164  明治維新A

 熊本地震は震度1以上の揺れが1000回を越えました。とんでもない事態ですね。揺れっぱなしということです。地震と言えばこれまで九州、四国は少ない印象でしたが、起きてみるとすさまじいの一言です。

■ 同齢の死と医療政策
 旧居の2軒隣のご主人が亡くなりました。右写真はその奥様から頂いた花が我が家で開花したものです。麦コスモスと聞きましたが、正しくは麦仙翁と言うのだそうです。同齢の人が亡くなるとさすがに考えさせられます。40代でガン発症しながら克服してバリバリ自動車修理の自営業を営んできましたが、悪性リンパ腫に取り付かれました。この病気は余程のことがない限り太刀打ちできません。人間にとってリンパは生命維持に欠かせないからです。筆者がAflacのガン保険に加入したのは、厄年の時、同齢の社員、それも最も頼りにしていた仲間を悪性リンパ腫で失ったからです。ガン家系ではないので、保険が必要な時期はガンにはならないだろうとは思いましたが、家族のことを考えると心配だったからです。2軒隣のご主人は前日が誕生日で、病室に多くの女孫まで集まってお祝いし、嬉しそうだったそうです。それがあっという間の死・・・抗がん剤の高額化、医療の高度化、医師の偏在、いろいろ医療にまつわる問題が言われています。我が家の周りは葬祭ホールの建設ラッシュですが、安らかに眠る前にはまず医療、周辺に医院はたくさんあります。しかし高度医療の大病院は少なく、いつも混んでいます。開業医優先の国の医療政策は見直すべきですね。
我が家の麦仙翁(むぎせんのう) 別名麦撫子(むぎなでしこ)

■ 坂本龍馬は何故軍艦を持てたの?
 さて前回の続き、西鋭夫氏の言う「明治維新の真実」とは何か?カネの流れから歴史を見ると、坂本龍馬のような若造、脱藩した浪人が何故軍艦を持てるの?海援隊などという若者集団を食わせる金をどうやって調達したの?どう考えても裏に何かあるはずだ、というのは言われてみれば全くその通りです。学校で教えられた日本の歴史に不自然さ、違和感をどうして持たなかったんだろう?ドラマを見て、何故?どうして?と考えるべきでした。
 西氏によりますと、明治維新を実現したのは薩長土佐連合でも、坂本龍馬でも、勝海舟でもないのだそうです。彼らは操られて動いただけで、明治維新の黒幕&スポンサーは当時の世界を牛耳っていた大英帝国だったそうです。

■ 紳士の国イギリスの裏の顔は海賊まがい
 明治維新はイギリスが日本を手なずけるために立てたアジア戦略の一環だったと言うのです。イギリスは、アメリカやロシアもそうですが、アジア人やアフリカ人を人間として見ていなかったから、皆殺しにすることは平気だったと言います。インドから東の地域を次々と支配下におさめ、やがて清国も隷属させました。清国の広東から紅茶や陶器を輸入していたイギリスは、代金の銀を払えなくなると、紫禁城の側室の媚薬として買われていたアヘンに目をつけ、インドで大規模なアヘン農場を作って清国に輸出して、アヘン漬けにしました。清国が輸出を止めさせようとすると、戦争を仕掛けて清国を制圧したのです。しかしインドや清国との戦争でイギリスが払った英国兵の犠牲が余りに大きかったため、アジア最後の国である日本を攻略するための戦略は変更しました。それは、日本国内のテロリストたちに、資金や武器や軍艦を提供して内戦を起こさせ、既存の権力(=徳川幕府)を放逐した上で、彼らを通じて日本を支配しようという戦略でした。そうか、薩長土佐連合はテロリストだったんだ!戊辰戦争は、はめられた内戦だったんだ、と考えると、今まで教えられてきた教育は、明治新政府によって都合よく作り上げられたものだったわけです。
 紳士の国イギリスの裏の顔は海賊まがいだったと言うのです。でもあんな遠くの国から船でやってきて、大国インドや中国を攻略したのですから、今考えると信じられませんね。真っ先に日本に目を付けられたらえらいことでした。

■ その後の日本と英国、そして米国との関係
 日清戦争に日本が勝ったのは、別に日本が強かったからではなく、英国が中国人をアヘン漬けにしていたため、中国人に戦闘意欲がなかったからとのこと。そう言われれば、中国や日本で麻薬や覚せい剤に対する取締りが格別に厳しい理由が分かりますね。中国では即死刑ですよ、どうしてそこまで厳しいかと言うと、こういう背景があったのです。
 日露戦争は、英国が自分の手を汚さず日本を使ってロシアの南下を阻ませた戦いで、日露戦争の2年前(1902年)に世界の3分の2を支配下にもつ当時の世界一の強大帝国・英国が、極東の小さな島国・日本と、自国の歴史上初の軍事同盟=日英同盟を締結したのは、普通なら必然性が全く無いのに、対露対策のためだったのだそうです。自分の手を汚さずに、日本に肩代わりさせたというわけです。ただし、日露戦争後のポーツマス条約締結時に、日本への戦費経済支援と早期戦争終結の仲介をしてやった親日国・米国に対し、全権大使の小村寿太郎が未熟にも米国への配慮をせず、満州鉄道事業への米国の共同参画の申し入れを断ってしまったため、米国の日本への反感を買ってしまい、これが後々、大東亜戦争(太平洋戦争)への伏線となってしまったのだそうです。

我が家の覆輪蔓日々草の青い花はカワイイ

■ 明治維新は本当に良かったのか?
 文明開化とは西欧文明化への洗脳の結果であり、富国強兵とは日本を戦争の出来る国に仕立てることでした。250年平和を保った徳川幕府は、鎖国政策によって外国との対立を遮断しましたが、明治維新以降第二次世界大戦敗戦まで日本は戦争をし続ける国になりました。イギリスは、敵国ロシア、清国と対峙するために日本を利用しました。おだてられながら調子に乗って上手く使われたのではないでしょうか。西氏はそこまでは言っていませんが、多分そうなのでしょう。さらに、日本を新興工業国に仕立てることで、清国からアヘンで巻き上げたカネを日本に貸しつけることもできたのです。
 徳川幕府の偉大なる平和体制を壊した明治維新は本当に良かったのでしょうか?

■ 歴史の70年周期説
 歴史には「70年周期説」というものがあります。70年周期説で日本の歴史を時系列にまとめると・・・
 1716年 享保の改革
 1787年 寛政の改革
 1868年 明治維新
 1936年 2.26事件…これを契機に軍国主義の色合い濃くなり、1941年12月8日真珠湾攻撃〜1945年8月15日終戦
 2008年 リーマンショック、オバマ大統領当選
もちろん、制度破壊をともなう改革は一朝一夕には成りません。数年間の混乱や混沌とした時代を経て完成して行くので、70年周期といっても、概ねプラス10年くらいの範囲に収まっています。このように、70年周期で従来の制度が破壊されるのは、制度そのものの寿命がそれくらいしか持たないことを意味しているのです。昔の寿命からするとおよそ3世代ですね。明治維新は寛政の改革から81年です。2.26事件は明治維新から68年ですが、むしろ歴史の転換点と見るならば73年後の太平洋戦争開戦、もしくは77年後の終戦のほうをとるべきでしょう。70年周期説で明治維新から140年は2008年ですが、これは歴史の転換点と言えるものではありません。太平洋戦争から70年だとすると、2011年から2015年、今はそれも過ぎたので明治維新から140年プラス10年、つまり2018年頃が戦後日本が構築してきた制度の寿命が切れる・・・そういうターニングポイントの年になるかもしれません。社会保障費の増加にともなって増え続ける国の財政赤字、人口減少がもたらす年金制度の崩壊、820万戸からさらに増え続ける空家問題など、多くの問題が抜本的な解決策がないままに先送りされています。今、政府が推し進めているアベノミクスと安保政策転換は、実は制度崩壊の引き金をすでに引いていると言う人もいます。

東松山の牡丹

■ 西氏の言いたいこと
 コロンブスの頃は「黄金の国ジパング」だったのが戦争をする国になりました。西鋭夫氏は「歴史を学べ」と言います。日本では正しい史実を教えて来なかった、現在も右翼と左翼のイデオロギー対立ばかり、江戸時代のエリートは文武両道だったと言います。現代日本では「9条」という言葉だけで思考停止するようになったのは誤りなのだそうです。米英仏露は日本の真珠湾攻撃を暗号解読で実は知っていましたが、不意討ちだと言いました。広島、長崎に原爆を落とす指令を出すときトルーマン大統領は、「これは真珠湾の報復だ」と言ったそうです(注:真珠湾の米軍艦艇に的を絞った攻撃と、市街地すなわち民間人対象の原爆では、全く意味が異なり、戦争犯罪であるというのが日本では一致した認識です)。今日本はアメリカの属国だと西氏は言います。文化的にも精神的にも日本が米国に隷属することなく、日本らしさを発揮すべきだ、そのためには日本の教育を変えるべきだというのがどうも西氏の言いたいところのようです。

■ 西氏の別の論点
 西鋭夫氏は、明治維新以外にも日本に対して様々な論点で講演しています。紹介しましょう。
@日本の財政赤字は深刻です。日本の債務残高はある統計によると、既に1300兆円を超えている、もはや消費税を増税する程度では補える金額ではありません。債務の利息が更に債務を生む、サラ金状態に陥っています。もはや手遅れの段階に来ています
Aアメリカの財政赤字も深刻です。ドルの刷り過ぎで、ドルの価値を落としてしまって、これまた取り返しがつきません。これからは金の保有量が重要になってくる、すなわち金はますます高騰するでしょう
B日本はアメリカにお金を貢いでいます。日本国憲法もアメリカが統治しやすいように作られた憲法です。日本国民が汗水たらして働いた税金は、アメリカ国債の購入費に充てられています。アメリカ国債を換金することは、事実上不可能な状態で、ただでお金を貢いでいるのが現状です
C戦争が起こる可能性は高い。アメリカのドルの力が落ち、アメリカ経済が落ち込むと、アメリカは武力にものを言わせた外交になってくることになり、経済をリセットするためにも戦争を起こす必要が出て来て、日本も戦争に巻き込まれることになります
D日本は今でもアメリカの占領下にあります。日本人は完全にアメリカの洗脳を受け、本来の誇り高き日本人を失ってしまいました。重要な法案はすべてアメリカの意志が反映され、自衛隊の指揮さえも、アメリカがコントロールしています
ETPPは危険です。日本の政治家は、誰も、TPPの本当の意味を理解していません。TPPの本当の狙いは、「国の法律よりも、企業の訴訟が優先する」という点にあるのです。アメリカの企業が日本国を訴え、訴訟に勝つことができるようになります。どんどん不平等条約が増えて行くでしょう。アメリカの安価な米がどんどん輸入され、日本の米農家が消えてゆくことになり、アメリカ独占の米市場になって行きます。このままでは日本は、ますますアメリカの属国になることになります
F日本人はもっと政治家に対し、発言するべきです。何も言わないで黙っていては、ますます属国化が進む、そうならないためには、アメリカの手先となっている政治家にガンガン物を言って行かないといけません
G現実を直視する必要があります。「歴史の美しいところも醜いところも直視せよ」、「お金の流れを追えば、真実が見える」、日本はおそらく、「持って5年」です。5年のうちに、経済や軍事の面で色々なことが起こってくる確率が高いのです(この講演は2014年です)

 本当ですか?恐いですね。冗談にして欲しいけれど...

東松山のつつじ


館林のつつじ

■ 三菱自動車燃費不正で深刻な客離れ、受注台数半減
 三菱自動車が軽乗用車の燃費を偽装していた問題で、「eKワゴン」や日産自動車に供給している「デイズ」など4車種の生産と販売が中止されています。軽乗用車の生産拠点である水島製作所(岡山県倉敷市)の全従業員の4割弱にあたる約1,300人が自宅待機となっています。昨年は、独フォルクスワーゲンの排ガス規制を巡る不正が発覚しており、自動車の性能試験での不正が相次ぐ実態は、業界全体の信頼を揺るがしかねない事態と思えます。2000年以降の大規模なリコール(回収・無償修理)隠し問題など企業体質を問われる不祥事で経営危機に陥った際には、三菱グループの全面支援を受けて再建を果たしました。三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行の御三家を中心に、三菱自動車への増資や経営陣派遣などの手を打ちました。金曜会メンバーの危機をグループの総力を挙げて回避したのです。金曜会とは三菱グループ29社の会長、社長がメンバーに名を連ね、毎月第2金曜日の正午から午後1時半に三菱商事本社ビル21階にある大会議室で開催される会です。単なる親睦団体ではありません。スリーダイヤのブランドイメージを保つための会合かな?
 「三菱」という冠が着いているのに三菱グループではない、というので有名なのは三菱鉛筆です。三菱グループの人たちがキリンビールで乾杯するのは三菱グループだからで、小岩井牛乳で有名な小岩井乳業もそうです。小岩井の「岩」は岩崎なのです。また三菱グループなのに東洋○○という社名の会社は、それに至る理由があるのですが、差し障りがあるので書きません。
 三菱自動車の相川社長は「会社の存続に関わるほどの大きな事案だと思う」との危機感を示しましたが、リコール隠しのときも同じ認識でした。しかも今回の燃費偽装はリコール隠しの前から行われていたというのですから深刻です。
 近年は日本における企業の不祥事や業績不振が相次ぐ中、H2AロケットやMRJなど、さすがスリーダイヤだと言われてきただけに、グループにとっては深刻です。

パンジーが花盛り
 我が家に一番近い自動車販売店は三菱自動車で、川越街道に面し、川越市との境界で、町会の企業メンバーでもあるだけに心配です。確かに総ガラス張りで中が見えますが、お客様が少なくなっています。

■ アップル決算・・・13年ぶりの減収
 ずっと前に、マイクロソフトやアップルの時代は終り、グーグルの天下になるだろうと書きました。筆者のスマホはAndroidですが、何故か日本ではiPhoneが人気で、この理由は様々言われていますが筆者には理解できません。「ガラケー」という言葉が有る通り、日本というのは情報化社会のなかで一種のガラパゴスなのかもしれません。そういう日本市場にうまく付け込む戦略にアップルが成功したのかもしれません。いずれにせよ、スティーブン・ジョブズ無きアップルは厳しい気がします。
 今回13年ぶり減収決算の最大の問題はiPhoneの売上不振です。今年1月から3月までのiPhone出荷台数は5120万台。前年同期の6120万台から大幅に落ち込みました。金額にして80億ドル(約8900億円)にのぼるiPhoneの売上の減少は特に中国(26%減)と米国(10%減)で顕著だそうです。アップルの今期の総売上は506億ドル(約5.6兆円)で、前年比13%のマイナス。部門別ではiPadが19%減、Macが9%減。サービス部門は20%の伸びを記録し、60億ドルに達しました。国別の売上では日本が唯一売上を伸ばし、24%の増加でした。やっぱり日本はヘンです。

■ 悩ましき日銀、悩ましきアベノミクス
 日銀が2016年4月28日に開いた金融政策決定会合において、現状の金融政策の維持が決まった途端、急激な円高、株価急落となりました。日銀がこれまでとってきた量的緩和策やマイナス金利によって物価や賃金が上がっていくはずでしたが、現実にはそうなっていません。雇用は改善されましたが、それは非正規の増加です。それどころか、消費者はますます財布の紐を締め、GDP(国内総生産)はマイナス成長となりそうです。打ち手はもはや無し?悩ましき日銀です。アベノミクスで別に悩ましいのは、公的年金の積立金を運用する独立行政法人(GPIF)の運用実績低迷です。2015年度は5兆円以上の大幅な赤字になりそうだということです。債権からハイリスクの株式に運用比率を2倍に変えたことで、損失が膨らんでいます。損もすれば儲かりもするというのが「投資」の特徴ですが、この世界では得:1割、損:9割というのが通説です。GPIFが果たして1割の勝ち組になれるのか?その答えが出たのです。池上彰さんがテレビ番組で言っていました。「不思議なのは、GPIFによる2015年度運用成績の公表日がいきなり7月29日に設定されたこと、例年、7月上旬には発表されていたのにどうしてでしょう?そう、ニュースを良く見聞きしている人は分かりますね?今年は7月に参議院議員選挙があるので、公表を先送りするんです」・・・でもこれって『損失隠し』ではないですか?三菱自動車を批判できませんね。
(2016年4月29日)


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