21  Googleグループ

 インターネットのメーリングサービス「Googleグループ」で、中央官庁や企業の内部情報などが誰でも閲覧可能になっていた問題が波紋を広げています。実は私達も大学同窓会の役員間でGoogleグループを使っています。しかし、メンバー以外に公開するはずは無く、ちょっと信じられないながら、ポカミスとしては十分有り得ることです。まさかグループオーナーがそんなミスをするはずが無い?いいえ、まさかや想定外は常にあるのです。
 新聞報道では、少なくとも4つの省庁の職員が業務メールを公開しており、環境省では国際条約の交渉過程なども誤って公開していたそうです。また、全国の医療機関などでカルテなど、本来公開すべきでない内部情報が閲覧できるようになっていたそうですよ。さらに、大手新聞社や通信社などのメディアについても、紙面に掲載する前の記事企画などの情報が外部に漏れていたそうです。
 結局、クラウドサービスに不慣れであることが原因でしょう。Googleグループは便利なツールですが、このような情報漏洩を起こさないために、いますぐチェックすべき点とは?

■情報を公開するか否か?

 自分が利用している「グループ」の情報が公開されているかどうかをチェックする方法は、
@まず、Googleグループにアクセスし、「マイグループ」から、参加しているグループを選択してクリック
Aグループ名の右側に表示されている「このフォーラムについて」という部分をクリック
B「グループ名」「説明」「メンバー」など、グループについての説明書きが表示されますが、注目すべきなのは「アクセス」という部分です。ここにもし「誰でもコンテンツを閲覧できます」という表示があれば、それは文字通り、誰でもアクセスできる状態、つまり、投稿内容が「一般公開」されているということです。逆に「メンバーだけがコンテンツを閲覧できます」と表示されていれば、そのグループの投稿内容は、外部に公開されていません。
 「公開」、「非公開」を変更できる権限を有するのは、グループの「オーナー」なので、設定を変えるには「オーナー」に連絡することです。設定は簡単ですが、これは省略します。


夏は梅干で乗り切ろう(2001年の梅干)


■便利の反面に要注意
 今回のように、数多くの省庁や医療機関などの重要な情報が閲覧可能状態になっていたという実態を踏まえると、単に不注意とかポカミスと言い切ってしまっていいのか?という疑問が出ます。問題なのは、Googleグループが初期状態で「一般公開」される設定になっていることです。セキュリティに鑑みれば、デフォルト設定は「非公開」であるべきだと思います。
 「Googleの利用規約は《ユーザーは、本サービスを利用することにより、本規約に同意することになります》としています。つまり、Googleグループを利用する際には、この利用規約が適用されることになります。そして、《Google は、本サービス内のコンテンツ、本サービスの特定の機能、その信頼性、利用可能性、またはユーザーのニーズに応える能力について、何らの約束もしません。本サービスは『現状有姿で』提供されます》としています。『現状有姿』、現在あるがままの姿でという意味は、利用者が、サービスがそういった状態にあることを理解した上で使い、Googleグループにおける公開、非公開の設定も、自らの判断で行う必要がある、と言っているのです。つまり、もともとの設定がわかりにくかったからからといって、Googleの法的責任を追及することは難しいでしょう。便利なサービスには反面の注意点があるものです。特に、公開すべきでない情報をネット上で取り扱うような場合は細心の注意が必要ということを、今回の事例は教えています。

■帰らざる河

 2013年6月27日の毎日新聞経済面のコラム「経済観測」で、我が郷土の大先輩である高橋 温・三井住友信託銀行相談役が昨今の金融市場の振幅に触れていました。
 曰く、「もはや金融市場の不安定性は『帰らざる河』となった」という主旨です。企業家は、金融危機はいつでもどこでも起こり得るもの、相場の激しい騰落も日常的なものと達観し、後講釈は学者に任せた方がよいと言うのです。言わば理屈で通らない流れに逆らっても無駄、マネーゲームの世界では何が起きても不思議ではない、言わばどっぷり浸かるのではなく、新たなる『帰らざる河』を渡った新天地で生き抜く覚悟を定め、本業の進化、革新に最大の力を注ぐべきである、ということです。
 『帰らざる河』と言ったらマリリン・モンローじゃないの?と思ってしまいました。高橋さん世代で無いと出て来ない言葉ですね。金融のプロでさえも先行きが見通せない、すなわち素人はマネーに手を出すべきではないということです。


夏は朝顔


■今年も勝手にサマータイム
 暑い時期には満員電車は耐えられません。しかもこの時期は電車で気持ち悪くなる乗客が出て、その救護のために電車が遅れることがあります。その確率はピーク時間帯ほど高いので、その前の空いている時間帯に電車を乗り降りしてしまえば、遅れるリスクも少ないわけです。そこで会社に7時に着くことにしました。そうなると帰りも早くしないと睡眠時間が確保できません。飲みに行ったりするのは極力週末限定にしましょう。
 早朝時間帯は気温も比較的低く、作業がはかどります。やはり太陽と共に起きて、太陽と共に寝る、これが本来の人間活動だと思うので、勝手にサマータイムを実施することにしました。しかし、その初日、夜21時15分に寝たら目覚めたのは9時間後、余程体内に疲れが溜まっていたのでしょう。
(2013年7月13日)


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