168  日光・鬼怒川

 二十四節気では小満(陽気が良くなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂るころ)と芒種(稲の穂先のように芒=とげのようなもののある穀物の種まきをする頃という意味ですが、現在の種まきは地球温暖化で大分早まっています)の間の時期です。田植えが終り、鏡のような水面に水稲の苗が一面に植えられて、やがて緑に覆われますが、今はまだ苗の間に水が見えます。日本の美しい風景のひとつです。少年野球のグラウンド間移動で、相も変わらずオートバイでブドドドと走り回っています。年甲斐も無くといわれれば全くその通りですが、四輪車より余程行動的だし、なにしろ燃費が良い、リッター36km走ります。もちろん近場はなるべく自転車で、1km圏内なら絶対歩いて、と心がけています。二輪車は危険度が高いことは言われるまでも無く承知しています。これまでも度々危ない目に遭ってきました。でも、危ないと言っていたら、楽しいことにも遭遇できません。要は、他に対して危険を与えることなく、自分自身は危なくてもしょうがない、ぐらいの遊び心で人生を楽しまなくちゃ、と思うわけです。

■ 農業、工業、観光業のバランスとれた栃木県
 温泉オタクとしては少年野球の合間にに出掛けます。今回は栃木県にしました。夫婦ですから四輪車です。栃木県は内陸県で、県内の地域区分は概ね「県南」…小山市、栃木市、佐野市、足利市など国道50号沿線、「県央」…宇都宮市、鹿沼市、下野市、真岡市、さくら市など、「県北」…県北西部を占める日光市を中心とするエリアと、さらに北の那須野が原に広がる那須塩原市、大田原市、那須町などの地域に分類されます。栃木県の温泉地帯といえば、もちろん「県北」ですね。
 栃木県は産業バランスのとれた県です。工場もあれば、農業、林業、酪農、畜産、そして日本有数の観光地にも恵まれています。北部から北西部にかけて奥羽山脈、日光連山、足尾山地が連なり、標高1500m〜2500m程の急峻な山岳が連なっています。これらの山々から流れ出る鬼怒川、那珂川、渡良瀬川等諸河川が関東平野の北端を形成し、更に北に進むと那須野が原に至り、県北の町並みが広がります。

■ 鬼怒川最大のホテルに宿泊
 観光業は、日光・鬼怒川エリアや、那須・塩原エリアで盛んで、日光市の鬼怒川温泉、川治温泉、湯西川温泉、日光湯元温泉、那須町、那須塩原市の那須温泉郷、塩原温泉郷のような、飛鳥時代や奈良時代からの古い歴史を持つ名湯がズラリと並びます。日光東照宮・日光二荒山神社・輪王寺の二社一寺で構成される世界遺産、いろは坂に華厳の滝、中禅寺湖や戦場ヶ原など、風光明媚な奥日光の景勝地、皇室の御用邸や那須岳、殺生石に代表される別荘地や牧場、温泉が広がる那須高原と、豊かな自然や文化に育まれた名所を有しています。
 鬼怒川温泉と言えば最大のホテルはニュー岡部、今は経営が変わりました。大きなホテルがたくさん有り、観光ホテルや、ホテル三日月、三日月と言うと舛添都知事を思い浮かべますが、コチラは木更津のスパ龍宮城でしたね。折角だから一番大きい宿に泊まりました。まあ、端から端まで長いこと・・・、としては全く癖が無く、温泉オタクとしてはやはり草津のような温泉らしい温泉が良いことを改めて実感しました。

■ 鹿沼市でさつき鑑賞

 鹿沼名産といえば皆様ご存知鹿沼土ですね。形状は丸みを帯び、土と呼ばれていますが実際には軽石です。通気性・保水性がともに高く、強い酸性土であるため、主にサツキなどのツツジ科の植物や東洋ランなどの栽培に用いられます。また、雑菌をほとんど含まないため、挿し芽などにも適しています。鹿沼土は水分を含むと黄色くなり、乾燥すると白くなるので土壌の乾燥が判断しやすく、園芸に好んで用いられます。鹿沼と言えばさつきです。鹿沼市花木センター中心にさつき祭り開催中です。
鹿沼市花木センター入り口


蓮の池
 
きれいなさつきが所狭しと並んでいます


この時期は綺麗に咲いているハス


■ 日光東照宮と二荒山神社

 栃木県観光と言えば、なんと言っても日光東照宮です。駐車場代から入場料、おみくじ、字を書いて積む白い石や、字を書いて標的めがけて投げて当たると幸運が…というハート形の木片、とにかくありとあらゆる形でお金(初穂料)にする、実に日本の神社仏閣は金儲けが上手いなぁ〜と感心させられます。
 ちょうど結婚式もやっていました。平日なのにガイジンがゾロゾロ、観光ニッポンここにあり。
 日光と言えば杉、二荒山神社の御神木は樹齢約七百年、樹周り6.35m、高さ60mもあります。

駐車場代¥600
 
平日でもこの混みようです

¥1300の入場券を求める行列、ガイジンが多い
 
ただいま本殿改修中で仮殿に遷座、常設仮宮は日本でここだけ

五重塔
 
二荒山神社第一の巨杉・・・御神木
 
二荒山神社に向かう道、右塀は東照宮本殿


■ 華厳の滝
 いろは坂をクネクネと上りました。今は上りと下りがそれぞれ一方通行になっています。久し振りに華厳の滝を見て、中禅寺湖を見ました。マイナスイオンいっぱいで、下界は暑かったのに肌寒い、目の前に男体山が上を霧、いや雲に覆われながら巨大な勇姿を見せています。


駐車場の崖の上から見下ろす華厳の滝、新緑の樹間から
 
折角なので¥550で百mのエレベータで下り、下の展望台から水しぶきを浴びて


■ 中禅寺湖と草木湖

 さあ、そろそろ家路につくとしましょう。中禅寺湖を後にして、来た時の東北自動車道では面白くないので埼玉県の中央部縦断、群馬県の草木湖から大間々、桐生、太田、深谷、熊谷、東松山と通って帰って来ました。今は新緑が目に美しい。
中禅寺湖 湖畔は寒かった・・・

群馬県みどり市の草木湖…草木ダムによる人造湖


■ 南海トラフで、今後30年以内に巨大地震発生確率…60%〜70%
 前回地震と地盤について書きました。熊本・大分での中央構造線断層の揺れによる巨大地震が発生しましたが、巨大津波を引き起こす海溝型地震は宮城県沖で予想通り発生して東日本大震災を招き、次は東南海トラフだと言われています。陸地プレートの下に海底プレートが潜り込み、溜まったひずみがバチンとバネが弾けるように起きる海溝型地震は、震源地が陸地から遠いので、建物への直接被害よりも津波が怖いものです。NHKで5月24日に見たニュースにはゾッとしました。巨大地震の発生が予想される南海トラフでは、四国や東海の沖合などで特にひずみがたまっていることが、海上保安庁が行ったGPSを使った海底の地盤の観測で明らかになったというのです。東海から西の太平洋にある南海トラフでは、陸側のプレートの下に海側プレートが沈み込んでひずみがたまり続け、過去に繰り返し巨大地震が発生しています。国は今後、30年以内にマグニチュード8から9の巨大地震が発生する確率が60%から70%としていますが、震源域が海底のため、どこでひずみがたまっているか詳しく分かっていませんでした。

■ 海上保安庁の調査で南海トラフのひずみ新発見
 海上保安庁は2006年度から9年間かけて、南海トラフの15箇所の海底にGPSの観測点を設置して海底の動きを直接調べ、どこにひずみがたまっているか解析を進めてきたそうです。海側のプレートは年間におよそ6cm沈み込んでいるとみられます。その結果、四国の沖合や東海地方の遠州灘の沖合では、陸側のプレートは海側とほぼ同じ年間におよそ6cmずれ動き、特にひずみがたまっているほか、紀伊半島の周辺の沖合でも、年間およそ5cmとひずみがたまっていることが分かりました。このうち四国沖では、海側のプレートが沈み込み始めている浅い領域も含まれ、大きくずれ動くと高い津波が発生する恐れ有りとしています。一方、宮崎県の沖合の日向灘では、陸側のプレートがずれ動く大きさは年間に3cm前後で、体に揺れを感じないゆっくりとした地震によって、ひずみが解放されている可能性があるとしています。

■ 海底の観測点をさらに増やし、長期的に監視していくことが必要
 過去の南海トラフの巨大地震はこれまで、四国沖から和歌山県南方沖を震源域とする「南海地震」、三重県南東沖から遠州灘を震源域とする「東南海地震」、それに遠州灘から静岡県の内陸部を震源とする「東海地震」がそれぞれ起きたり、連動して起きたりしてきたと考えられています。今回の解析では、ひずみがたまっている領域は四国の南の沖合のごく浅いところまで広がっていたほか、東南海地震の震源域ではひずみがたまっているところがまだらに分布し、東海地震の震源域では沖合にひずみがたまっているなど、震源域ごとに特徴が異なる結果となりました。今回の結果を受けて、「南海」、「東南海」、「東海」という区分を前提としてきたこれまでの地震の想定は、今後改めて検討が必要になり、今回は観測できていない領域もあるので、海底の観測点をさらに増やし、長期的に監視していくことが必要のようです。
(2016年5月30日)


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