225  都議選

 二十四節気の「夏至」の三候にあたり、全国的に農繁期の終了する頃を指す「半夏生」は今年7月2日でした。この日投開票の東京都議選は、内閣支持率下落で苦境にあえぐ安倍政権にとって大きな試練となりそうだと言われていました。今回はこの結果を待って書きました。
 梅雨時の天気予報はコロコロ変わります。それだけ変化が激しく、予想がつき難いということでしょう。「梅雨後半の見通しが大幅に変わりました」というので、そうか暑くなるか・・・と覚悟したら、梅雨時らしい雨、やっぱり雨か・・・と思ったら真夏日、もう天気予報ばかり見ています。

■ 川越温泉湯遊ランド
 あるご縁で、連れ合いのお友達のお婆さまたちと川越温泉湯ゆうらんどホテル三光に行きました。「湯遊ランド」とも言うそうです。お風呂に入って、湯上りに飲んで食べて演劇を見るということ、そのあとまた一風呂浴びて、1日愉しんで帰って来るという企画でした。車で行っても駐車場は3時間まで無料、以降終日350円ポッキリだというのですが、飲むから電車で行きました。5分で着きます。生ビール、冷酒、ホッピーを飲みました。
 今や一大観光地となり、若者から老人まで、そぞろ歩くまち小江戸かわごえのド真ん中にあります。「小京都」は全国に数在りますが「小江戸」は川越だけだそうです。小江戸ですから電線地中化して江戸のまちの雰囲気を出しています。駅前から出る無料送迎バスで行きましたが、JRと東武東上線の川越駅から新富町を歩くと、いろいろなお店があってこれまた楽しい、帰りは歩いてきましたが、若者のカップルが多くて原宿を歩いているみたいです。徒歩12分だそうですが、ウィンドウショッピングしながらだと時を忘れます。東武東上線川越市駅より徒歩約8分、プリンスホテルのある西武新宿線本川越駅より徒歩約3分です。6月公演は、川越では1年1ヶ月ぶり、市川良二座長率いる劇団千章(せんしょう)でした。初日の6月1日(木)から6月29日(木)の千秋楽まで、休演日は6月19日(月)しかありません。九州から来たそうですが、子どもも居ますから、学校は大変でしょうね。浅草「常盤座」を満員にする大衆演劇「梅沢劇団」の花形スター梅沢富美男と同じ世界です。男が女形になったりするとこれまた綺麗なものです。観衆は圧倒的におばあちゃん、引っ張られてきたのかおじいちゃんがチラホラ、花道で役者におひねりを渡す、1万円を胸元に挟む、お金持ちの高齢化社会を認識させられる世界です。地下1F、地上7FのビルはB1Fに休憩室やカラオケルーム、レストラン、売店、ゲームコーナー、キッズコーナーなど、1Fが入り口でバス発着場、立体駐車場、2Fが大浴場、炭酸泉(檜風呂)から光明石天然鉱石温泉、ハイパワーバス、様々変わる入浴剤入りイベント風呂、ラジウム湯、つぼ湯、サウナ、水風呂まで様々あります。3Fがお食事処、居酒屋、割烹、大中小宴会場、大衆演劇「小江戸座」、4Fがラウンジ、休憩所、仮眠室、5F〜7Fがホテルになっていて、お風呂に入って飲んで歌って、泊まれるようになっています。
市川良二座長率いる劇団千章

■ 那須塩原温泉ぬりや
 上記「川越温泉湯遊ランド」の次は那須塩原温泉に行きました。東北自動車道西那須野塩原ICで降りて16分で着いてしまいます。塩原温泉と言えば「ホテルニュー塩原」という大ホテルがありますが、ここはこの前も行ったので、バイキングではない部屋食の宿を探しました。じゃらんで探したら、「心づくしの宿ぬりや」というのが口コミ評点4.4で高かったので、ここにしました。会津街道に面した宿です。今は塩原バレーラインという車道が高いところを走っていますが、昔は馬車と人の道なので狭くてもよかったのです。塩原バレーラインから車1台しか通れない道へ左折し、急坂を下ったところにありました。

■ 塩原温泉郷最古の湯治場・畑下温泉
 11の温泉地から成る塩原温泉郷の一つに数えられる畑下温泉は、塩原温泉最古の湯治場と云われ、17世紀中頃に元湯から移住した塗屋が開いたと伝えられます。建物自体は、会津塗りの行商人がたびたび立ち寄ったことから名付けられた歴史深い宿だけに古いですが、部屋はリニューアルされていてきれいです。洗面所やウォシュレットトイレもピカピカに新しくなっていました。箒川のせせらぎと、木々を見渡す景観のよい部屋で、素材を生かした会席膳を朝夕のどちらも部屋食で頂きました。那須連山の伏流水から醸造される、風味豊かな栃木の日本酒、中でも人気の酒蔵から、三種類の地酒を飲み比べるというプランを選択しました。

■ 弱食塩泉・・・塩原の由来かな?
 温泉は源泉掛け流し、入浴は24時間可能です。ジョージョーと掛け流す湯は、畑下源泉から引くpH6.6の無味無臭弱食塩泉(暖和性低張高温泉)です。湧出量毎分113リットル、泉温71℃だそうですが、ぬる湯で長くゆったり浸かれる様に38℃ぐらいに調整されていました。あつ湯好きには物足りないでしょうが、長湯するには良い温度です。ただ、掛け流しだけに湯温は変化するそうです。浴槽にはこげ茶色の温泉成分が付着してややヌルヌルしています。到着してすぐ入ったときはお湯自体が薄茶色でしたが、夜中や翌朝は透明になっていました。筆者は岩手県雫石町の生まれなので、硫黄泉が好きです。アルカリ度の高い美肌の湯が好きだという人が居たり、イヤイヤ酸性泉が良いという人が居たり、温泉好きは様々ですが、一番多いのはミネラル塩泉で、塩原温泉もそうです。ここは弱食塩泉ですが、熱海のように海岸では実にしょっぱい温泉が多いものです。
 部屋の窓からは箒川に架かる吊り橋が見えます。ちょうど川が巾着状に折り返す川端にあります。網戸にしていると音が大きいので、寝る時は閉めました。それにしても山あいの温泉宿というのはどうして川沿いにあるものなのでしょうね。

■ やはり部屋食は良い
 仲居さんが部屋に持ってきてくれた夕食・朝食は右写真です。箒川のせせらぎの聞こえる客室で、夫婦二人の食事を楽しみました。やはり部屋食は良いですね。布団を敷きに来たおじいさんが「綺麗に食べて頂いて有難うございました。他の部屋の方たちも残さず食べて頂きましたが、こちらは特にお綺麗で、お育ちの良さが感じられました」と歯の浮くようなことをおっしゃいました。親の教えですが、イエイエ単に美味しかったからですよ(^_^)
 おひつのご飯も美味しかった!太るから普段はあまりご飯は食べないのですが、お代わりしました。それにしても屈強な若者でも食べ切れないほどの量でしたよ。

ぬりやの隣の清琴楼の建物、風格がありますね

夕食は利き酒3種、牛ステーキのコンロ焼き、鮎の塩焼き、鮪とホタテの刺身2点盛り、
煮物、肉じゃが椀、山芋の練り物、付け出し3点、蕪のお新香、お吸い物にご飯


朝食は豚のコンロ焼き、焼き鮭と昆布の佃煮、温泉たまご、
ハムとトマト・キャベツの千切り、付け出し3点、香の物、味噌汁にご飯

■ 古代蓮の里
 那須塩原温泉からの帰りは、下道をゆっくり帰ることにしました。天気予報は曇だったのに朝から弱い雨、それがだんだん強くなりました。塩原ダムによる人造湖に架かるもみじ谷吊り橋という壮大な橋を見学しました。紅葉の秋は壮観でしょうね。
 途中アグリパル塩原農産物直売場に寄り、野菜を買いました。田んぼアートもやっていました。雨が強いのに、広い駐車場は車がたくさん、まだ午前10時なのに...
 それから国道4号線を走って、走って・・・矢板市、さくら市、途中宇都宮近辺はバケツをひっくり返したような雨、結城市、そして小山市はガソリンが安い!リッター117円とか118円、そして古河市に入り、茨城県と群馬県、埼玉県の県境を成す坂東太郎利根川を渡って埼玉県加須市、羽生市、そして目的地行田市の「古代蓮の里」へ・・・駐車場¥500、園内は広くてジックリ見てたら大変、まずは腹ごしらえ、うどんを食べました。デッカイ古代ハス!目に鮮やかです。

■ やっぱりエコパ
 さあ我が家に帰って、一休みして「余熱利用施設エコパ」へ、朝塩沢温泉の湯に入っても、ここは目的が違います。健康増進のために、水中ウォーキングやマッサージを行うバーデプールで運動、そして露天風呂に浸かります。エコパではMIOX(マイオックス)という水を採用しています。塩と水を使い独自の特殊電解セルにより、殺菌剤(混合酸化剤)をつくる新殺菌浄化システムです。 塩素との比較では、殺菌力は10倍、殺菌スピードは3500倍以上と優れた殺菌力がありながら、塩と水の電気分解でできているため、塩素の独特な臭いもなく、肌や髪の毛にもやさしい水です。

■ 東京都議選が国政への鬱憤晴らし選挙と化す
 7月2日投開票の東京都議選について前回、「国政選挙を占う先行指標の東京都議選」、「自民党が第1党を死守できるか」、「都民は気まぐれ、無党派層の動向が鍵」などと書きました。さりながら内心は、自民が大敗するだろうと予想していました。というのは、小池百合子都知事が打ち出した豊洲、築地問題にさほど有権者は反応せず、それよりも経済問題や保育所、福祉などの生活関連に関心があるという世論調査結果が出ていたからです。しかも森友・加計学園問題での与野党対決や、共謀罪法案の審議・採決のやり方の強引さ、豊田真由子議員の秘書への暴言による離党、稲田朋美防衛相の板橋区の選挙演説での失言、極め付けは投票日直前になって、下村都連会長が文科相時代に加計学園秘書室長がとりまとめたパーティ券代200万円分を受領したことなど、逆風どころか台風レベルの猛烈な嵐に襲われて、もはや都議選なのに自民党批判の国政への鬱憤晴らし選挙になってしまったのです。

■ 自民惨敗
 結果は127議席中79議席を都民ファーストと公明党の小池与党が占め、自民党は改選前57議席から23議席と半分以下の惨敗、全員当選の公明党と並び、19議席で2議席増の共産党にも肉薄されました。開票速報の間、グイグイ伸びる都民ファーストの当選確実、公明党や共産党の数字もジワジワ出てくるのに、自民党はずっとゼロのままという見たことの無い展開が続きました。つまり、自民党は各選挙区で最後に滑り込むというパターンで、いかに得票が少なかったかを示す選挙でした。

■ 安部1強時代の終焉
 閣僚経験者の一人は、不祥事や疑惑を引き起こした閣僚や政権幹部の名前を挙げながら「THIS IS 敗因。Tは豊田、Hは萩生田(はぎうだ)、Iは稲田、Sは下村」と都議選惨敗の要因を総括したそうです。都議選の惨敗で安部1強時代が終わり、自民党内では次の時代に向けた動きが活発になるでしょう。負け方が悪すぎます。首相が悲願とする憲法改正に突っ走ろうとしたら、公明党や「今は憲法9条の改正は考えない」と語っていた岸田文雄外相ら自民党岸田派の反発を招く恐れがあります。

■ ついに敗れる
 歴代単独1位となる29連勝を達成した中学生プロ棋士・藤井聡太四段(14)が、デビュー戦以来無敗のまま臨んだ竜王戦決勝トーナメント2回戦、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、ついに敗れて、30連勝は成りませんでした。藤井聡太四段は「今までどおり自然体で自分の力を出し切ろうと思って臨みました。機敏に動かれてしまって、勝負どころがなく負かされてしまったという感じです」と対局を振り返りました。そのうえで「連勝記録はいつか途切れてしまうものなので、その点に関してはしかたないと思っています」、「自分の読みの甘さを痛感させられたので、弱点をなくせるように頑張りたいと考えています」と今後の抱負を語りました。一方の佐々木勇気五段は「できるかぎり努力して臨もうと思っていました」と十分な対策を立てた上で、「今回は結果が求められている勝負だと思ったので積極的に勝ちにいく姿勢で臨みました。先手を取れたことが大きかったですが、今回はなんとか勝てたという感じです」と対局を振り返りました。
(2017年7月3日)


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