220 血圧
5月は暑かったですね。真夏日なんて、どうしてこの時期に?という感じでした。一方で桜がなかなか咲かないとか散らないとか、全国から届く花便りは異変を知らせるものが続々...やっと雨が降り、庭に水撒きしないで済みましたが、この夏は暑いそうです。いっときの雨かもしれません。雨が降ると、植物が活き活きして、生長するのが分かります。普段も朝晩水撒きしているのですが、やはり自然の雨とは違うみたいです。
日本高血圧学会が示す降圧の目標値は、65〜74歳の前期高齢者で140未満、75歳以上の後期高齢者は150未満で、薬の副作用の問題などがなければ140未満をめざすとなっていますが、SPRINTの結果だと「もっと低めの方が良い」ということになります。 ■ 「白衣高血圧」 ただ、この研究は「血圧の測定法が特殊」のようです。参加者は医師や看護師らスタッフのいない場所で5分間安静にし、自動式の機械で測ったとされます。血圧を気にする人はご存知かと思いますが、自宅で測る血圧と病院で測る血圧の値は後者が高いと言われます。医療スタッフの前で緊張すると、血圧が普段より高めに出ることを「白衣高血圧」と言います。「SPRINT試験」の方法だと、これを避けやすいわけです。 この研究で120だった人が、診察室で測ったとすると値はどれくらいかと言いますと、おそらく135くらいではないかと言われます。日本で目標とする140未満とさほど違いませんね。日本高血圧学会は、測定方法によって値がどう異なるのかを日本人でも調べる研究を始めたそうですが、今の目標値をすぐに見直そうという動きにはなっていません。 ■ 塩分の摂り過ぎが高血圧を招く要因大 血圧が高いことによる悪さは、脳卒中や心筋梗塞などの「心血管病」で亡くなる危険性が高まることです。糖尿病を伴う高血圧の人も多いようです。そういう人は降圧目標値「130未満」とすべきだそうです。高齢になるにつれて血管のしなやかさが失われ、血圧が大きく上下するようになります。立ち上がったときや食後に急に血圧が下がり、ふらつきや立ちくらみなどが起きやすくなるのはこのためで、転んで骨折につながる危険もあります。 高血圧を招く要因として大きいのは塩分の摂り過ぎというのは誰でも知っていますが、特に北東北のような寒い地方では冬の保存食のために塩漬けの漬物、魚という食文化があって全般にしょっぱいものを食べます。関西などの甘い食べ物と好みがまるで異なります。食塩摂取の目標は高齢者でも1日6グラム未満だそうです。でも薄味のせいで美味しいと感じないなら、人生の楽しみが減りますね。 ■ 朝と夜、家庭で血圧測定を 筆者は家で、上腕につけるタイプの機器で朝と夜、血圧測定しています。リラックスしてから測ると低く出ます。数値はグラフ化しています。健康診断で診察室で測ると高く出るのは、リラックス不足だということも分かってきました。家庭血圧はいわば『ふだん着』の血圧で、よそ行きの診察室血圧より、その人本来の値を示しやすいのは確かですが、家庭血圧でもお酒を飲んだ翌朝などは高かったり、どうしてこんなに低いのだろうと原因が分からないこともあります。長いこと測っていると、おおむね傾向は分かってきました。 ■ 岩手県矢巾町の「塩彩プロジェクト」
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