183  KEYENCE

 前回テーマ『格差と賃金』のマトメとして、「時給千円」を言うよりも、コストコのような企業経営を政府が賞賛し、それを国民に啓蒙せよITを駆使して、お客様をつかみ、社員に高給を払う企業を目指せ「家が建つ前に墓が建つ」と同業から悪口言われているキーエンスが日本企業では好例だ、と書きましたが、後から良く考えたら間違いでした。訂正します。
 ITを駆使して、お客様をつかみ、社員に高給を払う企業を目指せというのは本当ですが、キーエンスは実はそうではありません。逆にITとは縁遠い面があり、これが間違いの@です。次に「「家が建つ前に墓が建つ」というのが間違いのAで、正しくは「30代で家が建ち、40代で墓が建つ」と言われているようです。今回のテーマはKEYENCEですが、特定企業について書くのは差し障りがありそうな気もするけれど、筆者はあくまでこの企業に対する尊崇の念を背景に以下書きますので、誤解なきようお願いします。

■ キーエンスは昔リード電機でした
 筆者は1970年代に石油の輸送などに用いられる新日鉄君津のシームレスパイプ製造ラインで、パイプ表面にコーティングした樹脂厚みの歪みを測定する目的で、差動トランス式変位センサを購入するときに、ドイツ・KAMANの超高価な製品を購入検討しました。日本製は無いかと探したら新光電子やリード電機の製品がありました。価格はリード電機が安くて魅力がありましたが、精度面でやむをえずKAMANに決めました。そのときに、リード電機は小さな会社だが、魅力ある企業だと注目しました。当時我が勤務先は高度成長期で、大阪・地下鉄御堂筋線江坂駅前に1972年新築された大同生命ビルの最上階の、しかも六甲連山が見える一番高い部屋に梅田から営業所を移転するほどの勢いがありました。大同生命はNHKの朝ドラ『アサが来た』のヒロインのモデル広岡浅子創業の企業で、このビルは、ビル内にアトリウム(下写真)があって植物が生い茂る画期的な建物で、当時各種の賞を受賞した竹中工務店建築の名物ビルです。当時リード電機は大阪の小さなセンサ・メーカーでした。しかし、その会社が今やキーエンスで、地下鉄御堂筋線で江坂から程近い、東中島に高層の自社ビルを建てています。
   

大阪・地下鉄御堂筋線江坂駅前に1972年建築された大同生命ビルの外観
ご覧の通り、ビルの下位階は温室のようにガラス張りで、左写真のように緑繁茂
江坂駅と直結し、改札出て右にビル入り口が有り、雨でも傘が不要
 筆者は入社してほどなく松下電器産業株式会社の本社工場のライン制御の仕事で、大阪通いが続きましたが、その拠点としてこの大同生命ビルの大阪営業所を大変誇らしく思った記憶があります。

■ キーエンス就職希望の息子さんについて相談されて
 知人の息子さんが、一流大学の4年のときキーエンスと某大企業の内定を得て、親としてはキーエンスのウワサを聞いて心配になり「息子は某大企業よりキーエンスに行きたいと言っているのですが、本当のところ、どうなんでしょうか?」と相談に見えました。筆者の会社はキーエンスと同じくFA(ファクトリーオートメーション)関連だったからです。「30代で家が建ち、40代で墓が建つというウワサを心配してますか?」と聞いたら、「そうだ」と言います。「それなら、心配し過ぎです」と答えました。「死ぬほど働く人は滅多にいませんし、軍隊ではないのでいつでもやめるのは自由です。給料が高いから、というのは立派な志望動機ですし、今や会社に骨を埋める人は少なくなってきました。それ以前に大企業では、リストラされたり子会社に配転されるのが普通です。むしろキーエンスのような会社で鍛えられてから転職するほうが、余程自分のためになるんじゃないですか」と答えましたら、喜んで帰って行きました。

■ キーエンスの歴史
 1974年に創業者の滝崎武光氏が兵庫県尼崎市に「リード電機株式会社」を設立(当時28歳)、高校を卒業して10年経ったときです。創業のきっかけは、1973年に開発した「金属板2枚送り検出器」が日本における自動車製造工程の自動化に大きく寄与したことによります。
 その後大阪吹田、高槻と本社移転、1986年に社名を "Key of Science" に由来する「株式会社キーエンス(KEYENCE)」に変更しました。その後東京証券取引所1部に上場しました。自動制御機器(PLCと周辺機器)、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡等の開発および製造販売を行っています。同社の代表的な製品としては、バーコード、タッチパネル、PLC、ラジコン、アンプ、マイクロスコープ、近接センサ等です。
 海外ネットワークは幅広く、1985年にアメリカ現地法人を設立して以来、拠点数は40ヶ国150拠点にも上ります。直販メーカーサービスを実施、現地法人には日本人スタッフが常駐し、テスト機無料貸出や製品に関わるセミナー、輸出入・税関の相談等のコンサルティングサービスを提供します。

キーエンスのロゴ

■ 高収益企業として有名
 高収益企業として有名で、日本経済新聞社の優良企業ランキングでは常に上位に名を連ねています。2016年3月期の連結決算では、営業利益率53.1%(製造業の平均は約2%)、当期純利益1,372億円、借入金ゼロ、自己資本比率94.6%(30%を超えれば安全、50%超えで優良企業というのが、通常の見方です)と驚異的な数字をあげています。また、「人件費は経費にあらず」との理念の下、東洋経済が調べた2015年10月の「40歳年収が高い」500社ランキングで日本一です。実はこの調査ではず〜〜〜っと1位を続けています。従業員平均年収は1,648万円です(平均年齢は約35.6歳)。40歳推計では1,793万円だそうです。本体が2千人、連結従業員数が5千人を越えるような大企業ですよ。小さな会社で、例えばM&Aなどを業とする会社では年収2千万円越えの企業もありますが、大企業でこれほどの給与を出す会社は他に有りません。営業利益率50%ですから別になんちゅうことないのでしょう。

■ キーエンス創業者の言葉
 ある人が大学文系4年時の1986年、就活でリード電機の就職希望者向け会社説明会に行きました。すると、社長が自ら熱弁を奮い、その言葉に感動して就職を決めました。キーエンス創業者である滝崎武光氏がそのときに言ったこと・・・・・
◆我社は株式上場を目指している
◆単に売上高伸長のみの拡大は行わない、重視しているのは従業員ひとりあたりの営業利益である
◆代理店を通さないユーザーへの「直販」が原則
◆営業担当者は御用聞きの営業や、納品・集金を一切行わない
◆外出は週2日程度。顧客訪問に使う営業車は、夏期の移動でも快適なように全車両に冷房を完備している
◆接待は行わない。その時間を勉強に費やしている
◆会社が成長しているので残業はある。ただし残業代は、研修や勉強会を含めて全額支払う
 この社員は新卒で1987年キーエンスに入社し、1988年まで居ましたが、高技術に憧れてアンリツ(光通信機器で世界一の会社)に転職し、2000年退職して、2001年から製造業支援のコンサルタントとして今は四ッ谷で活動しています。キーエンスにたった2年、アンリツにも2年余り、まだ若造なのに、しかも文系なのに起業・・・スゴイ人に見えますが、実はキーエンスとアンリツで十分過ぎるノウハウを得て、これは雇われている場合じゃない、と目覚めたのだと思います。アンリツの代表取締役は筆者の後輩です。

キーエンス本社(同社HPより)


■ 若さが秘訣

 成長する企業は若さが秘訣です。キーエンスは転職が多いと言われますが、体力がある若い頃だからこそ猛烈に勉強し、働けます。高給ですから、給料を気にして働くことはなく、自分を磨くことに奔走して、一定レベルを超えたら、管理職として上るか、技能を生かして次のステージへと巣立っていくということでしょう。スキルが高いので引く手あまたです。転職して多少年収が下がったところで、平均よりずっと上でしょう。キーエンスは、2000年、創業社長の滝崎武光氏が55歳時に、当時43歳の佐々木道夫氏を社長に抜擢し、自らは会長になりました。10年後、佐々木道夫社長(当時53歳)が取締役特別顧問に退き、現場経験の豊富な山本晃則取締役(当時45歳)を社長を抜擢し、強みである商品力や営業体制のさらなる成長を図ることとしました。常に若さを保とうとしているのでしょう。滝崎武光氏が社長を退いたのが55歳、佐々木道夫氏が53歳、普通の企業ならまだ社長になっていない年齢です。ここにキーエンスの強さの秘密があるのでしょう。

■ ファブレスと商品企画
 キーエンスはそもそも生産を行わないファブレス企業です。工場が無く、協力会社にまとめて大量発注します。販売部門から上がってきた顕在ニーズを徹底的にマーケティング部門が解析し、次から次へと「深堀り」して、潜在ニーズを掘り起こします。潜在ニーズですからもちろんまだ商品は無く、競合もありません。マーケティング部門は商品を企画し、これを製造する会社と一緒になって作り上げますが、ここにひとつの秘訣があります。加工組み立てを一括発注するのではなく、パーツごとに一流の工場で分散して作り、ソフトウェアもキーエンスが対応します。すなわち、肝心要のところは自社で抑えていますから模倣し難いのです。商品を発売したら、一気にこれを売り切ります。評判を聞いた同業他社は必ず追随して来ます。競合が生じたら利益率が下がります。そうなったらもうその商品に魅力なし、売り切って販売終了です。もっと売ってくださいと言ってももう商品はありません。
 それともうひとつキーエンスの商品の特徴は、「高くない」ということです。安く作るには設計段階で部品数を抑える(ASIC等)、数量ディスカウントなどです。他社に無く、安いのですから売れない訳がありません。どうしてあんなに安い商品を売って、営業利益率5割という数値を叩き出せるのでしょう?ここにキーエンスの躍進の秘密があります。

■ 直販=顧客価値の創造
 販売は顧客との直接取引で、直販=顧客価値の創造という考えです。顧客の価値とはラインの生産性向上です。顧客のラインの問題点を聞き出して、それを解決するために必要な対策は、まず計って、調節して操作する、その結果をフィードバックして、常に制御のサイクルを回すことです。現場のラインに詳しいお客様の担当者も、こうした計測制御には素人の方が圧倒的です。解決のために、もっとも適切なセンサを提案して、しかもそれを顧客の予算内で実現する、これがキーエンス・スタイルです。ラインの生産性が向上すれば、担当者はほめられます。そしてますますキーエンスの営業マンを頼りにする、ということになります。
 キーエンスの販売にはお中元・お歳暮・年賀状そして接待はありません。理由は・・・分かりますよね。

■ 人事制度と教育
 20歳代でプロジェクトリーダーになれるなど、ひたすら合理性を追求する人事制度で有名です。営業スタイルは合理性を追求し、クライアント訪問前の指導、営業担当による徹底指導や新品のテスト機貸し出し等、受注効率を上げるための創意工夫がなされています。飛び込み営業は行わず、既存のクライアントを対象に、必ずアポをとってから訪問します。訪問前に、その顧客を徹底調査して、頭に入れてから訪問するのと、帰社後結果を報告書にまとめます。コンサルティングをメインとした営業なので、現場に入り込み、工場で何に困っているかを徹底的に聞き出します。それが報告書になり、マーケティング部門で次の商品開発のネタになります。ただし、コンサルティングとはいえ、絶対特注品は受けません。即納できる商品を予算内で提案します。それが現場の人に可愛がられ、頼りにされることにつながります。
 キーエンスの教育は新人教育以外はすべてOJT、それも営業マンの場合は終業後のロールプレイングのみです。お客様から帰ってきて、まとめた報告書のまずい点は、上司が徹底的に指摘します。滝崎会長が「ウチの営業マンは本当によく勉強する」と感心するくらいだそうです。海外の主要拠点にはすべて日本人社員が赴任し、現地の人を指導するので、キーエンスで海外を経験した人は、他社が欲しがる人財揃いとのこと。

■ 当たり前のことを当たり前にやる
 キーエンスの本社は、新大阪駅の南、地下鉄御堂筋線の西中島南方駅、阪急南方駅から近い、東中島の高層ビル(自社ビル)です。10階に自由に使えるミーティングルームがあり、その横が社長室です。いつもドアが開いており、新入社員でもアポなし提案に訪れるそうです・・・ということになってますが、そんな新入社員がいるのでしょうか? 社員教育は、先輩からのロールプレイが基本です。会議の席は到着順で、遅刻すれば社長でも末席だそうです。意見を言わない人は会議室に入らないことになっているそうです。当たり前のことを当たり前にやっているんですね。
 「最小の資本と人で 最大の付加価値を上げる」という経営理念にあるように、社員が各能力を発揮して高い付加価値を出し、一人あたりの付加価値が向上すれば顧客への提供価値があがり、売上・利益が上がり、必然的に給与は上がるという考え方、すなわち「人件費は経費にあらず、付加価値創造の構成要素」だと言います。
 徹底した人財育成に取り組み、一方かつて日本企業が取り組んだ能力主義を踏襲し、しかし年功や階層意識を排除しながら、抜擢人事を積極的に行っているそうです。

ひときわ高い本社ビル


■ 原理原則で考える、海外販売比率を高めたい
 山本晃則社長いわく・・・当社の経営において大切にしていることは、「経営にとって当たり前のことを当たり前に実践する」ということです。構造的変化の起こっているグローバル市場においては、何が当たり前のことなのかは日々変化し確信を持つことは非常に難しい時代を迎えております。そのような状況下において、当社では、何が当たり前のことなのかを検討・判断する際には、「原理原則で考える」ということを常に心掛けております。
 原理原則で考えることで、完璧ではないが少なくとも成功確率を上げることはできると考えております。
 当社の経営における優先順位の高い課題の一つとして、「海外での販売比率を高めたい」ということがあります。グローバルに見て“モノづくり”が行われている場所こそが当社のマーケットですから、現状の海外販売比率はそのマーケット規模を正しく反映できていないと考えております。
 裏を返せばその分だけまだ余地が残されているということですから、チャレンジし甲斐のある課題として注力しております。
 社員一人ひとりが生み出した付加価値が社会の皆様のお役に立てるよう、全社を挙げて業務に真摯に取り組んで参ります。


■ 当たり前のことができない
 当たり前のことを当たり前に実践すると言いますが、たとえば特注ニーズに応えないから営業利益率が高い、と言えます。まだ社員20人の頃に、ドデカイ商談が舞い込んだとき、これを受けたら、この会社の発注に経営が左右されるから、と断ったというのは有名な話です。頑固一徹の経営方針、先取り、深堀りのマーケティングなど、他社には真似出来ないスタイルを連綿と続けていることは、カリスマのみならず、優秀な軍師がいて優秀な兵隊がいるということでしょう。キーエンスを辞めた人いわく、「他の会社でも、キーエンスと同じやり方をすれば同じように成功すると思う。しかしそれはできないでしょう」これはどういう意味でしょうか?つまり「当たり前のことを当たり前に実践する」、この「当たり前」が実はとっても難しいということですね。世の中のほとんどの企業が、「当たり前」のことができていないと言うことです。
 これは労働者もそうです。人は何のために働くかと言うと食うためです。親から相続した不動産が例えば貸しビルだったり広い駐車場があって、毎月ドバドバとお金が入ってきて、税金払った残りで生活しても毎月預金がドンドン、なんて人がキーエンスに入って働こうなんて考えないでしょう。人は働くことは目的ではなく手段です。したがって、怠けることが「当たり前」なのです。
 経営の神様、松下幸之助さんが、「なぜ、あなたは経営者として成功することができたのですか?」という質問に対して答えたのは、「貧乏だったから」、「身体が弱かったから」、「学歴がなかったから」でした。「当たり前」じゃなかったから、それを克服すべく頑張ったから、成功したのでしょう。

■ 30代で家が建ち、40代で墓が建つ?
 冒頭で、「キーエンスはITとは縁遠い面がある」と書いたのは、キーエンスのマーケティングはITを使ったものではなく、足を使ったものだからということです。お客様の現場に入り込み、お困り事を徹底的に聞き出して、それを会社に持ち帰って解決するための手段を企画・開発部門の人が考えます。つまり営業マンは売り込みしているわけではないのです。口の上手いセールスマンは不要、お客様のお困り事を聞き出せる人間性が大事なのです。これが普通の企業と決定的に違うところです。普通の会社ではITを使ってマーケティングしたかのように報告書を上に上げます。真のニーズは現場にしか無いのです。
 「30代で家が建ち、40代で墓が建つ」と言われるのは、給料が高いので、若くして家を建てられるが、モウレツな労働で体が持たないと言う意味のようです。しかしキーエンスの社員なら銀行は20代でも住宅ローンを貸してくれるでしょうから、20代で家が建ちます。「墓が建つ」というほうはヤッカミでしょう。ブラック企業で残業また残業で精神を病み、自殺して労災認定されたなどというニュースは良くありますが、キーエンスの社員ほどの給与なら、モウレツに働くのは当たり前です。キーエンスでは早朝出勤や真夜中までの残業は禁止されていますし、休日出勤も同様です。キーエンスの営業マンはお客様の現場に入り込むことと、お客様への電話と、その内容整理が仕事です。したがって会社に居なくても仕事はできるわけです。ただし、いつまでに整理してレポートをまとめるかは決まっており、お客様へ何件電話するかのノルマも決まっていますから、これをこなすのは尋常では有りません。別に会社に居なくても良い、決められたとおり報告することが求められます。営業スタイルが特異ですから、成果が上がらない人は「やめたほうがいいんじゃないの?」とささやかれます。徹底的な成果主義ですから、成果が上がらない人は自分で分かりますから退職して行きます。

■ キーエンスの安さの理由
 キーエンスの真似をすることは困難です。そもそもファブレスで、ものづくりをしてもいないのに、他社に無い、それも高くない製品をどうやって作るのか?しかも同業他社が追随してきた時にはもう売り抜けて販売終了、高くない製品を売って営業利益率5割、何をどうやっても凡人では太刀打ちできません。キーエンスが応えない特注ニーズを拾って回るということも一案かと思います。利益率は低いでしょうが、生きては行けるでしょう。筆者のかつて勤めていた企業の商品と同じジャンルの商品をキーエンスとその子会社が次々に出してきたことがありました。安いのです。私たちはお客様の現場で実際に組み立てて性能をお客様に確認して頂いて検収を頂きました。ところがキーエンスとその子会社は商品を送ってきて、説明書が中に入っていて、組み立てから性能確認まですべてお客様にやらせるのです。「なるほど」と感心しましたね。お客様はプロですから、やれと言われたらできるのです。私たちはカスタマーエンジニアを用意しなければいけなかったのに、彼らはそれをお客様にやらせるのです。なんと合理的!お客様を働かせた分安い!私たちにはそんなこと出来ませんでした。ほとんどの日本企業はそうでしょう。しかしお客様は自分たちが手間掛けた分安く買えるので上司に誉められるのです。ただ商品的に見れば、私たちのマーケットにまだまだ宝があるということを認識しました。競合せずに、ユニークな商品を出すべく心がけて行く必要がありましたね。昔話です。

■ iPhone7発売〜キャリア3社は実質1万円から 大容量データ定額競争へ
 米アップルが新型スマートフォン「iPhone7」を発表しました。防塵・防水機能初搭載、Apple payがFeliCaに対応したことでおサイフケータイになる、カメラの性能が大幅アップ、ディスプレイが25%明るく広色域になった、などの特長があります。iPhoneは世界的に見るとドンドンシェアを落としていて、唯一日本でだけ良く売れています。日本が「ガラパゴス」と言われるゆえんです。ただ日本でのアンドロイドスマホにとっては優位面が崩れ去り、ますますiPhoneのシェアが増えるのでは?という気もしないではないですが、MVNOの格安スマホユーザーはこんな高いものは使いません。
 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手キャリア3社は新型iPhoneの販売価格を発表しました。もっとも安いモデルは、他社からの乗り換え(MNP)で3社とも実質1万円程度となります。3社は端末価格を通信料金から大幅に割り引く販売手法を採用しており、ユーザーは実質的にかなり安い価格で最新のスマホを購入できます。値引き分は月額料金の中に含まれているので、前にも書きましたが新型を次々乗り換えるユーザーだけが得をして、その他のユーザーにしわ寄せが行くシステムです。公正取引委員会は、競争政策の観点から「見直しが望ましい」と改善を迫っていますが、聞く耳持たない、イヤ、持てないのかもしれませんね。

■ U18も女子もスゴイJAPAN
 2016年8月30日(火)〜9月4日(日)台中で行われた第11回BFA U18アジア選手権は、日本が6戦全勝で優勝しました。それも69得点1失点ですよ。6試合で失点1は凄過ぎます。MVP…納 大地、首位打者…松尾 大河、打点王…林中 勇輝、最優秀投手…寺島 成輝、最優秀防御率…寺島 成輝、最優秀守備選手…九鬼 隆平、ベストナイン(左投手)…寺島 成輝、ベストナイン(遊撃手)…佐藤 勇基、ベストナイン(外野手)…鈴木 将平です。甲子園で活躍した選手の名前が並んでいます。では唯一の失点は誰?高橋 昂也(花咲徳栄)です。
 韓国(釜山)で現在行われている第7回WBSC女子野球ワールドカップもスゴイ!6戦全勝、65得点4失点ですよ。筆者が応援している世界MVPの六角彩子(ロッカク アヤコ)選手、大活躍!富士見市在住ですよ。
(2016年9月10日)


次回へ    前回へ    最新ページへ つぶやき最終回