237 ホタル
本日は記念日です。何の?それはヒミツです。暑さ寒さも彼岸までと言います。秋分の日を過ぎればもう暑いという日はほぼなくなるでしょう。朝が涼しくなり、葉に結露する日も出てきます。近所の田んぼは稲刈りを終えました。 ■ 第9回さんりく大船渡 東京タワーさんままつり
■ 真木柚布子
■ 歌「ホタルの恋」
■ 2001年の映画「ホタル」 2001年の映画「ホタル」(114分)を見ました。東映50周年記念作品で、降旗康男監督、高倉健、田中裕子主演の特攻隊生き残りの物語です。第25回 日本アカデミー賞(2002)で7部門で受賞しました。ただ、主演男優賞必至の高倉健は「後輩に道を譲りたい」と固辞しました。あくまでカッコイイですね。 キャストは高倉 健、田中裕子、夏八木 勲、水橋貴己、小澤征悦、高杉瑞穂、今井淑未、笛木夕子、小林綾子、中井貴一、井川比佐志、小林稔侍、原田龍二、石橋蓮司、田中哲司、他 ■ 特攻隊の生き残り
■ 「知覧の母」の願い事 知覧に帰ってしばらく後、山岡はかつて特攻隊員らから「知覧の母」と呼ばれて慕われていた富屋食堂の女主人・山本富子(奈良岡朋子)から、ある頼みを受けます。それは、体の自由が利かなくなった自分に代わって、南の海に散った金山少尉ことキム・ソンジェ(小澤征悦)の遺品を、韓国の実家に届けて欲しいというものでした。実は、金山は知子の初恋の相手で、結婚を約束した男でした。山岡は即答を避けました。 特攻隊の生き残りというのは、知覧から出撃したものの飛行機に恵まれず不時着し、再出撃の機会に恵まれずに終戦を迎えてしまった人たちです。山岡と藤枝は、戦後ひどい慙愧の念にさいなまれました。生死をともにと誓った僚友たちが死んでいったなかで、自分だけが生き残ったことを恥じる思いは、どの生存者にも共通であり、なかにはみずから命を絶つ者まで現れたそうです。“生き残り”という声にならない痛罵の声が飛んでくるようにも思えて、悩み苦しんだ藤枝は、かつて孫娘・真実と共に知覧を訪れ、記念館でたくさんの戦死した特攻隊員の記録を見た後で、特攻隊員の母さんに会いに行ったことがありました。母は慰めてくれました。「生き残ったということは、残されたということだよ。神様があんたをこの世に残してくださったということだよ。残されたということは、何かやることがあるから残されたんだよ。神様があんたに、やりなさいとおっしゃっている仕事があるはずなんだよ。世間がなんと言おうとも、かまうことはないよ。あんたには、何かやらなければならない仕事があるはずだよ。よく考えてごらんなさいな」。 母さんと別れて藤枝は山岡に電話をかけました。知子が出て、山岡の不在を告げました。山岡は実は知子の病状を聞きに医師のところへ行っていたのです。泊まって行ってよという知子に、藤枝は帰らなくちゃならないと言って山岡によろしくと告げます。帰宅した山岡は残念がりました。 ■ 金山少尉の遺言
■ 朝鮮民謡「アリラン」が流れ...
■ 俺とお前と、2人で1つの生命じゃろうが・・・ その夜、二人は空を舞うホタルを見つめていました。まるで金山の想いがホタルとなってやってきたかのようでした。高倉健演ずる山岡秀治が、最愛の妻知子(田中裕子)に腎臓を提供しようとして、「俺とお前と、2人で1つの生命じゃろうが・・・」というセリフはこの映画のハイライトでしたね。カッコイイ! それから月日が流れた21世紀のある日、年老いた山岡は、太平洋を望む海辺で、役目を終えた愛船「とも丸」が炎に包まれる様をひとり見つめていました。 ■ 忘れてはならないこと この映画が封切られた2001(平成13)年という年は、1931年9月18日の柳条湖事件(満州事変の開始となった、日本の関東軍による瀋陽郊外にある柳条湖付近での線路爆破事件)から70年、1941年12月8日のパール・ハーバーから60年、1951年のサンフランシスコ講和条約締結から50年、など多くの意味での節目の年でした。団塊の世代である「戦後」生まれの筆者は、1945年8月15日の終戦記念日(敗戦記念日)という「その日」を知りません。しかし、物心ついた頃から、父や母から聞いた戦時中の話などにより、子供心にも戦争の「体験」感があります。いま60代以上の人々には共通したものではないでしょうか。そして1910年から日本に統合された朝鮮民族は、日本人として従軍し、特攻隊員として戦場に散った人も居たということです。そして終戦で北と南に分断されたということです。こうした歴史に鑑みれば、朝鮮民族が日本に抱く恨みというものは、その立場になって考えればわかるのではないでしょうか。いま日米両政府が北朝鮮に対して圧力一辺倒で、韓国政府と温度差があるのは、歴史と民族を考えれば当然とも言えます。日本政府は過去の反省に立脚すべきであり、ヘイトスピーチに代表される右翼のような思想に傾いてはいけません。 ■ ラストサムライ 新幹線の中で読み物をしてたら、ラストサムライのモデルは、映画ではトムクルーズ演じるアメリカ人だったけれど、実はフランス人の軍事顧問ブリュネだったそうです。官軍は実はイギリスが支援したテロリストで、幕府を支援したのはフランスでした。「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉は、テロリストだろうが、結局勝った方が正義になる・・・という意味です。戦う前の道理がどうであれ、負ければ悪になってしまうということです。 (2017年9月24日) |