88 サドンデスとタイブレーク
■ アベノミクスは間違いか? Yahooのチャートから見えること、それは為替レートと株価は大きな眼で見ると連動しているということ、そして、勢いからして円はまだ安くなるだろうということ、日経平均株価はピークが近いということです。ピークが近いときは素人は下手に動いてはやけどします。一方為替レートは、日米の国力差と、世界的な格差拡大傾向からすると、円安ドル高は致し方ありません。日本の株価は実は企業実態とかけ離れて低く押え付けられてきましたので、もっと上がっても良いのですが、今は上昇が激しすぎるので、ピークが近いと申し上げていますが、長い目で見ればもっと上がっても良いのです。アベノミクスは間違いだというようなマスコミの論調も出て来ていますが、内閣支持率は相変わらず50%超です。それは失われた20年の間、抑うつされてきた日本国民は、閉塞感から脱したい、格差が拡大しようと、ペシミスティックな経済論よりオプティミスティックな安倍さんのほうが好きだ、ということです。オバマの不人気、安倍の人気、国民の気持ちが現れています。 ■ サドンデス? 延長で無死満塁とか1死満塁からサドンデスというのを少年野球でも普通に言っておりますが、スポーツニュースなどではサドンデスとは言わず、タイブレークと言います。 サッカーでは延長に入って、どちらかが得点した時点で勝利が決定する方式をサドンデスと言っていましたが、「デス(死)」の響きが良くないということで、JリーグではVゴールと呼ぶようになり、後に国際的にもこのルールが広まって、ゴールデンゴールという名前に変わりました。 しかしそのルール自体があまり好まれずに、結局延長は得点した後も時間いっぱいやる方式に変更されたので、ゴールデンゴールというルール自体が無くなりました。今はこの方式のことを指すサドンデスもVゴールもゴールデンゴールもありません。 ただし、PK戦でタイのまま6人目以降になった時には、同数のキックで一方のチームが他方より多くの得点を挙げるまで、それまでと同じ順序でキックを続けます。いわゆるサドンデス方式の一種です。 サドンデス (sudden death)は、突然死を意味する言葉ですが、転じて、スポーツなどにおいて先に得点した方が勝利者となり、その時点でゲームが終了するようなシステムのことを差すようになりました。一般に、同点で終了した試合の延長戦において勝者を決定する手続きの一種として用いられています。 ■ 誤解を招きかねない呼称 先攻・後攻のあるゲームでは後攻の攻撃が終ったところでゲームの勝敗が決まることが多いのですが、後攻のチームが勝っていて、先攻チームの攻撃が終わった時点で時間切れになっていれば試合終了ですし、同じ状況で後攻チームの攻撃中に時間切れになれば、その時点で試合終了です。サドンデスというのは、最も厳格な適用法では、先攻・後攻関係なく後攻の攻撃が残っていても先に得点した方が勝利者となるルールです。したがって、後攻の攻撃が終えた時点で勝敗が決まるゲームを「サドンデス」と称するのは誤解を招きかねないと言えます。サッカーの延長ゲーム終了後のPK戦の6人目以降では、先攻が決めても後攻は蹴る権利が与えられます。したがって「サドンデス方式の一種」と言っており、少年野球のサドンデスもそうですね。ただ、間違いではありませんが、誤解を招く表現であることは確かです。 ■ 高野連はタイブレークを段階的に導入する方向 日本高野連は2014年10月20日、大阪市内で技術・振興委員会を開き、硬式でタイブレーク(tie break)を段階的に導入する方向で議論を進めることを決めました。来春の都道府県大会や地区大会で一律に導入する案を全国9地区と東京の代表者に提示、神宮球場で11月15日に開く地方側との懇談会で意見を集約して原案をつくり、11月27日の理事会で決めるそうです。 タイブレークは延長戦で人為的に走者を置いて早期決着を促す特別ルールで、甲子園大会や甲子園につながる夏秋の地方大会では、来年は実施しませんが、再来年以降については今後話し合うそうです。来春導入すれば10回から1死満塁で始めるとのこと。 ■ タイブレークとは? タイブレーク(tie break)とは?・・・tieは結ぶ、締め付ける、breakは破る、離すという意味ですから、タイ(試合の均衡)状態をブレークする(破る)と言う意味です。タイブレーク方式はそのまま「試合の均衡を破る」という方式で、主に試合が早く終わるようにという意味と、選手の負担を減らす意味合いもあるようですね。テニスやソフトボールで早期決着を目的に延長戦で人為的に走者を置く特別ルールとして運用されてきました。 テニスでは「6−6タイブレーク」という試合形式の場合、ゲームカウントが6−6になった時点で、タイブレークとして、相互に2回ずつサーブを行い、7ポイント先取した者がゲームを取得します。タイブレークを制した者がゲームカウント7−6で、そのセットを取得することになります。サーブの順序の公平を図るため、最初のサーブは1回だけで交替します。ポイントが7−6になった場合には、8−6まで行います。7−7とポイントが並んだ場合には2ポイントの差がつくまで続けます。 ■ 延長50回の死闘
■ 子供の騒音
■ 保育園や小学校の騒音 東京都の環境確保条例136条は、「何人も定められた規制基準を超える騒音等を発生させてはならない」と定めています。『何人も』ですから、騒音を発生させる人が誰であるかを問わず、また騒音の種類も問わず、規制対象になります。これまでは、幼稚園や保育園、小学校などから発生する『子どもの声』について苦情が生じた場合に、自治体の公害苦情処理担当者が指導するケースがありました。しかし、騒音でなくなれば、こういったケースはなくなります。 教育施設の隣に引っ越してきて「子供の声がウルサイ」と怒鳴り込んでくるのはおかしいだろうと思いますが、そういう人がいるのです。しかも結構多いのです。精神異常みたいな人も居るし、異常に音に過敏な人も居ます。ただ、初老の男が多いような気がします。騒音苦情は解決が厄介です。もし、「子どもの声は騒音でない」と規定されれば、またひと悶着起きそうです。 ■ クレーマーを押え付ける法的根拠を確立すべき 少年野球のコーチを23年間やっている立場からすると、小学生が大きな声を出し、指導者が叱咤激励する声をウルサイと言うのは、その立地や時間帯の状況から、断定的には言えませんが、一般論からすれば我慢して辛抱すべきです。社会というのは全員一致の原則では成り立ちません。例えば筆者の専門である『空調の快適性』の場合で申し上げれば、8割の人が快適、もしくは普通という場合でも、2割は不快なのです。2割の人が快適と思う空調をやると多数が不快になるのです。何故かはお分かりと思いますが、では少数派の不快者がクレームを付けて怒鳴り込んだらどうなるか?社会の安穏が脅かされます。役所の社会体育課や教育委員会は「少年の健全育成のために我慢していただけませんか?」と言うでしょうが、こうした反社会的な連中は、それでは収まりません。暴対法のような法律があってもヤクザが現存する社会です。まさか金一封でお引取りを、というわけには行きませんよね。結局練習時間帯を限定したり、練習場所を河川敷に移動するなどの手を打つことになります。「子どもの声」を、規制対象から外すという東京都の検討は歓迎です。2代前の都知事なら、そういうクレームには「うるさい!黙れ!」と一喝したでしょうが、役所というのは社会全体の宝である子供たちを最優先にして、そうしたクレーマーを法的に押え付ける根拠を確立すべきです。 ■ 原発再稼動へ 鹿児島県の川内原発の再稼動を求める陳情に対し、薩摩川内市、鹿児島県議会がこれを支持し、鹿児島県知事も認める決定を下して、反対する人たちの声を報道するメディアを見ていて思うのですが、急激に反対派のデモ参加者が減ったとかを報道しながらも「福島を忘れたか?」のような論調も目立ちます。福島原発の事故は想定外のことが起きたと当初言いながら、実は対処が甘くて起きた人為的とも言える事故だったことがその後明らかになりました。御嶽山の水蒸気爆発のように、あるいは広島市の地すべりのように、自然災害が一番怖いのです。福島原発は、アレだけ多くの命を奪った大津波に見舞われながらも、よくぞ停止した、というほうが正しいと思います。もちろん設計のミスによって原子炉冷却停止したことによってメルトダウンし、水素爆発によって飛散された放射性物質によってふるさとを追われた方たちに対しては補償が必要です。しかし、それと原子力の利用をクソミソ一緒にしてはいけません。日本人は原子力と言うとヒロシマ、ナガサキのことがあって悪と思う人が多いかもしれませんが、あれは米国の戦争犯罪です。原子力が悪いのではなく米国が悪いのです。取り違えてはいけません。原発再稼動反対デモの参加者が減ったのは、そうした考えの人が社会の少数者に逆戻りしたからです。 ■ 人類生存のインフラ技術世界トップの日本、後戻りするな! 原子力というのも自然の力のひとつです。私たちが生きていられるのは太陽の光や熱のおかげですが、これは核融合という原子力です。原発は核分裂で発生した熱エネルギーで蒸気タービンを回すものですが、二酸化炭素を発生させて地球温暖化を促進して人類の未来を危機に陥れる火力発電をやめさせるためには必要不可欠です。私たちはもはや電気なしでは生きていけません。再生可能エネルギーですべてがまかなえる日まで原子力でつなぐことは必要です。化石エネルギー極少の日本では原子力利用は貴重で、そのための技術は今や世界トップです。新幹線やリニア鉄道なども世界一です。特に電気技術の極みである超伝導リニアはドイツが撤退したことで日本の独壇場ですが、やがて中国が追ってくるでしょう。人類の未来に絶対に必要なのは空気と水と食糧です。空気をきれいにする技術、水をきれいにする技術も日本がトップです。すなわち人類の生存に不可欠なインフラ整備のために、世界の人々は日本に期待しているのです。その技術によって世界中の人々から代償のお金を頂くことが資源小国ニッポンの生きる道です。常に、そのための技術をリファイニングして行くことが日本の生きる道です。後戻りしてはいけません。 ■ 変わる世界情勢 北朝鮮と日本が話し合いのテーブルに着きました。APECで中国の習近平国家主席と安倍首相が会談することになりました。韓国と日本の首脳会談も模索されています。モスクワで日本武道団の演武会をやっていたら、そこにAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に出席するため北京へ出発する直前のプーチン大統領が現れて、周りの人も気付かなかったようですが、団長としてモスクワ訪問中の高村正彦自民党副総裁や、柔道家の山下泰裕副団長らと言葉を交わしました。プーチン大統領がサプライズで現れたのは、ロシアの日本に対する友好の気持ちの現れです。その模様がロシア国営テレビでも報じられたことは、ロシア国民に対するアピールでもあったと考えられます。一方アメリカでは議会中間選挙によって、上下院ともに共和党が過半数となりました。内向きオバマが不人気になったためです。共和党好きの安倍晋三にとっては良い結果です。すなわち日本政府にとっては今良い風が吹き始めたわけです。ただオバマの不人気が米国民にとって良いかは疑問です。民主党の人気が落ちて共和党が上がったか?と言うとそうではありません。ヒラリー・クリントンなら話は別なのです。オバマは期待が大きかったのに、格差縮小に挑んで跳ね返されました。それなら国内経済を良くしようと海外での軍事支出を減らす内向き政策を採った結果、米国経済は好調となり、世界の中でひとり勝ちの様相です。ところがイスラム国などへの当初の対応で国内中間層の反発を招き、支持層の貧困層やマイノリティが格差拡大を受けて、言ったことと結果が逆じゃないか!と怒ったわけです。先の日本における民主党の大敗と構造は同じです。失望がこの結果を招いたわけで、実は共和党や自民党への支持が拡大したわけではありません。格差拡大路線の安倍晋三と縮小路線のオバマのどちらに温かい風が吹くか、結果が現在の流れを示しています。前回紹介した格差拡大社会への流れが着実に進んでいるということです。「流れ」というのは野球でもそうですが、「気持ち」なのです。 ■ 日本の選ぶ道はサドンデスではなくタイブレーク 日本はサドンデスを選んではいけません。資源小国、海洋大国ゆえに、世界中の国々と仲良くして、それらの国々のインフラ整備に貢献して、国民に感謝されて対価を頂く、それは原子力技術であり鉄道技術であり、空気と水をキレイにする技術であり、農業技術です。日本人の良さをアピールして、世界の人々が争わず仲良くすることに貢献する、いわば宮沢賢治のイーハトーブの精神を世界の人々に紹介することによって、日本に行ってみたいという観光客を誘致する、これが21世紀の日本のあるべき姿です。日本国政府が「クールジャパン」と言って、日本のステキなところを海外へ発信していますが、資源小国日本の資源はまさにここにあるのであって、宮沢賢治のイーハトーブの精神こそが最も典型的「クールジャパン」です。日本は内向きになってはいけません。エネルギー資源は少なくても、実は上に述べた、外国には無い大きな資源があるのです。その上で、今もっとも大事なことは、近隣のアジア各国、とりわけ中韓露、北朝鮮との緊張をタイブレークしていくことです。 ■ 故郷の空 NHK連続テレビ小説「マッサン」で、ヒロイン・エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)がよく歌うスコットランド民謡「故郷の空」、この曲は古くから知られるスコットランド民謡で、曲自体は1790年代につくられたものです。原曲の題名は「Comin’ Thro’ the Rye」です。
(2014年11月9日) |