言ったら、イシグロさんはガッカリしていたそうです。これは彼が30代半ばでの作品であり、彼は当時「作家のシュンは40代半ば」だと言っていたそうです。すると2000年前後ということになりますね。しかし、年取った今となっては全力で「そうじゃない!」と当時の生意気な自分に言ってやりたい、と言って会場の笑いを誘いました。彼は終戦後9年経ってから生まれた”戦争を知らない世代”であり、ある意味、自分たちの世代は試練を免れたという負い目のようなものを感じてもいると言ったそうです。もしも戦中に生まれていたらどうだっただろうか? おそらくは、自分の弱さが試されるに違いない、若い頃はそういうことに興味を持っていたそうです。彼の作品のテーマは一貫して「記憶」だそうです。

■ わたしを離さないで
 2016年1月からTBSでドラマ化された『わたしを離さないで』(綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみ他出演)は見ましたが、正直怖いドラマだと思いました。しかし、確かに「幻想的感覚の下の深淵を暴いた」と言えるドラマでしたね。臓器提供のために生まれたクローン人間がテーマです。現実には有り得ない話ですが、人は何のために生きているのか?ということを考えさせてくれました。
 同じ学園で育った友彦(三浦春馬)と恭子(綾瀬はるか)、共に臓器提供の運命にある恭子は友彦の介護をしています。友彦はすでに2回臓器提供していますから、身体はマトモではありません。3度目の提供手術は友彦の「終わり」を意味します。その前、友彦は絶望状態でヤケクソになります。それはそうですね。ある意味、知覧から飛び立つ特攻兵のようなものです。しかしある出来事に触れて友彦は「恭子、おれ生まれてきて良かったよ。この世に恭子がいて、会えてよかった。こんな終わり方ができてよかったよ」と抱きしめました。「もう離さないで、私を離さないでよ…」と泣く恭子。そして、友彦はその3度目の提供で終了しました...なんて切ない話でしょう。恭子は絶望の余り海に我が身を沈めようとしますが、そこに友彦が大事にしていたサッカーボールが流れてきて、思い止まります。決して救いはない物語ですが、でも、恭子が言っていた通り、人の死は知らされているかいないかの違いで、本当はそんなに大きく違いは無いのかもしれません。友彦も恭子も時間は一瞬と言って良いぐらい短かったけど、本当に幸せな瞬間があって良かったと思うし、生きていながらあの二人よりも辛い人生を送っている人たちもいるかもしれません。確かに自由は無いけれど、逆にあるところまでは生きられる、という希望もあるのです。絶望の中の希望というテーマ、しんどいですが、なんと言って良いか、今生きている自分は、その生きてるという意味をきちんと捉えなくちゃいけないなと思わされました。

■ ハンサムでカッコイイ人
 主演する綾瀬はるかは、この重苦しいテーマをどう演じたらいいのか悩んだそうです。そこで、2016年6月にイシグロさんが来日したときに東京で会って話を聞きました。「作品をより深く理解したい」という綾瀬の思いを知ったイシグロさんが「ぜひロンドンへいらっしゃい」と呼び掛け、次は英国での対談が実現しました。通訳を介して行われた対談は、2時間の予定を大幅に超えて4時間にわたったそうです。今は便利な時代で、過去の対談などもYouTubeで見れるんです。イシグロさんという人は、実にハンサムでカッコイイ人だなと思いました。

■ 解散総選挙
 小池劇場、コメントするのもイヤになってきました。希望の党に希望はあるのか?と安倍首相が言いましたが、現実にそんな感じです。都議会が閉会するとともに小池都知事当選の立役者だった上田令子都議(52)と音喜多駿都議(34)が「都民ファーストの会」に離党届を出して受理されました。立憲民主党が創設され、枝野幸男代表が苦々しく設立会見しましたが、ツイッターなどSNSの世界では早くもフォロワーが激増しているとのこと。政党支持率を見たら、自民党は堅調、希望の党は立憲民主党に肉薄され、民進党支持層がそのまま立憲民主党支持みたいな率です。ということは、希望の党は無党派層の支持ということになりますが、相変わらず支持政党なしが多いみたいです。

■ 花粉症ゼロ、ユリノミクス
 「ユリノミクス」、「12のゼロ」、「日本に希望を、人々に希望を」・・・小池代表お得意のスローガンが並ぶ希望の党の公約・・・キャッチフレーズは得意ですが、都知事選挙で掲げた公約はまだ途上で、何一つ解決していません。それどころか、オリンピック問題は周辺県知事たちの猛反発に会い、宮城県を騒がせた挙句、結局大山鳴動して元の鞘に収まりました。築地・豊洲問題は大騒ぎして、石原元都知事を血祭りに上げながら結局いずれもうやむやにする結論・・・マスコミにネタを提供して都民の税金の無駄遣いに終わりそうな雰囲気です。
 希望の党の公約は、@消費税の増税凍結、A2030年までの原発ゼロ、B憲法改正の議論を進めること、を3本柱として掲げました。更に隠ぺいゼロ、花粉症ゼロ、電柱ゼロなど、12のゼロを提示しました。花粉症ゼロってなんでしょう?日本の杉をことごとく伐採するのでしょうか?「ユリノミクス」ってなんでしょう?すべてにアウフヘーベンして考え直すのだそうです。段々見えてきたのはとにかく安倍晋三が嫌い、他の自民党ならOKということのようです。希望の党に参加した民進党議員たちの心中やいかに....

きんもくせい

■ 保守とリベラル
 今回のドタバタで思ったこと・・・保守とリベラルとは何でしょうか?保守というのはこれまでの伝統や体制を維持しようとする考え方、リベラルというのは自由を重んじて革新を厭わないという考え方と言われます。希望の党は寛容な保守を掲げていますが、すると安倍自民は寛容ではないと言いたいようです。憲法に対しては自民も希望も維新も改憲を掲げ、公明は改憲賛成ながら9条の部分には及び腰です。しかし自民党岸田派などはもっとハッキリ9条はそのままと言っていますし、石破さんなどは安倍首相の言う9条3項を加えるのは小手先で、9条2項に手を付けて明確に国防軍と位置付けよと主張しています。9条3項を加えると権力者に自衛隊の指揮権を与えるからかえって怖いと言う憲法学者の主張があります。憲法に関しては、「保守」が革新を主張し、「リベラル」が保守を主張しています。このように自民党は多様な考えの人が集まっています。世界的に見れば、共産主義はほぼ壊滅しましたし、社会民主主義はヨーロッパに残っています。中国やロシアを見ますと、民主主義の対極にある統制主義で、経済的には統制が残る日本などよりはるかに自由な気がします。すなわち自由民主とか立憲民主とか言っていますが、世界で最も社会民主な国が日本ではないでしょうか。

■ It's over!
 日本では「リベラル」が国民福祉を主張して大きな政府を求め、「保守」が財政再建を主張して小さな政府を求めてきました。しかしやっていることは結局社会民主ですから毎年借金を重ねては国民福祉にカネを投じ、増税を少しずつ進めてきました。今回安倍首相は高齢者福祉のあり方を見直すことを掲げました。国民福祉を求めるリベラルが増税を批判することは大きな矛盾です。財源がありません。ますます借金を増やせと言っているようなものです。現状の国民福祉を続けるならば消費税率を20%にしなければならないでしょう。それでも金利が上がれば借金は膨張します。やがて破綻して、国民全体でIt's over!・・・・しかし債務者は日本国で債権者は国民です。結局国民全体で責任とって、何が残るでしょうか。国債、投資信託、現金、預金、みんなパー、不動産と金の延べ棒、貴金属、海外資産が残るだけです。

■ 10月の花
 10月の花と言えば、ぱっと思い付くのは菊とかですがもっと色々あるはずです。キンモクセイの花はオレンジぽくてカワイイですが、花より香りですね。菊は中国原産で日本へは8世紀から9世紀に伝わってきました。サイズや種類がとても豊富で日本でつくられた品種を「和菊」、欧米でつくられた品種を「洋菊」と分けています。鉢植えの大輪の菊を父がたくさん育てていて、きれいだなぁ、どうしてこんなに美しく咲かせることができるんだろうと尊敬のまなざしでみていたことが思い出されます。ガーベラは、熱帯アジアやアフリカなどの暖かい地域が原産の多年生のキク科の植物です。
 コスモスはメキシコ原産の一年草です。秋桜という和名が示すように、日本人が好む花です。サフランはアヤメ科で別名バンコウカと呼ばれています。クロッカスの仲間です。ストレリチアはバショウ科ストレリチア属の多年草で、別名極楽鳥花と呼ばれています。原産地は南アフリカで、秋だけではなく春にも鳥のくちばしのような花を咲かせます。日本では高級な切り花として有名で、風水的にはリビングなどの人の集まるところに飾ると運気が上がると言われています。青紫鮮やかなリンドウはカタカナで表記されることの多い植物ですが「竜胆」と漢字で表すこともあります。

これは宮城県の鳴子温泉で撮ったコスモスです
(2017年10月7日)


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