39 日本の品質がおかしい
「品質の国」という日本の代名詞が揺らいでいるように見えます。JR北海道の度重なる事故と、保線のずさんさ、分かってみたら中堅社員が少ないという構造的欠陥、ヒトの問題になると短期に是正できません。JR東日本の支援を受けるようです。ただ、JRにせよ、私鉄にせよ、今や運航遅延は当たり前、正確な日本の鉄道運行というのは過去の物語となりました。懐中時計のポッポ屋よ、今いずこ。食品偽装の問題にいたっては、偽装するのが当たり前みたいです。もはや一流レストランも信用できません。偽装したくなるのは、日本人のブランド信仰に由来するとの見方がありますが、それも真なりと思います。「ブランド」については反面もあるので後で触れます。
■想定外の事故に対応できないようになってきた 最近、体系化された手法にほころびが見えるようになってきたことが、日本の品質に対する疑問になっています。近年の変化は、爆発などの事故の頻発です。最たるものは福島第一原発事故でしょうね。これは製造品質ではなく、設計品質です。津波が来ると分かっていて、対策したようでいて、制御盤を冠水するような場所に置いていました。電気は水を被ったらショートします。津波が来ることを想定していながら、電気屋中の電気屋である東京電力が何故そこに思いを至らせることができなかったのか?それは想定しているつもりで、実は想定していなかったということです。 職人的技術者は製品の製造プロセスにおいて、まさに五感を使って品質をコントロールしていました。製造現場の臭いや、製品の出来栄えの目視などから、「何かがおかしい」という発見をしていました。不良品や事故が発生する前には、いつもと違う「何か」が発生します。彼らは「何か」を敏感に感じ取り、不良品や事故を未然に防いでいました。現在の体系化されたプロセスには、この「何か」を感じ取る仕組みが決定的に不足しています。 現在の製造プロセスの中でも、試験はたくさん行っています。出荷前の製品に不純物が混じっていないかセンサーを使ってチェックしています。しかし、ここでチェックできるのは「予期できる不良」のみであり、「予期していない不良」を発見することはできないのです。このような予期していない不良を「想定外」と呼んでいます。想定外の事故を防止することも、発生した事故を解決する能力も無い、今の日本の製造現場はこのような状況になりつつあるのです。 ■ブランド
■情緒的品質がブランドにつながる ではブランドとはなんでしょうか?ゆるぎない品質を誇るもの、そして、何か眼に見えない情緒的な満足感を与えるもの、それが品質を構成する重要な部分なのです。その「情緒的品質」を強めることがブランドづくりにつながります。日本は情緒的品質に細やかに対応できる職人を多く抱えています。ただ、機能的品質よりそれを軽視してきたがために、なかなかブランドができなかったのです。しかし近年明らかにこれは変わりつつありますね。 顧客の満足度のレベルがどんどん上がっています。客が満足と言っていても、本当は不満でないだけの状況だったりします。顧客からすれば、すこぶる満足、さらには感動している状態を言っているのではなく、ただ不満でないだけの状態なのかもしれません。今まで日本品質といわれるものの多くは、このいわば機能的品質を満たす価値だったのではないでしょうか。ヨーロッパのブランドとして好まれている商品を見ると、わくわく感、どきどき感があります。同じ機能的品質と思われるものでも、ちょっと違う感覚を与えてくれます。日本の場合は機能的に耐久性がいいとか、清潔でてきぱきしているとかの評価が多かったと思います。 ■品質が日本の命
■おもてなし もう一つの日本の品質がお客様のおもてなしです。これはいつかまた触れますが、西洋人のみならず、中韓、ASEANの人たちが日本観光に来て一番うれしいのが日本人の接客です。日本人が当たり前と思っている心づくしが、信じられないほどうれしいと言います。これは是非、日本に来て頂いて、体験してもらわなければなりません。最近起きている偽装を払拭しましょう。 ■徳洲会 騒がれてますね〜。でも多分大多数の日本人は、政治家があんなことやるのは当たり前と思っているのではありませんか?自民党のセンセイたちも、火の粉をかぶらぬようジッとしているようですが、今なぜ徳洲会が騒がれるのか、何かキナクサイ。徳田虎雄氏が一代で巨大な病院チェーンを作り上げたのはスゴイですが、その信念は多とすべきです。 ■COP19で日本が非難の的に 地球温暖化対策として、日本政府が決定した温室効果ガスの新たな削減目標について、温暖化対策を話し合う国連の会議、COP19に参加している先進国や途上国からは、これまでの目標より削減する数値が大幅に低くなっていることから批判の声が相次ぎました。日本国政府は温暖化対策として、2020年までに温室効果ガスの排出量を2005年と比べて3.8%減らすという新たな目標を決定しました。今回の目標は、国内の原発がすべて停止していると仮定していて、1990年と比べると25%削減するという鳩山内閣時の目標に比べて大幅に数値が低くなるうえ、1990年より排出量は3.1%増加することになります。25%減が3.1%増ですよ。その落差28%!!!これは詐欺だ、と言われても仕方ありません。 COP19では、EU代表が「各国の取り組みを前進させようという会議での議論に明らかに逆行するものだ」と強く非難したほか、中国政府の代表が「落胆を言い表すことができない」と述べるなど、先進国や途上国から厳しい批判の声が上がっています。南太平洋の島国フィジーの代表は、「日本など先進国が以前、約束したとおりに温室効果ガスの削減を進めていないことに失望しています」と日本の姿勢を強く批判しました。ブラジルの代表は、「先進国の一部の国がこれまでの目標を撤回したことを注視する必要がある」と述べ、日本がこの問題により野心的に取り組むよう働きかけて行くとしています。 ■原発再稼動せよ COP19でフィリピン代表が涙ながらに地球温暖化で台風が巨大化して国民が被害を受けている、対策にみんなで力を合わせましょう、と訴えて、会場からの拍手が1分間鳴りやまなかったということです。そんなときにお隣の国ニッポンが逆行することを言ったわけですから非難集中するのは当たり前です。日本は自分さえ良ければ良いという利己的な国と捉えられました。原発と地球温暖化とどっちが問題か?比較することさえナンセンスです。近頃の地球温暖化による災害で、世界中で被災者が急増しています。 自民党の石破幹事長は、停止中の原子力発電所の再稼働を進めるとともに、将来は原発の新規建設もあり得るとの考えを示しました。当然です。石破氏は、小泉純一郎元首相が原発をただちに廃止すべきだと主張していることについて、「『原発ゼロ』という歯切れのいい発言に多くの国民が賛同している状況は、政権党として絶対に無視はできないが、自民党で賛同する議員は数人だろう」と述べました。海外から一斉に批判を浴びる日本、同盟国の米国も、ロシア、中国、英仏も皆日本と対極に有り、唯一ドイツだけが脱原発、まるで第2次世界大戦前の状況ソックリです。安部総理や石破幹事長が毅然として国民に訴えることが必要です。小泉劇場に惑わされてはなりません。地球温暖化で世界が危機を迎えているときに日本が進むべき道は決まっています。福島の人たちが原発のために故郷に帰れないことは、政府がそれを規制しているのです。これも正しく科学的に見直しましょう。 ■島倉千代子さんが死んでしまった
■すき家の牛丼 250円キャンペーンを20日までやっています。2回前に「牛丼はかけそばより安い」と書きました。ただし、筆者の概念に有る牛丼にはすき家は入っていません。肉は・・・・だし、しょうがは・・・・です。 (2013年11月17日) |